68 / 133
第四章 混沌の時代・7つの特異点
64 蠅の王の力
しおりを挟む「蝿の王」堕天神君主ベルゼブブは七つの大罪の食欲・暴食のGluttonyを司る。その由来は作物を腐敗させる力に起因している。サタネルの一人とも言われるこいつはかつて熾天使の地位にあり、ルシファーの右腕と評された。天の反乱の際にはその実力を如何なく発揮したと言われている。
フランス語圏ではベルゼビュートとして知られるベルゼブブの名は、すなわち「気高き主」あるいは「高き館の主」という意味の名で呼ばれていた。これはおそらく嵐と慈雨の神バアルの尊称の一つだったと思われる。 パルミュラの神殿遺跡でも高名なこの神は、冬に恵みの雨を降らせる豊穣の神であった。「館の主」「いと高き王」を意味する「バアル・ゼブル/Baal-Zebul」が、ユダヤの伝承の中で変質させられ、何故か「蝿の王」となったもので、バアル/Baalとは「主」「王」を意味するセム語のことだ。
ベルゼブブのルーツは、古代イスラエル(カナン)のペリシテ人が治めた5つの自治都市のひとつ、エクロンで祀られていたバアル神だとか言われている。当時は嵐と雨の神として豊穣を司っていた…とかだったな。一説によると、バアルの崇拝者は当時オリエント世界で広く行われていた、豊穣を祈る性的な儀式を行ったとも言われているが、この地に入植してきたヘブライ人たちは、こうしたペリシテ人の儀式を嫌ってバアル・ゼブルを邪教神とし、やがてこの異教の最高神を語呂の似たバアル・ゼブブすなわち「蝿の王」と呼んで蔑んだという。これが聖書に記されたために、この名で広く知られるようになった。恐らくキリスト教会に取り込まれるにあたり、豊穣とは真逆の腐敗を意味する「蝿の王」とされてしまったのだろう。さらに時代が進んで中世の頃にはソロモン王に仕えし七十ニ柱の悪魔の一人、バエルにまで成り下がる。
結局人間の勝手な信仰で非道に貶められているベルゼブブだが、地獄においては「皇帝」とまで評されることもある強大な悪魔であることに違いは無い。さらにベルゼブブは独自の騎士団「蝿騎士団」を創設し、そこには地獄の大公爵アスタロトや大法官アドラメレクといった、自らと同様の境遇を持つ悪魔が数多くその名を連ねるとも言われる、そんなのを召喚する可能性もあるということか。何にせよベルゼブブの持つ影響力は強大であり、地獄の中ではあのルシキファーレに次ぐ実力の持ち主とされている。かつて砂漠を治めた主神の怨嗟の念は計り知れぬ程の深淵なのだろう。
これが俺の知識にあるこの蠅野郎の逸話だ。だが魔神器などの能力はわからない。
そして地上に降り立った人型の堕天神バアルゼビュート、やはりこいつもファーレと同様見た目が変化してやがる。6対の巨大な虫の羽、その一枚一枚に髑髏の模様がある。黒い波打つような短めの黒紫色の髪に、頭からは蠅の触角みたいなものが二本。黒光りする魔神衣は全身を覆い、体の側面からは昆虫、どうせ蠅だろうがな、その足を模った様な3対6本の足の生えたオブジェが蠢いている。魔神衣の見た目も昆虫がモデルの様な形態をしてやがる。しかもこいつは体も相当デカいな。2m以上はある巨漢だ。それにやはり力が増しているというのは本当らしい。あの封神結界で吸われたエネルギーは相当だったはずだしな。ファーレがあの強さだったのも納得だ。天界で見た時よりも、明らかに禍々しい。そしてキモイな…。
「こやつじゃ、里を襲った堕天神は…。おのれ……!」
ばーちゃんはもうキレてんな、それに…
「神気が使えなればマズイ、ディードは親父と後ろに下がれ!」
「で、ですが!」
「嬢ちゃん、いいから俺の後ろに下がれ。神気とは神が使う力だ。神格がなければ見えないからな。ここは大人しく俺と下がってろ」
「…っ…、これがユズリハ達が言っていた『どうしようもない差』というものなのですか…」
