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店内
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気がつくと私はどこかの店のカウンター席に腰掛けていた。目の前に淹れたてのお茶の入った湯呑がある。
「あれ翔子は?」だが翔子の姿はそこにはなかった。おそらく大学の講義へ先に行ったのだろう。私は恐る恐る店内を見渡す。小綺麗な店だった。カウンターに6人ほど、家族用の4人がけテーブルが2つ。そして黄色いノボリ……
雑巾うどんの店だった。
いやいやオカシイだろう。私は慌てて立ち上がった。今ゲテモノ料理を食べている暇なんてない。私も講義にいかないと……店をでなければ……
私は扉に手をかけた。その時また激しい目眩がした。
目眩が止むと私はいつの間にかカウンター席に腰掛けている。
その後私は扉とカウンター席の往復を繰り返し、理解した。
理由はわからないけれど、外に出れないのだと。
無理に出ようとすると目眩がおこり、そして振り出しに戻ってしまうのだと。
スマホを慌てて取り出す。けれどもスマホも圏外だった。
一縷の望みをかけ、一瞬でも電波が拾えないか私はゴソゴソと店内を歩き回った。
けれども無駄だった。
「なんかやばくね?」私はつぶやく。「何なのここ。誰か説明して」
奇妙な空間に入り込んたとしか思えない。ここから出る方法は何かないのか?
「落ち着け明海。テンパったら駄目や」
私はゆっくりと目を閉じる。深呼吸をし精神を統一させる。
だんだんと雑念が払われてゆく。その時私はひらめいた。
「雑巾うどん。おそらくあれがこの空間におけるトリガーやなかろうか」
念の為に、私は目の前にあったお品書きをみる。
雑巾うどん 1000円 とだけ書かれていた。
私はそれを見てゲンナリした。
流石に雑巾うどん単体とかないわ~。ないわ~。ないわ~。
心の中でないわ~が永遠に木霊する。
つまりここは、雑巾うどんを私が食べないと出れない空間なのだ。
恐らくだが、正解なのだろう。
勘弁してほしい。
「あれ翔子は?」だが翔子の姿はそこにはなかった。おそらく大学の講義へ先に行ったのだろう。私は恐る恐る店内を見渡す。小綺麗な店だった。カウンターに6人ほど、家族用の4人がけテーブルが2つ。そして黄色いノボリ……
雑巾うどんの店だった。
いやいやオカシイだろう。私は慌てて立ち上がった。今ゲテモノ料理を食べている暇なんてない。私も講義にいかないと……店をでなければ……
私は扉に手をかけた。その時また激しい目眩がした。
目眩が止むと私はいつの間にかカウンター席に腰掛けている。
その後私は扉とカウンター席の往復を繰り返し、理解した。
理由はわからないけれど、外に出れないのだと。
無理に出ようとすると目眩がおこり、そして振り出しに戻ってしまうのだと。
スマホを慌てて取り出す。けれどもスマホも圏外だった。
一縷の望みをかけ、一瞬でも電波が拾えないか私はゴソゴソと店内を歩き回った。
けれども無駄だった。
「なんかやばくね?」私はつぶやく。「何なのここ。誰か説明して」
奇妙な空間に入り込んたとしか思えない。ここから出る方法は何かないのか?
「落ち着け明海。テンパったら駄目や」
私はゆっくりと目を閉じる。深呼吸をし精神を統一させる。
だんだんと雑念が払われてゆく。その時私はひらめいた。
「雑巾うどん。おそらくあれがこの空間におけるトリガーやなかろうか」
念の為に、私は目の前にあったお品書きをみる。
雑巾うどん 1000円 とだけ書かれていた。
私はそれを見てゲンナリした。
流石に雑巾うどん単体とかないわ~。ないわ~。ないわ~。
心の中でないわ~が永遠に木霊する。
つまりここは、雑巾うどんを私が食べないと出れない空間なのだ。
恐らくだが、正解なのだろう。
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