巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

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第3話 借家暮らし

第3-1話 借家改造

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(借)家を改造しよう

そして、部屋割りの話になったのですが、部屋は3つ。人数は6人モーラ、アンジー、ユーリ、メア、エルフィ、そして私。エルフィが私の部屋に絶対一緒に寝ると言い出して、一悶着ありました。まあ、裸を見られたということで、嫁の立場を貫きたいらしいのです。あたりまえですが、全員反対です。もちろん私も反対です。
「もう一部屋作らんか、相部屋にしても2人が限界じゃ。ベッドも入らんぞ」モーラもこのままではいかんと思ったらしい。
「ええ、そうですね。せっかくですから全員分部屋を作りましょう。」
「どうするのじゃ」
「2階に増築しようかと思いましたが、耐久性に問題があるので、やめましょう。」
「街にある家みたいに石造りならよかったのじゃが。さすがに壊れそうだしなあ。」
「そうですね、あいにくここは1階が木造で、柔らかい木材しか使っていませんので、2階建てには向かないです。ですから、一部屋潰して廊下として、その奥に4部屋作りましょう。」
「ならばさっそくとりかかるか。」
「とりあえず、メアさんとエルフィさんには、私と一緒に行ってもらって、木材を調達します。時間も無いのでとっと行ってきます。」
「それならその間に土を加工して、土台を作っておくぞ。」さすが土のドラゴンさんです。
「お願いします。風呂場も増築になりますから、台所の奥の方にもこんな感じで増築しますのでお願いします。」外に出て、家の裏側に回って、風呂場用のスペースと部屋のスペースのだいたいの線を引いて、家の土台の高さに合わせて床を作ることを説明する。
「ふむふむ。」
「アンジーとユーリは、モーラの指示で盛り上げた土をならしてください。」
「はーい」

森に入りました。別に急ぐつもりはないのですが、さすが森の人、エルフィの移動スピードが速いので2人でそれに合わせて何とかついて行っていますが、私は割としんどいです。あ、魔法で筋力を強化すればいいのか。
 何かを感じたのかエルフィが作業できそうなスペースの空き地に止まって、周囲を見渡しています。
「木材は乾燥させないとまずいのではありませんか?」
メアさんが私に尋ねる。
「そうですね、それには考えがあります。私の世界では、間伐と言って、古い木や成長の遅い木を伐採して、育ちの良い木をさらに育てるということをしているのです。ですので、古木というか、枯れてきて、古くなった木や周りの木に隠れて成長の遅くなった木を切ります。ですが、成長が遅いからと言って、活力のある木は切りたくないので、」私はそう言ってエルフィを見る。
「私の出番ですね~」
周囲を見渡していたエルフィは、暗い方に向かって歩き出す。
「見つけられそうですか?」その後ろをついて行く。
「安心してください~、老木・古木を見つけられますよ~」
「よろしくお願いします。」
かなり奥に入ったところ、エルフィが立ち止まった。どうやら木の植生に変化があったようだ。
「この辺の木がいいかな~」エルフィがそうつぶやいた。
「では、まず荷車を作りますのでちょっと堅めの木をお願いします。」そ
して、エルフィの指示で何本か切り倒し、私は、移動用の台車を作ります。馬車を作ったときのノウハウを活用していますから手慣れたものです。
「台車とかすぐ作れるんですか~すごいですね~」
周囲を見回って戻ってきたエルフィが感心している。いや、荷車ですよ。組み合わせただけですよ。組み合わせの方法はちょっと凝りましたけど。
「さて、切り倒しますか。」
「3人で大丈夫ですか~」エルフィが不安そうに見る。
「ええ、大丈夫です。」メアが微笑む。
「では、一応説明を、木は樹皮込みでギリギリまで使うつもりです。そして、足りなくなったらまた取りに来ます。とりあえず、太めの10本を持ち帰りましょう。」
「では、まず、これとこれを根元から切ってくださ~い。」エルフィが手近にあった木を何本か指をさしました。
「はい、切りますから離れていてくださいね。」
「はい、」2人は少し離れて私を見守っています。
私は、息を整え木の細胞を凝視しています。細胞単位まで拡大したところで、細胞と細胞の間に亀裂を交互に切り取り線をつけていきます。亀裂を入れながら木を一周して完成です、ついでに縦にも台車に乗せるために適当な間隔で亀裂を入れていきます。最後に倒れる方向を調整するためにくさび形に切り込みを作っていき、切り取り線に沿って一気に細胞を切っていきます。
「倒れるぞー」私は念のため声をかけました。
メキメキとも言わず、隣り合った木の枝と枝がこすれあい折れていく音だけがして、ほどなくドーンという地響きとともに倒れます。横倒しになったときに何本かに分かれて転がったのを見て、エルフィは、目をパチクリしている。すかさずメアは、その木を手に持ったのこぎりで一定の間隔で何本かに分けている。どうやら、家の周りにざっと線を引いたときにその距離を記憶していて、それを元に切っているようです。私の行動を見ていて段取りを理解したようで行動にブレがない。こちらから特に注文をつけることはないくらいに意図をくんで、作業してくれています。
「次はどれを倒せばいいですか?できれば、このスペースは作業に使うので、別の位置の方がいいのですが。」あっけにとられているエルフィに声をかける。
「では~、こちらの木を使ってください~。木の中の水の流れが弱くなっていて、じき枯れます。」ちょっと離れたところの木まで行って木肌をたたいている。
「ではいきますよ。」指示された古木を次々と切り倒す。10本もあれば、とりあえず使用する木の総量が見えるので、ここで木を切るのを終了して、今度は木を荷車まで移動させなければいけません。幸い平地なので、魔法を使い摩擦力を軽減して、軽く押して移動させる。エルフィがびっくりしている。この量を荷車に乗せるのは無理に見えるがとりあえずメアと協力して全部のせてみる。ここで、重力制御の魔法だ。本当なら空間をつないで移送した方が早いのだけれど、モーラに禁止されているので、この方法にする。しかし、載せすぎて動かないというか車輪が限界だ。さっきの応用で、台車の車輪の摩擦力をほとんどゼロにして地面を滑らすように移動させる。車輪の意味があるのか?しかもどんどん加速していく。急いでしまうととんでもないことになりそうです。
そうやって、家まで木を運んで、メアとともにざっくりと四角に成形していく。木幅だけ決めて、あとは、それに合わせて切っていく。あまりひどく斜めになっていない限りは、何とか使えそうなるので、割と雑に切っていく。
切った後、少し離れて場所に木材を移して、乾燥作業をしてもらう。これは、モーラとアンジーとユーリにお願いしました。まず、私が魔方陣を作って、そこにユーリとアンジーが木材を移動して、モーラにはその魔方陣に魔力を注入してもらい乾燥してもらっています。
ある程度乾燥したら、私とメアで基礎の上に移動させて壁にするため積み上げていきます。その壁は、基礎の上に這わした、横柱と基礎の上に乗るように加工してあって、一応崩れないように四隅には柱が来るようにしています。壁になる部分は、それぞれ角の部分などが組み合わせるように加工してあります。この加工が一番面倒なのですが、メアもエルフィも飲み込みが早く、私の柱を作るスピードに合わせるように組み上げのスピードが早くなっていきます。
そうやって壁ができたところで、土台の強度が不安になり、土台が木の重量に耐えるか屋根の重量分の木材を一度載せてみて、問題なさそうなことを確認して、作業再開です。
束石の上に床をのせる渡し木を入れるために横木に穴を開けながら床下の木を組んでいきます。他の壁の組み上げが終わったエルフィとメアの2人は、私の真似をして床板の加工に入りました。木の板を削って床材にして、どんどん床に貼っていきます。ここでもエルフィとメアがそれぞれ役割を分担して、作業を続け、かなり楽にというかすごいスピードで作業が進んでいきます。
エルフィは、手伝いが一段落したところで、森に戻っていき木材を探してくれています。
 すでに2部屋分の床ができて、メアさんが切りそろえて敷き詰めて行き、終わったらアンジーとユーリがその板の上を軽くヤスリがけしています。
「手早いのう。前回よりかなり早いのでは無いか」モーラでさえ魔法使って乾燥させていますからねえ。
「そりゃあ、エルフィとメアさんがいてくれるので木を切って製材するのにほとんど時間かかっていませんし、床板とか壁のヤスリがけは、ユーリやアンジーも活躍してくれていますから。あと、たぶんモーラには、屋根を作る時に手伝いをお願いすることになるかもしれません。」
「ああ、屋根を作るのか。そうなると、本来の姿に戻らねばならぬか。」
「あまりドラゴンの姿になりたくないのでしょうけど、もしよろしければ、お願いします。」
「そうじゃな、ここのドラゴンは知り合いだから多少は目をつぶってくれるじゃろう。」
「多少は?やっぱり大きくなって誰かに気付かれたらまずいですかねえ。」
「数分間だけじゃぞ」
話しながらも作業の手を休めてはいません。今は、廊下部分の部屋と部屋の間の壁を作っています。さすがに太い木を壁にするわけにも行かないので、、樹皮をそのままにはできないので、薄い板を柱に貼り付けられるようにして、あとで薄い板を成形して張っていくようにします。とりあえず、優先したのは、外壁と床と屋根の順で作っていきます。
とりあえず、10本の木でできる分を作ってみたところ、けっこうな面の壁ができました。試算では後50本もあれば壁と床はできそうです。同じ面積なら、屋根も20本分でできそうな感じですねえ。
「今日はとりあえず、屋根までいきましょう。」
「床板も全部必要ですよね。」
「はい、ですので、搬入用の外壁を1面残して、あとは、作ってしまいます。」
「風呂は、どうするのじゃ」
「今日は簡易の露天風呂で勘弁してください。」メアさんが寄ってきて私に聞きました。
「昼の準備はできますが、夜の食事は、どうしますか?」
「時間にもよりますが、外で食べましょうか。」
「承知しました。」
「さあ、エルフィを待たせていますから木を切りに行ってきます。」私とメアは、森の中に戻って行く。
 3人でもう一度木を積んで帰ってきて、作業をし始めた頃、おなかが鳴った人たちがいました。
「昼食にしましょう。」
メアさんが私達に声を掛けた後、家の中に入って行きました。私達も続いて家の中に入って行きます。
昼食は、家の中のかまどで軽めのパンを焼いてくれて、それの上に干し肉などを載せて食べましたが、椅子も食卓テーブルの大きさもあわず、全員がそろって食事ができませんでした。これは是非大きいテーブルを作りましょう。
「さて、もう一仕事ですねえ。」
「はい」皆さんの元気な声がしましたが、アンジーはへばり気味でした。それでも頑張っています。
役割分担もしていないのにみんな率先して作業を手伝ってくれています。木くず整理とか板を合わせる作業とか、みんな頑張っています。
そして、数回の作業を繰り返すとすでに夕方になってしまいました。
「今日はここまでにしましょう。」
私が一番最初に根を上げてしまいました。もう少し作業をしたそうな人ともうだめな人とにくっきり別れてしまいました。ええ、私とアンジーが後者です。
床を作るときに手戻りもあったので、屋根までは無理でした。
それでも明日朝イチで木材を調達してくれば、午前中には屋根もできて、雨の心配をしなくてもよさそうです。

「夕食はシチューです。」
メアさんの声にみんなから歓声があがる。そして、入浴タイムです。浴室を予定している場所にイメージしている形に露天風呂を作って見ました。実物大のクレイモデルですね。
「いい汗をかいたあとじゃし、久しぶりにこの時間に入れるのはうれしいのう。」
宿屋にいる時には、日が沈み、食事を食べ、誰もいない夜遅くに風呂に入って就寝という生活でしたねえ。
「ですねー最近は夜中でしたから。」アンジーも珍しく幸せそうです。
「あのぽかぽかのままベッドに入るのが幸せでのう」
「うんうん」
その会話に一人だけぽかんとしている人がいます。
「あのーお風呂とは何ですか~?」エルフィが不思議そうに聞いてくる。
「ああ、川で水浴びしかしたことないのか。」
「はい、水浴びのことですよね~」
「お湯なので、とてもぽかぽかします。」ユーリがうれしそうに言う。
「石けんが良いのです。お肌がつるつるです」アンジーが言う
「髪が綺麗になります。さらりとなりますよ。」メアが言う。
などとわざと断片的なことを言っています。それぞれが自分がしたいことなのでしょうけど、エルフィの頭の上には、はてなマークが何個か飛び交っていますねえ。
地面に線を引いて浴室の大きさを決めた時に、湯船の大きさについて聞かれて、大体の大きさを話したのですが、よくわかっていないエルフィを除いて全員が大きい風呂が欲しいと言いました。全員が入れるほどとなると、ちょっとした大きさになるのですけど、お掃除が大変なのです。君たち風呂掃除をなめていませんか。
まあ、話し合いの結果、洗い場のスペースを考慮して、何とか詰めれば全員が入られる浴槽にすることで手を打ってもらいました。
「いいからとっとと作らんか。」
「はいはい。広い湯船に熱いお湯です。ついでに洗い場も!」
旅の間と深夜の水浴び場で培った一連の術式プログラムをこのスペースに収まるように組み直して使います。お湯の量は、かなり多めに温度はやや高めにして起動しました。湯気の中から石作りの浴槽と石畳の洗い場が洗われます。
「いつもより技がさえておるのう」モーラわかりますか。
「昼間、魔法を使い倒してかなり訓練になりましたからね。」ちょっとうれしいですね。
「これがお風呂ですか~?温泉ですよね~?」エルフィは、驚きながらもそう言った。
「温泉は泉源というのがあって、そこからいろいろなミネラルが入ったお湯が地下から噴き出してくるものを言いますから、これは、水を湧かしているので温泉ではなくお風呂ですよ。」
「説明は良いから一緒にはいるぞ。」逃げようとする私の足をぐっと捕まえる。こういうときだけ力強いですねモーラ。
「いや、女性は女性同士でお入りください。私には刺激が強すぎます。」これまでは、貧乳揃いでしたが、エルフィは、ちょっとどころかかなり刺激が強そうです。
「なんじゃそれは、いつもどおり一緒にはいらんか。」
「いや、いつもどおりって、いつの間にか一緒に入らされていますよね、私。それに初めての人もいますし。」
「じゃからなおさらじゃ。こういうものだと思ってしまえば混浴も当たり前になる。」
「もうね、そういうことにしましょう。うちの家族のルールと言うことで」
アンジーがため息をつきながら言いました。
「ユーリはいいのかい、恥ずかしいだろう。」
私は賛同者を集めるため必死です。
「でも、いいです。大丈夫です。みんなと入るのは楽しいので。」
顔を赤らめながら言うことですか。
「そうじゃろう、そうじゃろう。家族みたいなものじゃ」
「家族なら一層たしなみというものを持つべきでは?」
言葉尻をとらえて私は無駄な抵抗を試みる。
「いいから入るのじゃ。」
「はいはい。でも、嫌がる人はいないのですか?」
「特に反対の者はおらんぞ」
「私が反対なんですがねえ。」
「どうしておぬしが反対するのじゃ、幼女から成人女性しかも100歳級まで幅広く見放題じゃぞ。」
「そこなんですよねえ、あんまり見慣れてしまうのも問題なんじゃないかと。」
「さて、そこのポカーンとしているエルフ。着替えを用意してくるのじゃ。」
本当に口を開けてポカーンとしないように。馬鹿に見えますよ。
「いえ、皆様の分のタオルと着替えを用意してまいりました。お使いください」
メアがすでに抱えている。さすが、メイドさん。
「ほれ、エルフィ、ぼーっとしておらんで脱がぬか。おっと、おぬしは、そのままわしらが脱ぐのを見るのか?良い趣味だのう。」
思わず後ろを向いてそこから逃げ出そうとするがメアに捕まる。
「私が脱がせます。」
「いや、ちょっと何するんですかメアさん。そんな強い力で押さえ込まれたら、いや、あの、下着は、あーーーっ」
「はいそこまで。」うちの理性担当のアンジーが止めてくれました。
それでも腰の半分ほど下着が下げられている。危機一髪で貞操の危機は去りました。
「っておい、アンジー何しているんですか。下着それ以上下げようとしない。」あなたが引き継いでどうするんですか。
「いや、せっかくだから私がと思って。」
「みんなが見てる前で、ですか?」
「そこまで考える余裕がありませんでした。」
あなたもたいがいですね。私が後ろ姿のまま皆さん脱ぎまして、私は、その後を追うように湯船に入りました。
そして、ようやく、湯船でくつろぐことができました。まあ、浴槽と言っても石ですので、ちょっとざらざらしますけど。
洗い場では、エルフィにシャワーの使い方やら入浴の作法やらをメアが説明しています。変なことしなければ良いのですけれど。ああ、水のまま体にかけましたね。よくやるんですよ、手にかけてみて確認してから浴びないと。
「やはりあの檜の風呂は良かったのう。香りが良い。あと、空間自体がおちつく。こうした石作りは、肌にやさしくない気がするのう。」
まあ、木に比べれば石は不満ですねモーラさん。確かにざらざらなので、こすれると肌がすりおろされそうです。
「でしょう?だから空間つないで入りに行きましょうよ」思わず言ってしまう。
「だめじゃ、訳のわからん魔法は使用禁止じゃ。」
「ちぇ」
「ここに作る予定のは、どうするんですか?」
ユーリ、その期待値高めな目で見るのやめてください。
「今日、入ってみて思いましたが、浴槽が石では風情がありませんからねえ、とりあえず木造りにはしましょう。ちょっと前に作ったのよりは簡単なものにしますけど。」
あの、木を組み合わせて行くのは手間がかかるのですよ。ここは借家でしかも出るとき取り壊すのですから無理はしたくありません。
体を洗い終わったのか、エルフィが湯船に入ってくる。不安げだ。だが、そーっと足を入れ、湯に入って肩までつかった瞬間、へにゃへにゃな顔になる。ああ、このエルフ堕ちたな。ようこそ入浴という名の堕落した文化に。
ずーっと入っていたそうなエルフィでしたが、初心者は、のぼせるのが常なのです。自分の限界を知らないので幸せな時間がいつまでも続くと思ってしまうのです。いつの間にかその幸せタイムが過ぎてしまいます。そう、そのタイミングが難しいのです。やはりエルフィも自分のタイミングが計れず、メアに支えられながら退場しました。それを見て、私達も風呂からあがります。傍から見ると子ども二人の世話をしているお父さんに見えるかもしれませんねえ。だからと言って、アンジーは、フルーツ牛乳とかせがまないでください。
「フルーツ牛乳ってなんじゃ。」
私の頭の中のイメージを見てモーラが言った。
「あー、飲み物です。牛乳に果物っぽい何かを混ぜた飲み物です。でも、子どもでも甘くてあまり飲みたくないと思うんですよね。むしろコーヒー牛乳の方がいいと思うんですけど。」
「コーヒーってなんじゃ」
モーラの顔に、さらに、はてなマークが浮かぶ。
「コーヒーという実を煎って砕いて粉にして、それにお湯を注ぐとできる飲み物で、カフェインがいっぱい入っています。まあ、大人の飲み物ですね。」
「いろいろな飲み物があるんじゃのう。して、それらは作れんのか」
さすがドラゴンさん興味津々ですねえ。
「タンポポからでも作れるそうですが、本物はコーヒー豆ですからねえ。この世界にあるのかどうかも不明です。」
「しかたがないのう。」
傍から見れば親子に見えそうですけど親子の会話ではないですね。
みんなが風呂から出た後に私は、一人残って露天風呂を文字通り分解してから居間に戻りました。

「今日はみんなで居間で寝ましょう。」メアが言って。調度品を片付ける。
まだ宿屋に部屋を取っているのですが、風呂上がりにさっさと寝たいらしい。というか最初からそのつもりだったようです。みんな野宿に慣れているからなのか、雑魚寝にこだわりはないみたいで、わいわいと毛布を持ち寄ります。枕を並べて明かりを消して、皆さんは、静かになりました。昼間の作業の疲れが来たのでしょうねえ、あっという間に寝息が聞こえてきます。
私は、昼間に魔法を使ったせいなのか、脳が興奮していて、目がさえている。眠れません。
居間をそーっと抜けだし、できたばかりで屋根のない部屋に行き、居間から持ってきた毛布にくるまり、真ん中にねっころがります。巻き付けた毛布の具合を調整しながら夜空を見上げます。
天井がないので、部屋のなかから星空が見えます。4面の壁に囲まれ、四角く切り取られた夜空が見えます。雲一つ無く光り輝く夜空。この世界に来てから何度も見ている見慣れた星空です。
吸い込まれそうな星空とそれを四角く切り取った窓というイメージが浮かび、箱庭の上に乗せられた夜空を想像してしまう。錯覚であるとわかっていながらちょっとおかしくなってニヤニヤしていると、そこに人影が差し込まれました。
「ご主人様、何を笑っているのですか。」メアだった。
「いや、部屋が星空を支えているようで。」
「そうですか、ご主人様よろしければご一緒してもいいですか」
メイド服ではなく寝間着姿のメアさんです。見たことがない姿なので、妙に照れくさい。
「ああ、いいですよ。」
くるまっていた毛布を開いてメアさんを招き入れると、恥ずかしそうにそっと入ってくる。
「ありがとうございます。その、こういうことはあまりないので。」
「前のご主人様はこういうことはしなかった?」
「全くありませんでした、でも、お別れする直前には、少しは優しくなりましたので、その頃には近づいて側にいたことが何度かあります。」
「そうですか。」
言葉が続かない。元来、話し下手なので何を話して良いのかわからない。
「あの、ご主人様は突然いなくなったりしないでください。私を残して。」
「そうですね。私の意志であなたを残して突然いなくなることは、ないと思いたいです。」
そう、無いと思いたい自分がいる。そんな私の言葉に不安そうなメアさんを感じる。
「うまく言えないのですが、私の場合この世界とちゃんとつながっていない気がしていて、自分の意志にかかわらずどこかに流されてしまいそうな気がするのです。でも、私の意志であなたを残して何も言わずいなくなることはないと思います。」
そこは、前のご主人様と決定的に違うところだと自分でも思います。
「それが聞けて安心しました。残念ながら私の方が長く生きるみたいですので、つい不安になってしまいました。」
「私は、思うのですよ。あなたの前のご主人様もきっと置いていくつもりじゃなかったんだと思いますよ。」
「そうでしょうか。」
「ええ、あなたのような素敵な人を作れる人ですからきっと何か言えない理由があったのでしょう。そう思えませんか?」
「別に恨むわけではないですが、私を置いて行かれるときに「ついて行きたい」と言いたかったのです。でも、あの人の目が、悲しい目がそれを言わせない迫力がありまして、言えませんでした。言えていて、拒絶されていればむしろ納得もしたのですが。でも、本当は一緒について行きたかったのです。」
「きっと大事にするあまり、連れて行けなかったんですね。」
「はい、今考えてみると、そうなのかもしれません。」
「私の場合そのような使命もありませんので、きっとあなたの能力を有効にも使えないし、持て余すだけですけど良いですか?」
「私は、私の感じるままにあなたをご主人様にしたいと思い、そして隷従を受け入れました。それは間違いないです。ですから、ご主人様が思い悩むことではありません。むしろ最近は、一緒にいたいという思いがより強くなっています。」
「ありがとうございます。メアさんあなた優しい人ですねえ。惚れてしまいそうです。」
「惚れてください。私はホムンクルスですが、ちゃんとできますよ。」
「いや、ちょっとなに、押し倒して、またがってくるんですが。だから、そういうことはですねえ。」
「ごほん」扉のあるべき穴から声がする。
「あー、そういうことは、2人きりの時にやってくれんか。同居人には厳しいのでなあ」
モーラがそこにいました。
「というか、メア、また抜け駆けですか?」
その後ろにいたアンジーが追撃する。
「あら、皆さんよく起きられましたね。」涼しげにメアが答えます。
「うむ、疲れてはおって、眠かったのじゃが、寝ている間に怪しい薬を嗅がせてきた者がおってなあ、それで目が覚めたのじゃ。」
「そうね、あれは余計だったわよ」
「なるほど、余計な事をしてしまいましたね。失敗失敗」
私を押し倒したまま扉の方を向いて右手で頭をコツンとやって舌を出す。おお、めっさ可愛いですねえ。
「な、計画的に襲いに来ましたか。」アンジーが慌てている。
「いいえ、最初は私の気持ちを聞いて欲しかったので、二人っきりでお話ししたかっただけなのです。その後は、その場の勢いでしたけれど。」
真顔に戻って言わないでください。
「何で今何じゃ。アンジーの一件がある程度目処が付いてからで良いのでは無いか」
「でも、もしかしたら一緒に元の世界に戻ってしまわれるかも知れませんよね。」
私に顔を向け直し、目を見ながら不安そうにメアさんが言った。
「まあ、その可能性はないわけではないがな。」
「でしたら、今、この一瞬だって無駄にはできないと思いますが。」
いつもの冷静なメアさんではありませんね。これが本当のメアさんなのかも知れません。その表情を見て、ズキンと私の心が痛みます。
「ね、メアさん。私はね、みんなが大好きでそして大切です。皆さんの私に対する好意は少なからず感じています。でも、今は残念ながら誰に対してもお答えできません。だからといってあなた達と離れたいとも思ってはいないのです。わがままですよね。もちろん、そんな私に愛想を尽かしたなら、それはそれでしょうがないとも思っています。それでも、皆さんの関係をあまりギスギスしたものにもしたくないのです。そんな考えがわがままなことは、もちろんわかっています。」
3人とも黙っています。私はさらに続けます。
「皆さんが、多少コミュニケーションが激しくてもそれはしょうがないと思いますし、皆さんが寂しそうにしていれば、やさしく声もかけます。ああ、何を言っているのかわからなくなってきました。今は、みなさんと仲良く暮らして、仲良く旅がしたいのです。今はそれだけではだめですか?」
「わかりました、でも過度のコミュニケーションは、とり続けます。それは、妥協しません。」
そこで、右腕をあげてキリリとされて宣言されても困るのですが。
「まあ、それくらいはしょうがないのう」
ため息交じりにモーラが言う。
「ええっ?いいんですか?」私は思わず反論する。それは、私が困りそうです。
「おぬしが一線を越えさせなければ良いのじゃ。よいかそれで」
モーラは、振り向いて誰かに言い聞かせるように言った。
近づいてきたモーラとアンジーのさらに後ろに2人ほどいた。バツが悪そうに中に入ってくる。
「これは、協定としておこう、共同生活をするためのな。一線を越えてはならない。ただし、おぬしが断らなければ、それはおぬしが承認したから問題ない。というところか。よいか、おぬしは、その場の雰囲気に流されず、よく考えるのじゃぞ。」
私は、その言葉に即座に反応した。
「そこで、般若心経をイメージするんですねえ。」アンジーがクスクス笑う。
「なんじゃその般若心経とは、なんか変な記号が飛び交っているぞ。」
「記号は、漢字という言語を表現する記号の一種です。あと、宗教の一部で使われていて、私のいた国では一般の人に広く知られているんですよ。」
「なるほどのう、おぬしは、そこの信者なのか」
「ただ、全文を唱えられるわけではないようですけどねえ。」
アンジーが意地悪そうに言った
「その宗派ではないという事か、なのに知っていると。ふむう奥が深い。おぬし、宗教学者か何かか?」
「違いますよ、私の国は無宗教に近い多宗教な国なんです。節操がないんです。私の国には八百も神がいるそうですし」
「すごいのう。八百か。」
「はい」
そんな話をしていても会話がつながっていないので、みんなの頭にはハテナが浮かんでいます。それでもこの雰囲気の中誰もつっこみません。
沈黙の中アンジーが言った。
「ごほん、話がずれてしまいましたね。良い機会ですから家が完成したら一度お話ししましょう。とりあえずの生活分担とかいろいろ。皆さん自分の言いたいこと話しておきたいこととか、最も重要なのは、今の自分の気持ちを整理して話してくださいね。」
「わしも少し考えねばならぬのう。」
「私もです。はあ」
アンジーがため息をついている。深いため息は、めずらしいですね。
 私たちは居間に戻って毛布をかぶりました。たぶん肉体が疲れていなければ、みんな眠れなかったかも知れません。
翌日、メアさんの作ってくれた朝食を言葉少なに食べて作業再開です。
途中、食料品の買い出しに行き、ついでに商人さんのところに家を見つけたことを話したところ、馬のことを心配していただいて、そちらで預かってくれることになりました。魔獣などが現れたとき真っ先に殺される可能性があるからです。なので、厩舎はつくらないことにしました。
「また、一人増えましたか。大所帯になりましたねえ」ニヤニヤしながら私を見ています。
私にはテイマーの才能があるかもしれませんとか失礼なことをおっしゃりました。人と動物を同列に扱うなどありえないことです。人たらしの才能と言っていましたがそんな力は、私にはありませんよ。いや、ないと思いたい。でもちょっと覚悟はしておきましょうか。
「人たらしというよりは、魔力たらし、かのう」
一緒についてきたモーラが言いました。手にはまたお菓子を持っている。
「あー、言えてる。」
なぜか一緒についてきたアンジーも同調しています。他の3人は、別行動をしていて、生活用品の買い出しに行っています。別行動するときに、率先して買い出しについて行くと言いましたから、生活用品には何かこだわりがありそうですねえ。
「なんですか魔力たらしって、ちゃんとした言葉になっていませんよ」
「おぬしの魔力の質というやつかのう。おぬしの性格が反映しているのかもしれんが、なにやら暖かいというか生ぬるいというか、そんな感じなんじゃ」
「そうそう、なーんか安心するというか、あ、そうそう。それそれ、間抜け空間発生装置」
また、私の頭の中を覗きましたね、自分でもなぜかその言葉が浮かんで困惑しているんですから。
「なにやら、侮蔑の言葉のようじゃが、違うのか?」
「まあ、あまり良い意味では無いと思います。でも、自分でもそう思いますからねえ」
「そうそう、毒気が抜けるというか、怒りが収まっていくというか、そういう方面のやる気がなくなっていくんですよね。だからといって、癒やしというわけでもありませんけど。」
「それは、納得がいくのう。わしは元から温厚ではあったが、怒れば、それなりに凶暴になるのじゃが、今じゃすっかりおとなしくなってしもうた。その自覚もある。」
「モーラとか私とか、一応、霊格が上なんですけど、家族の全員がタメ口でも何も起きませんからねえ」
ええ、礼を尽くさないと何か起きるんですか?
「ああ、少なくとも何らか反動があるはずなんじゃが、まったく起こらぬ。」
「この人のせいなんでしょうねえ。」
「まあ、隷属させられているせいかもしれんが。」
「それもありますか。でも、他の子達もそうですよね」
「ヒューマンテイマーねえ。」
「いや、今まで人は一人だけですよ。あとは、ドラゴン、天使、エルフ、ホムンクルスですから。」
「そういえばそうか。自我を持った者を隷属させられるということか」
「私は、吸血鬼とかと一緒ですか?」
「あやつらは、操っているだけで、恭順させているわけでは無いからな、おぬしとは少し違うとは思うが。」
「また話がずれていますよ」
「そうじゃのう。どうも調子が狂う。」
「さあ、帰って仕事を再開しますよ」
商人さんのところから家に戻ってきましたら、他の3人はすでに買い出しを終えて戻っていまして、メアさんとエルフィさんで木の選定と倒木が済んでいました。ですので、作業はかなりはかどり、屋根もモーラに頼まなくてもみんなでできたのです。そして部屋の中の壁もできて、家自体は、完成しました。ただし、風呂場を除いては。
「はよう作らんか」
 モーラが食事の時間を教えに来て催促します。
「いや、木をちゃんと選んで組み合わせないと綺麗に見えないんですよ。」
「短期間しか使わんのじゃ、適当でよいじゃろう。まったく変なところにこだわりよって。」
「毎日使うんですよ、気になるでしょう。」
「まあ、そうなのか。しかたがないのう。」
「さて、こうしてから、えい!!」
私は、魔法でニスのようなものを均等に床をコーティングする。うっすらと木肌が見えるようになりました。うん、かっこいい。
「最終的にそれをするなら、木の組み合わせなど関係ないじゃろう。」
「このうっすらと見える木肌にこそ美しさが必要なんですよ。」私は胸を張って言います。
「おぬしは、木工細工職人か」
そうして、浴室も完成して、とりあえず夕食になりました。
風呂場は私ひとりで作っていましたので、家具などはメアとエルフィが作ってくれていました。2人ともすぐコツをつかんで何でも作れるようになったようで、一息つくために居間に戻ると6人掛けのテーブルができていました。しかも、私が説明したようにお客様が来たときには8人掛けになるように伸ばせるテーブルを作ってくれていました。本当は、小さい円卓を回すと大きい円卓になるテーブルが良かったのですが、作り方を憶えていなかったのでそれは無理でした。残念です。
「本当におぬしの頭は生活便利用品知識の宝庫じゃのう」
褒めているのか、けなしているのか不明ですが。便利なんですものいいじゃないですか。まあ、この世界の文化レベルや工作技術的にはちょっと難しいものもありますが、だいたいは作れる物ですよ。
メアのタンドリーチキン的な蒸し鶏料理です。食事のバリエーションがふえて私的にはきっと太りますねえ。
あと、木製の食器などは、エルフィが得意だそうで、ユーリやモーラ、アンジーと作っていたらしく、なかなかに凝った作りで、私の分も作ってくれていました。なんか子どもの手作り的なものには、ジーンとしますね。
ですが、昨日の食事風景とは打って変わって会話の少ない夕食になってしまいました。まあ、昨日の夜中にあんな話をしていましたので、いつもは、うれしそうに夕食を食べているユーリが神妙な顔をしていてちょっとつらかったです。
食事を終えて厨房に食器を片付ける。そういえば、炊事洗濯掃除などもろもろ交代でやることになりますよねえ。
片付けからメアが戻ってきた時には、全員が席に着いています。会話がありません。みんな、お母さんに怒られて反省しているかのような神妙な顔をしています。

 続く

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