親父が説得してくれた様だな。後は神格持ちだけだ。アリアはまだ魔石を調べているが、こいつがいないとぶっちゃけキツイ。
「アリア! 後にしろ、今はこいつをどうにかするぞ!」
「っ…カーズ。ええ、そうでした。バルゼ、何の目的でこんなところまでわざわざ来たのです? 言いなさい!」
「カッカッカ! アストラリア、貴様はまさか大迷宮の最奥に何があるのか知らなかったのか? こんな規模の魔素と瘴気までを放つものが自然発生するはずがなかろう? カカカ…、管轄世界のことを把握してもいないとは何たる怠惰、これは傑作だな」
うん、まあこれはこいつの言う通りだな…。ぐぅの音も出ねえよ。
「おい、言われてんじゃねーか。言い返す材料がねえぞ」
「カーズは私の味方じゃないんですか?!」
「どう考えても正論過ぎてんじゃねーか」
「貴様の職務怠慢振りなどどうでもいい。常に強力な魔素を放ち、誰も辿り着けない程の瘴気までもを生む。それが長い年月をかけ、内部に発生した魔物共が地上に出たことで出来上がったのが大迷宮だ。この瘴気では貴様ら程のレベルの連中しか、立ち入ることすらも出来はしない。しかもそいつらはただ眠っているだけだ。封印されてはいない。いつ目覚めてもおかしくはないんだぜ、その魔神共はな!!!」
「魔神?! 前にファーレが言っていた奴らのことか?!」
「なんと…!? 大迷宮の最下層にはそんなものが…」
どうやらばーちゃんも知っている様だな。くそっ、毎回厄介なものばっか出て来やがるぜ。
「やはりそうでしたか……。魔神とは文字通り魔の神。天界で誕生した私達とは根本的に異なる…。気まぐれな者もいますから、一概に悪とは言えませんが…。多くは害をなし破壊を好む存在。且つて起きたと言われる神魔大戦という天界との戦争で、その多くは地の底へと封じられたはず…。なぜそれがここに……?」
「カッ、神魔大戦はもう数万年以上前。若い貴様が知らないのも無理はあるまい。まあ刺激しなければ目覚めることはないだろうがな」
「じゃあテメーはここに何をしに来やがった? その言い草じゃ、魔神を解放するのが目的じゃないんだろ?」
「カッカッカ! ファーレから聞いていたが、やはり切れるな。確かにその通りだ。先ずは大人しくしていて貰おう! 受けろ! 黒天の炎雨を! ダークブラスト・レイン!!!」
ドシャアアアアアアアアア!!!!
「くっ!!!」
バアルゼビュートの頭上から黒く燃える炎の雨が広範囲に降り注ぐ! 技の規模に範囲もデカい! 離れたディード達は大丈夫だろうが、アヤとアガシャだけでも守らなければ!
「唸れ、俺の神格よ! 来い! 神衣!」
そのままアヤとアガシャを守る様に神気の結界を展開する! ギリギリ何とかなったな…。
「無事だな? 二人共神格を全力で解放しろ、神気の攻撃に対応できない」
頷く二人、そして二人にも神衣が装着される。アガシャの神衣は満月の様な黄金に黒い影の様なデザインだが、アヤの黄金の神衣とほぼ同じ様な形状だ。魂の繋がりの深さの影響なのかも知れないな…。
ダカルーの体を覆っているのは赤と黒を基調とした分厚い龍の鱗の様なデザインの神衣。あれが龍闘衣というやつか? だが次代の二人は纏っていない。まだ未熟なのか? レベルもアガシャに比べたら低いし、これはマズイな…。
「アジーン、チェトレ! 神気を解放しろ!」
「くっ…、俺達はまだ…!」
「ごめんなさい…! みんなの仇を目の前にして何もできないなんて…」
やっぱりか…。なら巻き込まれない様に下がっていてもらうしかないな。
「なら二人は下がれ、神格を扱えなければ勝負にすらならん!」
「カーズの言う通りじゃ、お前達は後ろへ退け!」
悔しそうに後ろへと下がる二人。だが仕方ない、パズズ戦の時の俺と同じ目に遭わせる訳にはいかないしな。
アリアは当然の様に真紅の神衣を纏っており、既に神器も手にしている。実質まともに闘えそうなのは俺とアリアにばーちゃんか……。まあいい、やってやるぜ!
