輪廻”異世界”転生

ぱけ

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第27話 村

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 ボスとアイシャと自分は大きなテントから外に出た。
 よく見るとサーカスみたいな形をしている。
 他にも同じようなテントが小さいものから大きものまである。
 テントだけではなく、木でできた家もあるが小屋って感じだ。
 
 「この村のエルフに大体100人ぐらいだ。狩りに山菜採り、家事や警備などみんな手分けして働いている」
 「100人……結構いますね」
 「……そうか?大体エルフは100人ぐらいで固まって生活をしているのが普通だ。もしくは人間の国に住んでいるかだ」
 「なるほど、子供たちも働いているんですか?」
 「もちろんだ。ただし、狩りはオトナと同伴しなきゃいけない」
 「まぁ、そうですよね」
 
 色々と話しながら歩いていく。連れていかれる時も話してもらいたかった。
 みんなが食料を交換する広場や井戸、他の入口や倉庫などあらゆる所を案内してもらった。
 みんなで生活しているという感じがする。なんせ、通貨や店がないのだ。
 村の様子を見ていると他のエルフが近づいてきてアイシャに話しかけ、去っていった。

 「さて、カイ。お前の家だが木の家でもいいか?」
 「え?家なんて貰えるんですか?」
 「あぁ、私はあまり気が乗らないが村長の命令だ。着いてこい」

 そういって、着いていく。
 そして小さな小屋の前に着いた。

 「ここだ、好きにしてもらっても構わない。そのニワトッリと一緒に住んでもらう」
 「ありがとうございます」
 「礼なら村長に言うんだな」
 「あ、はい」
 「今日は一先ず寝ろ。明日また村長のところに行く。わかったか?」
 「わかりました」

 そうしてアイシャは離れていった。



 早速小屋に入る。
 広さは6畳ぐらいの広さだが、床がありドアがあり、窓もある。
 家具とかは何も無いが、安心して寝れるのが本当にありがたい。
 荷物も誰かか届けてくれたのか部屋に置いてある。
 盗まれた様子もないし、良心的に関われそうだ。
 ボスも何かと満足している。
 さて寝るとするか。
 ただの木の床で寝るのがこんなに幸せだと感じたのは生まれて初めてだろう。
 すんなり寝てしまった。



 ドンドンドンドン。
 朝が来たようだ。
 寝ぼけながら扉を開けるとアイシャが居た。

 「全く、いつまで寝ているんだ。」
 「……おはようございます」
 「あぁ、おはよう」

 そうしてアイシャと共に村長のテントへ向かう。
 ボスはついてこないようだ。すっごく気持ちよく寝ている。いつもは鳴いて起こしてくれるのに。

 村長のテントへ入り早速話を始める。

 「さて、住処はどうだった?」
 「本当に助かります。地面じゃないところで寝たのは久しぶりです」
 「そうかね、まぁ時間がある時にベッドでも作りなさい」
 「はい、わかりました」
 「それでね、アイシャから聞いたと思うけどうちは全員で働いている。だから、ここに住むならあんたにも働いてもらわなきゃ困る。いいね?」
 「えぇ、もちろんです」
 「そうかいそうかい。でもその前に聞きたいことがある。魔法は使えないのかい?」
 「えぇ、何も知りません」
 「おかしいねぇ……誰でも物心着いた時には魔法を覚えているもんだが……。まぁよい、出来れば早く魔法を覚えて欲しい」
 「いいですけど、何故でしょう?」
 「アイシャが可哀想だからじゃ」

 アイシャが?
 そう言ってアイシャの方へ顔を向ける。

 「今私たちが普通に話しているのは私の魔法を使っているからだ。だからカイが話す度に私の魔力が使われる。そうすると私は働けなくなるのでな」
 「あぁ、なるほど。それは申し訳ないことを……」
 「いや、いい。村長から色々話を聞いた。大変な生き方をしていたんだ。少しぐらい甘えてもいい」

 なんと。
 昨日の態度とは全然違う。
 自分の話を信じてくれて、今では村の仲間という形で信頼してくれているのだろうか?
 結構嬉しいな。

 「と、いうことでな。魔法が使えるようになるまでアイシャに指導してもらいなさい」
 「わかりました」
 「じゃあ、早速始める。とりあえず村の外で行うから着いてきて」

 異世界らしくなってきた。
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