政治ができるAIを作るために

ヤマシヤスヒロ

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政治ができるAIを作るために

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「もう、うんざりだよね」
と、英一は、新聞を見ながら、和夫に言った。
「なにが?」
と、和夫は、キョトンとした顔で、英一に言った。
「自分で選んだわけではない人たちによって、かってにいろいろなことを決められて実行されることに、もううんざりなんだ」
「間接民主制には、もううんざりだということなんだ」
「インターネットやAIを利用して、直接民主制にできないかなー」
と、英一は、新聞から目を上げて、和夫の顔を見て言った。
 2060年、世界中に感染症が拡がり、国内の政治と経済が混乱していた。
英一は、これまで、政治に関心がなかったが、考えさせられることが多くあり、政治についても勉強するようになった。
大学のカフェテリアで、英一は、和夫とコーヒーを飲みながら、新聞を見ていたのである。
 その日の夜、英一は、家庭教師の帰りの電車の中で、
 「どうすれば政治家なしで国の運営ができるか」
 と考えた。
 「現在は、インターネットでそれぞれ個人の意見を集めることができるのだから、AIを中央に置き、インターネットで個人個人の意見を集め、AIが最適な決定をするという感じか」
 と思いながら、もっと考えようと思った。
 次の日、英一は、新聞を見ると、総理が変わることが書かれてあった。
 英一は、思った。
 「人の心は変わりやすいので、だれが総理になっても怖い」
 「AIが総理の仕事ができるまでAIの研究開発を進め、発展させ,AI総理というものができないものだろうか」
 と思った。
 その次の日、英一は、
「今年の世界的な感染症の流行の件で、国を動かしていく政治は、非常に重要である」
と感じた。
「政策を考えるときに、ある特定の人の考えだけに頼るのは、危ういことである」
とも思った。
「そこで、政治にAIを応用することはどうだろう」
などと思った。
「AIを使って、感染拡大の防止と経済の活性化を両立させる最適解をAIを使って求めることはできないものだろうか」
と思った。
 また、次の日、英一は、コンビニで買ってきた夕食のスパイシーチキンカレーを食べ終わったところで、また、考えた。
 「AIを使ってだれでも国の運営ができるようにした方がいいのではないか」
 「政治家は必要なくなり、AIと公務員がいいかな」
 と思った。
 また、英一は、
 「今年の感染症の件で、もう政治家にはうんざりしている」
 「それで、AIと公務員で国の運営を行うのがいいような気がしている」
 と思いながら、インターネットで「AI」、「政治家」で検索してみた。
 けっこう、政治家はいらないような考えがあるようだ、ということが分かった。
 また、次の日、英一は、
「AIと公務員で国の運営を行うのがいいと思うのだが、AIも民主主義のAIとか共産主義のAIとか、AIの学習の仕方で、AIの特徴がでてくるのかな。そうするとAI同士の議論で、人が住みやすい最適解の世界ができるかもしれない」
と考えた。
英一は、政治ができるAIを開発するために、まったくAIの知識も、政治の知識もない英一は、まず、昨日ひっぱりだした高校の倫理の教科書から、勉強することにした。
 英一は、倫理の高校教科書より、「ベンサムは、行為の結果もたらされる快苦を、可能なかぎり正確に計算できなければならないと考えた。行為がもたらす快苦の大小を計算してみようとした(快楽計算)」これ、政治ができるAIの開発の参考になりそう」
と思った。
 政治・経済の教科書によると、「社会は、性別や世代、さらに立場や見かたの異なる多数の人々からなりたっている。内部にこうした対立の要素を含みながら、しかもまとまりをもった状態、すなわち統合を保つためには、成員相互間の利害の対立を調整し、協力をおしすすめる努力が不可欠である。そこに、社会の舵とりとして、政治が登場する。」と記載されていた。
 そこで、英一は、思ったのだが、
「現在の社会システムで多数の人々の立場や見かたをすべて、政治家という人によって把握できているだろうか」
 「そのような人である政治家によって成員相互間の利害の対立を調整し、協力をおしすすめることができるのであろうか」
 「もし、多数の人々の立場の情報や見かたの情報をインターネットにより、集合し、成員相互間の利害の情報の対立を調整し、協力をおしすすめるためにAIを利用すればどうだろう」
「そこに、社会の舵とりとして、AIが登場する」
と、言い換えることができるのではないだろうか」
 と英一は、思った。
また、英一は、政治・経済の高校教科書によると、「法と政治との関係を考えるうえでたいせつなことは、為政者もまた法に従わねばならないということである。」
とあるので、
「政治ができるAIを開発するには、人の幸せということを学習させるとともに、法を学習させる必要がある」
と思った。
さらに、英一は、
「政治ができるAIを作るために、AIに、まず、何を学習させることが必要か」
を考えた。
「政治は、社会を構成している人々一人一人が幸せになるように、国を運営していく必要があると思うので、まず、AIには、人が幸せになるということがどういうことか学習させる必要がある」
と思った。
 英一は、やっと、政治ができるAIを作るための第一歩にたどり着いたのである。



 
 

 




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