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なんとなく
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目覚まし時計のアラームを止めて起き上がる。洗面台で身だしなみを整えて部屋へ戻りスーツに手を掛けた所で思い出した。今日は仕事が休みで、久し振りの連休なのだ。とは言え、何か予定が入っているという事は無い。休日は体を休めたいと、家でゴロゴロと自堕落に過ごして来たからだ。どうしようかと考えても特に思い付く事も無いので、スーツに掛けた手を放して移動をする。そしてとりあえずパソコンの電源を入れた。
何か調べ物があるわけでもないが、時間だけは過ぎる。見慣れたディスプレイに表示されて変わっていく情報の数々は、変わらない日常の一つとしてただあり続けていた。
そのまま惰性で見ていたが、気が付けばすでに昼前になっていた。キッチンへ行き、買い置きの袋麺を手に取って何となく外で食べたいと思ってしまったのだ。
何で裏山を登ろうと考えたのか・・・いや、何も考えていなかったのだろうな、などと思いながら疲労で重くなった足を揉む。休みなのだから時間もあるし庭でと、いつか行こうと思い付きで買ったまま仕舞い込んでいたキャンプ用品まで引っ張り出したのだ。そしてその時何気なく裏山を見て、登るか、などと思ってしまった。テントや寝袋などは置いてきたので、背負ったリュックサックの重量は5kgも無いくらいだろう。と言うよりも、荷物が有っても無くてももう少し考えるべきだった。後悔先に立たずとは正にこれだな、と思いながら足を揉むのを止めて未だ重い足を動かした。
やっとの思いで辿り着いた頂上には木以外には何も無かった。これ以上登る事は出来ない様だ。幸いにも見える範囲内に目的を果たす事が出来そうなスペースがあった事だけが救いであった。もしこのスペースがなかったらこのまま来た道を戻るしかなかった。そう考えると下見は大事だと実感してしまった。あそこへ行ったらしばらく動かない。そう決めて移動する。目測で15m程の距離さえも動くのがきつくなっていた。
まずは椅子を準備する。とは言っても、同じく思い付きで買ったアウトドアチェアだ。軽量で設置が簡単なのが売りだっただけあってすぐに終わった。座り心地を確かめてみると思いのほか良かった。すぐに壊れそうな感じもなく、むしろ家にある椅子よりも座り心地は良いのではないかと思ってしまうほどだ。そして木々の隙間から見る事が出来る景色、いつも生活している場所であり、もっと近くで見ていて見慣れているはずの町が何故か良いと思えた。見方が変わると変わるものなのだなと、少しの間思い耽ってしまった。続いて昼食の準備をと思ったが、少し休憩を取る事に決めた。動くのが億劫だったわけでは・・・ある。
風に吹かれて目を覚ます。そのまま少し寝てしまったようだ。まるで映画のワンシーンのようだ。登場人物が自分ではなく、見目麗しい俳優ならだけどと苦笑をする。何はともあれご飯にしますか、と準備を始める。
取り出したるはガスバーナー。これがあれば大丈夫というキャッチフレーズで買ったクッカーセットプラスの中の一品だ。いそいそとバーナーを準備、鍋をセット、ペットボトルの水を入れてしばし待つ。家でするなら早く沸けとしか思わないものだが、不思議な事に、こういう時は何故かお湯が沸くのを待つ事さえも心が躍る感じがする。何故だろう、そんなことを考えているうちにお湯が沸いたので麺を投入する。茹で上がったら袋調味料を入れて、鍋から直接食べる。キャンプ用品で食べるならやっぱり鍋から直接だよねと麺を啜る。とても美味しかった。美味しいと感じた。普段は捨ててしまうスープを飲み干してしまうほどに。
鍋を水でさっと流して片付ける。スープが残っていたらよろしくないかもしれないが、スープは飲み干したのでほぼ水のはずだ。ゴマが数粒位は許して下さい。なんて思いながらアウトドアチェア以外はすべて片付けていく。アウトドアチェアを残すのは、もう少しだけこの場所に居たいと思ったからだ。普段は来ようと考える事も無い場所で、見慣れない場所、見慣れた場所が何故か良いと思える景色に代わる場所。そんなちょっとした違いをもう少しだけ楽しみたいと思ってしまったのだ。
休憩の前とは違い今度は少ししっかりと意識して見てみる事にした。家から車で通勤の為に通る道沿いからでは見えない部分。特に用も無く、そちらに住んでいる知人もいないので行かない場所の辺り。そんな普段は行こうとも、見ようともしなかった場所の事を見るのが何故か楽しかった。
楽し時間が過ぎるのは早いもので、気が付けば17時になっていた。裏山とは言え、さすがに夜の山に居続ける気はしない。暗くなる前に下山をする事にした。
家に戻り使ったものだけしっかりと手入れをする。几帳面という訳ではないが、物持ちは良い方だと思う。そのおかげでついつい買った物がいつまでも残っている。中には未使用の物から一度しか使っていないような物もある。物が溢れないのは、時々来る弟家族が欲しいと言って持って行ってくれるからだ。それについてはありがたいと思っているが、早くに結婚して家族が増えたから小遣いが足りないといつも愚痴るのだけはやめて欲しいものだ。弟の嫁は同級生なのだ。過去の情報は秘匿したいものだってあるんだよ。
片付け終えたら風呂だ。体を動かしたのでのんびりと風呂につかりたい。入念に足を揉んでおかないと怖いのだ。
風呂から上がり冷えたビールを飲む。久し振りに体を動かしたからなのか、いつもよりとても美味しく感じた。そしてまだ20時なのに少し眠いのだ。特にする事も無いしまあ良いかとベットに入る事にした。
