切り抜き師の俺、同じクラスに推しのVtuberがいる

第19話 新衣装お披露目配信（陽斗）

冴木陽斗は、星野ソラの新しい衣装お披露目配信を楽しみに待っていた。パソコンの前で準備を整え、友人の中村亮太とボイスチャットを始める。

「陽斗、準備オッケー？」
「もちろん！新しい衣装、楽しみだな。」

二人はワクワクしながら配信開始を待った。やがて、星野ソラの配信が始まり、コメント欄が一気に盛り上がった。

「みなさん、こんソラ～！星野ソラです。今日は特別な日です。なんと、新しい衣装をお披露目します！」

ソラのアバターが徐々に表示される様子を見ながら、陽斗と亮太はチャットで興奮を共有した。

「どんな衣装なんだろう。」
「ローファーっぽいな。」
「スカートが見えた！制服かな？」

そして、ソラの全体像が現れると、二人はさらに興奮した。

「新しい髪型！」
「ストレート髪、かわいい！」

陽斗はストレートの髪型を見た瞬間、ふと美優紀の姿が頭をよぎるが、すぐに配信に意識を戻し、ソラの新しい姿に見入った。

「新しい衣装、どうですか？みんなが喜んでくれて、私も本当に嬉しいです。私のママが作ってくれました。」

その言葉に、陽斗と亮太は驚きの声を上げた。

「ママって名前出てないよな？」
「うん、たぶんママについて話するのは初めてだと思う。」
「え！？中学の同級生！？」
「やばっ！」

ソラが話す内容に、二人はますます興奮してチャットを続けた。

「すごいな。中学の同級生がママってことは、同い年ってことか？」
「そうみたいだね。親友同士でママとライバーってすごい関係じゃない？」
「というか、すごすぎる。高校生でVtuberのママやってるとか、やっぱ高校は芸術系の高校行ってるのかな？」
「将来ソラちゃんの姉妹が生まれたりするかもしれないのか。」

二人の玲愛への考察が進む中、玲愛からのコメントが流れた。

「みんな、応援ありがとう！ソラちゃんをこれからもよろしくね！」

玲愛のコメントを美優紀が拾う。

「ママも見てくれてる！ママありがとう！」

そのコメントに、視聴者たちは大いに盛り上がり、陽斗と亮太も感動していた。

「やっぱお披露目配信なら見てるよな。」
「本当に。ソラちゃんもママも最高！」
「スパチャ解禁されてたらスパチャの嵐だったろうに・・・。」
「早く有名になってもらってスパチャの解禁をしてもらおう。」
「そのためにはほら、切り抜き師が気合入れて切り抜いてバズらさないと！」
「そうだね。もっと頑張るよ！」

配信が終わると、陽斗と亮太は大満足の様子だった。

次の日の学校でも、その興奮は冷めやらず、二人はソラの新しい衣装について語り合った。

「昨日の配信、最高だったな。」

「本当にな。あの制服姿、めちゃくちゃ可愛かった。」

陽斗と亮太は授業の合間にもソラの新衣装について語り合い、その興奮は止まることがなかった。昼休み時間になると、二人は机を並べて話し込んだ。

「ママが中学の同級生って、やっぱりすごいよな。」

「そうだな。同じ年であんなに素敵なデザインを作るなんて、才能あるよね。」

陽斗はふと、美優紀のことを思い出した。ソラのストレートの髪型が、美優紀の姿に重なった瞬間を思い返しながら、彼女もこんなに素敵な友達がいるのかもしれないと考えた。

「やっぱり、ソラちゃんのママはすごいよ。あんな素敵な衣装を作ってくれて、感謝しかないよな。」

「うん、ソラちゃんもママも、本当にファンのことを大事にしてるんだなって感じるよね。」

その日の夜、美優紀は玲愛にチャットを送る。

「玲愛、昨日の配信コメントもありがとね。みんなすごく喜んでくれた！クラスメイトの切り抜きの男の子も喜んでくれてるみたいで教室で話してたよ。」

玲愛からの返信もすぐに届いた。

「良かった！みんなが楽しんでくれたなら嬉しいよ。美優紀もお疲れ様！」

「うん。衣装のお披露目配信とか初めてで戸惑ったけど、コメントとかすごい勢いで楽しかった。これからもっとみんなに喜んでもらえるような配信を頑張るね。」

「がんばれ美優紀。ソラちゃんの活躍が私の活躍でもあるんだからね！ママの為にも頑張りなさい。」とすこしふざけた様子で玲愛が言った。

美優紀はその言葉に力をもらい、これからも星野ソラとしての活動を続けていく決意を新たにした。陽斗と亮太の応援が彼女にとって大きな励みとなり、彼女の目には次なる目標に向かう強い意志が宿っていた。