純白のレゾン

雨水林檎

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07

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「青海先生、離婚されたんですか……」
「ああ、まあ気が合わなかったんだよ。喧嘩が次第に増えていって、あいつが家出してそのまま。娘の親権は嫁が、それからもう十年ってところ。養育費はいらねえから一生会わないでくれってさ」
「可愛い盛りを見ることができなかったのは寂しかったでしょうね」
「お前に何がわかる、この若造が」
「うちにも小さい子供がいたんですよ。無垢って名前の男の子で、今年中学生になりました。可愛い弟のように思ってたんですけどね」
「写真見せてみ」
「……携帯にはこれしか。可愛いでしょう?」

 向島の差し出した待ち受け画面は人形のような髪色と白い肌をした少年が微笑んでいる。これは、本当に可愛い。

「弟だって?」
「いえ、弟のようなものです。実家を出る日の朝、お別れを言ったら怒られました。それからは電話しても出てくれなくって。もうあの子と会話は出来ないのかな」
「……お互いにさみしいな」
「そうですね、心の拠り所を失ってしまいました。あの子を育てるのが生きがいみたいなものだったのに」
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