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第5話「甘すぎる熱と傷痕」
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王宮の貴賓室にある小さな丸テーブルには、リアムがこれまでの人生で見たこともないような豪華な食事が並べられていた。
純白のテーブルクロスの中心には、金色の縁取りが施された陶器の皿が置かれ、その上には香草と一緒にこんがりと焼き上げられた柔らかな子羊の肉が乗っている。
隣の深い器からは、滑らかなクリーム色をしたカボチャのポタージュが甘い湯気を立てていた。
カゴに盛られた焼きたてのパンからは、香ばしい小麦の匂いが部屋中にふわりと広がっている。
クリスタルグラスに注がれた果実水は、窓からの光を受けてルビーのように輝いていた。
リアムは椅子に座ったまま、目の前の光景に圧倒され、両手を膝の上で固く握りしめていた。
長年、冷え切った固いパンや、家族が残したスープの底の冷たい部分しか口にしてこなかったのだ。
こんな美しい食事を、自分が食べていいはずがないという罪悪感が、空腹よりも先に立ってしまう。
向かいの席ではなく、あえてリアムのすぐ隣に腰を下ろしたアレクシスは、リアムの緊張に気づいたように静かに口を開いた。
「どうした。口に合わないか? もし別のものが食べたければ、すぐに料理長に作り直させよう」
「い、いえ! そんなことありません。ただ……その、あまりにも豪華すぎて、どうしていいか分からなくて……」
リアムがうつむき加減で答えると、アレクシスはわずかに目を伏せ、何かをこらえるような表情を見せた。
そして、彼自身の銀のナイフとフォークを手に取ると、リアムの皿にある子羊の肉を、一口大の食べやすい大きさに丁寧に切り分け始めた。
サクッ、という軽快な音とともに、肉汁があふれ出し、食欲をそそる香りがさらに強くなる。
王太子が自ら給仕の真似事をするなど、本来であればあり得ないことだ。
しかしアレクシスは、そんな常識など気にも留めていない様子で、切り分けた肉の皿をリアムの目の前にそっと押し戻した。
「さあ、食べてくれ。君はあまりにも痩せすぎている。少しでも栄養をつけてほしいんだ」
その声の優しさに背中を押されるようにして、リアムは震える手で銀のフォークを持ち上げた。
切り分けられた肉の一片を刺し、恐る恐る口に運ぶ。
舌に触れた瞬間、肉の圧倒的な柔らかさと、噛むたびに広がる濃厚な旨みに、リアムは目を見開いた。
香草の爽やかな風味が鼻へ抜け、胃の奥までじんわりと温かさが広がっていく。
続けてスプーンでポタージュを口に含むと、野菜の自然な甘みと生クリームのまろやかさが、空っぽだった胃を優しく撫でるように染み渡った。
『……美味しい』
あまりの美味しさに、リアムの目頭がツンと熱くなった。
温かい食事というものが、これほどまでに人の心を解きほぐし、安らぎを与えるものだとは知らなかった。
「……美味しいです。とても、美味しい……」
ポロリとこぼれそうになる涙を必死にこらえながら、リアムは小さくつぶやいた。
その言葉を聞いて、アレクシスの張り詰めていた表情がふっと緩み、微かな安堵の笑みが浮かぶ。
それは、冷徹な軍神が絶対に見せることのない、一人の人間としての無防備で穏やかな表情だった。
リアムがパンをちぎろうと両手を使おうとした時、アレクシスの視線がピタリとリアムの手元で止まった。
その視線の鋭さに気づき、リアムはハッとして手を引っ込めようとした。
しかし、それよりも早く、アレクシスの大きな手がリアムの手首を優しく、だが確かな力で掴んだ。
「……その手は、どうしたんだ」
アレクシスの声の温度が、一気に数度下がったように感じられた。
怒っているわけではない。
だが、その声の底には、抑えきれない激しい感情の渦が潜んでいる。
リアムの手は、先ほど侍女に綺麗に洗ってもらったとはいえ、長年の酷使の痕跡がくっきりと刻まれていた。
細い指先にはカマやクワによる無数の切り傷があり、手のひらには硬いタコができている。
冬場の冷水仕事でひび割れた皮膚は赤く腫れ、美しい衣服には全く似つかわしくない、痛々しい労働者の手だった。
リアムは恥ずかしさで顔を真っ赤にし、自分の手を隠そうと身をよじった。
「見ないでください……! 汚いから……」
「汚くなどない」
アレクシスは短く断言すると、リアムの手を両手で包み込むようにして引き寄せた。
タコのある大きな手のひらから、伝わってくる確かな熱。
アレクシスはリアムの傷だらけの指先を、まるで壊れやすい宝石を扱うかのように、そっと親指で撫でた。
「誰が君に、こんな過酷な真似を強いた。なぜ、これほどの傷を負うまで放置されていたんだ」
「僕が……僕が不器用だからです。言われた仕事もまともにできなくて、いつも失敗ばかりで……」
リアムは震える声で答えた。
自分が無能だから、家を追い出されたのだ。
母親の宝石を盗んだという濡れ衣を着せられたのも、普段から自分が家族に信用されていなかったせいだ。
すべては自分がオメガとして劣っているからだ。
そう思い込まされてきた呪縛が、リアムの口から自己卑下の言葉を吐き出させる。
「だから、追い出されて当然だったんです。僕みたいな価値のないオメガは、誰からも必要とされないから……」
「ふざけるな」
バンッ、とアレクシスの手がテーブルを叩く音が響いた。
グラスの水が揺れ、リアムはビクッと肩をすくめた。
怒らせてしまった。
やはり自分は見捨てられるのだと、リアムが絶望で目を閉じた瞬間。
「……すまない、声を荒らげた。君を責めているわけじゃないんだ」
アレクシスの声は、ひどく痛みを堪えるような響きに変わっていた。
彼は上着の内ポケットから、小さな陶器の丸薬入れを取り出した。
蓋を開けると、爽やかな薬草の香りが広がる。
それは王宮の筆頭薬師が調合した、最高級の傷薬だった。
アレクシスは指先に軟膏をすくい取ると、リアムの手のひらの傷跡に、ゆっくりと、丁寧に塗り込み始めた。
「痛くないか」
「は、はい……あの、ご自分のお手が汚れてしまいます……」
「君の傷を癒やせるなら、どれだけ手が汚れようと構わない」
滑らかな軟膏の冷たさと、アレクシスの指先の熱が混ざり合い、リアムの手のひらに不思議な感覚をもたらす。
薬が染み込むたびに、手の痛みだけでなく、心の奥底で硬く結ばれていたしこりまでが、少しずつ溶かされていくようだった。
「君は価値のないオメガなどではない。君がこれまでどんな扱いを受けてきたにせよ、それは君のせいではないんだ」
アレクシスは薬を塗り終えると、リアムの両手を包み込んだまま、真っすぐにその瞳を見つめ返した。
青い瞳の中に、揺るぎない確信と、燃えるような熱情が宿っている。
「君は、私の運命の番だ」
その言葉が落ちた瞬間、部屋の空気が一瞬だけ止まったように感じられた。
運命の番。
アルファとオメガの間にごく稀に生じる、魂の底からの引力。
本能が理性を凌駕し、互いの存在なしでは生きられなくなるという、伝説のような絆。
「……うそ、です」
リアムの口から、かすれた声が漏れた。
信じられるはずがなかった。
自分のような見窄らしくて、取り柄のない人間が、この完璧な王太子の番であるはずがない。
何かの間違いだ。
一時的な気の迷いか、あるいはひどい冗談に違いない。
「嘘ではない。あの雨の夜、君の香りを感じた瞬間、私の魂は君を見つけ出した。君以外の誰にも、私は満たされない」
アレクシスの言葉は、熱を帯びた楔のようにリアムの心に打ち込まれる。
リアムの瞳から、ポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちた。
嬉しさではない。
あまりにも現実離れした幸福を前にして、それを失うことへの恐怖が限界を超えたのだ。
「やめてください……! 僕に優しくしないで……。どうせいつか、僕に飽きて捨てるんでしょう? ジュリアス様みたいに、僕なんかより綺麗で立派な人が現れたら、僕のことはいらなくなるんだ……!」
長年のトラウマがフラッシュバックし、リアムはパニックを起こしたように両手で顔を覆った。
拒絶の言葉をぶつけられ、アレクシスは傷ついたような表情を一瞬見せたが、決してリアムの手を放すことはなかった。
彼は立ち上がり、震えるリアムの体を、椅子ごとすっぽりと自分の腕の中に抱き込んだ。
「絶対に捨てない。誰が現れようと、私の心は君だけのものだ」
耳元でささやかれる低く力強い声。
アレクシスの体から放たれる、森の奥の安らぐような甘い香りが、リアムのパニックを優しく包み込み、少しずつ鎮めていく。
アレクシスの大きな手がリアムの背中を一定のリズムで撫でるたびに、張り詰めていた心がゆっくりと解けていく。
『どうして……こんなに、温かいんだろう』
リアムはアレクシスの広い胸に顔を埋め、子供のように声を上げて泣きじゃくった。
これまでの辛かった記憶、悲しみ、孤独。
そのすべてを涙と共に吐き出すリアムを、アレクシスは何も言わず、ただひたすらに力強く抱きしめ続けていた。
その熱が嘘ではないことを、リアムの奥底にある本能だけは、すでに完全に理解していた。
純白のテーブルクロスの中心には、金色の縁取りが施された陶器の皿が置かれ、その上には香草と一緒にこんがりと焼き上げられた柔らかな子羊の肉が乗っている。
隣の深い器からは、滑らかなクリーム色をしたカボチャのポタージュが甘い湯気を立てていた。
カゴに盛られた焼きたてのパンからは、香ばしい小麦の匂いが部屋中にふわりと広がっている。
クリスタルグラスに注がれた果実水は、窓からの光を受けてルビーのように輝いていた。
リアムは椅子に座ったまま、目の前の光景に圧倒され、両手を膝の上で固く握りしめていた。
長年、冷え切った固いパンや、家族が残したスープの底の冷たい部分しか口にしてこなかったのだ。
こんな美しい食事を、自分が食べていいはずがないという罪悪感が、空腹よりも先に立ってしまう。
向かいの席ではなく、あえてリアムのすぐ隣に腰を下ろしたアレクシスは、リアムの緊張に気づいたように静かに口を開いた。
「どうした。口に合わないか? もし別のものが食べたければ、すぐに料理長に作り直させよう」
「い、いえ! そんなことありません。ただ……その、あまりにも豪華すぎて、どうしていいか分からなくて……」
リアムがうつむき加減で答えると、アレクシスはわずかに目を伏せ、何かをこらえるような表情を見せた。
そして、彼自身の銀のナイフとフォークを手に取ると、リアムの皿にある子羊の肉を、一口大の食べやすい大きさに丁寧に切り分け始めた。
サクッ、という軽快な音とともに、肉汁があふれ出し、食欲をそそる香りがさらに強くなる。
王太子が自ら給仕の真似事をするなど、本来であればあり得ないことだ。
しかしアレクシスは、そんな常識など気にも留めていない様子で、切り分けた肉の皿をリアムの目の前にそっと押し戻した。
「さあ、食べてくれ。君はあまりにも痩せすぎている。少しでも栄養をつけてほしいんだ」
その声の優しさに背中を押されるようにして、リアムは震える手で銀のフォークを持ち上げた。
切り分けられた肉の一片を刺し、恐る恐る口に運ぶ。
舌に触れた瞬間、肉の圧倒的な柔らかさと、噛むたびに広がる濃厚な旨みに、リアムは目を見開いた。
香草の爽やかな風味が鼻へ抜け、胃の奥までじんわりと温かさが広がっていく。
続けてスプーンでポタージュを口に含むと、野菜の自然な甘みと生クリームのまろやかさが、空っぽだった胃を優しく撫でるように染み渡った。
『……美味しい』
あまりの美味しさに、リアムの目頭がツンと熱くなった。
温かい食事というものが、これほどまでに人の心を解きほぐし、安らぎを与えるものだとは知らなかった。
「……美味しいです。とても、美味しい……」
ポロリとこぼれそうになる涙を必死にこらえながら、リアムは小さくつぶやいた。
その言葉を聞いて、アレクシスの張り詰めていた表情がふっと緩み、微かな安堵の笑みが浮かぶ。
それは、冷徹な軍神が絶対に見せることのない、一人の人間としての無防備で穏やかな表情だった。
リアムがパンをちぎろうと両手を使おうとした時、アレクシスの視線がピタリとリアムの手元で止まった。
その視線の鋭さに気づき、リアムはハッとして手を引っ込めようとした。
しかし、それよりも早く、アレクシスの大きな手がリアムの手首を優しく、だが確かな力で掴んだ。
「……その手は、どうしたんだ」
アレクシスの声の温度が、一気に数度下がったように感じられた。
怒っているわけではない。
だが、その声の底には、抑えきれない激しい感情の渦が潜んでいる。
リアムの手は、先ほど侍女に綺麗に洗ってもらったとはいえ、長年の酷使の痕跡がくっきりと刻まれていた。
細い指先にはカマやクワによる無数の切り傷があり、手のひらには硬いタコができている。
冬場の冷水仕事でひび割れた皮膚は赤く腫れ、美しい衣服には全く似つかわしくない、痛々しい労働者の手だった。
リアムは恥ずかしさで顔を真っ赤にし、自分の手を隠そうと身をよじった。
「見ないでください……! 汚いから……」
「汚くなどない」
アレクシスは短く断言すると、リアムの手を両手で包み込むようにして引き寄せた。
タコのある大きな手のひらから、伝わってくる確かな熱。
アレクシスはリアムの傷だらけの指先を、まるで壊れやすい宝石を扱うかのように、そっと親指で撫でた。
「誰が君に、こんな過酷な真似を強いた。なぜ、これほどの傷を負うまで放置されていたんだ」
「僕が……僕が不器用だからです。言われた仕事もまともにできなくて、いつも失敗ばかりで……」
リアムは震える声で答えた。
自分が無能だから、家を追い出されたのだ。
母親の宝石を盗んだという濡れ衣を着せられたのも、普段から自分が家族に信用されていなかったせいだ。
すべては自分がオメガとして劣っているからだ。
そう思い込まされてきた呪縛が、リアムの口から自己卑下の言葉を吐き出させる。
「だから、追い出されて当然だったんです。僕みたいな価値のないオメガは、誰からも必要とされないから……」
「ふざけるな」
バンッ、とアレクシスの手がテーブルを叩く音が響いた。
グラスの水が揺れ、リアムはビクッと肩をすくめた。
怒らせてしまった。
やはり自分は見捨てられるのだと、リアムが絶望で目を閉じた瞬間。
「……すまない、声を荒らげた。君を責めているわけじゃないんだ」
アレクシスの声は、ひどく痛みを堪えるような響きに変わっていた。
彼は上着の内ポケットから、小さな陶器の丸薬入れを取り出した。
蓋を開けると、爽やかな薬草の香りが広がる。
それは王宮の筆頭薬師が調合した、最高級の傷薬だった。
アレクシスは指先に軟膏をすくい取ると、リアムの手のひらの傷跡に、ゆっくりと、丁寧に塗り込み始めた。
「痛くないか」
「は、はい……あの、ご自分のお手が汚れてしまいます……」
「君の傷を癒やせるなら、どれだけ手が汚れようと構わない」
滑らかな軟膏の冷たさと、アレクシスの指先の熱が混ざり合い、リアムの手のひらに不思議な感覚をもたらす。
薬が染み込むたびに、手の痛みだけでなく、心の奥底で硬く結ばれていたしこりまでが、少しずつ溶かされていくようだった。
「君は価値のないオメガなどではない。君がこれまでどんな扱いを受けてきたにせよ、それは君のせいではないんだ」
アレクシスは薬を塗り終えると、リアムの両手を包み込んだまま、真っすぐにその瞳を見つめ返した。
青い瞳の中に、揺るぎない確信と、燃えるような熱情が宿っている。
「君は、私の運命の番だ」
その言葉が落ちた瞬間、部屋の空気が一瞬だけ止まったように感じられた。
運命の番。
アルファとオメガの間にごく稀に生じる、魂の底からの引力。
本能が理性を凌駕し、互いの存在なしでは生きられなくなるという、伝説のような絆。
「……うそ、です」
リアムの口から、かすれた声が漏れた。
信じられるはずがなかった。
自分のような見窄らしくて、取り柄のない人間が、この完璧な王太子の番であるはずがない。
何かの間違いだ。
一時的な気の迷いか、あるいはひどい冗談に違いない。
「嘘ではない。あの雨の夜、君の香りを感じた瞬間、私の魂は君を見つけ出した。君以外の誰にも、私は満たされない」
アレクシスの言葉は、熱を帯びた楔のようにリアムの心に打ち込まれる。
リアムの瞳から、ポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちた。
嬉しさではない。
あまりにも現実離れした幸福を前にして、それを失うことへの恐怖が限界を超えたのだ。
「やめてください……! 僕に優しくしないで……。どうせいつか、僕に飽きて捨てるんでしょう? ジュリアス様みたいに、僕なんかより綺麗で立派な人が現れたら、僕のことはいらなくなるんだ……!」
長年のトラウマがフラッシュバックし、リアムはパニックを起こしたように両手で顔を覆った。
拒絶の言葉をぶつけられ、アレクシスは傷ついたような表情を一瞬見せたが、決してリアムの手を放すことはなかった。
彼は立ち上がり、震えるリアムの体を、椅子ごとすっぽりと自分の腕の中に抱き込んだ。
「絶対に捨てない。誰が現れようと、私の心は君だけのものだ」
耳元でささやかれる低く力強い声。
アレクシスの体から放たれる、森の奥の安らぐような甘い香りが、リアムのパニックを優しく包み込み、少しずつ鎮めていく。
アレクシスの大きな手がリアムの背中を一定のリズムで撫でるたびに、張り詰めていた心がゆっくりと解けていく。
『どうして……こんなに、温かいんだろう』
リアムはアレクシスの広い胸に顔を埋め、子供のように声を上げて泣きじゃくった。
これまでの辛かった記憶、悲しみ、孤独。
そのすべてを涙と共に吐き出すリアムを、アレクシスは何も言わず、ただひたすらに力強く抱きしめ続けていた。
その熱が嘘ではないことを、リアムの奥底にある本能だけは、すでに完全に理解していた。
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