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裏世界編
試験勉強
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図書館でのアステル様との交流は、昼食時だけでなく放課後にまで及んでいた。秘密の空間には折り畳みの椅子と机が持ち込まれ、あたしたちは教科書とノートを広げて向かい合って座る。
殿下の誕生パーティーに向けての準備も大事だけれど、すぐ後には夏季休暇前の試験が待っている。特にあたしはリジーとエリザベス、学年の違う二人分の試験を受けなくてはいけないので大変だ。
そこでアステル様が、二学年の方の勉強を見てくださる事になった。基礎だけ教室で受けて後は自習だったため、自信のなかったあたしにとっては願ってもない。
「よろしいのですか? アステル様ご自身の勉強もありますのに」
「いいんだよ、どうせなら殿下を追い抜いて鼻をあかしてやろう。それに、しっかり結果を残せばいじめにかまけてる暇なんてないって証明できるだろ?」
殿下も去年の成績はかなり上位だったので、追い抜くのは無理としても、確かに怠けていると言い掛かりをつけられるのも悔しい。大変だけど、目標ができれば勉強にも身が入る。
アステル様の教え方はとても丁寧で分かりやすかった。さすがはクラス委員に選ばれるだけの事はある。ふと、ここで去年張り出された試験の順位を思い出した。今まで気にも留めていなかったけれど、殿下よりも上に書かれていた名前は……
「そう言えば、アステル様は生徒会に誘われなかったのですか? 一学年の成績はトップだったじゃありませんか」
「仮面があったからね。君だって婚約者に選ばれなければ、興味も湧かなかっただろう? まあ、記録には残ってる訳だから、通達は来たよ。でも呼び出しに応じなければそれっきりさ」
「それは、目立ちたくなかったから……ですか」
アステル様は、素顔を明かして注目される事を恐れている。なのにあたしのせいで、殿下に睨まれる事になってしまった。申し訳なさに俯いていると、ペンで軽く眼鏡の縁を叩かれた。
「そんな暗い顔をしないで。表舞台に立つのは、僕が選んだ事なんだから。それに、殿下には元々嫌われていたしね」
「何故ですか?」
「さぁ? 同じ王族なのに醜いのが恥なんじゃないかな」
冗談めかしてそう言われたけれど、殿下ならあり得ると思ったあたしはカッとなって机を叩いた。
「何ですかそれ! アステル様は王国のために生贄になったのに、王太子である殿下が敬意どころか疎んじるなんて勝手です!!」
「まあ実際のところは本人しか分からないし、気にしたって仕方がないよ。それよりもリジー、その……夏季休暇の事なんだけど」
あたしの憤りを笑って流しながらも、アステル様は歯切れ悪く言いながら目を泳がせた。
「都合のいい時期でいいんだけど、君を伯爵領に案内したいんだ」
殿下の誕生パーティーに向けての準備も大事だけれど、すぐ後には夏季休暇前の試験が待っている。特にあたしはリジーとエリザベス、学年の違う二人分の試験を受けなくてはいけないので大変だ。
そこでアステル様が、二学年の方の勉強を見てくださる事になった。基礎だけ教室で受けて後は自習だったため、自信のなかったあたしにとっては願ってもない。
「よろしいのですか? アステル様ご自身の勉強もありますのに」
「いいんだよ、どうせなら殿下を追い抜いて鼻をあかしてやろう。それに、しっかり結果を残せばいじめにかまけてる暇なんてないって証明できるだろ?」
殿下も去年の成績はかなり上位だったので、追い抜くのは無理としても、確かに怠けていると言い掛かりをつけられるのも悔しい。大変だけど、目標ができれば勉強にも身が入る。
アステル様の教え方はとても丁寧で分かりやすかった。さすがはクラス委員に選ばれるだけの事はある。ふと、ここで去年張り出された試験の順位を思い出した。今まで気にも留めていなかったけれど、殿下よりも上に書かれていた名前は……
「そう言えば、アステル様は生徒会に誘われなかったのですか? 一学年の成績はトップだったじゃありませんか」
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「それは、目立ちたくなかったから……ですか」
アステル様は、素顔を明かして注目される事を恐れている。なのにあたしのせいで、殿下に睨まれる事になってしまった。申し訳なさに俯いていると、ペンで軽く眼鏡の縁を叩かれた。
「そんな暗い顔をしないで。表舞台に立つのは、僕が選んだ事なんだから。それに、殿下には元々嫌われていたしね」
「何故ですか?」
「さぁ? 同じ王族なのに醜いのが恥なんじゃないかな」
冗談めかしてそう言われたけれど、殿下ならあり得ると思ったあたしはカッとなって机を叩いた。
「何ですかそれ! アステル様は王国のために生贄になったのに、王太子である殿下が敬意どころか疎んじるなんて勝手です!!」
「まあ実際のところは本人しか分からないし、気にしたって仕方がないよ。それよりもリジー、その……夏季休暇の事なんだけど」
あたしの憤りを笑って流しながらも、アステル様は歯切れ悪く言いながら目を泳がせた。
「都合のいい時期でいいんだけど、君を伯爵領に案内したいんだ」
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