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エピローグ:光の差す場所
舞台の大成功から、一年が経った。
季節は巡り、また雨の多い六月を迎えている。
「湊、そこの塩、取ってくれるか」
「はい、どうぞ」
キッチンのカウンターで、俺と海翔は並んで夕食の準備をしていた。一年前、モデルルームのように生活感のなかったこの部屋は、今ではすっかり俺たちの「家」になっている。
あの日を境に、俺の人生は再び光を取り戻した。
舞台でのパフォーマンスと、俺が手掛けた音楽は高く評価され、俺は実力派の舞台俳優、そして作曲家として、確固たる地位を築き始めていた。
もちろん、俺たちの関係を色眼鏡で見る人間が完全にいなくなったわけではない。だが、俺たちの仕事に対する真摯な姿勢と、海翔の揺るぎないサポートのおかげで、世間は俺たちを「公認のカップル」として、温かく見守ってくれるようになっていた。
海翔も、トップ俳優として第一線を走り続けている。スキャンダルを乗り越え、さらに深みを増した彼の演技は、多くの人々を魅了していた。
「……できた。湊、運ぶの手伝って」
「うん」
テーブルに、彩り豊かな料理が並ぶ。二人で一緒に料理をする。なんてことない、穏やかな時間。この日常が、何よりも愛おしい。
食事をしながら、最近の出来事を報告し合う。
「次の舞台の曲、どう?」
「うん、良い感じ。今度、聴いてくれる?」
「もちろん。楽しみにしてる」
そんな会話が、心地良い。
食事が終わり、二人でソファに座って、映画を観る。ごく自然に、海翔の肩に寄りかかると、彼が俺の髪を優しく撫でた。
一年前の今頃は、絶望の淵にいたなんて、信じられない。
「……海翔さん」
「ん?」
「俺、新しいラブソングを作ったんだ」
「へえ」
「あなたへの、歌」
俺がそう言うと、海翔は少し驚いたように目を見開き、それから、たまらなく愛おしそうな顔で微笑んだ。
「……聴かせてくれるか」
「うん。今度、ピアノで弾くね」
「楽しみだな」
彼は、俺の額に優しいキスを落とした。
捏造されたスキャンダル。失われたステージ。絶望の中で出会った、たった一つの光。
嵐のような日々を乗り越えて、俺たちが見つけたのは、こんなにも穏やかで、満たされた日常だった。
これからも、きっと色々なことがあるだろう。でも、もう怖くない。
二人でいれば、どんな道も、光の差す場所に変えていける。
窓の外では、優しい雨が降っている。
あの日、俺の全てを奪ったはずの雨は、今では、俺たちの愛を育む、穏やかなBGMのように聞こえた。
俺たちは、これからもこの光の差す場所で、共に歩んでいく。
甘く、満たされた未来を、二人で誓い合いながら。
季節は巡り、また雨の多い六月を迎えている。
「湊、そこの塩、取ってくれるか」
「はい、どうぞ」
キッチンのカウンターで、俺と海翔は並んで夕食の準備をしていた。一年前、モデルルームのように生活感のなかったこの部屋は、今ではすっかり俺たちの「家」になっている。
あの日を境に、俺の人生は再び光を取り戻した。
舞台でのパフォーマンスと、俺が手掛けた音楽は高く評価され、俺は実力派の舞台俳優、そして作曲家として、確固たる地位を築き始めていた。
もちろん、俺たちの関係を色眼鏡で見る人間が完全にいなくなったわけではない。だが、俺たちの仕事に対する真摯な姿勢と、海翔の揺るぎないサポートのおかげで、世間は俺たちを「公認のカップル」として、温かく見守ってくれるようになっていた。
海翔も、トップ俳優として第一線を走り続けている。スキャンダルを乗り越え、さらに深みを増した彼の演技は、多くの人々を魅了していた。
「……できた。湊、運ぶの手伝って」
「うん」
テーブルに、彩り豊かな料理が並ぶ。二人で一緒に料理をする。なんてことない、穏やかな時間。この日常が、何よりも愛おしい。
食事をしながら、最近の出来事を報告し合う。
「次の舞台の曲、どう?」
「うん、良い感じ。今度、聴いてくれる?」
「もちろん。楽しみにしてる」
そんな会話が、心地良い。
食事が終わり、二人でソファに座って、映画を観る。ごく自然に、海翔の肩に寄りかかると、彼が俺の髪を優しく撫でた。
一年前の今頃は、絶望の淵にいたなんて、信じられない。
「……海翔さん」
「ん?」
「俺、新しいラブソングを作ったんだ」
「へえ」
「あなたへの、歌」
俺がそう言うと、海翔は少し驚いたように目を見開き、それから、たまらなく愛おしそうな顔で微笑んだ。
「……聴かせてくれるか」
「うん。今度、ピアノで弾くね」
「楽しみだな」
彼は、俺の額に優しいキスを落とした。
捏造されたスキャンダル。失われたステージ。絶望の中で出会った、たった一つの光。
嵐のような日々を乗り越えて、俺たちが見つけたのは、こんなにも穏やかで、満たされた日常だった。
これからも、きっと色々なことがあるだろう。でも、もう怖くない。
二人でいれば、どんな道も、光の差す場所に変えていける。
窓の外では、優しい雨が降っている。
あの日、俺の全てを奪ったはずの雨は、今では、俺たちの愛を育む、穏やかなBGMのように聞こえた。
俺たちは、これからもこの光の差す場所で、共に歩んでいく。
甘く、満たされた未来を、二人で誓い合いながら。
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