巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

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第4話 ネクロマンサー忌憚

第4-2話 ネクロマンサー忌憚(後編)

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○ ついに決行

 今日の予定は、全員で薬草取りに行くことになっていたので、朝食の後に話をしました。
「ちょっと急ですが、例の彼の都合がつけば、明日の夜に例のお宝奪還を決行します。」
「急じゃのう」
「ってモーラ昨日聞いたでしょ。明日の夜に宴会があって警備が手薄になると、警備をしていた人たちがうれしそうに話していたのを。」
「まあ、そうなんじゃが」
「なので、メアさんに彼への連絡をお願いしたいのです。私たちと明日夕食を一緒にどうですかと聞いてください。彼ならそれでわかると思います。」
「わかりました。」
「街まで全員で行かんのか。」
「エルフィが、関係無いのにみんなについて行くことになりますし、だからといって一人で家に残すのは心配ですから。さて、あとの人は、みんなで薬草取りに行きます。そろそろ本業をしないとお金がありません。」
「では、行きましょう。メアさんよろしくお願いします。」
「はい、おまかせください」
 そう言って風のように消えた。さすが忍者いや、メイドさん。
 他のみんなは、採集場所に到着し、2人セットで摘み取り開始です。私とエルフィでどの辺にあるか、あらかた確認していたので、この範囲でと範囲を指定してとりすぎないようにしています。採取した後は、その範囲に成長促進のために肥料とか細胞活性とかの魔法をかけて増やしています。乱獲はいけませんね。
しばらくしてメアも合流して、薬草摘みです。みんな黙々と作業している。明日のことを考えているのかも知れませんね。
『彼は了解していましたか?』私はメアに尋ねました。
『うなずいてはくれましたので、理解はしたと思います。』
『まあ、手順とかは一切話していませんしねえ。』
『夜に明日の手順を話すのじゃろう?』
 まだ筋肉痛なのかモーラが肩を回しながらこちらを見る。おや、意外に私の近くで採取していたのですねえ。
『そうですね、そうしないと皆さんの緊張感で私が押しつぶされそうですから。』
『まあ、わしなどは、罪悪感をみじんも感じんが、ユーリはちがうじゃろう。』
『いいんですか~?結界内とはいえ頭で会話しても~』
 エルフィが間に口を挟む。
『とりあえず、思考を読もうとすると頭が痛くなるように結界に付与していますから。外から聞こうとすると頭痛が起きますよ。』
『ならいいんですけど~』
 心配性ですね。かえって心配してもらってうれしいです。うちにはいないキャラなので。
『誰か家に来たようですよ~でも、すぐ帰ったようですけど~』
 エルフィ、あなたの探知距離はどのくらいまであるのでしょうか。
『家の周囲もわかるのですか?それって誰ですか?』
『さすがにこの距離では誰かはわかりませんよ~、でもたぶん人ですから彼ではないでしょうか~』
『確かに事前に打ち合わせしたいでしょうね。してあげないの?』
 アンジーがつぶやいている。
『私としてこっちが本業なので、本当にまずいのです。必死なんですよ。』
 本当は、事前に段取りを知られたくないので、会って打ち合わせをしたくないのです。
『おわったー』
 アンジーが万歳をしているようです。ああ、こうやってイメージが見えるんですね。ようやくわかりました。
『では、こちらのエリアに回ってください。』
『えーーー。休めると思ったのに。』
『そろそろ昼食にしますね。』
 メアがそう告げて、みんなは、作業の手を止めました。
「それは声でお願いします。」
「失礼しました。」

 草むらに丸く座ってお昼です。肉と野菜を小麦粉を練って平らにしたもので丸めている。まあ、クレープ包みバーガーですね。
「ピクニックみたいですね」
 私はつい言ってしまった。
