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イヨンモール

第33話 ドンキのアダルトコーナーにて

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…これは、時を少し遡り、ドンキに向かった奏太の物語である…









さて、一人になったわけだが、危なかった。

筋肉ってそんなに触るもんだっけ。



慧は確かに筋肉大好きだったけど、もしかしてみんな好きなのか

姉ちゃんまで来たし。









みんな、自分が可愛いって気づいてないのか。


男子は褒められながら、体触られると興奮しちゃう生き物なんだ。

彩葉ちゃんが途中で切り上げてくれたから良かったものを。



あれからずっと俺、前かがみなんだぞ。

理由は…男子なら分かるよな。













で、今 俺はトイレに籠って、格闘している。

相手は…いきり勃つ俺のジョニーだ。




彼を鎮める方法は勿論知っている。

華麗にフィニッシュを決めればいいだけだ。


でも、できない理由がある。














ーーー





昨日の夜のことだ。




俺は彩葉ちゃんと乃愛が家にいることに興奮していた。

なんともないように振る舞っていたが、そりゃあ興奮するさ。 男の子だもの。





それでさ、三人が風呂行ったじゃん。

その間ずっとモンモンとしてたわけよ。


でも、それは耐えられた。 

俺の鋼の精神でね。





…ん?




「お前が動かないとエロくならねぇだろうが このヘタレ」だって?


うるせぇ、こっちは童貞なんだよ!

いきなり美女3人は委縮するわ! 












その後よ、問題は。

たまたま俺は脱衣所の近くの壁に耳をつけてたんだけど、そしたら



「ンあアァァッ」っていう彩葉ちゃんのドエロイ声が聞こえたんだ。






なにがあったかは全くもって不明だ。

だが、何らかのエロい事が発生したのは確かだ。




気づけばズボンにテントが張られてたんだ。

なんか風呂場から出てきそうな雰囲気があったから、急いでその場を離れて、念のため二階のトイレに籠った。












あの時は正直、痛かった。 

はちきれそうだった。



見たら、普段のフルの三周りくらい大きくなってたんだ。

完全に巨根への仲間入りを果たしていた。



こんな状態で女性陣の前に出たら、それはそれは悲惨なことになると思って、処理することにしたんだ。










あの時は幸せだったよ。


片手じゃ有り余っていた。 

両手で持てた。 


ジョニーの身長はリアルに18㎝以上あったと思う。





気持ち悪いだろうから、あまり詳しくは語らないが、


・・・良かったよ。  



間違いなく過去最高の時間だった。







しかも、俺はなぜか賢者にならずに済んだ。

ジョニーはやや元気がなくなってたが、まだまだイケるぜ! という感じだった。




スッキリした晴れやかな気分でリビングに戻ると、彩葉ちゃんがソファーに寝かせられてたんだ。

みんなは、そこからのことは知っているだろう。








でも、ひとつ言ってないことがあるんだ。


実は彩葉ちゃんが目覚める前に乃愛とすれ違ったんだ。

一瞬。 ほんとに一瞬。







「カナタ なんか知らない匂いする」 


いやー、過去最高に冷や汗かいたね。



女の子は感覚が敏感っていうけど、敏感すぎませんか、乃愛さん。


気づくもんなんですか?

一応、きれいに拭いたつもりなんですけど。









「あぁ、今、部屋で見たことないカメムシ触っちゃったんだよ」

我ながらに苦しすぎる言い訳だったけど、乃愛は良いコだ。


少し距離を取った後に、手を洗うことを勧められた。






幸いなことに姉ちゃんには聞こえてないみたいだった。

バレたら、一生いじり続けられるに違いない。




その後は、みなさんご存じの流れで風呂に行った。


表皮が全部なくなるくらい洗ったさ。 

あんなに落ち着かなかった風呂は初めてだった。















長々と語ったけど、

要するに、ここでフィニッシュすれば乃愛にバレるんだ。


乃愛本人は、匂いの正体は分からないだろうけど、他のメンツに勘づかれたら終わりだ。



ずっと汚物扱いされる。  

それは耐えられない。










でも、ジョニーの硬化は治らない。

処理もできない。




だから、諦めることにしたんだ。 




もちろん、さらけ出すわけじゃない。 

捕まってしまう。


今日の俺のズボンにはベルトがついている。

ジョニーを上に向けて、これで押さえつければ、そこまで膨らみは気にならないはずだ。





ただ、リスクもあって…

ズボンの股上が浅くて、ジョニーが7㎝くらい露出してしまう。



もっこりしてしまうが、Tシャツで隠すことはできる。

まぁ、めくれてしまったらポリスのお世話になるがな。







が、これしかない。

ジョニーをイイ感じにセットして、トイレを出る。



マジで早く収まってくれ。 




ーーー








ギンギンのままドンキについた。

ちなみに、イヨンモールの中に、ドドリア・サンニキスが入っているのは全国でここだけらしい。



俺はここに猫耳を探しに来た。

ごちゃごちゃと様々な商品があるから、猫耳もあるかもしれない。















あるじゃん。

尻尾もあるじゃん。




しかも、耳は結構 高品質だ。 

尻尾はちょっと安っぽいかな。


ちなみに、姉ちゃんから軍資金として1万円もらっている。





耳は買うとして、尻尾どうしようかな。

ちゃっちいな。


耳とセットではなさそうだ・・・




この時、たぶん俺、相当悩んでるように見えたんだろうね。











丸眼鏡の女性店員が話しかけてきた。


誰かに似てるな。

芸能人とかじゃなくて、なんか割と近くの…




「お客様、猫耳にご興味があるんですか!」

「あぁ、友達につけてみたくて」


「女の子ですか! それとも…おっさんですか」


女の子と比べた、男の子へのテンションの下がり方が激しすぎる。






「女の子ですよ」 と答えると露骨に目がキラキラし始めた。

「もしかして、尻尾の品質が気に入らないのでは?」  


鋭い。



「はい、耳は気に入ったんですけど…」

「こちらに、私のおススメの尻尾がございます」 といって店の奥に連れていかれる。











そこは禁断のピンクのカーテンで仕切られた一角。


もちろん俺は真面目だから入ったことはない。 

だってまだ16歳だもん。




俺を18歳以上だと確信してるのか、年齢制限を無視してるのかは分からない。

中から手招きしてくる。



店員さんに勧められたんだから、入ってもいいよね。 

断りにくいし、仕方ないよな。








ーーー





すごかったよ。  


外と全く雰囲気が違った。  

なんか空気がエロかった。  


そういう動画で見たことのあるグッズが所狭しと並んでいる。










まず、一番目立つのが、某 紅白の縞々が有名なアレですわな。


知らなかったんだけど、めちゃくちゃ種類あるんだな。

正直、すごく興味がある。




オーソドックスなのは、たまに薬局とかでも売ってるじゃん。

見つける度に、歩行速度がゆっくりになって、横目でチラ見するよね。


これ、男子中高生あるあるだと思う。



でも、ここには亜種みたいなヤツがいっぱいいる。

黒に赤の縞々とか もはやカッコいい。











で、次に多いのが、女性用のカラフルな震える棒と震えるボール だ。


これらのグッズはパッケージがさ、そんなにエロくないじゃん。 

抽象的な感じのグッズだし。





でも、もちろん具体的なのもいろいろある。


えっちい女の子が描かれた、柔らかい筒が入ってると思われる箱とか

超生々しいジョニーのような棒とか

針のついていない注射器みたいなやつとか


あと、コンドームもある。

童貞だからつけたことねぇ…








すごいな。

興奮というよりも興味が勝ってきた。



全部見てみたい。



男子なら分かるだろう… 

知らないアイテムとか見ると興奮する感じ。












・・・違う、違う。 尻尾だよ。 


尻尾のおススメを見に来たんだった。




童貞感丸出しの俺を見て、店員さんはニコニコしていた。


別にいいじゃん。 

初めてなんだもん。







「おススメはこちらになります」

店員さんが、あの猫耳とセットに思える黒の尻尾を持っている。


そういえば、なんで尻尾がアダルトコーナーにあるんだろう。







手に取ってみる。

確かに、フサフサで柔らかくて上質だ。




どうやってつけるのかなって、根元を見てみたんだ。


そしたら、金属の栓みたいなのがついてた。




そりゃあ、アダルトコーナーだわ。

これ、お尻に挿すやつじゃん。




(店員さんの名札を見ると、四宮  担当:アダルト と書いてあった)




いや、ダメでしょ。

乃愛のおしりにこれを…




軽く想像しただけで、ジョニーが暴れ始めた。

その様子を店員さんはニヤニヤ眺めている。










「これは、流石にダメです」  

却下だ。 乃愛にこんなもの使えない。



「えっ!? プラグが大きすぎますか? もう少し小さいものもございますよ」

この人、話通じないタイプかな。





「友達だって言ってるでしょ、彼女でも渡せませんよこんなの」

「で、でも、もしかしたら、そのお友達が興味あるかも・・・」


なんで、そんなに売りたいんだろう。 でも





「いりません。 猫耳だけで大丈夫です」

「そんな、ひどい。 お願いです。 半分だしますからぁ」


ひどいって何だよ。





「なんで、そんなに買ってほしいんですか?」

「・・・」





「商品が売れないと、私、クビになっちゃうんです」

「私がクビになるだけなら良いんです。 でも、そうなったら店長がこのコーナーを廃止するって」



「私はこのコーナーを守りたい!」

「少ないですけど、よく来てくれる人がありがとうって言ってくれるんです」


「ここに来てくれる人がいる限り、私はここを潰すわけにはいかないんです!」





なんか複雑な事情があるみたいだけど、ここアダルトコーナーだよね。


なんか涙ぐんでるけど、ここアダルトコーナーだよね。











でも、俺 こうゆうの見捨てられないんだよな。


「わかりましたよ。 買います」

「ホントですか!」


「半分出したりしなくていいんで、いくらですか?」

「3,300円です」



割といい値段するんだね。 

半分だしてもらおうかしら。



これは軍資金から払うわけにはいかない。 

痛い自腹だ。


でも、店員さんが嬉しそうだから、まあいいか。










猫耳とは別に、きつめに梱包してもらう。


アダルトコーナー内には専用のレジがあった。

これなら少しは買いやすいのかもな。





「お客様。 尻尾と一緒にオマケを入れておきました。私からの気持ちです」


見てなかったけど、なんか入れてくれたみたいだ。 

梱包が終わってるから、帰ってから隙を見て部屋で確認しよう。






「あの、最後にお名前を・・・」

とか言われたので、なんとなく名乗っておいた。 変な人だ。


















その後も、小悪魔の角とかの小物をいろいろ買った。

それらは猫耳の袋に入れれば良かったんだけど。




この尻尾入った袋どうしようか。

そのまま持ってたら「それなに?」って聞かれるしな。


リュックとか持ってきたらよかった。









この紙袋に入れるか (乃愛の下着の袋)

口が閉じてるから、隠すにはもってこいだ。







でも、開ける・・・のはハードル高いな。



女の子が俺を信頼して渡した下着を勝手に見る…


うん。 

それは社会的な死を意味する。







カバン買うか。 

ついでにカモフラージュの何かも。 



あっ、ダンベルがちょうどいいか。  

ビニール袋じゃ危ないっていう理由をつけられる。 











ーーー


ちょうどいいヤツあったわ。 さすがドンキ。


ギリ気に入ったっていえるくらいの安いカバンと軽めのダンベル2個。 

2000円でそろった。






ドンキを出て、姉ちゃんと乃愛のグループに合流する。

カバンのことは聞かれはしたけど、怪しまれなかった。



乃愛は俺がさらにムキムキなるかもと喜んでいた。 

ありがとう、筋肉。






彩葉ちゃんが来て欲しいとのことなので、移動していると途中で中村さんも合流した。






いつの間にかジョニーは鎮まってくれていた。
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