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第8話「愚かな王太子の来訪と、揺るぎない盾」
城門の前には、見慣れた、しかしここには最も相応しくない豪奢な馬車が停まっていた。
金箔で彩られた車体は雪道での走行で泥にまみれ、見るも無惨な姿になっている。護衛の騎士たちも寒さに震え、青白い顔をして立っていた。
私はグリーグ様の背中に隠れるようにして、その光景を眺めていた。
やがて馬車の扉が開き、毛皮のコートを着込んだ人物が降りてくる。
プラチナブロンドの髪に、青い瞳。整ってはいるが、どこか神経質そうな顔立ち。
かつての婚約者、アルフレッド王太子その人だった。
彼は雪の上に降り立つなり、眉間にしわを寄せて周囲を見回した。
「なんて不快な場所だ。寒くて息もできない。……おい、グリーグ将軍はどこだ! 出迎えにも来ないとは何事だ!」
相変わらずの傲慢な態度だ。自分が世界の中心にいると疑わない、その幼稚な振る舞いに、かつての私はなぜ我慢していたのだろうか。今となっては不思議でならない。
グリーグ様が、ゆっくりと前へ進み出た。
その巨体が動くだけで、周囲の空気がビリビリと震えるような威圧感が放たれる。
「……ここにいる。何の用だ、殿下」
敬語を使ってはいるが、そこには敬意のかけらもなかった。低い唸り声のような声音に、王太子の護衛たちがビクリと肩をすくませる。
アルフレッド王太子も一瞬ひるんだようだが、すぐに気を取り直して胸を張った。
「フン、相変わらず野蛮な男だ。まあいい。用があるのはお前ではない。そこにいるジュリアンだ」
王太子の視線が、私に向けられる。
その目には、所有物を見るような不躾な色が宿っていた。
「ジュリアン、こっちへ来い。迎えに来てやったぞ」
まるで迷子になったペットに呼びかけるような口調だ。
私は一歩も動かず、冷ややかな視線を返した。
「……何のご用でしょうか、殿下。私は罪人として追放された身です。今さら迎えに来られる覚えはありません」
私の拒絶に、王太子は心外だと言わんばかりに目を見開き、驚いた顔をした。
「何を言っている。これは慈悲だと言っているのだ。王都では今、疫病が流行っている。お前の薬の知識が必要なのだ。公爵家も、お前の帰還を望んでいる。過去の罪は水に流し、側室として再び迎え入れてやろうと言っているのだぞ?」
正妻ではなく、側室。
しかも「水に流してやる」という言い草。
怒りを通り越して、呆れて笑いが出そうになった。
「お断りします」
私の言葉は、短く、はっきりとしていた。
「なっ……!? き、貴様、王太子の命令に逆らう気か!」
「命令? 今の私は貴族ではありません。ただの平民、そしてこのノースガルドの一住民です。貴方の命令に従う義務はありません」
「この……! 生意気な口を! 衛兵、その男を捕らえろ! 無理やりにでも馬車に乗せろ!」
王太子がヒステリックに叫んだ。
護衛の騎士たちが、ためらいがちに剣の柄に手をかけた。
その瞬間だった。
ドォン!
