オメガだと隠して地味なベータとして生きてきた俺が、なぜか学園最強で傲慢な次期公爵様と『運命の番』になって、強制的にペアを組まされる羽目に

水凪しおん

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エピローグ「黄金の誓い」

 数年の時が流れた。
 ユキとカイ、そして多くの仲間たちの尽力により世界は大きく変わった。オメガの権利は法的に保障され、かつてのような理不尽な差別は過去の遺物となりつつあった。多くのオメガが自分の夢を追いかけ、自分らしく生きられる社会。それは二人が血の滲むような努力の末に掴み取った輝かしい未来の姿だった。

 そして今日、二人は始まりの場所であるアウレリア魔法学園の大聖堂で、正式な番となるための誓いの儀式を執り行っていた。

 ステンドグラスから差し込む荘厳な光が、純白の衣装に身を包んだ二人を優しく照らし出す。
 参列者の中には涙ぐみながら二人を見守る親友リオの姿があった。厳格な表情を崩さずに、しかしその瞳には確かな祝福の色を浮かべている兄のゼノンもいた。かつて敵対したライバルたち、改革を支えてくれた仲間たち。多くの人々が二人の門出を祝福するために集まっていた。

 祭壇の前でユキとカイは静かに向かい合う。

「健やかなる時も病める時も、喜びの時も悲しみの時も、富める時も貧しき時も、これを愛しこれを敬いこれを慰めこれを助け、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

 神官の厳かな問いかけに、二人は同時にそして力強くうなずいた。

「誓います」

 その声は完璧に重なり合っていた。

 誓いの言葉と共に二人の首筋にある「黄金の鎖」が、祝福の光に呼応するかのように穏やかで温かい輝きを放った。それはもはや彼らを縛る運命の証ではない。二人が自らの意志で選び取った、愛と信頼の絆の証だった。

 二人は互いの指に永遠の愛を誓う指輪を交換し、そしてすべての参列者からの温かい拍手の中、誓いの口づけを交わした。

 儀式が終わり二人が大聖堂の扉を開けると、空には彼らの門出を祝うかのように大きく美しい七色の虹がかかっていた。

 彼らが歩んできた道は決して平坦ではなかった。涙も苦しみも、すれ違いもたくさんあった。しかしそのすべてが今日のこの日のための、かけがえのない礎となったのだ。

 固く手を取り合い、新しい世界へと、そして輝かしい未来へと歩み出す二人。
 運命に抗い、自らの手で愛を掴み取った彼らの英雄としての姿は、この先も永遠に語り継がれていくのだった。

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