6 / 6
第五話
しおりを挟む
「怜奈! ここ教えて!」
「あ、俺はここ!」
「え、な、なんでわたし」
「いいからいいから!」
あたふたとする私の手を捕まえて祈るように両手でぎゅっとしてくるのは、綺麗なブロンドの髪を後ろで乱雑に一つにまとめた女の子、ラフェナ・ルイス。
7歳の女の子に対する私は、過去のことを考えれば20歳以上の差があるはずなのに強引さにやられてしまう。
いや、よくよく考えたらこんなに強引な子もいなかったし。
そして、
「ここなんだけど」
すでに教えてもらう気満々で教科書のページを指さして見せてくるのは、シリィラ・ジーラ。
その頭にはしっかりと寝癖を残しているが本人に気にした様子はない。
「だから、なんでわた.....」
「怜奈なら大丈夫!」
「俺も怜奈に教えてもらうっておふくろに行ってきた!」
私の言葉に見事にかぶせて二人は告げてくるが、そうじゃない。
完璧に教えられるかどうかはわからないけど、座学はそれなりに自信がある。
気になるのは、
「なんで私の家にいるの?」
なんで何の前触れもなく、リビングの机で待っているかだ。
「え?」
「え?」
「「え」」
あとなんで両親もびっくりしてるんだろう。
今日は珍しく、森に連れてかれることも学校があるわけでもなかったのでご飯を食べた後は近くを散歩していた。
どうしてもまだ子供のためにどこまでも一人で行けるというわけではないが、体が小さい今はそれだけで十分だ。
ちょっと森のほうに足を延ばしてこの世界にもいる小動物や、湖で魚を探してみたり、人によってはどこも面白みのなさそうに見えるそれが、このおとぎ話のような世界で生きる私にとってはかけがえのないもののように感じた。
それこそ、庇護欲というか母性というかそういった年とともに養われるそれがある分、小動物を見ると胸が高鳴るのもあり、ちょっとした冒険が楽しくついついお昼近くまで歩き回っていた。
ーーちょっと遊びすぎた。
自分でも浮かれていたと思いつつも、軽やかな足取りで我が家の玄関を開けたとき、
「「怜奈!!」」
玄関空けたら、男女が一組いたわけで...
--------------------
「怜奈ってすごく頭いいんですよ!」
「そうそう、俺なんて全部怜奈に聞いてるよ!」
「そうなの?! 普段全然教えてくれないから」
「おお、さすがうちの娘だ」
「いつも息子がお世話になっております」
「いつも娘が.......」
目の前で行われる、庭に広げたテーブルを囲んでの謎の井戸端会議。
行先は教えていたらしい二人のご両親が、お昼時に帰ってこない子供を迎えに来ればあれよあれよとバーベキューの流れに。
「怜奈ちゃん、いつもラフェナの相手ありがとね」
「いえ、こちらこそです」
「ほんと、怜奈ちゃんと一緒に遊ぶためにラフェナも早起きするようになって大助かりよ」
「怜奈ってお姉さんみたいなの!」
お母さんの言葉にラフェナはそう胸を張ってこたえるが、私からすれば彼女のほうがお姉さんのような気がする。
内気な私をみんなのもとへ連れて行ってくれるお姉さん。
別に家だって、村だから遠くはないがすぐ横というわけではない。
それに何か面白いことを言ってあげれるわけでも。
それでもラフェナは毎日私にかかわってくれる。
めんどくさいと思うときもあるけど、それ以上に嬉しいのは事実だ。
「怜奈ちゃん。 うちのバカ息子もありがとね」
「あ、そんなことないです」
「うちの、旦那ともどもペンの握り方を知らないから」
なんというかとんでもないたとえで、シリィラのお母さんに言われるが件の二人と、私のお父さんで組み手を始めようとしているあたりなんとも否定しづらい。
そこからは、お母さんも交えてお料理のことを教えてもらうことにした。
「....................ふーん、だから昔は『切る切る』いってた髪を伸ばしてるのね。怜奈ちゃんにあこがれて」
「ママ!」
「あ、俺はここ!」
「え、な、なんでわたし」
「いいからいいから!」
あたふたとする私の手を捕まえて祈るように両手でぎゅっとしてくるのは、綺麗なブロンドの髪を後ろで乱雑に一つにまとめた女の子、ラフェナ・ルイス。
7歳の女の子に対する私は、過去のことを考えれば20歳以上の差があるはずなのに強引さにやられてしまう。
いや、よくよく考えたらこんなに強引な子もいなかったし。
そして、
「ここなんだけど」
すでに教えてもらう気満々で教科書のページを指さして見せてくるのは、シリィラ・ジーラ。