グリーグ様が、地面を強く踏み鳴らした。
それだけで、まるで地震が起きたかのように地面が揺れ、騎士たちはバランスを崩してよろめいた。
「……俺の領地で、俺の許可なく武器を抜くつもりか?」
グリーグ様の全身から、黄金色のオーラが立ち上っていた。
それはアルファの中でも、頂点に立つ者だけが持つ「王者の覇気」だ。
瞳は金色に輝き、口元からは鋭い犬歯がのぞいている。獣化こそしていないが、その姿はまさしく、激怒した巨大な狼そのものだった。
「ひっ……!」
王太子が情けない声を上げて後ずさる。
「こ、この野蛮人が! 王族に逆らうのか!」
「王族だろうが関係ない。ここは俺の守る地だ。そしてジュリアンは、俺が預かった大事な客人だ。……指一本でも触れてみろ。その細い首を、俺の牙が食いちぎることになるぞ」
比喩ではない、明確な殺気が放たれた。
それは冗談でも脅しでもなく、実行する意志を持った警告だった。
騎士たちは蒼白になり、剣を抜くどころか、ガタガタと震えて動けなくなってしまった。
グリーグ様は私を背後に庇うように立ち、その太い腕で私を抱き寄せた。
「帰れ。二度とこの地に足を踏み入れるな」
その声は、北風よりも冷たく、そして岩のように重かった。
王太子は顔を真っ赤にし、パクパクと口を開閉させていたが、やがて捨て台詞を吐いた。
「お、覚えていろ! こんな仕打ちをして、ただで済むと思うなよ! ジュリアン、お前もだ! 後悔させてやるからな!」
彼は逃げるように馬車に乗り込み、御者に大声で命令して去っていった。
嵐のような騒動が去った後、城門の前には静寂が戻った。
グリーグ様は、遠ざかる馬車が見えなくなるまで睨みつけていたが、やがてふっと力を抜き、私の方を振り向いた。
その瞳から険しい光は消え、いつもの穏やかで、少し心配そうな色が戻っていた。
「……怖くはなかったか?」
彼は私の肩を、大きな手で優しく撫でた。
私は首を横に振った。
「いいえ。グリーグ様がいてくださったので、ちっとも」
「そうか……。だが、奴らは諦めが悪い。また何をしてくるか分からん。しばらくは俺のそばを離れるな」
「はい。……あの、グリーグ様」
「ん?」
「さっき、『大事な客人』って言ってくださいましたけど……」
私は少し上目遣いで彼を見た。
「それだけですか?」
私の問いかけに、彼は一瞬きょとんとし、それから急激に顔を赤らめた。
視線を泳がせ、口元を片手で覆う。
「……今は、まだ、な。これ以上言うと、俺の理性が持たん」
その言葉の意味を察して、私も顔が熱くなるのを感じた。
彼が私をどう想ってくれているのか、痛いほど伝わってくる。
私たちは言葉なく見つめ合い、そして互いの体温を確かめるように、どちらからともなく手を繋いだ。
冷たい風が吹いているはずなのに、繋いだ手のひらは、汗ばむほどに温かかった。
金箔で彩られた車体は雪道での走行で泥にまみれ、見るも無惨な姿になっている。護衛の騎士たちも寒さに震え、青白い顔をして立っていた。
私はグリーグ様の背中に隠れるようにして、その光景を眺めていた。
やがて馬車の扉が開き、毛皮のコートを着込んだ人物が降りてくる。
プラチナブロンドの髪に、青い瞳。整ってはいるが、どこか神経質そうな顔立ち。
かつての婚約者、アルフレッド王太子その人だった。
彼は雪の上に降り立つなり、眉間にしわを寄せて周囲を見回した。
「なんて不快な場所だ。寒くて息もできない。……おい、グリーグ将軍はどこだ! 出迎えにも来ないとは何事だ!」
相変わらずの傲慢な態度だ。自分が世界の中心にいると疑わない、その幼稚な振る舞いに、かつての私はなぜ我慢していたのだろうか。今となっては不思議でならない。
グリーグ様が、ゆっくりと前へ進み出た。
その巨体が動くだけで、周囲の空気がビリビリと震えるような威圧感が放たれる。
「……ここにいる。何の用だ、殿下」
敬語を使ってはいるが、そこには敬意のかけらもなかった。低い唸り声のような声音に、王太子の護衛たちがビクリと肩をすくませる。
アルフレッド王太子も一瞬ひるんだようだが、すぐに気を取り直して胸を張った。
「フン、相変わらず野蛮な男だ。まあいい。用があるのはお前ではない。そこにいるジュリアンだ」
王太子の視線が、私に向けられる。
その目には、所有物を見るような不躾な色が宿っていた。
「ジュリアン、こっちへ来い。迎えに来てやったぞ」
まるで迷子になったペットに呼びかけるような口調だ。
私は一歩も動かず、冷ややかな視線を返した。
「……何のご用でしょうか、殿下。私は罪人として追放された身です。今さら迎えに来られる覚えはありません」
私の拒絶に、王太子は心外だと言わんばかりに目を見開き、驚いた顔をした。
「何を言っている。これは慈悲だと言っているのだ。王都では今、疫病が流行っている。お前の薬の知識が必要なのだ。公爵家も、お前の帰還を望んでいる。過去の罪は水に流し、側室として再び迎え入れてやろうと言っているのだぞ?」
正妻ではなく、側室。
しかも「水に流してやる」という言い草。
怒りを通り越して、呆れて笑いが出そうになった。
「お断りします」
私の言葉は、短く、はっきりとしていた。
「なっ……!? き、貴様、王太子の命令に逆らう気か!」
「命令? 今の私は貴族ではありません。ただの平民、そしてこのノースガルドの一住民です。貴方の命令に従う義務はありません」
「この……! 生意気な口を! 衛兵、その男を捕らえろ! 無理やりにでも馬車に乗せろ!」
王太子がヒステリックに叫んだ。
護衛の騎士たちが、ためらいがちに剣の柄に手をかけた。
その瞬間だった。
ドォン!
グリーグ様が、地面を強く踏み鳴らした。
それだけで、まるで地震が起きたかのように地面が揺れ、騎士たちはバランスを崩してよろめいた。
「……俺の領地で、俺の許可なく武器を抜くつもりか?」
グリーグ様の全身から、黄金色のオーラが立ち上っていた。
それはアルファの中でも、頂点に立つ者だけが持つ「王者の覇気」だ。
瞳は金色に輝き、口元からは鋭い犬歯がのぞいている。獣化こそしていないが、その姿はまさしく、激怒した巨大な狼そのものだった。
「ひっ……!」
王太子が情けない声を上げて後ずさる。
「こ、この野蛮人が! 王族に逆らうのか!」
「王族だろうが関係ない。ここは俺の守る地だ。そしてジュリアンは、俺が預かった大事な客人だ。……指一本でも触れてみろ。その細い首を、俺の牙が食いちぎることになるぞ」
比喩ではない、明確な殺気が放たれた。
それは冗談でも脅しでもなく、実行する意志を持った警告だった。
騎士たちは蒼白になり、剣を抜くどころか、ガタガタと震えて動けなくなってしまった。
グリーグ様は私を背後に庇うように立ち、その太い腕で私を抱き寄せた。
「帰れ。二度とこの地に足を踏み入れるな」
その声は、北風よりも冷たく、そして岩のように重かった。
王太子は顔を真っ赤にし、パクパクと口を開閉させていたが、やがて捨て台詞を吐いた。
「お、覚えていろ! こんな仕打ちをして、ただで済むと思うなよ! ジュリアン、お前もだ! 後悔させてやるからな!」
彼は逃げるように馬車に乗り込み、御者に大声で命令して去っていった。
嵐のような騒動が去った後、城門の前には静寂が戻った。
グリーグ様は、遠ざかる馬車が見えなくなるまで睨みつけていたが、やがてふっと力を抜き、私の方を振り向いた。
その瞳から険しい光は消え、いつもの穏やかで、少し心配そうな色が戻っていた。
「……怖くはなかったか?」
彼は私の肩を、大きな手で優しく撫でた。
私は首を横に振った。
「いいえ。グリーグ様がいてくださったので、ちっとも」
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「はい。……あの、グリーグ様」
「ん?」
「さっき、『大事な客人』って言ってくださいましたけど……」
私は少し上目遣いで彼を見た。
「それだけですか?」
私の問いかけに、彼は一瞬きょとんとし、それから急激に顔を赤らめた。
視線を泳がせ、口元を片手で覆う。
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