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第2話
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ここはどこだろう……
暖かくて柔らかい……
「気が付きましたか?」
鈴の鳴るような声が聞こえたので目を開けると、まるでお姫様が寝るような天蓋付きのベッドに寝かされている事に気が付いた。
あれ?
確か私は……
そうだ、セインを誑かした聖女に突き落とされたんだった。
やっぱり死んだんだよね?
高さ数十メートルはある崖から突き落とされたわけだし……
「ええ、貴女は死にましたよ、1度は」
「えっ?」
どういう事?
何も口にしていないのに、答えが返ってきたんだけど!?
それに「1度は」ってどういう事??
「ふふふ……それは貴女の心の声が聞こえるからです」
ええっ!?
聞こえるって何!?
声の主を探そうとふかふかのベッドから上半身を起こしてキョロキョロすると、男性?女性?銀色の美しい髪の毛の人が優雅にティーカップを傾けながら、私を見て微笑んでいた。
「私は死んだんですか?」
「ええ、1度」
1度って事は今は生きているって事?
死んだら生き返る方法なんてないと思うんだけど。
とりあえずベッドから出てみる。
「さあ、こちらにおいでなさい。お茶にしましょう」
何がなんだかわからないけれど、誘われるままに美しい人の前の椅子に座った。
うーん、この人どこかで見た事があるような気がするんだけどなぁ~
いや、でもこんな綺麗な人、1度見たら忘れないと思うし……
「ふふふ……」
それにしてもスゴく綺麗だ……
透明感のある白い肌に、長いまつ毛、すっと通った鼻筋。
どうやったらこんなに綺麗になれるんだろ……それに比べて私といったら、冒険に明け暮れたせいか焼けて浅黒い肌だし……
「貴女も綺麗ですよ」
「あ、ありがとうございます」
こんな綺麗な人に言われたら普通嫌味に聞こえるけれど、全然嫌味に感じないのはなんでだろう?
「さあ、冷めないうちにお茶をどうぞ」
「は、はい……あっ、美味しい」
「それはよかった」
いい匂いもするし、身体の奥まで温まる感じがする。
「あの……1度死んだってどういう事ですか?それと、どなたでしょうか?」
気になって仕方がない。
「私の名前はミューア、貴女……リーシャは崖から落ちて死んだのです」
ミューア??
それって神様の名前と同じじゃ……
ええええっ!?
「ふふふ……椅子に座ったままでいいですよ」
慌てて床に膝を着いて祈りを捧げようとしたら止められた。
で、でも創世神様と一緒にお茶なんて飲んでていいのかな?
罰当たりじゃないかな?
「いいんですよ、さあクッキーでもお食べなさい」
さすが神様……
ティーカップ以外何も無かったはずのテーブルに、突然クッキーの載ったお皿が出てきたよ。
って、そんな事じゃなくて……
神様とティータイムってどういう事!?
意味わかんないよ!!
「たまたま見てしまったのですよ、貴女が突き落とされる瞬間を……」
創世神様の話によると、たまたま下界を眺めていたら犯行現場を見てしまった。普段なら見過ごす事だけれど、私がちゃんと教義を守って清い身体でいた事を知り、死んだ命を救いあげてくれたらしい。
セインの誘いに応えずに、ずっとちゃんと結婚するまでって守っていた私は間違っていなかったみたい。
「久しく下界を見ていませんでしたが、ここまで酷く荒れているとは……」
創世神様は美しい顔に悩ましげな表情を浮かべて、小さく首を振られた。
「ごめんなさい……」
「貴女が謝る事はないのですよ、謝るのは私の方です」
「い、いえ……人間がすみません」
人間が教義も守らずに好き勝手しているから悩まれているんだと思って、つい謝ったら、創世神様に頭を下げられちゃったよ……
「お詫びにリーシャには私の加護を与えましょう」
「か、加護ですか?」
「魔法の才があるようですから、更に使えるようになるでしょう」
この世界に住む生きとし生けるものは、誰もが神様の加護の元に生きていると言われている。
それは実感するようなものはなくて、無くなると運が悪くなるとか死んだ時に天国に行けないとか、持っている力を失ってしまう……例えば魔法が使えなくなるとかだと、誰もが両親からや教会で聞かされてきたけれど、信じている人は少ないみたいだ。
だけど創世神様が仰るには、加護は本当にあるけれど、ちゃんと教義を守っている者以外には与えられないものらしい。そしてちゃんと守っていた私は加護を受ける資格があり、更には才能を伸ばしてくれるらしい。
「同じ場所では辛いでしょうから、少し離れた街にその身を下ろします。新たな良き人生を……また会いましょう」
創世神様のお言葉を一生懸命理解しようと、セインにバカだバカだと言われ続けた頭をフル回転させていたら、優しい声と共に光に包まれた。
暖かくて柔らかい……
「気が付きましたか?」
鈴の鳴るような声が聞こえたので目を開けると、まるでお姫様が寝るような天蓋付きのベッドに寝かされている事に気が付いた。
あれ?
