60 / 102
いや、ひとりです
しおりを挟む
「いやぁ、上々の出来でしたねー。ゲッコウ隊長。カメレオン部隊は残念だったけど、本隊同士の戦いは大勝利。その上、シェド隊のジャカルも殺すことができたなら言うことなしですね」
「ああ、そうだな」
機嫌良く話し出すアマゲに対して、ゲッコウはそのように冷たく返す。ただひたすらに自身の右手を眺めるゲッコウ。そんな彼にアマゲは国を傾げる。
「どうしたんすか? ゲッコウ隊長。せっかく有利に戦いを進められてるのに、浮かない顔して。らしくないっすよ。いつももっと自信満々にしてるじゃないですか」
「うるせぇなぁ。黙ってろよアマゲ」
「うわ、久々ですね。僕の名前、最初から正しく呼ぶの。こりゃ雨が降りますね。ちなみにアマガエルがよく鳴いていると次の日雨が降るって迷信ありますけど、ゲッコウさんあれ信じてます?」
「黙ってろって言ってるだろ! 静かにしてろよ」
そう声を荒げ、再び、自分の右手をぼーっと眺めるゲッコウ。そんな彼の様子を見てアマゲはなんとなく彼に何があったのか悟る。
「あーわかったかもしれないです。あれですか? ひょっとしてまた戦いで自分が再生能力を使ったこと恥じてるんですか?」
「・・・・・・」
何も言葉を返すことができないゲッコウ。そんな彼に対してアマゲは続ける。
「そんなん気にしなくていいのに。僕らにとってみれば、隊長が死なないっていうのは随分と気楽なもんですよ。だからもっと自分を好きになればいいじゃないですか」
「違う、そんなんじゃねえんだよ。俺は――」
「あ、一人称俺様から俺に戻ってるじゃないですか。いつも思うんですけど俺様なんてやめた方がいいですよ。いくらゲッコウ隊長が自分に自信ないことを隠すために使っているっていっても、あんなダサい一人称流行らないですよ」
「アマゲ副隊長! ゲッコウ隊長!」
そんな彼らの会話の間に入ってきたのは、イグアナ部隊の隊員の一人のイアンだ。切迫した様子で、2人の前に現れた彼。そんな彼の様子を見て、ゲッコウは何かよからぬことが起きたということを悟る。
「なんだ! そんなに慌てて、どうしたんだよ? イアン」
「恐れながら申し上げます。夜襲です。今、カニバルの兵がこのレプタリアの本陣めがけて襲撃してきました!」
「夜襲っすか? こんな夜中にそんなことしたって、暗くて何も見えないだけじゃないすか」
「それが、敵は炎をその身に纏っていまして……」
そんなイアンの言葉を聞き、ゲッコウの頭に昼間みた炎の斬撃を飛ばした青年を思い浮かべる。なるほどな。確かにやつがなんの獣人かわからないが、身に炎を纏えるなら、明かりを灯しながら進軍することは可能だ。
「昼間のあいつか。なるほど、つまりはそいつを先頭にしてカニバルの奴らが攻めてきたわけだ。あいつらも考えたな」
「いや、1人です!」
「は?」
「ですから、その男は一人でこの南の峠を登って攻めて参りました! 現在コブラ部隊とイグアナ部隊は壊滅! 今、サンショウオ部隊が迎撃に向かっているところです!!」
「ああ、そうだな」
機嫌良く話し出すアマゲに対して、ゲッコウはそのように冷たく返す。ただひたすらに自身の右手を眺めるゲッコウ。そんな彼にアマゲは国を傾げる。
「どうしたんすか? ゲッコウ隊長。せっかく有利に戦いを進められてるのに、浮かない顔して。らしくないっすよ。いつももっと自信満々にしてるじゃないですか」
「うるせぇなぁ。黙ってろよアマゲ」
「うわ、久々ですね。僕の名前、最初から正しく呼ぶの。こりゃ雨が降りますね。ちなみにアマガエルがよく鳴いていると次の日雨が降るって迷信ありますけど、ゲッコウさんあれ信じてます?」
「黙ってろって言ってるだろ! 静かにしてろよ」
そう声を荒げ、再び、自分の右手をぼーっと眺めるゲッコウ。そんな彼の様子を見てアマゲはなんとなく彼に何があったのか悟る。
「あーわかったかもしれないです。あれですか? ひょっとしてまた戦いで自分が再生能力を使ったこと恥じてるんですか?」
「・・・・・・」
何も言葉を返すことができないゲッコウ。そんな彼に対してアマゲは続ける。
「そんなん気にしなくていいのに。僕らにとってみれば、隊長が死なないっていうのは随分と気楽なもんですよ。だからもっと自分を好きになればいいじゃないですか」
「違う、そんなんじゃねえんだよ。俺は――」
「あ、一人称俺様から俺に戻ってるじゃないですか。いつも思うんですけど俺様なんてやめた方がいいですよ。いくらゲッコウ隊長が自分に自信ないことを隠すために使っているっていっても、あんなダサい一人称流行らないですよ」
「アマゲ副隊長! ゲッコウ隊長!」
そんな彼らの会話の間に入ってきたのは、イグアナ部隊の隊員の一人のイアンだ。切迫した様子で、2人の前に現れた彼。そんな彼の様子を見て、ゲッコウは何かよからぬことが起きたということを悟る。
「なんだ! そんなに慌てて、どうしたんだよ? イアン」
「恐れながら申し上げます。夜襲です。今、カニバルの兵がこのレプタリアの本陣めがけて襲撃してきました!」
「夜襲っすか? こんな夜中にそんなことしたって、暗くて何も見えないだけじゃないすか」
「それが、敵は炎をその身に纏っていまして……」
そんなイアンの言葉を聞き、ゲッコウの頭に昼間みた炎の斬撃を飛ばした青年を思い浮かべる。なるほどな。確かにやつがなんの獣人かわからないが、身に炎を纏えるなら、明かりを灯しながら進軍することは可能だ。
「昼間のあいつか。なるほど、つまりはそいつを先頭にしてカニバルの奴らが攻めてきたわけだ。あいつらも考えたな」
「いや、1人です!」
「は?」
「ですから、その男は一人でこの南の峠を登って攻めて参りました! 現在コブラ部隊とイグアナ部隊は壊滅! 今、サンショウオ部隊が迎撃に向かっているところです!!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる