氷の騎士と浄化のオメガ~「出来損ない」と追放された僕ですが、最強の騎士団長様に拾われて、運命の番としてとろとろに溺愛されています~

水凪しおん

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エピローグ「光の中に、愛は満ちて」

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 レオンと結婚してから、五年という月日が流れた。
 僕の浄化の力によって、アイゼンヴァルト領は、かつてないほどの豊かさに恵まれていた。
 瘴気は浄められ、大地は蘇り、作物は豊かに実る。人々は病に苦しむこともなくなり、城下町はいつも、活気と笑顔に満ち溢れていた。

 僕は今、城の中庭にある、日当たりの良い庭園のベンチに座っている。
 膝の上では、小さな子供が一人、すやすやと寝息を立てていた。
 レオンと僕の間に生まれた、アルファの男の子。アルスだ。
 銀色の髪はレオンに、蜂蜜色の瞳は僕に似ている。

「気持ちよさそうに眠っているな」

 背後から優しい声がして、振り返ると、騎士団長の執務を終えたレオンが、穏やかな笑みを浮かべて立っていた。
 彼は僕の隣に腰掛けると、アルスの柔らかな頬をそっと撫でる。

「今日も、領内の見回りに行ってきた。皆、お前とアルスに感謝していたぞ」
「僕じゃなくて、皆が頑張っているからだよ」
「謙遜するな。お前が来てから、この領は、この国は、光を取り戻したんだ」

 レオンは、僕の肩を優しく抱き寄せた。
 五年前、追放された夜に出会った時と同じ、たくましくて、安心できる腕。

「……ねえ、レオン」
「なんだ?」
「幸せだね」

 僕がそう言うと、彼は「ああ」と短く答えて、僕の額に優しいキスをくれた。

「お前とアルスがいる。これ以上の幸せはない」

 遠くで、騎士団の訓練に励む声が聞こえる。
 ゼクスさんが、若者たちに檄を飛ばしているのだろう。
 僕の足元には、すっかり年を取ったフィンが、気持ちよさそうに丸くなって昼寝をしていた。
 全てが、穏やかで、満ち足りている。

 前世で失ったもの。家族の温かさ、穏やかな日常、誰かに必要とされる喜び。
 その全てを、僕はこの世界で、レオンからもらった。
 彼は、僕の運命の人。
 僕を、深い絶望の淵から救い出してくれた、光。

「レオン、愛してる」
「俺もだ、ユキ。永遠に」

 僕たちは、眠るアルスを起こさないように、そっと唇を重ねた。
 温かい陽の光が、僕たち家族を優しく包み込む。
 出来損ないのオメガと虐げられた僕が、異世界で最強の騎士団長様と運命の番になり、世界を救って、蕩けるほど愛される。
 これは、そんな僕の、最高に幸せな物語。
 そしてこの幸せは、これからもずっと、永遠に続いていく。
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