竜の契約者

ホワイトエンド

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1章 魔王と勇者と姫

第2話 人間のこれまで

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さて......どこから話したらいい?
え?勇者になった辺りもしくは精霊と契約した辺りからでいい?
よし、分かった。
あれは今から3ヶ月前のことだったはずだ。
曖昧なのはしょうがないじゃないか、精霊との契約の中身に記憶を入れてたから契約が本来の形じゃない形で切れて記憶まで無くなったのだから。
謝らなくてもいいこればっかりはどうこうなる問題じゃないからな。
話を戻すけど3ヶ月前、俺はこの世界に連れてこられたんだ。誰にって言われると俺と契約してた精霊にだよ。魔王竜、つまりお前がついに人間を滅ぼすために動き出したって情報が入って人間にはそれに対抗出来る戦力が無かったらしい。
それで実力者達が精霊の中でも勇者の精霊と呼ばれる精霊に正しい勇者じゃなくてもいいから危機的な状況を打破するための勇者に選んで欲しいって頼みに向かったんだ。
話が早いな。そう、その人達の中には勇者の精霊のお眼鏡にかかる人はいなかったんだ。それで少し不機嫌になった勇者の精霊は異世界の中でも自分との相性が一番いい人を呼ぶことにしたらしい。そう、それが俺だ。
そう、今までの勇者よりも出力とか能力の上昇のレベルが他を1とすると俺は100とかになるらしいんだ。今までも10とか50の人間はいたらしいんだけどその中でも俺は最高らしい。
自慢か、って?そりゃ自慢だよ。どれぐらいいるか分からない人間の中から俺を選んで「お前が一番だ。」なんて言われたようなもんだからな。それが気にいらなかったのがさっきの実力者達だ。
自分こそ勇者に、って来た連中だからな。そりゃあポッと出のそれこそまだこの世界のやつならいいだろうが異世界人だからな、しかも俺は戦闘なんか一切したこと無い魔法の使い方すら知らないときた。自尊心が傷つけられたんだろう。俺を受け入れた国にそいつらが俺の訓練をするようにと命令したんだ。
そうだ。スパルタを越えてもはや訓練ですらない拷問をされている気分だった。
飯はまともに食えないし食ってもぼこぼこにされるから胃液ごと吐くことになるからあまり食っても意味がなかった。睡眠も痛みでまともに取れないし、取れても痛みで悪夢を見るし、でぼろぼろになっていったさ。他には魔法は俺、光と回復の適正があるって言われてその二つの勉強をさせられてたんだが初めての魔法を少し間違えるだけで罵声をかけられ攻撃魔法をぶつけられ、それを回復魔法で治せと一週間目から言われてな。
きつかったさ。そのぶん身に付いたんだ。教えた奴らはこれなら生ぬるい世界で産まれたやつは身に付かないだろう。って思いながらやってたんだろうな。そいつらの腹が立つぐらいあっさりと戦闘の仕方、武器の使い方、回復魔法の使い方を覚えていったんだ。光魔法だけ中々覚えられなかったけどな。
修行が終わったのが今から1ヶ月前つまり俺の初陣の頃だな。
そこら辺は知ってるだろうから省く。
ここで仲間に腕や足を切られたり、契約を強制的に解除された理由を説明出来る。
簡単な話だよ。初陣で俺はお前の部下の突撃部隊隊長を一撃で倒したり将軍クラスを難なく倒したりしたわけなんだが国の王様がこれなら前線を少しづつ押し上げるのではなく「勇者と仲間達で魔王竜を倒しに突撃した方が被害が抑えられる。」って言い出してな突撃することになったわけだ。で問題の仲間だが.....
分かったか。そう、さっきの実力者達だ。その中でも強い三人を選びを俺の仲間にして、この場所「魔竜城ドラゴンパレス」に突撃することになりあとはお前の知ってる通りお前を倒し、全てを奪われたってわけだ。
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