13 / 36
宮野宅 Day 1
第13話 団欒
しおりを挟む
…宮野宅へ帰ると、カレーの匂いと共に乃愛と結衣の楽しそうな声が聞こえた…
宮野家ではよくカレーを作るそうで、常時いろいろなカレールーをストックしているらしい。
キッチンへ向かうと、乃愛ちゃんが起きていて、結衣さんと一緒にカレーを作っていた。
仲の良い姉妹のようだった。
(乃愛ちゃんはピンクのウサギのスリッパを履いていた。可愛い)
その様子を眺めながらリビングで完成を待つ。
対面キッチンなのでよく見える。
カレーは乃愛ちゃんのリクエストで甘口だそうだ。
しばらくして乃愛ちゃんが満面の笑みを浮かべながらカレーとサラダを運んで来てくれる。
まるでメイド喫茶に来たみたいだ。
それにしても、さっきまでよりも乃愛ちゃんの表情が格段に豊かになっている。
結衣さんには完全に心を開いたようだ。
この短い時間で…流石のトークスキルだなぁー。
確かに結衣さんと話してると楽しいもんなと思いつつ、カレーに目をやる。
おいしそうだ。
乃愛ちゃん以外は私も含め、普段は中辛らしいけど、久しぶりの甘口も懐かしくて良い。
(宮野が中野君は甘党だと知っていたので、先ほどのスーパーで甘口のルーを購入しておいたらしい)
隠し味がいろいろ入っているそうだが、乃愛ちゃんは内緒といって教えてくれない。
今度一緒に作ることにしよう。
あっという間に食べ終わってしまって、TVを見ながらみんなで団欒していた。
「そういえば乃愛ちゃん、あの時なんでトイレ行くのに私を誘ってくれたの?」
理科室にはまだ何人か残っていた。
そこから私を選んでくれた理由が気になる。
「あのときは…男子にいってもイミないし 仲良い女の子とかいなかったし それに…」
「グラウンドで目がさめたときに いろはが優しい顔してたから・・・ メーワクだった?」
「そんなことないよ!! 頼ってくれて、すっごく嬉しかったよ!」
そんな、カルガモの刷り込みみたいな理由だったんだ。
他の人を押しのけて強引に最初に乃愛ちゃんの前に出た甲斐があったな。
すっごく、ほわほわする。
理由がかわいい。
今ニコニコしてる乃愛ちゃんもかわいい。
さて、明日は祝日で学校は休みである。
結衣さんも明日はお休みだそうだ。
そこで、明日はみんなで、乃愛ちゃんの服などの調達に行くことになった。
仲のいい梨央ちゃんだけ誘ってみた。
乃愛ちゃんは嫌そうだったけど、女の子の友達を増やすためだ。
我慢してもらおう。
梨央ちゃんは人懐っこいコだから、すぐに仲良くなれると思うんだけど… まぁ会ってから考えるか。
(梨央ちゃんに乃愛ちゃんと一緒にいるとラインしたら、めちゃくちゃ羨ましがられた。かなり優越感を感じる)
ちなみにこの団欒中に乃愛ちゃんに、「藤井さん」ではなく「いろは」と呼んでほしい、とお願いした。
学校でそう呼ばれたとき、ちょっと気になっていたのだ。
(理科室でのガールズトーク中に、どう呼んでほしいか既にお願いしていた女子もいた。彩葉は妄想に耽っていたため、その波に乗れなかった)
ところで、学校にいるときから、乃愛ちゃんは上着に手を入れてお腹側に隙間を作る仕草をよくしている。
暑いのかな?
おへそが見えそうになってドキドキするんだけど、やめてしまうと嫌なので理由は聞けない。
時刻は9時を過ぎ、お風呂タイムがやってきた。
乃愛ちゃんは、一人で入るという意志を匂わせていた。
しかし、結衣さんのその金髪を洗ってみたくて仕方ないというオーラに完敗した。
乃愛ちゃん自身もその長い金髪をどう扱うか分からないようで、悩んだ末に一緒に入って洗ってもらうことにしたようだ。
健全な男子なら美人の結衣さんとお風呂となれば、発情期の猿のように興奮し狂うはずだけど
(完全な偏見。彩葉は本人公認のムッツリスケベだが奥手なため男性経験はない)
乃愛ちゃんは恥ずかしそうにはしているものの、そうはなっていない。
やっぱり、性の知識が抜けているからだろうか。
こうなると、彩葉は女子1人余ってしまった。
個人的には、二人と一緒に入浴なんてしたら、理性が崩壊するのが目に見えるので気にしてなかったんだけど、結衣さんに「一緒に入ろっ」と誘われてしまった。
「ウチのお風呂広いから三人でも大丈夫だよ」とか言ってる。
キャパの問題じゃないんだけどなと思いつつも、もしここで断れば、乃愛ちゃんが嫌われていると感じてしまうかもしれない。
たぶん、そんなことないけど、万が一にも乃愛ちゃんを傷つけるわけにはいかない。
私が自分を強く保てばいいだけだ。
結衣さんもいるし大丈夫だろう。
「入ります! 乃愛ちゃん、一緒に入っていい?」と聞くと
「う、うん。いいよ」とまた、赤くなりながら了承してくれた。
乃愛ちゃんはすぐ赤くなってしまうみたいだ。
感情が丸わかりですごく可愛い。
さらに、結衣さんは悪戯っ子のような顔をしながら「カナタもはいる~?」とか言い出した。
宮野が飲んでいたお茶を吹き出しかけて、何か言葉を発する前に、
「なーんてね。これより先は男子禁制です。覗いたらゆるさないかんな!」とか言って乃愛ちゃんを連れてお風呂場へ向かった。
びっくりした。
なんか結衣さんが言うと本当に誘ってるのかと思ってしまう。
全員脱衣所に入りドアを閉めたのだが、早くもピンチだ。
宮野家ではよくカレーを作るそうで、常時いろいろなカレールーをストックしているらしい。
キッチンへ向かうと、乃愛ちゃんが起きていて、結衣さんと一緒にカレーを作っていた。
仲の良い姉妹のようだった。
(乃愛ちゃんはピンクのウサギのスリッパを履いていた。可愛い)
その様子を眺めながらリビングで完成を待つ。
対面キッチンなのでよく見える。
カレーは乃愛ちゃんのリクエストで甘口だそうだ。
しばらくして乃愛ちゃんが満面の笑みを浮かべながらカレーとサラダを運んで来てくれる。
まるでメイド喫茶に来たみたいだ。
それにしても、さっきまでよりも乃愛ちゃんの表情が格段に豊かになっている。
結衣さんには完全に心を開いたようだ。
この短い時間で…流石のトークスキルだなぁー。
確かに結衣さんと話してると楽しいもんなと思いつつ、カレーに目をやる。
おいしそうだ。
乃愛ちゃん以外は私も含め、普段は中辛らしいけど、久しぶりの甘口も懐かしくて良い。
(宮野が中野君は甘党だと知っていたので、先ほどのスーパーで甘口のルーを購入しておいたらしい)
隠し味がいろいろ入っているそうだが、乃愛ちゃんは内緒といって教えてくれない。
今度一緒に作ることにしよう。
あっという間に食べ終わってしまって、TVを見ながらみんなで団欒していた。
「そういえば乃愛ちゃん、あの時なんでトイレ行くのに私を誘ってくれたの?」
理科室にはまだ何人か残っていた。
そこから私を選んでくれた理由が気になる。
「あのときは…男子にいってもイミないし 仲良い女の子とかいなかったし それに…」
「グラウンドで目がさめたときに いろはが優しい顔してたから・・・ メーワクだった?」
「そんなことないよ!! 頼ってくれて、すっごく嬉しかったよ!」
そんな、カルガモの刷り込みみたいな理由だったんだ。
他の人を押しのけて強引に最初に乃愛ちゃんの前に出た甲斐があったな。
すっごく、ほわほわする。
理由がかわいい。
今ニコニコしてる乃愛ちゃんもかわいい。
さて、明日は祝日で学校は休みである。
結衣さんも明日はお休みだそうだ。
そこで、明日はみんなで、乃愛ちゃんの服などの調達に行くことになった。
仲のいい梨央ちゃんだけ誘ってみた。
乃愛ちゃんは嫌そうだったけど、女の子の友達を増やすためだ。
我慢してもらおう。
梨央ちゃんは人懐っこいコだから、すぐに仲良くなれると思うんだけど… まぁ会ってから考えるか。
(梨央ちゃんに乃愛ちゃんと一緒にいるとラインしたら、めちゃくちゃ羨ましがられた。かなり優越感を感じる)
ちなみにこの団欒中に乃愛ちゃんに、「藤井さん」ではなく「いろは」と呼んでほしい、とお願いした。
学校でそう呼ばれたとき、ちょっと気になっていたのだ。
(理科室でのガールズトーク中に、どう呼んでほしいか既にお願いしていた女子もいた。彩葉は妄想に耽っていたため、その波に乗れなかった)
ところで、学校にいるときから、乃愛ちゃんは上着に手を入れてお腹側に隙間を作る仕草をよくしている。
暑いのかな?
おへそが見えそうになってドキドキするんだけど、やめてしまうと嫌なので理由は聞けない。
時刻は9時を過ぎ、お風呂タイムがやってきた。
乃愛ちゃんは、一人で入るという意志を匂わせていた。
しかし、結衣さんのその金髪を洗ってみたくて仕方ないというオーラに完敗した。
乃愛ちゃん自身もその長い金髪をどう扱うか分からないようで、悩んだ末に一緒に入って洗ってもらうことにしたようだ。
健全な男子なら美人の結衣さんとお風呂となれば、発情期の猿のように興奮し狂うはずだけど
(完全な偏見。彩葉は本人公認のムッツリスケベだが奥手なため男性経験はない)
乃愛ちゃんは恥ずかしそうにはしているものの、そうはなっていない。
やっぱり、性の知識が抜けているからだろうか。
こうなると、彩葉は女子1人余ってしまった。
個人的には、二人と一緒に入浴なんてしたら、理性が崩壊するのが目に見えるので気にしてなかったんだけど、結衣さんに「一緒に入ろっ」と誘われてしまった。
「ウチのお風呂広いから三人でも大丈夫だよ」とか言ってる。
キャパの問題じゃないんだけどなと思いつつも、もしここで断れば、乃愛ちゃんが嫌われていると感じてしまうかもしれない。
たぶん、そんなことないけど、万が一にも乃愛ちゃんを傷つけるわけにはいかない。
私が自分を強く保てばいいだけだ。
結衣さんもいるし大丈夫だろう。
「入ります! 乃愛ちゃん、一緒に入っていい?」と聞くと
「う、うん。いいよ」とまた、赤くなりながら了承してくれた。
乃愛ちゃんはすぐ赤くなってしまうみたいだ。
感情が丸わかりですごく可愛い。
さらに、結衣さんは悪戯っ子のような顔をしながら「カナタもはいる~?」とか言い出した。
宮野が飲んでいたお茶を吹き出しかけて、何か言葉を発する前に、
「なーんてね。これより先は男子禁制です。覗いたらゆるさないかんな!」とか言って乃愛ちゃんを連れてお風呂場へ向かった。
びっくりした。
なんか結衣さんが言うと本当に誘ってるのかと思ってしまう。
全員脱衣所に入りドアを閉めたのだが、早くもピンチだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる