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あちらの事情3
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本当に俺は、ポッと出てきてしまった異世界人のようだった。
ああ、なんか……来るはずがないところ来た人間とか言ってたわー。あの世界の管理人とか自称してた存在が。推定神が。
「……騎士の無礼をお詫び致します。彼はあの場を守っている番人を兼ねているのですが、前述のとおり召喚の予定など露にもなく……あの場から出て来たあなた様を、侵入者として誤認したらしいのです」
「ああーー、うん。それは……そーいうことかー」
あの部屋に召喚された人物じゃなくって、どこか別のところからあの部屋に入り込んだ不審者として認識されてたってことね。
神殿は城の結構奥まったところにあるから、そんなところに音もなく入り込んでる俺が余程の手練れだと勘違いしたらしく……そりゃ緊張もするわ。
というか出てくるはずのないところから人が出て来たら、ビビる。俺なら腰抜かす。
それをとっさの判断とはいえ槍を構えて退けようとしたっていうのは、番人として結構褒められることなんじゃないの?
いや、俺もビビったけど。でも実際何ともなかったし。俺ってばやたら強くされちゃったらしいし。
そこまで考えて、ハッと気付いた。
「あ、じゃあその……部屋の番をしてた騎士の彼。お咎めないよね?」
「……そのようなことを気にされるのですか」
今まで無表情を保っていた文官に、初めて表情らしきものが浮かんだ。造り物みたいに端正な顔立ち、その切れ長の目を少しだけ丸くする。
珍獣を見るような、呆れたような、驚いたような……あれ何か俺の想像ではあるけどあんまり良い感じの表情じゃなさそうなんだが。
でも、その表情も一瞬で消えて、今は長い睫毛を伏せている。どういう感情なんだよ。
ま、今気になるのはあの少年兵士の方だ。
「や、まあ……俺の本意じゃねーとは言え、ポッと出て迷惑掛けてるのはこっちなわけだし……?」
「……そうでしょうか」
「とーにーかーく。いいよな!」
丁重に保護されるべき人物、が通常どこまで権限を持つか知らないけど。神からの託があるって言うことは俺に神とのつながりがあると見なされて、多少は俺の意見も通る……んじゃないか、という判断の元でのごり押し。
管理者がヘマしたのに巻き込まれて割食うってのも可哀そうすぎるだろ、しかもあんな少年が。
とにかく何もペナルティは無しにしてくれ! ってことを訴えて、約束してもらった。
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「ああーー、うん。それは……そーいうことかー」
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いや、俺もビビったけど。でも実際何ともなかったし。俺ってばやたら強くされちゃったらしいし。
そこまで考えて、ハッと気付いた。
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ま、今気になるのはあの少年兵士の方だ。
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「……そうでしょうか」
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