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第7話「熱と境界線」
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激戦の末、部隊はどうにか撤退に成功した。
妨害電波の発信源を銀狼が破壊したことで、状況が一変したのだ。
だが、その代償は大きかった。
帰還途中、悪天候により輸送機が不時着し、俺とクレイドはとある廃墟の洞窟で孤立してしまったのだ。
外は猛吹雪のような灰の嵐。救援が来るまでには時間がかかるだろう。
洞窟の中、焚き火の明かりが揺れている。
クレイドは壁に寄りかかり、荒い息を吐いていた。
戦闘での無理な同調と、妨害電波の影響で、彼の体は限界を迎えていた。
そして、それ以上に深刻な問題があった。
俺の体だ。
下腹部が燃えるように熱い。
息をするたびに、甘い香りが漏れ出していくのがわかる。
戦闘中、極限状態で精神リンクをしたせいで、ホルモンバランスが崩壊してしまったのだ。
つまり、抑制剤が効かなくなっている。
「……はぁ、はぁ……」
俺は自分の体を抱きしめ、震えを止めようとした。
だが、熱は上がる一方だ。
これが『ヒート』か。今まで薬で抑え込んでいた分、反動が大きい。
「エリアン……」
クレイドが目を開けた。
彼の瞳は、暗闇の中でも爛々と輝いている。
俺から発せられるフェロモンに、彼もまた反応していた。
アルファとしての本能が、理性を食い破ろうとしている。
「近寄らないで、ください……今、俺……」
「わかっている。……いい匂いだ」
彼はふらつく足取りで立ち上がり、俺に近づいてきた。
逃げなきゃいけないのに、体が動かない。
むしろ、彼を求めてしまう。
「ずっと、気になっていた。お前の匂い」
クレイドが俺の前に膝をつく。
その手が、熱を持った俺の頬に触れた。
冷たいはずの手が、今は火傷しそうなほど熱い。
「クレイド様、だめです……ここでそんなことしたら、後戻りできません」
「後戻りなど、最初からする気はない」
彼は俺の耳元で囁いた。
その低い声が、背筋をゾクゾクと震わせる。
「お前は私のものだと言ったはずだ。……それとも、私が嫌いか?」
「嫌いじゃ、ない……です」
「なら、委ねろ」
彼の唇が、俺の唇を塞いだ。
理性が弾け飛ぶ音がした。
外の嵐の音も聞こえなくなるほど、俺たちは深く、貪るように求め合った。
冷たい洞窟の中で、二つの熱だけが溶け合っていく。
それは契約でも命令でもなく、魂が求めた必然だった。
俺はこの時、初めて自分がオメガとして生まれた意味を知った気がした。
妨害電波の発信源を銀狼が破壊したことで、状況が一変したのだ。
だが、その代償は大きかった。
帰還途中、悪天候により輸送機が不時着し、俺とクレイドはとある廃墟の洞窟で孤立してしまったのだ。
外は猛吹雪のような灰の嵐。救援が来るまでには時間がかかるだろう。
洞窟の中、焚き火の明かりが揺れている。
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戦闘での無理な同調と、妨害電波の影響で、彼の体は限界を迎えていた。
そして、それ以上に深刻な問題があった。
俺の体だ。
下腹部が燃えるように熱い。
息をするたびに、甘い香りが漏れ出していくのがわかる。
戦闘中、極限状態で精神リンクをしたせいで、ホルモンバランスが崩壊してしまったのだ。
つまり、抑制剤が効かなくなっている。
「……はぁ、はぁ……」
俺は自分の体を抱きしめ、震えを止めようとした。
だが、熱は上がる一方だ。
これが『ヒート』か。今まで薬で抑え込んでいた分、反動が大きい。
「エリアン……」
クレイドが目を開けた。
彼の瞳は、暗闇の中でも爛々と輝いている。
俺から発せられるフェロモンに、彼もまた反応していた。
アルファとしての本能が、理性を食い破ろうとしている。
「近寄らないで、ください……今、俺……」
「わかっている。……いい匂いだ」
彼はふらつく足取りで立ち上がり、俺に近づいてきた。
逃げなきゃいけないのに、体が動かない。
むしろ、彼を求めてしまう。
「ずっと、気になっていた。お前の匂い」
クレイドが俺の前に膝をつく。
その手が、熱を持った俺の頬に触れた。
冷たいはずの手が、今は火傷しそうなほど熱い。
「クレイド様、だめです……ここでそんなことしたら、後戻りできません」
「後戻りなど、最初からする気はない」
彼は俺の耳元で囁いた。
その低い声が、背筋をゾクゾクと震わせる。
「お前は私のものだと言ったはずだ。……それとも、私が嫌いか?」
「嫌いじゃ、ない……です」
「なら、委ねろ」
彼の唇が、俺の唇を塞いだ。
理性が弾け飛ぶ音がした。
外の嵐の音も聞こえなくなるほど、俺たちは深く、貪るように求め合った。
冷たい洞窟の中で、二つの熱だけが溶け合っていく。
それは契約でも命令でもなく、魂が求めた必然だった。
俺はこの時、初めて自分がオメガとして生まれた意味を知った気がした。
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