巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

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第3話 借家暮らし

第3-4話 薬屋へ

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○ 翌日のこと

 私達は、薬屋を訪ねた。
「こんにちは、」
 そう言って、私は、薬屋さんの扉を開ける。おお開いた。
「あらいらっしゃい。残念ですけど、まだ、そんなに売れていませんよ」
「そうですよねえ、まだ数日しかたっていませんから。実は、家を借りたのでそのご挨拶に。あと、なにか情報が無いかと思いまして。」
「そうでしたか、そうね、ここに来たのは良い判断ですね」
「そうですか。」
「何かきな臭い匂いがしていますよ。」
「と言いますと。」
「それしか情報が無い・・・と言いたいところですけど、あくまで世間話としてお話ししましょう。いかがですか。」
「ええ、ぜひ。どこかに出かけて話しますか?」
 エリスさんの目がメアに移る。
「ああ、私がやりますね。」
 メアさんが奥の方に入っていく。
「ごめんなさいね。独りになると自堕落になってしまうものだから。」
「やっぱり・・・」
「そう言う意味ではありませんよ。私は独りを楽しんでいますから。私は、メアと一緒にいる前は、独りの期間もけっこう長かったのよ。それに私は、方々飛び歩いている性分なので、メアを置いて私が長期間いなかったりもしたのよ。その時には、メアには寂しい思いをさせていたと思うわ。」
 お茶の用意ができたのか。茶器を持ってメアが入ってくる。お茶ってあるところにはあるんですねえ。
「どう?幸せ。」
「はい、たくさんの人達と一緒に生活していて楽しいです。これからもずっと一緒にいたいと思っています。」
「そうですか。それは良かったわ。なら、なおさらあなたには長生きしてもらわなければね。」
「そんなにヤバい状況ですか。」
「私たち魔法使いも様々なのよ。枯れて引退・隠居を決め込む者、研究熱心で暴走する者、世間を騒がせるのを楽しみにしている者とかいろいろね。」
「はあ」
「一応、魔法使い同士には暗黙のルールがあるのよ。お互いの行動には一切関知しないということね。でも」
「でも?」
「自分もしくは自分の関係者に危害が及ぶ場合を除くとしているのよ。」
「自分の関係者ですか。」
「そもそも魔法使いになる人なんて利己主義者がほとんどだから関係者なんてほとんどいないのよ。だからそうそうぶつかることもないの。でも、まれにそういうこともあるわけ。私のように街にいて人と関係をもっている者なんかがね。」
 お茶を一口飲んで魔法使いさんは続ける。
「魔法使い同士でトラブルが起きた場合、相手に警告をします。しかし、それで引き下がればよいのだけれど、そうならない場合もあるから。そうなると、魔法使い同士の争いになるか、関知しないかを決める必要があります。当然、誰からも仲裁は入らない。でもわたしのように市井に関係者がいる場合それが通用しない場合もある。そうなると魔法使い同士では無く、町全体で対応せざるを得ないことになる場合もあるわけなのよ。」
「仮に魔法使い同士が戦った場合は、決着はどうつけるのですか」
「提案された方がルールを決めて勝敗を決める場合もあるし、ガチで戦闘して生死の瀬戸際まで行くこともあるわ。」
「なるほど。」
「それが魔法使い同士の争いなのよ。理解できたかしら。」
「興味深いです。ちなみに最近そういう勝負は行われているのですか?」
「いいえ、ここ50年くらいはないわ。」
「その時の勝負は、」
「ガチなやつだったのね。結局、両方死んだのよ。それからは、勝負もしないようになったわ、お互い死んだらそこで終わり。研究できなくなったらそれこそ本末転倒だもの。」
「なるほど。」
「魔力量は、これだけ長く魔法使いをやっているからと互いだいたい知っているけど、どんな技術や修練をしているかはお互い秘密ですからね、生死がかかればいきなり最終奥義とか発動もしちゃうわけなのよ。50年前の最後の勝負がまさにそれだったのよね。勝てないと判断した時に関係者を守るために切羽詰まって相打ちに持ち込んだようなのよ。」
「・・・」
「話は戻るけど、最近、魔法使いを狙っている魔法使いがいると聞いているわ。転生者なのかもしれないけど、その辺はわからないの。襲っているだけで殺すわけではない。しばらく戦っていて、膠着すると撤退するとは聞いているわ。歯が立たなかったのか、それとも技術力を試しているのか、怪我をしてもたいしたことなくて、死んだ人もいないし、実害はさほどでてないのだけれど。」
「それは迷惑ですねえ。おもしろがって襲っている可能性もありますね。」
「そうですね。ということでわたしから話せることはこのくらいね。あと、メアは、わたしの手を離れたことになるので、わたしの関係者ではないということになりますよ。よろしいですか?」
「そうなりますよねえ。でも今回のは、違いますよねえ。」
 私は、今回の誘拐未遂事件をかいつまんで話しました。
「そうですか、誘拐ですか。それは、雇われたのかもしれませんね。魔法使い単独でないのなら、わたしも調べて大丈夫そうです。」
「そういうものなのですか?」
「ええ、魔法使い個人の意志で何かを成すのと誰かと共同で何かを為すのでは、本質が違います。魔法使いは基本独りで何かを成さねばならないのですよ。」
「それもルールですか。」
「もっとも新参者には気にしない者達もいるのね。魔法使い同士で結託するならまだしも、誘拐に加担するなんて、魔法使いの風上にもおけませんね。魔法使いとしての不文律を教えるのも先輩の役目ですね。」
「なるほど。そういうものですか。仮にそう言う人が転生者の場合はどうするんですか?」
「まあ、最初は静観ですね。何か勘違いをしていれば、忠告もしますけど。聞き入れてくれないなら、まあ、相手次第ですね。最終的に静かになってもらうことになります。最悪、命を奪う場合も出てきますね。」
「世界を破壊する力を持っている人でもですか。」
「むしろそういう人の方が、すぐ抹殺しちゃいますね。まあ、世界征服を考えて行動し始めたと我々の耳に入った段階でね、忠告をしてやめなければ殺しますね。たかが一個人なら24時間起きていられるわけでもありませんので。魔法使いが全員で休みなく攻撃をし続けるというのも可能ですね。我々魔法使いが、これまでの歴史の中でどれだけ修羅場をくぐって生き残ってきていると思いますか。」
「そうですねよねえ。私も野望を持っていなくて正解でした。」
「あなたは典型的な巻き込まれ型のパターンですものね。」
「やはり魔女、おまえもそう思うか。」
 そこでモーラさんが口を挟む。
「そりゃあそうですよ、天使にドラゴン、剣士にホムンクルス、はてにハーフクォーターのハイエルフが仲間に加わるとか、狙われない訳ないじゃないですか。」
「ハイエルフの事まで知っておるのか、早耳じゃのう」
「おっと、これはまずいですね。話し過ぎました。」
「その話の情報源を聞きたいのですが。」
「残念ながらそれは無理ですね。」
「ですよねえ」
「まあ、私の頼みを早く片付けてくれたら話さなくもないですけどね。」
「いいんですか。そんなことを約束して。」
「それは契約ですから。こちらの要求に対する対価としてあなたが要求するのは問題ないと思うのですよね。こちらも多少色をつけて対価を払うくらいは、問題ありませんからね。」
「ほう、そう言う解釈か。念のため再度確認するが、今回の契約とはその箱を持ち帰ることでよいか。もしくは、壊してもよいのか。」
「できれば壊さず持ち帰って欲しいというのは変わっていませんよ。ただし、この箱しか無かった場合とかでは、あの子がごねるかもしれないですね。その場合は、破壊せざるを得ないこともあるでしょうしね。」
「それが聞けて安心したわい」
「あなた達は目立つのですから、とにかく身辺には気をつけてくださいね。一人一人がとても貴重な価値ある存在ですのでね。」
「はい、ありがとうございます。」
「わしもか?」
「そうですね。ドラゴンの里で噂になっていると聞きましたよ。真偽の程はわかりませんがね。」
「どういう反応なのじゃ、余計な事をとか、ドラゴンの面汚しとか言ってなかったか?」
「何しているの?ふ~んという感じらしいですけどね。ただ、噂になるほどには気にされているようですね。」
「意外に知られているのじゃな。まあ、わしはわしじゃからどうということはない。」
 でも、顔はちょっと不安げですね。
「このくらいしかお茶うけ話はありません。依頼の件は、さきほど急がせるようなことを言いましたが、そんなに慌ててやる必要もありませんよ。むしろ急いで最悪の結果にならないようにして欲しいですね。」
「もちろんそうしたいところですが。そうそう、今度私の家にいらっしゃいませんか。一緒にお食事など。」
「そうですね。まだお目にかかっていないハイエルフの方にはお話しを聞きたいですが、私も不在がちになると思いますので、またの機会にということで。」
「魔女。おぬしも元気でいてくれ。」
「はいはい。元気にしていますよ。あなたもね。」
「そうするつもりじゃ。」
「お茶ごちそうさまでした。」
「気をつけてお帰りなさいね。」
 メアが最後に店を出て深くお辞儀をして扉を閉じた。
「今回は雇われ魔法使いの線が濃厚ですねえ。私達のところにまた現れますか?」
「失敗しておるからのう、雇い主によるじゃろうな。もっともプライドを傷つけられた本人がリベンジに来るという事もありそうじゃ。まあ、冷静に状況を判断する奴らしいから、しばらくは、何も無い・・・と思いたいがなあ。」
「エリスさんにああ言われましたけど、例の箱の件は、早めに片付けたいですねえ。」
「複数の問題がある時は、スキができやすいのでな、その方がよいじゃろう。」
「今夜、夜の警備の状態を見に行きますね。」
「そうじゃのう。他の者を家に残して行くのは心配じゃが。」


 続く
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