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エピローグ「雪の森、永遠の誓い」
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あれから、数年の時が流れた。
僕と蓮さんは、人里離れた森の中に立つ、静かな別荘で暮らしている。
都会の喧騒から離れたこの場所は、僕たち二人にとって、本当の安息の地だった。
僕は、料理研究家として、ささやかながら自分のアトリエを構えている。
地元の食材を使った、体に優しいレシピを考案し、雑誌やウェブで紹介するのが僕の仕事だ。
大きな成功ではないけれど、好きなことを仕事にできる毎日は、本当に充実していた。
蓮さんは、橘財閥の当主として、今も日本の経済を動かす中心人物だ。
でも、彼は巧みにリモートワークを取り入れ、一年の半分以上を、この別荘で僕と一緒に過ごしてくれていた。
その日も、外は静かに雪が降っていた。
暖炉の炎が、ぱちぱちと心地よい音を立てている。
僕は、淹れたてのコーヒーを二つ、マグカップに入れて、リビングのソファに座る蓮さんの隣に腰を下ろした。
「ありがとう、湊」
蓮さんは、僕からカップを受け取ると、空いている方の手で、僕の腰を優しく引き寄せた。
僕は、彼の肩にこてんと頭を預ける。
この時間が、僕の一番好きな時間だった。
ふと、蓮さんの体が、柔らかな光に包まれた。
次の瞬間、僕の隣にいたはずの彼の姿はなく、代わりに、ソファにゆったりと横たわる、一頭の美しい銀狼がいた。
月光を浴びた新雪のように輝く、銀色の毛皮。
そして、僕を静かに見つめる、あの黒曜石の瞳。
「蓮さん」
僕が名前を呼ぶと、銀狼は、僕の手にその大きな頭をすり寄せてきた。
僕は、そのふさふさの毛皮に顔をうずめる。
暖かくて、柔らかくて、そして、あの雪の森の香りがする。
僕を、世界で一番安心させてくれる香り。
僕が蓮さんの獣形を初めて見たのは、結婚してすぐのことだった。
橘家に代々伝わる、特別な血筋。
彼は、その力を僕にだけは見せてくれた。
最初は驚いたけれど、怖くはなかった。
だって、その瞳は、紛れもなく僕が愛する蓮さんのものだったから。
僕は、銀狼の喉元を優しく撫でてやる。
グルル、と満足そうな低い声が、彼の喉から聞こえた。
言葉を交わさなくても、お互いの気持ちが伝わってくる。
これが、運命の番というものなのだろう。
「ねえ、蓮さん」
僕は、銀狼に語りかける。
「僕たち、本当に幸せだね」
銀狼は、僕の言葉に応えるように、僕の頬をぺろりと舐めた。
くすぐったくて、思わず笑みがこぼれる。
窓の外では、雪がさらに深々と降り積もっていく。
世界は、僕たち二人と、暖炉の炎の音だけを残して、しんと静まり返っていた。
この穏やかで、満たされた時間が、永遠に続けばいい。
いや、きっと、永遠に続いていくのだろう。
だって、僕たちは、もう離れられないのだから。
この雪の森の奥で、僕たちはこれからもずっと、寄り添って生きていく。
愛する人の温もりを感じながら、僕はゆっくりと目を閉じた。
僕たちの物語は、ここで終わりじゃない。
ここから始まる、永遠の幸せの、ほんの序章に過ぎないのだから。
僕と蓮さんは、人里離れた森の中に立つ、静かな別荘で暮らしている。
都会の喧騒から離れたこの場所は、僕たち二人にとって、本当の安息の地だった。
僕は、料理研究家として、ささやかながら自分のアトリエを構えている。
地元の食材を使った、体に優しいレシピを考案し、雑誌やウェブで紹介するのが僕の仕事だ。
大きな成功ではないけれど、好きなことを仕事にできる毎日は、本当に充実していた。
蓮さんは、橘財閥の当主として、今も日本の経済を動かす中心人物だ。
でも、彼は巧みにリモートワークを取り入れ、一年の半分以上を、この別荘で僕と一緒に過ごしてくれていた。
その日も、外は静かに雪が降っていた。
暖炉の炎が、ぱちぱちと心地よい音を立てている。
僕は、淹れたてのコーヒーを二つ、マグカップに入れて、リビングのソファに座る蓮さんの隣に腰を下ろした。
「ありがとう、湊」
蓮さんは、僕からカップを受け取ると、空いている方の手で、僕の腰を優しく引き寄せた。
僕は、彼の肩にこてんと頭を預ける。
この時間が、僕の一番好きな時間だった。
ふと、蓮さんの体が、柔らかな光に包まれた。
次の瞬間、僕の隣にいたはずの彼の姿はなく、代わりに、ソファにゆったりと横たわる、一頭の美しい銀狼がいた。
月光を浴びた新雪のように輝く、銀色の毛皮。
そして、僕を静かに見つめる、あの黒曜石の瞳。
「蓮さん」
僕が名前を呼ぶと、銀狼は、僕の手にその大きな頭をすり寄せてきた。
僕は、そのふさふさの毛皮に顔をうずめる。
暖かくて、柔らかくて、そして、あの雪の森の香りがする。
僕を、世界で一番安心させてくれる香り。
僕が蓮さんの獣形を初めて見たのは、結婚してすぐのことだった。
橘家に代々伝わる、特別な血筋。
彼は、その力を僕にだけは見せてくれた。
最初は驚いたけれど、怖くはなかった。
だって、その瞳は、紛れもなく僕が愛する蓮さんのものだったから。
僕は、銀狼の喉元を優しく撫でてやる。
グルル、と満足そうな低い声が、彼の喉から聞こえた。
言葉を交わさなくても、お互いの気持ちが伝わってくる。
これが、運命の番というものなのだろう。
「ねえ、蓮さん」
僕は、銀狼に語りかける。
「僕たち、本当に幸せだね」
銀狼は、僕の言葉に応えるように、僕の頬をぺろりと舐めた。
くすぐったくて、思わず笑みがこぼれる。
窓の外では、雪がさらに深々と降り積もっていく。
世界は、僕たち二人と、暖炉の炎の音だけを残して、しんと静まり返っていた。
この穏やかで、満たされた時間が、永遠に続けばいい。
いや、きっと、永遠に続いていくのだろう。
だって、僕たちは、もう離れられないのだから。
この雪の森の奥で、僕たちはこれからもずっと、寄り添って生きていく。
愛する人の温もりを感じながら、僕はゆっくりと目を閉じた。
僕たちの物語は、ここで終わりじゃない。
ここから始まる、永遠の幸せの、ほんの序章に過ぎないのだから。
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