「来い! 神剣ニルヴァーナ!」
ガシィ!!!
「アヤは魔法で援護を頼む。だが神器もないし、先ずは防御を優先してくれ。それにアガシャ、その剣はこの状態でも使えるのか?」
神衣を纏っていても、手にしているルーナ・ジエーナは形を保っている。
「はい、父上。これは神鉄製。神器には劣りますが、この状態でも使えます。背の弓も然りです」
「わかった、なら無理せず弓での援護を優先してくれ。無理そうなら二人共離れていてくれ。近距離は俺達、アリアとばーちゃんでやる。竜王の里の人達の仇だ、ここで潰してやるぜ蠅野郎! このニルヴァーナはテメーをぶっ潰すハエ叩きとでも思ってろ!」
「カカカ!! 可愛い顔をして舐めた口を訊く。いいだろう、折角まみえたんだしな。軽く遊んでやるよ。我が声に応じろ! 魔神器・不倶戴天!!!」
ガッ! ズシン!
現れたのは余りにも切っ先部分が巨大な方天画戟。三国志でも有名な裏切りの飛将軍・呂布奉先が使っていたとされる武器だ。中国の武器である戟の一種で西洋ではハルバードに比定される。方天戟の一種で、柄に対して水平方向に取り付けられている三日月状の「月牙」と呼ばれる横刃が、2枚付いている。
月牙が1枚だけ設けられた方天戟を「青龍戟」「単戟」もしくは「戟刀」と呼ぶが、その中でも特に呂布が愛用した戟は「方天画戟」または「双戟」と呼ばれた。武器の分類上、月牙を水平方向に2枚取り付けた戟を方天画戟としているものもある。日本の十文字鎌槍や西洋のハルバードに似て、「切る」「突く」「叩く」「薙ぐ」「払う」といった複数の用途が可能なオールマイティーな武器であったと考えられている。この武器に改良が加えられて、『三国志演義』にて呂布が愛用する方天画戟へと変わっていく、だったな…。
まさか蠅の王の武器が方天画戟とは、しかも不倶戴天という物騒な名前。だが先ずは斬り結んでみなければ能力もわからない。
「名前からしてタチが悪いな、今のお前の存在と同じじゃねーか。四面楚歌にでも改名しろっ!!!」
ダンッ!! ガギィイイイイイン!!!
様子見で放った正面からの一撃。当然防御されたが、この巨大な魔神器は、いやバルゼは涼しい顔でその場からビクともしない。なるほど…、何となくわかったぜ。
「オラよっ!」
ブンッ!!! ドゴォ!!!
「がはっ!!」
迷宮の壁にめり込む程の威力で吹っ飛ばされた。神衣の御陰でほとんどダメージはないが、こいつはちょっと苦手なタイプだな…。
「…やっぱ脳筋バカの力極か、筋力だけで振り回してやがるな」
「おもしれえ、今の攻防で理解できたのか? そうだ、俺の魔神器にはチマチマしたしょうもない特殊能力などねえ。ただ純粋なパワーで叩き潰す! それが俺の闘い方だ!」
立ち上がり、間合いのギリギリまで距離を詰める。さあ、どうやって崩してやろうか…。苦手なだけで崩せないとは言ってないからね。
「オラァッ!!!」
ブンッ!! グアッ!! ドゴォン!!!
力任せに不倶戴天、巨大な方天画戟を軽々と高速で振り回して攻撃してくる。切っ先部分だけで約2m程の巨大さだ。恐らく神器だから軽く作ってあるのかも知れないが、柄も同様に2m程あって長く、総じて約4m、間合いが長く、懐まで距離がかなりあって入りにくい。直撃したら先程の様に吹っ飛ばされるか、下手したらミンチにされる圧力と衝撃。斬り結んでも、自重の差で不利。だがこうして躱せるくらいだ、スピード自体はそこまで大したことない。掻い潜って本体に斬撃を喰らわせる!
