処刑されたくない悪役宰相、破滅フラグ回避のため孤独なラスボス竜を懐柔したら番として溺愛される

水凪しおん

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エピローグ「永遠を誓う場所」

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 本編から数年の月日が流れた。
 クリストフ・フォン・ヴァルディオスの卓越した政治手腕と、彼を公私ともに支える魔竜公ダリウス・ナイトレイヴンの絶大な力により、この国は史上最も平和で豊かな時代を迎えていた。
 二人の関係は今や王国の誰もが知るところとなり、民は敬愛を込めて彼らを「双璧の英雄」と呼んだ。
 今日は久しぶりに二人きりの休日だった。
 俺たちは馬に乗って、かつて「嘆きの森」と呼ばれた場所を訪れていた。
 呪いが浄化された森は今では「祝福の森」と呼ばれ、色とりどりの美しい花々が咲き乱れる、光に満ちた場所へと生まれ変わっていた。
 森の中心にある古い祭壇跡。
 俺たちが初めて力を合わせ、信頼を育んだ思い出の場所だ。

「綺麗になったな」

 俺が感慨深げにつぶやくと、隣に立つダリウスが静かに頷いた。

「お前が変えてくれたんだ。この森も、俺も」

 彼はそう言うと俺の前に跪き、小さなビロードの箱を差し出してきた。

「……ダリウス?」

 箱の中には竜涙石をはめ込んだ、一対の美しい指輪が収められていた。

「クリストフ」

 彼は真摯な赤い瞳で俺を見上げ、言った。

「これは竜の一族に古くから伝わる、永遠の愛を誓うための指輪だ。これを交わした番は魂が結ばれ、どちらかの命が尽きるまで離れることはない」

 彼の言葉に俺の胸がいっぱいになる。

「俺はお前と永遠を共にしたい。もう一瞬たりとも、お前と離れたくない」

「……当たり前だろう」

 俺は涙で滲む視界の中、精一杯の笑顔で応えた。

「俺だって君以外は考えられない」

 ダリウスは愛おしそうに微笑むと、俺の左手の薬指にそっと指輪をはめてくれた。
 俺も彼の手を取り、その指に同じ指輪をはめる。
 指輪がお互いの指に収まった瞬間、温かい光が溢れ出し、俺たちの魂が確かに一つに結ばれたのを感じた。
 彼は立ち上がると、俺を強く抱きしめた。

「愛している、クリストフ。俺の、唯一の番」

「俺もだよ、ダリウス」

 祝福の森の柔らかな光の中で、俺たちは再び誓いのキスを交わした。
 破滅の運命から始まった物語は、終わらない愛の物語へと姿を変えた。
 これからもずっと続く二人の幸せな物語。
 その一ページが、今、確かに刻まれた。
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