テレパシーを使っていた古代カンイ帝国の精神科医と患者の会話

ヤマシヤスヒロ

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テレパシーを使っていた古代カンイ帝国の精神科医と患者の会話

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「では、お薬を出しておきましょう」
と、エルザ先生は、ゴンザレスさんに言った。
「どうもありがとうございます」
「これで、なおりますね」
と、ゴンザレスさんは、ホッとした顔で、エルザ先生に言った。
 エルザ先生は、古代カンイ帝国の精神科の医師である。
古代カンイ帝国では、20歳になると、穿頭術を受けて、頭蓋骨に穴を開けるのである。
それにより、皆、テレパシーを使うことができるようになるのである。
なぜ、20歳に穿頭術を受けるかというと、20歳になる前は、自我が確立されておらず、自我が確立される前にテレパシーを使えるようになると、他人の思考が自分の脳内に入ってきたときに、混乱するからである。
 また、20歳になって、穿頭術を受けて、テレパシーが使えるようになっても、しばらくの間、訓練が必要である。他人の思考が自分の脳内に入ることを遮断する訓練である。
「ゴンザレスさん、一応、説明しておきますね」
とエルザ先生は、ゴンザレスさんに、穏やかに言った。
「ゴンザレスさん、脳には、神経細胞、すなわち、ニューロンというものがぎっしりつまっているということを学校の保健の授業で聞いたことがあると思いますが」
とエルザ先生は、ゴンザレスさんに言った。
「はい、エルザ先生、カンイ帝国大学で習いました」
とゴンザレスさんは、エルザ先生に、にこやかに言った。
「ニューロンには、振動状態があって、その振動状態は、基底状態と励起状態の2つの状態があるんですよね、先生」
「さらに、励起状態には、第一励起状態と第二励起状態があるんですよね、先生」
「人が生きている状態だと36℃程度の体温があるので、ニューロンの振動状態は、第一励起状態にある」
「もし、人が、物事を思考したときには、ニューロンが活性化され、第一励起状態から第二励起状態になる」
「そのニューロンが第二励起状態から第一励起状態に遷移するときに、第二励起状態と第一励起状態のエネルギー差のエネルギーを持つ波動が放射される」
「その波動が、脳の思考した部分から放射され、脳の前頭葉のニューロンが共鳴吸収して、言語などが発せられる」
「その波動は、頭蓋骨で遮蔽され、脳の外側へは放射されない」
「だから、普通の人は、その波動は、頭部の外には出ない」
「しかし、我々、カンイ帝国の人たちは、頭蓋骨に穴をあけることによって、テレパシーが使えるようになっている」
「ということを、ぼくもカンイ帝国大学で習いました」
「そこまでは、ぼくも知っているのですが、ぼくは、どうして、他人の思考を遮断できなくなってしまったのでしょう?」
とゴンザレスさんは、エルザ先生に聞いた。
「それはですね、ゴンザレスさん、他人の思考の波動を遮断するには、第一励起状態と第二励起状態のエネルギー差を、変化させて、ニューロンが他人からの思考の波動と共鳴しないようにしているんです」
「ところが、ゴンザレスさんの場合、老化のため、ニューロンが固くなって固定してしまって、第一励起状態と第二励起状態のエネルギー差を変化できなくなってしまっているんです。それで、他人の思考の波動に共鳴してしまっているんです」
「それで、今日、出したお薬は、ニューロンを柔らかくして、第一励起状態と第二励起状態のエネルギー差を自分でコントロールでき、他人の思考の波動を遮断することができるようにするお薬なのです」
とエルザ先生は、ゴンザレスさんに、穏やかに言った。
「先生、よく分りました。どうもありがとうございます」
とゴンザレスさんは、にこやかにエルザ先生に言った。
「あっ、薬局は1階にありますからね」
「おだいじにしてください」
とエルザ先生は、ゴンザレスさんに、穏やかに言った。


 
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