「うおおおお!!!」
「オラア!!!」
ブンッ!!!
斬りかかるフェイントに引っ掛かって、完全に大振りした、その瞬間に一気に掻い潜り懐に入る!!
「ここだっ!」
ガガガキィイインンンッ!!!
「テンペスト・カウンター、トルネードショット!」
ピシィッ!!
掻い潜りながら高速回転し、3連のカウンターを叩き込んだ!
「チィッ!」
ブワアッ!!!
振り回すので一旦距離を取る。
「ほう、俺の魔神衣にかすり傷をつけるとはな。やるじゃねーか、特異点のカーズ」
予想してたが、防御も大概硬いな。左横腹の魔神衣に僅かに亀裂が入っただけだ。
「くそ硬すぎるぜ、アンタ。カウンターを連続でぶち込んだってのに、小さいヒビが入っただけとはな…」
「カッカッカ! そうだ、パワーとは純粋な力そのもの。強靭な力に抗うにはそれを超える圧倒的なパワーしかない!」
確かにその通りだ。中途半端な技術や小技など、純粋な力の前には無意味。パワーとは純粋ゆえに強い。真っ向から撃ち合えない上に被弾したら一撃で大打撃だからな。躱しても周囲に強烈な衝撃波を生む程危険なものだ。でもこういうのもよくある展開、おもしれえ、当たらなければ意味がないってことを教えてやるぜ!
(アリア、ばーちゃん、俺がスピードと剣技で引っ掻き回す。そこにできた隙に大技をぶち込め! いいな、いくぞ!)
(うむ、なるほどな。任せよ!)
(わかりました。あなたの作戦に乗りましょう。でも気を付けてくださいよ!)
「さあどうする? 圧倒的なパワーとタフネスを誇る俺に勝てるのか?」
「アホか、脳筋バカってのは序盤でやられるってのが定番なんだよ。いくぜ!」
アクセラレーションで速度を上げる。先ず俺がすることは陽動だ。
「ハッ!!!」
ガギン! ギィン!! ギギギィン!!!
やはり連撃でも盾にして弾かれるな…。
「うらあっ!!」
ブンッ!! フッ!
だがその後には大振りだ、体勢もその武器の大きさ故に軸が少しはブレる。隙だらけだぜ。ここが勝機!
(いけ!!!)
「龍帝拳・闘牙疾走!!!」
「エレメント・エッジ!!!」
一瞬の隙、右からはばーちゃんの両拳から鋭い牙の様な一撃、左からはアリアの全属性融合のソードスキルがバルゼの胴体を捕らえた!
ドゴォ!!! バキィイイイイン!!!
「うぐっ!!」
ブオン!!
嫌がって払い除ける様に振り回すが、二人共既に回避している。そして魔神衣の両脇腹、虫の脚の部分は大きく破損した。
「ニルヴァーナ、二刀フォーム」
パキィイイイイン!
2つに分身する様に分かたれるニルヴァーナ。こういう力極にはヒット&アウェイってのが相場なんだよ。さあアストラリア流の最速、二刀剣技をお披露目してやるぜ! ずっと練習して来たからな。そしてちょっと試したいこともあるんだよ。
(最速でいくぞ、ニルヴァーナ!)
(フッ、任せておくがいい)
「やるじゃねーか。多対一だと多少分が悪いかあ? まあ関係ねえ、ぶっ潰してやらあ!!!」
「脳筋丸出しの発言だな。じゃあいくぜ、アストラリア流二刀スキル!」
上下からの斬撃と前方からの突きを同時に放つ二刀技!
ズガアン!!! ガキィン!!!
「フェンリルファング・ストライク!」
不倶戴天に、要は奴の武器に狙いを定めた高速の剣技が全弾炸裂する。
ピシッ…!
「なにぃ!?」
やはりな…。こいつら以外の神々が力を注いでくれているんだ。形状は小さくてもこちらの方が強度は上だと思ってたぜ!