ベットに入るとすぐに眠気が襲い掛かってきた。これほど早くに寝付けそうなの久し振りの事であった。これからは休日に出歩いてみるのも良いかな、などと思いながら意識は夢の世界へと旅立って行った。
翌日は筋肉痛で動けなかった・・・でも翌日ってまだ若いって事だよね?と思った・・・
何か調べ物があるわけでもないが、時間だけは過ぎる。見慣れたディスプレイに表示されて変わっていく情報の数々は、変わらない日常の一つとしてただあり続けていた。
そのまま惰性で見ていたが、気が付けばすでに昼前になっていた。キッチンへ行き、買い置きの袋麺を手に取って何となく外で食べたいと思ってしまったのだ。
何で裏山を登ろうと考えたのか・・・いや、何も考えていなかったのだろうな、などと思いながら疲労で重くなった足を揉む。休みなのだから時間もあるし庭でと、いつか行こうと思い付きで買ったまま仕舞い込んでいたキャンプ用品まで引っ張り出したのだ。そしてその時何気なく裏山を見て、登るか、などと思ってしまった。テントや寝袋などは置いてきたので、背負ったリュックサックの重量は5kgも無いくらいだろう。と言うよりも、荷物が有っても無くてももう少し考えるべきだった。後悔先に立たずとは正にこれだな、と思いながら足を揉むのを止めて未だ重い足を動かした。
やっとの思いで辿り着いた頂上には木以外には何も無かった。これ以上登る事は出来ない様だ。幸いにも見える範囲内に目的を果たす事が出来そうなスペースがあった事だけが救いであった。もしこのスペースがなかったらこのまま来た道を戻るしかなかった。そう考えると下見は大事だと実感してしまった。あそこへ行ったらしばらく動かない。そう決めて移動する。目測で15m程の距離さえも動くのがきつくなっていた。
まずは椅子を準備する。とは言っても、同じく思い付きで買ったアウトドアチェアだ。軽量で設置が簡単なのが売りだっただけあってすぐに終わった。座り心地を確かめてみると思いのほか良かった。すぐに壊れそうな感じもなく、むしろ家にある椅子よりも座り心地は良いのではないかと思ってしまうほどだ。そして木々の隙間から見る事が出来る景色、いつも生活している場所であり、もっと近くで見ていて見慣れているはずの町が何故か良いと思えた。見方が変わると変わるものなのだなと、少しの間思い耽ってしまった。続いて昼食の準備をと思ったが、少し休憩を取る事に決めた。動くのが億劫だったわけでは・・・ある。
風に吹かれて目を覚ます。そのまま少し寝てしまったようだ。まるで映画のワンシーンのようだ。登場人物が自分ではなく、見目麗しい俳優ならだけどと苦笑をする。何はともあれご飯にしますか、と準備を始める。
取り出したるはガスバーナー。これがあれば大丈夫というキャッチフレーズで買ったクッカーセットプラスの中の一品だ。いそいそとバーナーを準備、鍋をセット、ペットボトルの水を入れてしばし待つ。家でするなら早く沸けとしか思わないものだが、不思議な事に、こういう時は何故かお湯が沸くのを待つ事さえも心が躍る感じがする。何故だろう、そんなことを考えているうちにお湯が沸いたので麺を投入する。茹で上がったら袋調味料を入れて、鍋から直接食べる。キャンプ用品で食べるならやっぱり鍋から直接だよねと麺を啜る。とても美味しかった。美味しいと感じた。普段は捨ててしまうスープを飲み干してしまうほどに。
鍋を水でさっと流して片付ける。スープが残っていたらよろしくないかもしれないが、スープは飲み干したのでほぼ水のはずだ。ゴマが数粒位は許して下さい。なんて思いながらアウトドアチェア以外はすべて片付けていく。アウトドアチェアを残すのは、もう少しだけこの場所に居たいと思ったからだ。普段は来ようと考える事も無い場所で、見慣れない場所、見慣れた場所が何故か良いと思える景色に代わる場所。そんなちょっとした違いをもう少しだけ楽しみたいと思ってしまったのだ。
休憩の前とは違い今度は少ししっかりと意識して見てみる事にした。家から車で通勤の為に通る道沿いからでは見えない部分。特に用も無く、そちらに住んでいる知人もいないので行かない場所の辺り。そんな普段は行こうとも、見ようともしなかった場所の事を見るのが何故か楽しかった。
楽し時間が過ぎるのは早いもので、気が付けば17時になっていた。裏山とは言え、さすがに夜の山に居続ける気はしない。暗くなる前に下山をする事にした。
家に戻り使ったものだけしっかりと手入れをする。几帳面という訳ではないが、物持ちは良い方だと思う。そのおかげでついつい買った物がいつまでも残っている。中には未使用の物から一度しか使っていないような物もある。物が溢れないのは、時々来る弟家族が欲しいと言って持って行ってくれるからだ。それについてはありがたいと思っているが、早くに結婚して家族が増えたから小遣いが足りないといつも愚痴るのだけはやめて欲しいものだ。弟の嫁は同級生なのだ。過去の情報は秘匿したいものだってあるんだよ。
片付け終えたら風呂だ。体を動かしたのでのんびりと風呂につかりたい。入念に足を揉んでおかないと怖いのだ。
風呂から上がり冷えたビールを飲む。久し振りに体を動かしたからなのか、いつもよりとても美味しく感じた。そしてまだ20時なのに少し眠いのだ。特にする事も無いしまあ良いかとベットに入る事にした。
ベットに入るとすぐに眠気が襲い掛かってきた。これほど早くに寝付けそうなの久し振りの事であった。これからは休日に出歩いてみるのも良いかな、などと思いながら意識は夢の世界へと旅立って行った。
翌日は筋肉痛で動けなかった・・・でも翌日ってまだ若いって事だよね?と思った・・・
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