その頭にはしっかりと寝癖を残しているが本人に気にした様子はない。
「だから、なんでわた.....」
「怜奈なら大丈夫!」
「俺も怜奈に教えてもらうっておふくろに行ってきた!」
私の言葉に見事にかぶせて二人は告げてくるが、そうじゃない。
完璧に教えられるかどうかはわからないけど、座学はそれなりに自信がある。
気になるのは、
「なんで私の家にいるの?」
なんで何の前触れもなく、リビングの机で待っているかだ。
「え?」
「え?」
「「え」」
あとなんで両親もびっくりしてるんだろう。
今日は珍しく、森に連れてかれることも学校があるわけでもなかったのでご飯を食べた後は近くを散歩していた。
どうしてもまだ子供のためにどこまでも一人で行けるというわけではないが、体が小さい今はそれだけで十分だ。
ちょっと森のほうに足を延ばしてこの世界にもいる小動物や、湖で魚を探してみたり、人によってはどこも面白みのなさそうに見えるそれが、このおとぎ話のような世界で生きる私にとってはかけがえのないもののように感じた。
それこそ、庇護欲というか母性というかそういった年とともに養われるそれがある分、小動物を見ると胸が高鳴るのもあり、ちょっとした冒険が楽しくついついお昼近くまで歩き回っていた。
ーーちょっと遊びすぎた。
自分でも浮かれていたと思いつつも、軽やかな足取りで我が家の玄関を開けたとき、
「「怜奈!!」」
玄関空けたら、男女が一組いたわけで...
--------------------
「怜奈ってすごく頭いいんですよ!」
「そうそう、俺なんて全部怜奈に聞いてるよ!」
「そうなの?! 普段全然教えてくれないから」
「おお、さすがうちの娘だ」
「いつも息子がお世話になっております」
「いつも娘が.......」
目の前で行われる、庭に広げたテーブルを囲んでの謎の井戸端会議。
行先は教えていたらしい二人のご両親が、お昼時に帰ってこない子供を迎えに来ればあれよあれよとバーベキューの流れに。
「怜奈ちゃん、いつもラフェナの相手ありがとね」
「いえ、こちらこそです」
「ほんと、怜奈ちゃんと一緒に遊ぶためにラフェナも早起きするようになって大助かりよ」
「怜奈ってお姉さんみたいなの!」
お母さんの言葉にラフェナはそう胸を張ってこたえるが、私からすれば彼女のほうがお姉さんのような気がする。
内気な私をみんなのもとへ連れて行ってくれるお姉さん。
別に家だって、村だから遠くはないがすぐ横というわけではない。
それに何か面白いことを言ってあげれるわけでも。
それでもラフェナは毎日私にかかわってくれる。
めんどくさいと思うときもあるけど、それ以上に嬉しいのは事実だ。
「怜奈ちゃん。 うちのバカ息子もありがとね」
「あ、そんなことないです」
「うちの、旦那ともどもペンの握り方を知らないから」
なんというかとんでもないたとえで、シリィラのお母さんに言われるが件の二人と、私のお父さんで組み手を始めようとしているあたりなんとも否定しづらい。
そこからは、お母さんも交えてお料理のことを教えてもらうことにした。
「....................ふーん、だから昔は『切る切る』いってた髪を伸ばしてるのね。怜奈ちゃんにあこがれて」
「ママ!」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
家を建てたら創造神に壊されたので、神界に就職しました
猫吉
ファンタジー
事故で死んだ俺は異世界に転生し、
現代の知識を使って商売を成功させ、二年三か月。
やっとの思いで念願のマイホームが――
粉砕した。
原因は空から降ってきた謎の少年――ではなく、創造神。
曰く、
「この世界の管理に、一般人の視点が欲しくて雇いに来た」
家はもうない。
地上に未練もない。
というわけで俺、神界に就職することになりました。
年収は平均の七十倍!
福利厚生は神!
衣・食・住、すべて一流!
こうして俺は、神々が暮らす世界で住み込み勤務を始める。
そんな中、初めて呼ばれた「上級神会議」。
神話でしか聞いたことのない面々がずらりと揃う中、
提示された議題は――
「今日の夕食、何にする?」
魔法と技術が入り混じるこの世界を、
こんな神々は本当に平和に管理できるのか……?
これは、
世界を作った“その後”の神様たちと、
巻き込まれた一般人が送る、
ちょっと人間くさいコメディファンタジー!
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる