過労死転生した悪役令息Ωは、冷徹な隣国皇帝陛下の運命の番でした~婚約破棄と断罪からのざまぁ、そして始まる激甘な溺愛生活~

水凪しおん

文字の大きさ
20 / 24

第19話:「ざまぁ」な断罪劇

しおりを挟む
 王国の決定に従い、帝都の大広場には、巨大な特設裁判所が設けられた。
 裁判の様子は、帝国民だけでなく、多くの王国民にも公開されることになった。これは、カイゼルの「全ての真実を、白日の下に晒すべきだ」という意向によるものだった。

 被告人席に引きずり出されたのは、ゲオルグとエレノア。
 二人とも、かつての威勢は見る影もなく、憔悴しきっている。
 裁判長は帝国の最高判事が務め、その隣には、オブザーバーとしてカイゼルが座っていた。俺は、カイゼルの隣にある特別席から、その様子を見守っていた。

 裁判が始まると、検察官役のヴィクトルが、次々と証拠を突きつけた。
 ヴァインベルク公爵家の横領を示す帳簿、ゲオルグに土地を奪われた領民たちの涙の訴え。
 ゲオルグは最初こそ「俺は知らない!」と喚いていたが、動かぬ証拠を前に、やがて顔面蒼白になっていく。

 次に、エレノアの罪状。
 素性を偽った罪、そしてリオンを陥れるために仕組んだ、階段突き落とし事件の真相。
 現場近くに隠されていた、エレノアが事前に用意していた「偽の血糊」が入った小瓶が、決定的な証拠となった。

 追い詰められた二人は、生き残るために、見苦しい罪の擦り付け合いを始めた。

「私は、ゲオルグ様にそそのかされただけです! リオン様を追い出せば、私を王太子妃にしてくれると約束したから……!」
 エレノアが、涙ながらに叫ぶ。
「なっ、嘘をつくな! お前から、リオンが邪魔だから消したいと持ちかけてきたんだろうが!」
 ゲオルグが、顔を真っ赤にして怒鳴り返す。
「違います! 全て、この男が仕組んだことです!」
「この悪女め!」

 その醜い争いを、民衆は冷ややかな目で見つめていた。
 もはや、彼らに同情する者など、どこにもいない。

 そして、裁判には特別証人として、アルフォンス王太子が召喚された。
 彼は、全ての真相を知らされ、自分がどれほど愚かだったかを思い知り、力なくうなだれていた。
「私は……エレノアの言葉を、鵜呑みにしてしまった……。リオンが、何度も無実を訴えていたというのに……。私が、間違っていた……」
 彼の情けない告白に、王国民からは、ため息と失笑が漏れた。

 最終的に、判決が下された。
 エレノアは、王家と国民を欺いた詐欺罪で、辺境の修道院への終身禁固。
 ゲオルグは、横領罪及び殺人未遂罪で、北方の鉱山での終身強制労働。
 二人には、それぞれ、二度と日の目を見ることのない、重い罰が与えられた。

 そして、愚かなアルフォンス王太子も、その責任を免れることはできなかった。
 彼は、王位継承者としての判断力に欠けるとして、廃嫡。王位継承権を剥奪され、一貴族として生きることを余儀なくされた。
 まさに、自業自得。痛快なまでの「ざまぁ」な結末だった。

 全ての裁判が終わった後、俺はカイゼルの隣で、静かに呟いた。
「これで、全部終わったんだな……」
「ああ、終わった」
 カイゼルは、俺の肩を優しく抱き寄せた。
「お前を苦しめた者たちは、皆、相応の罰を受けた。もう、何も心配することはない」

 彼の言葉に、俺はこくりと頷いた。
 長かった悪夢は、ついに終わったのだ。
 俺の目の前には、光り輝く、新しい人生が広がっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

虐げられΩは冷酷公爵に買われるが、実は最強の浄化能力者で運命の番でした

水凪しおん
BL
貧しい村で育った隠れオメガのリアム。彼の運命は、冷酷無比と噂される『銀薔薇の公爵』アシュレイと出会ったことで、激しく動き出す。 強大な魔力の呪いに苦しむ公爵にとって、リアムの持つ不思議な『浄化』の力は唯一の希望だった。道具として屋敷に囚われたリアムだったが、氷の仮面に隠された公爵の孤独と優しさに触れるうち、抗いがたい絆が芽生え始める。 「お前は、俺だけのものだ」 これは、身分も性も、運命さえも乗り越えていく、不器用で一途な二人の成り上がりロマンス。惹かれ合う魂が、やがて世界の理をも変える奇跡を紡ぎ出す――。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!

水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。 それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。 家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。 そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。 ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。 誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。 「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。 これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。

悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?

水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。 断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。 しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。 これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?

新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました

水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。 新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。 それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。 「お前は俺の運命の番だ」 彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。 不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

婚約破棄された悪役令息は隣国の王子に持ち帰りされる

kouta
BL
婚約破棄された直後に前世の記憶を思い出したノア。 かつて遊んだことがある乙女ゲームの世界に転生したと察した彼は「あ、そういえば俺この後逆上して主人公に斬りかかった挙句にボコされて処刑されるんだったわ」と自分の運命を思い出す。 そしてメンタルがアラフォーとなった彼には最早婚約者は顔が良いだけの二股クズにしか見えず、あっさりと婚約破棄を快諾する。 「まぁ言うてこの年で婚約破棄されたとなると独身確定か……いっそのこと出家して、転生者らしくギルドなんか登録しちゃって俺TUEEE!でもやってみっか!」とポジティブに自分の身の振り方を考えていたノアだったが、それまでまるで接点のなかったキラキライケメンがグイグイ攻めてきて……「あれ? もしかして俺口説かれてます?」 おまけに婚約破棄したはずの二股男もなんかやたらと絡んでくるんですが……俺の冒険者ライフはいつ始まるんですか??(※始まりません)

処理中です...