「知らない言葉ですが、イメージはつかめました。みんなで遊びに行くことですね。」
 ユーリが目をつぶって私の頭の中のイメージを見ています。ダダ漏れですねえ。
「はい。そう言う意味の言葉です。」
「さて、明日話すと良いながら、お昼になってしまいました。皆さんにはご迷惑をおかけしますが、明日の話をします。」
「明日の夜出かけるのは私とモーラさんとメアさんだけです。」
「私たちは、行けないんですか。」
 アンジーが残念そうです。そこは、ほっとして欲しいところです。
「はい、残っていただきます。先日の件もありますので、今回は全員で行っては危険です。」
「でも最初の話では、何かあったら陽動をする人が必要と言っていましたよね」
 おや、アンジーが行きたそうです。どうしましたか。
「あの人達がこの隙に乗じる可能性がありますので、全員で出かけるのは、リスクが高すぎるのです。」
「残っている人達が襲われたらどうするんですか?」
 アンジー一緒に行きたい気持ちはわかりますけど。ずいぶん食い下がりますね。
「家の中は、森とは違って外敵の侵入が極めて困難です。仮に突破されても、元住んでいた家にゲートを開いておきますので瞬間移動できます。敵が襲ってきたときには、侵入されそうになった時には、お風呂場に立てこもってください。そして、相手が入ってこようとしたら、そこに逃げてゲートを閉じてください。」
「・・・わかりました。そうします。」アンジーなぜか残念そうです。
「一緒に行きたいというアンジーとユーリの気持ちはわかります。ですが、このタイミングで、前回ユーリとエルフィを襲った人と同じかそれ以上の強さの人が襲ってきた場合、たとえ私たちがいたとしても、私たちでは守り切れる保障がありません。」みんな納得したようですね。
「モーラさんは見張りをしていてください。メアさんは私と彼とともに中に入ります。」
「うむ」「わかりました。」
「私たちが無事に帰ってくることを祈っていてください。」
「皆さんに聞かせる話ではないのですが、一応聞いていてください。襲撃の話ですが、最悪何か不測の事態が起きたら、モーラさんに何かやってもらいます。」
「了解じゃ」
「彼の欲しい財産が、大きさとか個数とか持ち出すのに手間がかかりすぎる場合、数量を限定するか、そもそもあきらめてもらうかします。あきらめる場合でも、魔法使いさんの小箱だけは回収します。」
「うむ」
「はい」
「段取りとしてはこんなものですか。」
 みんなに話す内容ではないのですけれど、段取りを聞けば、危険なことはしないと思ってくれそうですので。
 そして、森での作業も終わり、その場所でしばらく採取した薬草を乾燥させたり、分類したりして、家に戻りませんでした。エルフィが、夕方にもう一度彼が家に来たようですが、あいにく誰もいなかったので帰って行ったようだ話してくれました。
「会わなくて良かったのですか?」
「会ってしまうといろいろ面倒なのです。当日夜一発勝負にしないといろいろ細工できてしまうので。」
「誰が細工するのですか?」
「さあ、誰でしょう」
 そして、当日を迎えます。でも今日も昨日と同様に薬草の採取をしていますので、日中は会うことはできません。途中、メアさんに夜に場所を指定して合流する事を話しに行ってもらい、会ったときに段取りを話すと伝えてもらいました。

 夜に彼と合流して、倉庫に向かいます。
「こんばんは」
「こんばんは、緊張しますね」
「はい、それより段取りは大丈夫でしょうか」
「最初に話したとおり、気付かれないように中に侵入します。」
「気付かれない様にですか?そんな話になっていましたか。」
「ああ、そうですね、そういえば、段取りを考えていたときにあなたは参加していませんでしたね。できるだけ知られない様にするのが一番大事だとしていたのです。」
「はあ、確かにその話は、した様な気がします。」
「今日は、宴会があるらしくて、見張りの人もお酒を飲んでしまっているようなんですよ。」
「ならば侵入しやすそうですね。」
「はい、もっとも酒を飲んで居眠りしていてもらいます。」

 そうして、倉庫に到着して、様子をうかがう。案の定見張りの2人は、座り込んで寝入っている。