確か私は……
そうだ、セインを誑かした聖女に突き落とされたんだった。
やっぱり死んだんだよね?
高さ数十メートルはある崖から突き落とされたわけだし……
「ええ、貴女は死にましたよ、1度は」
「えっ?」
どういう事?
何も口にしていないのに、答えが返ってきたんだけど!?
それに「1度は」ってどういう事??
「ふふふ……それは貴女の心の声が聞こえるからです」
ええっ!?
聞こえるって何!?
声の主を探そうとふかふかのベッドから上半身を起こしてキョロキョロすると、男性?女性?銀色の美しい髪の毛の人が優雅にティーカップを傾けながら、私を見て微笑んでいた。
「私は死んだんですか?」
「ええ、1度」
1度って事は今は生きているって事?
死んだら生き返る方法なんてないと思うんだけど。
とりあえずベッドから出てみる。
「さあ、こちらにおいでなさい。お茶にしましょう」
何がなんだかわからないけれど、誘われるままに美しい人の前の椅子に座った。
うーん、この人どこかで見た事があるような気がするんだけどなぁ~
いや、でもこんな綺麗な人、1度見たら忘れないと思うし……
「ふふふ……」
それにしてもスゴく綺麗だ……
透明感のある白い肌に、長いまつ毛、すっと通った鼻筋。
どうやったらこんなに綺麗になれるんだろ……それに比べて私といったら、冒険に明け暮れたせいか焼けて浅黒い肌だし……
「貴女も綺麗ですよ」
「あ、ありがとうございます」
こんな綺麗な人に言われたら普通嫌味に聞こえるけれど、全然嫌味に感じないのはなんでだろう?
「さあ、冷めないうちにお茶をどうぞ」
「は、はい……あっ、美味しい」
「それはよかった」
いい匂いもするし、身体の奥まで温まる感じがする。
「あの……1度死んだってどういう事ですか?それと、どなたでしょうか?」
気になって仕方がない。
「私の名前はミューア、貴女……リーシャは崖から落ちて死んだのです」
ミューア??
それって神様の名前と同じじゃ……
ええええっ!?
「ふふふ……椅子に座ったままでいいですよ」
慌てて床に膝を着いて祈りを捧げようとしたら止められた。
で、でも創世神様と一緒にお茶なんて飲んでていいのかな?
罰当たりじゃないかな?
「いいんですよ、さあクッキーでもお食べなさい」
さすが神様……
ティーカップ以外何も無かったはずのテーブルに、突然クッキーの載ったお皿が出てきたよ。
って、そんな事じゃなくて……
神様とティータイムってどういう事!?
意味わかんないよ!!
「たまたま見てしまったのですよ、貴女が突き落とされる瞬間を……」
創世神様の話によると、たまたま下界を眺めていたら犯行現場を見てしまった。普段なら見過ごす事だけれど、私がちゃんと教義を守って清い身体でいた事を知り、死んだ命を救いあげてくれたらしい。
セインの誘いに応えずに、ずっとちゃんと結婚するまでって守っていた私は間違っていなかったみたい。
「久しく下界を見ていませんでしたが、ここまで酷く荒れているとは……」
創世神様は美しい顔に悩ましげな表情を浮かべて、小さく首を振られた。
「ごめんなさい……」
「貴女が謝る事はないのですよ、謝るのは私の方です」
「い、いえ……人間がすみません」
人間が教義も守らずに好き勝手しているから悩まれているんだと思って、つい謝ったら、創世神様に頭を下げられちゃったよ……
「お詫びにリーシャには私の加護を与えましょう」
「か、加護ですか?」
「魔法の才があるようですから、更に使えるようになるでしょう」
この世界に住む生きとし生けるものは、誰もが神様の加護の元に生きていると言われている。
それは実感するようなものはなくて、無くなると運が悪くなるとか死んだ時に天国に行けないとか、持っている力を失ってしまう……例えば魔法が使えなくなるとかだと、誰もが両親からや教会で聞かされてきたけれど、信じている人は少ないみたいだ。
だけど創世神様が仰るには、加護は本当にあるけれど、ちゃんと教義を守っている者以外には与えられないものらしい。そしてちゃんと守っていた私は加護を受ける資格があり、更には才能を伸ばしてくれるらしい。
「同じ場所では辛いでしょうから、少し離れた街にその身を下ろします。新たな良き人生を……また会いましょう」
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