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16話
『地脈のズレ、直ってる…凄い…。この子、助かるのね。良かった…ありがとう』
嬉し涙をボロボロ流すドライアドの感謝の言葉に、俺はやれやれなんとかなったとホッとして笑う。
『お力になれて良かったです。これで貴方も安心ですね。グティエレス家の皆さんもこれで安心でしょう』
『あの人たちに謝りたいのだけど…』
おずおずと俺に尋ねてきた。迷惑をかけたという罪悪感なんてもんが妖精のドライアドでもあるんだなぁと俺は初めて知ったわ。
グティエレス家の皆さんが、この庭園の木々や花々を大切に育て手入れしていたのをわかってるから余計なんだろうけどね。
「グティエレス様、こちらのドライアドさんが皆さんに謝罪したいそうですが、謝罪をお受けしますか?」
「何故ドライアドが…ドーン君、申し訳ないのだが…我々皆事態が全く理解できていないんだ…その…説明をして貰えるとありがたいのだが…」
グティエレス家の皆さんが、団長様の言葉にウンウンとそれぞれ同じ様に頷いている。君ら、妙な連帯感あるな。
正直説明するのが面倒くさい。色々やからしてる俺が説明すると墓穴掘りそうだ。いっそのことドライアドに説明して貰うかな。
『ドライアドさん、人の言葉は話せますか?グティエレス家の方々が何故このような事になったのか説明をして頂きたいそうなんですが…』
『少しだけなら話せるわ。私が迷惑かけたのだから説明するのが当然よね。だけど上手く伝えられるか不安…』
『大丈夫ですよ。私がフォローしますので』
ドライアドが俺の横に立つと、グティエレス家の皆さんに深々と頭を下げた。皆さん、初めて見る妖精ドライアドに目が釘付けですな。ドライアドは滅多に人の前に現さないから、もしかしたら団長様も初めて見るんじゃない?
このドライアドさんはナイスバディの綺麗なお姉さんタイプだし、ある意味眼福だな。
「チミャク、ズレタ。アノコ、カレルイヤ。エイヨウモラッテタ。チミャク、ナオッタ。コノヒトナオシタ。アノコ、カレナイ。モウシナイ。ゴメン」
あ…うん、見事なカタコトだ。そして一切の余分の無い要点だけの単純明快で実に素晴らしい説明だっ!俺はこれで十分だろとグティエレス家の皆さんの反応をうかがい見ると、皆微妙に残念そうな顔をしていた。これだけじゃ駄目なのか…。むしろこれで勘弁してよ…。
団長様が俺にもっとちゃんとした説明をして欲しいと目で訴えておられます。
「ドライアドさんは、あちらの月桂樹の親に当たる月桂樹を宿り木にされてまして…子になる月桂樹が弱って枯れるのが偲びなくて、庭園の植物から養分を少しずつ貰っていたそうです。それが弱っていた原因の1つです。おおもとである原因は地下に流れる地脈です。3年前の地震でこちら庭園にある地脈が断たれてしまった事です。地脈とは本来地下水の流れですが、生命のエネルギーの流れでもあるので、それが断たれると土は痩せ植物は育ちにくくなり、やがては枯れてしまいます。そちらはドライアドさんのお力を借りまして直しましたので、枯れる事はもうありません。直ぐに植物は元のようになりますよ」
ドライアドから力を借りたという事にしておけばちょっとは誤魔化せる筈…。てか、結局俺1部除いて全部説明しちゃったよ…。最初から俺が説明しておけば良かった。
グティエレス家の皆さんも「おぉ!」と喜びと安堵の声上げてるからもうこれで終わりでいいよね?