「大丈夫そうです。中に入りましょう。」
「扉の鍵は開けられるのですか?」
「以前来た時に見ております。細工をしていると言っていましたが、たいした仕掛けではありません。」
 メアはそう言って、手袋をして取っ手をつかみ、下に空いている鍵穴に細い棒を入れて、自然に回すとカチリと音がして鍵が解除された。
 お互い目で合図して、中に滑り込む。その様子を見ていたモーラは、茂みに隠れた。
「まあ、そこに何があるのかのう」


○あけてびっくり魔法の箱
「さて侵入はできました。場所は奥の壁ですね、」顔を近づけて小さい声で話します。
 次の難関は、棚の移動です。倉庫の奥に到着し、
「メアさん動かせますか?」
「はい、大丈夫です。」
メアは、荷物を載せたままの状態の棚を軽々と持ち上げる。さすがに彼は驚いている。ただ、持ち上げた部分の棚板がきしみだしたので、あわててメアを手伝い、壁からゆっくりと離していく。
 物を持って通れるくらいの空間を確保して、棚をおろす。
壁には四角い線がうっすら見え、床から横2メートル高さ1メートルほどの四角を作っていて、よく見ないと扉とはわからなくなっていた。
「鍵がかかっていますね。解除してもらえますか?」
「はい、」彼は鍵を開ける。
「へえ、魔法の鍵を開けられるのですね。」
「え?魔法の鍵なんですか。知りませんでした。」
「今、手順を何ステップも飛ばして鍵を開けましたよね。」
「知りませんでした。こうすれば開くものだと教えられていましたので。」
「そうなんですか、あなたの両親は魔法使いだったのですか?」
「いいえ違います。ああ、そう言う事ですか。」
「どうかしましたか?」
「もう、わかっているんですね、私が魔法使いだと。」
「やはりそうでしたか。どうも違和感があったのですが、納得できました。ごめんなさい、その鍵は魔法はかかっていませんでした。普通の鍵でしたよ」
「え、私をだましたんですね。」
「ええ、だましました。確認するために。」
「どこまで知っているんでしょうか。」
「知らないことばかりです。とりあえず中に入りませんか?」
「いえ、ここまで連れてきてくれてありがとうございました。」
「なかの財産を持ち出さなくて良かったんですか?」
「いえ、その必要はありませんので、」
「魔法使いさんの願いの箱が中にあるはずですが、」
「それは、ありますが、すでに用をなさないので。返しても意味が無いと思いますよ」
「でも、ありますよね。返して欲しいのですが。」
「わかりました。そこまで言われるのであれば、一緒にどうぞ。」観念したのか中に招き入れてくれた。
「メアさんここにいてください。」目配せをする。
「はい、何かあったら呼んでください。」にっこり微笑むメアさん
 私達は、高さ1メートルほどの扉をかがんでくぐる。先に入っていた彼が呆然とたたずんでいる。
「ない、私のコレクションがない。」
 彼は、手元に灯りとなる小さなランタンのような物を持っていて、周囲を照らしているけれど、彼の影が右に左に動くだけです。
「あなたのコレクションがあったのですか。それは奪い返したかったですね。」
 彼の持つ灯りを私に向けて彼は、言いました。灯りが作る影が、彼の怒りをより一層引き立てています。
「誰が持ち去った!あなたですか。」
 そんなに騒ぐと外の見張りが起きてしまいます。と、言いたいところですが、モーラがうまくやってくれると思いますので、黙って叫ばせています。
「何をコレクションしていたんですか?」
 私は努めて冷静に聞いた。
「私の友人達です。」
「友達?」
 私はその答えに驚く。
「ええ、私にとってはかけがえのない友人達。ああ、やっぱり貴様だな、貴様以外にいない。そうだ、そうに違いない。でも、いつ、どうやって運び出した。」
 彼は、私に向かって叫ぶ。私は、彼の持つ灯りが揺れ彼の顔が映るたび、どんどん悲しそうな顔になっていくのを黙って見ていました。
「そもそも、私たちが先に運び出したのなら、わざわざここに一緒に来る理由がないじゃないですか。どうしてそう思うのですか?」
「いや、知ってしまったなら先に運び出すかもしれない。そうか、そういうことか。」
「私たちに何をさせたいのですか?ここには何も無いのに。ああ、私たちは、願いの箱の回収をしようとしていました。」
 私はそう言って、傍らの棚にある箱をさりげなく手にする。なにか特別な雰囲気を持っている。あまり触りたくもないがしようがない。
「どうしてそれがその箱だとわかる。一度中に入ったからだな?」
「それらしい小箱は、これしかないですからね。」
 手の中で踊らせる。確かに精巧にできている。あの魔法使いさんの渾身の一作というところでしょうか。
「そんなものどうでもいい。この部屋には、私のコレクションがあったはず。私の友人達。かけがえのない私の宝物。あの時の一瞬をとらえた永遠の友人達が。」
「なるほど、そういうことですか。そこのところを詳しく話してくれませんか。」
「すべて知っているのでしょう?」
「いいえ全然。」私は見えてないとは思いましたが、首を左右に振る。
彼は、「いずれにしてもここにいることは意味がなさそうだ。ねえ、あなた一度出ませんか?」そう言ってもどろうとする。しかし、私が出口を塞いでいる。
「ここで話してもらえませんか。」
「私としては、ここにいても意味が無いですし、メアさんに聞かれても別にいいのです。早く出ましょう。」
 そう彼は言った。無意味なこの場所から一刻も早く出たいようだ。
「そうですか。でも、多分誰も来ませんよ。」
「仕方がありませんね、お話しします。私は、小さいときに魔法が使えるようになりました。それを親に見つかりそうになってごまかしました。なぜなら、妹が生まれて私への愛情が減ってきた時期で子どもながら里子に出されるという危機感があったのだと思います。」
「最初は、かすかな魔力だったので使うことも無く普通に暮らしていました。」
「ですが、興味を持ってつい部屋で使っていたところ妹に見られました。」
「親に告げ口され、二度と使わないよう。叱られました。風聞が悪いと。」
「親としては、赤ん坊だったらまだしも成長した私を里子にも出せず、このまま生活することとしたようです。そして、親からの愛情は一切なくなりました。食事も別になり会話もしてもらえなくなり、私の心のよりどころは、友達だけになりました。」
「そして、私は、友達が離れていかないようにあの箱に願ったのです。」
「でも、願いの箱はかなえてはくれませんでした。願いの箱を見つけ、使ったことに父親は激怒しました。これは、商売のため妻のため妹のために使うもので。お前に使わせる物では無い、と言いました。」
「それは、良いのです。そんなことは、しかし、父親は、仲の良かった友達の親に一緒に遊ぶなと言ったのだと思います。友人達から残念そうに私とは遊べないと言われました。」
「私は絶望しました。これからこの家でたったひとり誰とも会話せず、大人になるまで暮らすことを想像した時、絶望しました。そして、何か手はないかと思いました。」
「そして、私は、友達を一生、私のそばにおきたいと考えてしまったのです。」
「まず、突然遊ばなくなると怪しまれるからしばらくは遊んで欲しいと友達に話し、帰りに一人ずつ家に呼びました。」
「殺したんですか?」
「願いの箱に願うと好きな子と仲良くなれる。みんなには内緒でしてあげる。と話すと簡単について来てくれました。」
「願うだけで人を殺せますか?」
「いいえ、自分が恋人になれるようにライバルを蹴落とすという願いです。恋敵を呪い殺すくらいの願いを込めないと効果は出ないと話しました。そうすれば、一生幸せに一緒に暮らせるようになると、願いが過剰になるように誘導しました。」
「でも、願いの強さによっては殺すほどにはならないと思いますけど。」
「さすがに詳しいですね。私は、親に放置されていたので、親に内緒で魔法の勉強をしていたのです。あの箱に自分で魔法を使って、この目で何度も何度も見て、実際の動きがわかるようになっていました。ですので、横にいる私が願ったことが反射されその子に向かうように仕向けました。」
「依り代、いや身代わりですね」
「はい、私が願った悪意を何十倍にも膨れ上がったものが友達に襲いかかりました。」
「そう、ですか。」
「一人目の時、初めて呪い殺したとき、罪悪感を憶えるどころか、快感を覚えました。ああ、楽しいと、心の底から楽しいと思いました。ですので、それから一人ずつどうやって呼び出してどうやって誘導するかばかり考えていました。」
「今も後悔はしていないと。」
「はい、最後の一人を死に追いやったときには、達成感を憶えました。私と友人達の友情は永遠になったと。そして、なぜ死体は腐らないのか不思議でした。」
「なぜ腐らないのですか?」
「呪いのせいなのでしょうか、眠ったように死んでいてどうもならないのです。」
「そうですか。昔の誘拐事件の顛末になるんですね。ここにあったはずの死体についての経過はわかりました。さて、私たちに協力を求めたのは、私たちに罪をおしつけるためですね。」
「おっしゃるとおりです。死体を見つけ動揺している隙に外に連絡して、彼らの仕業だと話せば、そこで死体は、回収されて終わると思いました。」
「そうですか。」
「さらに私に協力させたのは、そこに死体を隠したはいいが、鍵の開け方を知らなかったからで、さらに両親が自殺して倉庫が人の手に渡って死体がどうなったか心配になって戻ってきたのだ。と、言おうと思っていました。」
「そうですね、私は転生者ですからそれを証明する手立てはないし、誘拐事件が起きた時にどこに住んでいたか証明できる人もいませんからね。」
「はい、この件の犯人は、外から来た人でないといけないのです。」
「・・・・」
「さて、ここまで話しました。なぜ死体はないのですか?」
「それは、ここを出てからにしましょう。」
「はい。」
 そうしてその部屋を出て、メアと合流し、見張りの寝ている隙を狙って、といっても泥酔しているので、堂々と倉庫を出て、例の薬屋を目指しました。
「ああ、そこに死体を預かってもらっていたのですか。」
 なぜか彼は安心したようにそう言った。
 私が扉をたたくと自然に開きました。
「入りますよ」
「待っていたわ、手に入れた?」
「これを」そう言ってあの箱を渡す。
「そう、ありがとう。これで契約は果たされました。ご苦労様です。」
 そう言ってその場でその箱を手の中で握りつぶした。
「嘘の情報で踊らせるのは、やめて欲しいのですが」
「ごめんなさい、あなたをそこまで信用していなかったので。」
「ふたりともお座りなさい。メア、使って悪いけどお茶をお願いね。」
「かまいません。ご主人様の許可は出ています。この店に来た時は、自由にして良いと」
「じゃあお願い。」
「さて、ご両親の自殺の件だけど。聞いても良いかしら。」
「はい、私は、両親が突然事業の拡大をしようとして、商売敵と争っているのが心配でした。ただ、会話の機会のない私にはどうすることもできませんでした。」
「しかもたきつけているのは、妹のようだったのです。妹も私と会話していませんでしたので、居間の話し声を聞いていると、どうやら妹が積極的に誘導しているようでした。」
「妹が憎くなりました。そしてそれを諫めない両親も同様に憎くなりました。ええ、家族を呪ったのです。その箱を使って。」
「殺したいと願ったのですか?」
「はい、そうすれば、私が死ねると思ったからです。」
「ですが、呪いはかなえられ3人は死んでしまいました。その箱は一体なんなんですか?最初調べたときには願いを叶える魔方陣に見えたのに、そして、友人達使った時には、うまく動いて、次に使ったときには効果が無かった。一体なんなんですか?私は、両親と妹を殺すつもりでは無く、私が死ぬはずだったのに。」
少しだけ沈黙が訪れる。その時にメアがみんなにお茶を配り、お盆を持ったまま立っている。
「話しておかなければならなかったのにこれまで話せなかったのは、きっかけがなかったからね。まあ、私も話したくなかったということもあるけど。」
「まず、この箱は願いの箱なんかではないのよ」
「え?」
「そういうふうに見えるだけ。中身は何も無いのよ。この箱に魔力を注ぎ込むと光り出して、私に魔力を使ったことを知らせるだけのただの箱よ」
「でも、魔法の形は、ちゃんとしていましたけど。」