「何を呆けてやがる! まだまだいくぜ!!」
竜巻の様に高速回転、その遠心力を利用した神速の連撃!
ギギギギギギィイイイイイン!! ガギィイイイイイン!!!
「ストーム・プレデーション」
ガキンッ! バキィン!!!
「くそっ! 小細工が!!」
左右の月牙を破壊した。やはり強度はこちらが上。更にスピードで倍加する威力。最初の魔法の威力もそれほどではなかったし、このバカデカい魔神器を封じれば何てことはない! それに今のでまたしても隙ができた。あの二人がそれを逃すかよ!
「龍帝拳・無双羅刹!!!」
「ドラゴン・ファング!!」
ズドドドドッ!!! ドバキィイイイン!!!
ダカルーは強烈な手刀の突きの連打、アリアのあれは初めて見たな。大剣状態でのフェンリル・ファングか。武器の重量からして威力が桁違いだ。奴の魔神衣が砕け散り、肉体にダメージが入った。
「ちっ、ちょこまかと鬱陶しい! これでも喰らいやがれ! グランド・ハルバード・クラッシャー!!!」
ドゴオオオオオオオオ!!!
地面に叩きつけた魔神器から全方位の地面に衝撃波が走る!!!
「飛べ!!!」
ダッ!!!!
全員上に跳躍して躱した。やはり威力はあっても鈍重だな。蠅ってのはもっと素早いもんだってのに。特性を自分で台無しにしてりゃあ世話ないぜ。兎も角この連携でいけば勝機はこちらにある。
「じゃあその鬱陶しい魔神器は貰っていくぜ。アストラリア流二刀スキル!」
まるで蜃気楼でも幻覚でも見たかの如き、あらゆる角度からの超速の32連撃が叩き込まれる! これがアストラリア流二刀スキル最速の剣撃だ!
「ミラージュ・ブレード!!!」
ガギギギギギギギギィイン!!! ギギギギギギィイイイイイン!!!
バギィン!!! ガゴォ!!!
「なにぃ?! 俺の不倶戴天が!?」
巨大な穂先部分を完全に砕いた! 最早無駄に長い棒と同じだ!
「おりゃあああ!!!」
ギィン!!!
恐らくこれが最後の鍔迫り合い。しかしパワーで負けていてもこちらはクロスさせた二刀。奴のは只の神鉄の棒切れ。そんなものに押し返されてたまるかよ!
ズンッ! 大地を踏む脚に力を込める。
「ぐっ…、ガハッ! ぐおおおおおお!!!」
肉体にダメージを受けた状態でも押し返して来る。大したパワーと執念だ、だが…
「俺にだけ必死になってていいのか? 蠅野郎」
「なんだとっ!?」
遅い! 既に二人は技を放っている!
「龍豪拳波!!!」
「シューティング・スター!!!」
ダカルーから渾身の闘気を纏った拳打。アリアからは連打じゃない、一撃にパワーをつぎ込んだ必殺の突きか?
ドゴオオオ!!! ズドオオオン!!!
「ぐはぁっ…、ガッ…、ぐぅが、あっ!」
致命的な攻撃が完全に入った! ここが勝機! これで決める!!!
「アストラリア流二刀スキル・奥義!」
ドゴオオオオオオオオ!!!!!
全てを飲み込み無限の刃で斬り裂く剣閃の嵐が奴を飲み込んだ! その嵐に切り刻まれていくバルゼ!
「ジャッジ・オブ・アストラリアーー!!!」
「ぐああああああああああ!!!!!」
勝った! 3神の一角を崩したぞ!!!
「やった!」
「おおっ!!」
「勝ちました!!」
みんなが口々に此方の勝利が決まった様な声を上げる。
だが妙だ、奥義に完全に巻き込まれたとはいえ全く姿が視えない。見失った。粉々に消し飛んだのか? しかしそれなら奪ったはずの奴の神格が俺の中に流れ込んで来る様な感覚があるはず。どうなっているんだ……?
0
あなたにおすすめの小説
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる