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208 リディア、本気で叩きのめしに向かう。(下)
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「ダンノージュ侯爵家は!! 我が姉を奪うだけでは足りず領の為の収入まで奪うと言うのか!!!」
急に叫んだナスタに、わたくし以外の全員の目がナスタに向かいましたわ。
わたくしとしては、知った事ではないのですけれど。
「我が姉と仰るが、貴殿の父がリディア嬢を庶民に落とし、マルシャン公爵家から追い出したのだぞ? その事をお忘れか?」
「ワシもマルシャン前公爵から聞いている。実の娘であるリディア嬢は、箱庭師であったが故に家の恥として庶民に落とし、貴族籍も外したと聞いておるが?」
「それは無能な父の時代の話です! 私の代では姉を必ずやマルシャン公爵家に戻す為の準備をしていたのです! それなのに……それなのに!! 一体いつの間に結婚などっ!」
そう、わたくしがダンノージュ侯爵家に嫁いだと言う事は、マルシャン公爵家に戻る事は一生無いと言う証でもありますものね。
まぁ、元々戻る気もない場所ですし、捨てた場所に戻っても仕方ありせんわよ。
「姉さん! 何か言って下さい!!」
「あら、わたくし貴方に姉と呼ばれるような立場では御座いませんわ。既にマルシャン公爵家から貴族籍も外され絶縁され外に追い出された者ですもの。それに、マルシャン家に未練も何もありませんでしたので、愛しいカイルとの結婚は嬉しい事ばかりですわ!」
「――!!!」
「常に必死に仕事をし、相談に乗り、民の為に汗水流しながらも働くカイルはとっても魅力的ですわ。嘘をつくこともありませんし、人を騙す真似もいたしませんもの。とっても信頼できる相手ですわ。けれど貴方は少々……国王陛下までも騙すような事を為さる家と縁が切れてホッとしていますわ」
「そんな……」
「マルシャン公爵家にいる間は生きた心地がしませんでしたわ。追い出されてやっと自由になった所でカイルと運命的な出会いをしたのですから、これも神のお導きでしょうね」
「嬉しい事を言ってくれるな、リディアは」
「ふふふ。新婚ですもの、これくらいは許されますわよね?」
「ははは、若い二人に中てられてしまうな。なぁアラーシュよ」
「我がダンノージュ侯爵家にリディアが嫁に来てくれたことは、何にも勝る喜びでしょう」
「うそだ、嘘だ嘘だ嘘だ!! リディアは俺のものなんだ! 俺だけのものなのに何故ダンノージュ侯爵家に奪われなくてはならないんだ!!」
「あらあらあら? ナカース王から祝福された結婚に対し、意見を申し立てるなんて……」
「くっ……」
「反逆罪……と言う言葉をご存じ?」
わたくしがそこまで言うと、ナスタは力なく座り込み、ブツブツと何かを言ってますけれど知った事ではありませんわね。
これでマルシャン公爵家の主要産業は潰しましたわ。
領地を更に盛り返そうとしても、中々難しいんじゃないかしら?
「それに。暗殺者を雇ってまでカイルの命を奪おうとするものを、許せるとでもお思いかしら?」
「!」
「それについては、是非マルシャン公爵と話をしたいと思っていた所だ。ある筋からお前が暗殺者を雇い、ダンノージュ侯爵家の跡取りであるカイルを亡き者にしようとした証拠等も含めて王家に届いている。これは許される問題ではないのだが?」
「そんなはずは!」
「それに、テントの値段も随分と釣りあげていたようだな。その証拠も王家に届いているぞ」
「――!!」
「これより先は、裁判で話し合う事にしよう。それまでナスタは城の貴族牢で沙汰を待つように」
「嫌だ……嫌だ、姉さん!」
「わたくし、貴女の姉ではないわ」
「助けてくれ! 頼む! 悪気は無かった! ただカイルを殺せば俺の許に」
「聞きたくもありませんわ。わたくしの大事なカイルを害そうとしたこと、死をもって償って欲しいですわね」
「連れて行け」
――こうして、何処の誰かは分かりませんがナスタの悪行を全て集めた証拠を王家に提出していた様で、ナスタはこの日の為に呼び出されたようなものだと理解しましたわ。
喚きながら連れていかれる様は何とも無様で。
最後まで貴族らしくすることが出来ない者だと改めて思いましたわ。
「さて、話は以上だが。どうだろうか。今からワシも温泉に入りたいのだが」
「お供しましょう」
「アラーシュと裸の付き合いをするのも悪くない。ワシとアラーシュで、温泉で寛ぐのは可能か?」
「はい!」
「では、御二人が出てくるまでの間、部屋をお借りしたいのですが」
「分かった、部屋を用意してやろう。そこで暫し歓談でもしていてくれると助かる」
「有難うございますわ」
「では、御二人が温泉に入ったら入り口には門番を二人お願いします」
こうして、国王陛下とアラーシュ様が温泉に向かわれた事で、わたくし達は案内された部屋で声を大にしたいのを我慢しつつ――……!
「勝ちましたわ!」
「はい!!」
「勝つどころか圧勝です!」
「しかも最後は貴族牢か……奴も終わったな」
「全くですわね。最後まで気持ちの悪い男でしたわ」
「確かにな」
「リディア姉への執着を感じて気持ち悪かったです」
「ボクもです」
「マルシャン公爵家にいる時からアレだったの。わたくしが箱庭に引き籠って居たいと思うのも頷けるでしょう?」
「「「確かに」」」
「でも、無事に勝てましたし、後は温泉からお二人が出てきたら箱庭に帰って祝賀会をやりましょう!」
「そうだな、美味しい物でも食べて美味い酒で乾杯しよう」
「ボクとファビーはジュースだな」
「早く成人したいなー」
「成人したらボクと一緒になるか?」
「今も一緒じゃない」
「そう言う意味じゃないんだけど……」
「フォル、頑張って!」
「ファビーはリディアレベルだと思うからハッキリ言った方が良いぞ」
「……頑張ります」
「?」
こうして、少し切ない出来事もありつつも二時間後にはお二人も温泉から出てきて、大絶賛でしたわ!
貴族用の温泉として、何時でも入りたいと言うナカース王の為に扉を用意することになったのですけれど、陛下が使われる時間は他の貴族が入れない様に設定することにして、わたくしたちも帰ろうとしたその時――。
「そう言えば、ナジュ王太子殿下が見えませんが」
「ナジュならば、別件の用事を出しているので今日は来ていない。カイルとリディアにはナジュの手助けをしてくれたこと感謝している。ワシもダンノージュ侯爵家には借りが沢山できてしまうな」
「貸しにしておきますので、是非その内返して頂けると助かりますわ」
「ははははは! 女性の貸しとは大きいと聞く。頑張って返せるよう心がけよう」
「有難うございますわ」
こうして、わたくし達は箱庭に帰り、ホッと安堵の息を吐けたと同時に……心配して待っていた皆に勝てたことを報告すると、その後は最早全員でのパーティーでしたわ!
食事も大盤振る舞いで出て、ケーキやお菓子も大量に出て、結婚祝いを兼ねての祝賀会となりましたの。
子供達からは摘んだ花を沢山貰い、幸せで胸いっぱいでしたわ!
そうそう、お祭り騒ぎが落ち着いたころ、元スラムの子たちを集めて話をしなくてはなりませんわね。
『わたくしとカイルの養子になりませんか?』――と。
ふふふ。やる事はまだまだありますけれど、今日は一先ず!
「わたくし達、勝ちましたわ――!!」
「勝ったぞ――!!!」
――それだけで、胸がいっぱいですわ!!!
急に叫んだナスタに、わたくし以外の全員の目がナスタに向かいましたわ。
わたくしとしては、知った事ではないのですけれど。
「我が姉と仰るが、貴殿の父がリディア嬢を庶民に落とし、マルシャン公爵家から追い出したのだぞ? その事をお忘れか?」
「ワシもマルシャン前公爵から聞いている。実の娘であるリディア嬢は、箱庭師であったが故に家の恥として庶民に落とし、貴族籍も外したと聞いておるが?」
「それは無能な父の時代の話です! 私の代では姉を必ずやマルシャン公爵家に戻す為の準備をしていたのです! それなのに……それなのに!! 一体いつの間に結婚などっ!」
そう、わたくしがダンノージュ侯爵家に嫁いだと言う事は、マルシャン公爵家に戻る事は一生無いと言う証でもありますものね。
まぁ、元々戻る気もない場所ですし、捨てた場所に戻っても仕方ありせんわよ。
「姉さん! 何か言って下さい!!」
「あら、わたくし貴方に姉と呼ばれるような立場では御座いませんわ。既にマルシャン公爵家から貴族籍も外され絶縁され外に追い出された者ですもの。それに、マルシャン家に未練も何もありませんでしたので、愛しいカイルとの結婚は嬉しい事ばかりですわ!」
「――!!!」
「常に必死に仕事をし、相談に乗り、民の為に汗水流しながらも働くカイルはとっても魅力的ですわ。嘘をつくこともありませんし、人を騙す真似もいたしませんもの。とっても信頼できる相手ですわ。けれど貴方は少々……国王陛下までも騙すような事を為さる家と縁が切れてホッとしていますわ」
「そんな……」
「マルシャン公爵家にいる間は生きた心地がしませんでしたわ。追い出されてやっと自由になった所でカイルと運命的な出会いをしたのですから、これも神のお導きでしょうね」
「嬉しい事を言ってくれるな、リディアは」
「ふふふ。新婚ですもの、これくらいは許されますわよね?」
「ははは、若い二人に中てられてしまうな。なぁアラーシュよ」
「我がダンノージュ侯爵家にリディアが嫁に来てくれたことは、何にも勝る喜びでしょう」
「うそだ、嘘だ嘘だ嘘だ!! リディアは俺のものなんだ! 俺だけのものなのに何故ダンノージュ侯爵家に奪われなくてはならないんだ!!」
「あらあらあら? ナカース王から祝福された結婚に対し、意見を申し立てるなんて……」
「くっ……」
「反逆罪……と言う言葉をご存じ?」
わたくしがそこまで言うと、ナスタは力なく座り込み、ブツブツと何かを言ってますけれど知った事ではありませんわね。
これでマルシャン公爵家の主要産業は潰しましたわ。
領地を更に盛り返そうとしても、中々難しいんじゃないかしら?
「それに。暗殺者を雇ってまでカイルの命を奪おうとするものを、許せるとでもお思いかしら?」
「!」
「それについては、是非マルシャン公爵と話をしたいと思っていた所だ。ある筋からお前が暗殺者を雇い、ダンノージュ侯爵家の跡取りであるカイルを亡き者にしようとした証拠等も含めて王家に届いている。これは許される問題ではないのだが?」
「そんなはずは!」
「それに、テントの値段も随分と釣りあげていたようだな。その証拠も王家に届いているぞ」
「――!!」
「これより先は、裁判で話し合う事にしよう。それまでナスタは城の貴族牢で沙汰を待つように」
「嫌だ……嫌だ、姉さん!」
「わたくし、貴女の姉ではないわ」
「助けてくれ! 頼む! 悪気は無かった! ただカイルを殺せば俺の許に」
「聞きたくもありませんわ。わたくしの大事なカイルを害そうとしたこと、死をもって償って欲しいですわね」
「連れて行け」
――こうして、何処の誰かは分かりませんがナスタの悪行を全て集めた証拠を王家に提出していた様で、ナスタはこの日の為に呼び出されたようなものだと理解しましたわ。
喚きながら連れていかれる様は何とも無様で。
最後まで貴族らしくすることが出来ない者だと改めて思いましたわ。
「さて、話は以上だが。どうだろうか。今からワシも温泉に入りたいのだが」
「お供しましょう」
「アラーシュと裸の付き合いをするのも悪くない。ワシとアラーシュで、温泉で寛ぐのは可能か?」
「はい!」
「では、御二人が出てくるまでの間、部屋をお借りしたいのですが」
「分かった、部屋を用意してやろう。そこで暫し歓談でもしていてくれると助かる」
「有難うございますわ」
「では、御二人が温泉に入ったら入り口には門番を二人お願いします」
こうして、国王陛下とアラーシュ様が温泉に向かわれた事で、わたくし達は案内された部屋で声を大にしたいのを我慢しつつ――……!
「勝ちましたわ!」
「はい!!」
「勝つどころか圧勝です!」
「しかも最後は貴族牢か……奴も終わったな」
「全くですわね。最後まで気持ちの悪い男でしたわ」
「確かにな」
「リディア姉への執着を感じて気持ち悪かったです」
「ボクもです」
「マルシャン公爵家にいる時からアレだったの。わたくしが箱庭に引き籠って居たいと思うのも頷けるでしょう?」
「「「確かに」」」
「でも、無事に勝てましたし、後は温泉からお二人が出てきたら箱庭に帰って祝賀会をやりましょう!」
「そうだな、美味しい物でも食べて美味い酒で乾杯しよう」
「ボクとファビーはジュースだな」
「早く成人したいなー」
「成人したらボクと一緒になるか?」
「今も一緒じゃない」
「そう言う意味じゃないんだけど……」
「フォル、頑張って!」
「ファビーはリディアレベルだと思うからハッキリ言った方が良いぞ」
「……頑張ります」
「?」
こうして、少し切ない出来事もありつつも二時間後にはお二人も温泉から出てきて、大絶賛でしたわ!
貴族用の温泉として、何時でも入りたいと言うナカース王の為に扉を用意することになったのですけれど、陛下が使われる時間は他の貴族が入れない様に設定することにして、わたくしたちも帰ろうとしたその時――。
「そう言えば、ナジュ王太子殿下が見えませんが」
「ナジュならば、別件の用事を出しているので今日は来ていない。カイルとリディアにはナジュの手助けをしてくれたこと感謝している。ワシもダンノージュ侯爵家には借りが沢山できてしまうな」
「貸しにしておきますので、是非その内返して頂けると助かりますわ」
「ははははは! 女性の貸しとは大きいと聞く。頑張って返せるよう心がけよう」
「有難うございますわ」
こうして、わたくし達は箱庭に帰り、ホッと安堵の息を吐けたと同時に……心配して待っていた皆に勝てたことを報告すると、その後は最早全員でのパーティーでしたわ!
食事も大盤振る舞いで出て、ケーキやお菓子も大量に出て、結婚祝いを兼ねての祝賀会となりましたの。
子供達からは摘んだ花を沢山貰い、幸せで胸いっぱいでしたわ!
そうそう、お祭り騒ぎが落ち着いたころ、元スラムの子たちを集めて話をしなくてはなりませんわね。
『わたくしとカイルの養子になりませんか?』――と。
ふふふ。やる事はまだまだありますけれど、今日は一先ず!
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