最後の〆は、団長様にお願いしよう。
俺、腹減って倒れそう…いつになったら飯食えるんだ…。
「ドライアド殿、この庭園の月桂樹を守る為にした事なら謝罪する必要はない。むしろ感謝する。そしてドーン君にも感謝する。ありがとう」
団長様が綺麗に〆てくれました。めでたし。めでたし。
ドライアドは何度も頭を下げながら、自分の宿り木への元に帰って行った。腰の低いドライアドだったな。
なんだかんだでランチを逃しまくって結局ディナーになりつつある。外はすっかり暗くなっている。俺の予定では換金して、飯食って、お金返して、サヨナラして、セーフハウスに帰宅もしくは宿屋泊の予定だったのに…。
でも、漸く飯にありつける事が出来そうだ。何故なら今俺は食堂に居てテーブルについているからだ。だが、このテーブルはどうなんだ?本来使用する筈のでかいダイニングテーブルじゃなくて、一般的な平民仕様の小さなテーブルに、団長様と向き合って席に着いているんだが…。
目の前の団長様はなんか機嫌良さげに食前酒のワインを嗜んでいらっしゃる。俺にもワインを勧めてくるから、ふた口程ワイングラスに口を付けるが実際には唇を湿らす程度に止める。
俺はアルコール類はあまり飲まない。飲むとしても自家製の果実酒とか薬草酒ぐらいをたまに寝る前ぐらいなんだよな。
苦手って訳じゃない。大昔に血盟のメンバーと酒場で少しばかり飲み過ぎて、どんちゃん騒ぎから酒場の建物を全壊させた事があってから控えるようになった。あんときゃ、随分酔ってたわ。若気の至りだな。懐かしいなぁ。
テーブルにイネスさんの手料理が大皿で2つ載せられた。1つは1ホールのケーキ状に焼かれたジャガイモたっぷりのオムレツ。凄く美味そうだっ。そしてもう1つは…あのミートボールスパゲッティだった!某有名アニメで1度は誰しも食べてみたいと思った筈の夢の一品っ!
あぁ…イネスさん、グッジョブっ!!
まさかここで食する事が出来ようとはっ!
俺、マジ泣きそうっす!!
俺はきっとこれに出会う為に、団長様との出会いがあったんだなっ!
プチ多忙な為、2日ほど更新が遅れます。m(__)m
嬉し涙をボロボロ流すドライアドの感謝の言葉に、俺はやれやれなんとかなったとホッとして笑う。
『お力になれて良かったです。これで貴方も安心ですね。グティエレス家の皆さんもこれで安心でしょう』
『あの人たちに謝りたいのだけど…』
おずおずと俺に尋ねてきた。迷惑をかけたという罪悪感なんてもんが妖精のドライアドでもあるんだなぁと俺は初めて知ったわ。
グティエレス家の皆さんが、この庭園の木々や花々を大切に育て手入れしていたのをわかってるから余計なんだろうけどね。
「グティエレス様、こちらのドライアドさんが皆さんに謝罪したいそうですが、謝罪をお受けしますか?」
「何故ドライアドが…ドーン君、申し訳ないのだが…我々皆事態が全く理解できていないんだ…その…説明をして貰えるとありがたいのだが…」
グティエレス家の皆さんが、団長様の言葉にウンウンとそれぞれ同じ様に頷いている。君ら、妙な連帯感あるな。
正直説明するのが面倒くさい。色々やからしてる俺が説明すると墓穴掘りそうだ。いっそのことドライアドに説明して貰うかな。
『ドライアドさん、人の言葉は話せますか?グティエレス家の方々が何故このような事になったのか説明をして頂きたいそうなんですが…』
『少しだけなら話せるわ。私が迷惑かけたのだから説明するのが当然よね。だけど上手く伝えられるか不安…』
『大丈夫ですよ。私がフォローしますので』
ドライアドが俺の横に立つと、グティエレス家の皆さんに深々と頭を下げた。皆さん、初めて見る妖精ドライアドに目が釘付けですな。ドライアドは滅多に人の前に現さないから、もしかしたら団長様も初めて見るんじゃない?
このドライアドさんはナイスバディの綺麗なお姉さんタイプだし、ある意味眼福だな。
「チミャク、ズレタ。アノコ、カレルイヤ。エイヨウモラッテタ。チミャク、ナオッタ。コノヒトナオシタ。アノコ、カレナイ。モウシナイ。ゴメン」
あ…うん、見事なカタコトだ。そして一切の余分の無い要点だけの単純明快で実に素晴らしい説明だっ!俺はこれで十分だろとグティエレス家の皆さんの反応をうかがい見ると、皆微妙に残念そうな顔をしていた。これだけじゃ駄目なのか…。むしろこれで勘弁してよ…。
団長様が俺にもっとちゃんとした説明をして欲しいと目で訴えておられます。
「ドライアドさんは、あちらの月桂樹の親に当たる月桂樹を宿り木にされてまして…子になる月桂樹が弱って枯れるのが偲びなくて、庭園の植物から養分を少しずつ貰っていたそうです。それが弱っていた原因の1つです。おおもとである原因は地下に流れる地脈です。3年前の地震でこちら庭園にある地脈が断たれてしまった事です。地脈とは本来地下水の流れですが、生命のエネルギーの流れでもあるので、それが断たれると土は痩せ植物は育ちにくくなり、やがては枯れてしまいます。そちらはドライアドさんのお力を借りまして直しましたので、枯れる事はもうありません。直ぐに植物は元のようになりますよ」
ドライアドから力を借りたという事にしておけばちょっとは誤魔化せる筈…。てか、結局俺1部除いて全部説明しちゃったよ…。最初から俺が説明しておけば良かった。
グティエレス家の皆さんも「おぉ!」と喜びと安堵の声上げてるからもうこれで終わりでいいよね?
最後の〆は、団長様にお願いしよう。
俺、腹減って倒れそう…いつになったら飯食えるんだ…。
「ドライアド殿、この庭園の月桂樹を守る為にした事なら謝罪する必要はない。むしろ感謝する。そしてドーン君にも感謝する。ありがとう」
団長様が綺麗に〆てくれました。めでたし。めでたし。
ドライアドは何度も頭を下げながら、自分の宿り木への元に帰って行った。腰の低いドライアドだったな。
なんだかんだでランチを逃しまくって結局ディナーになりつつある。外はすっかり暗くなっている。俺の予定では換金して、飯食って、お金返して、サヨナラして、セーフハウスに帰宅もしくは宿屋泊の予定だったのに…。
でも、漸く飯にありつける事が出来そうだ。何故なら今俺は食堂に居てテーブルについているからだ。だが、このテーブルはどうなんだ?本来使用する筈のでかいダイニングテーブルじゃなくて、一般的な平民仕様の小さなテーブルに、団長様と向き合って席に着いているんだが…。
目の前の団長様はなんか機嫌良さげに食前酒のワインを嗜んでいらっしゃる。俺にもワインを勧めてくるから、ふた口程ワイングラスに口を付けるが実際には唇を湿らす程度に止める。
俺はアルコール類はあまり飲まない。飲むとしても自家製の果実酒とか薬草酒ぐらいをたまに寝る前ぐらいなんだよな。
苦手って訳じゃない。大昔に血盟のメンバーと酒場で少しばかり飲み過ぎて、どんちゃん騒ぎから酒場の建物を全壊させた事があってから控えるようになった。あんときゃ、随分酔ってたわ。若気の至りだな。懐かしいなぁ。
テーブルにイネスさんの手料理が大皿で2つ載せられた。1つは1ホールのケーキ状に焼かれたジャガイモたっぷりのオムレツ。凄く美味そうだっ。そしてもう1つは…あのミートボールスパゲッティだった!某有名アニメで1度は誰しも食べてみたいと思った筈の夢の一品っ!
あぁ…イネスさん、グッジョブっ!!
まさかここで食する事が出来ようとはっ!
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