「あなたが独学で調べられることは少ないのよ。一般の魔法書には省略・簡略している部分も多いの。だからあの箱にそんな大層なことはできないの」
「では、あの箱は一体」
「あの箱はね、あなたの両親があなたの魔力に気付いて、使い始めたことを知った時に、あなたが魔法を使わないように見張るためだったのよ。
 もちろんそれは破られた。そして、あなたの両親は、あなたの魔力に恐怖を覚えた。自分の事業の保身もあったのかも知れないけれど、もっとも恐れていたのは、あなたが友達に危害を加えるのではないかということなの。その事があって、友達の親にこの子は危ないことに手を出してしまうかも知れない。なので、息子と遊ばないようにして欲しいと話したのよ。さすがに魔法のことは、言ってないと思うけどね。」
「ああ、そういうことでしたか。」
 彼はテーブルに肘をつき下を向き頭を抱えた。
「そしてあの事件が起きた。最初からあなたは疑われていたのよ、でも、あなたの両親は、それを否定して家捜しでも何でもしろと言ったの。実際、死体も何も出てこなかったからね。そう何も出なかったのよ。あの倉庫の裏の小部屋のことは誰も知らないから。これで終わると思った。でも、最近になって何かを感づいた商売敵から強請られ始めた。そして、お金が入り用になったあなたの両親は、無理なシェア争いに手を出してしまった。」
「あ、あああ。」
「あなたも妹の叫び声で薄々自分のせいだとわかっていたのでしょう?でも、あなたは、自分に対する両親の愛情が信じられなかった。そして、祈った。いや呪った。」
「でも、あの箱にそんな力がないのなら。」
「それはね、あなたが呪術や死霊術に向いた魔法使いだったのよ」
「あああああああ。」
 彼は、両手を顔に当て震えるように声を出す。
「少し戻るけど、あの誘拐事件の時、私は真っ先に疑われていて犯人を捜す必要があったの。その時はあなただとは知らなかったので、必死で探したわ。あなたの両親は、私があなたを疑っていると知ると「息子が犯人ではないから。大丈夫」と自信を持って言っていた。そして、私には、せっかくここでの商売がうまく行き始めているのだから息子が魔法を使えることは、知らなかったことにして欲しいとね。そして、私があなたの魔法使いの適性の方向を確信したのは、7人の子どもが行方不明になって事件が沈静化した後の事なのよ。」
「・・・・」
「実際のところ、疑われている新参者の私があなたを犯人だと言っても信じてくれないでしょうし、むしろ子どもに濡れ衣をかぶせる卑劣な人と言われかねないので、自己保身のために黙っていました。
 私は冷たい人間だから、あなたの両親には、あの箱を渡したときにあなたを手放すように言っていたのよ。早ければ早いほうが良いとね。遅くなればなるだけ情がわいて手放せなくなると。それでも、周りに危害を加えなければいいのだと、ただどう接して良いかわからないと私に言っていたの。」
「私は、その時はなすすべがなかった。でも、脅迫され始めたと知ったときに、すでにあなたとその家族が後戻りのできない状態になっていることがわかったの。それで、古い友人に相談に行っていたのね。あなたを引き取ってもらうようにね。でも遅かった。あなたは、事故とはいえ、人を呪い殺してしまった。唯一の理解者である家族を」
「・・・・・」
「私の弁明はね、あの箱を作るときに何度もあなたの両親にあきらめるよういったことだけよ。あとは私にはどうしようもなかったもの。話したかったのはこれだけよ。」
「あの、その引取先の人は受け入れてくれると言っていたんですか?」
「結論をもらうまえに身元引受人である両親が死んでしまったのでどうにも。呪術師とか死霊術士なんて世捨て人になってからでも遅くないのね、あなたみたいに魔法も使う必要がなく普通に暮らしていけるならその方がいいのよ。」
「ああ、報酬は明日にでも来てくれれば話すわ」
「あなたが箱なんか作るからこんな結果になったんじゃないか」
「ええ?あなたはこの期に及んで私のせいにしたいの?最後にあの箱を使ったときのことを憶えていないの?あなたは、反射で自分が死ぬだろうと思っていたとしても、両親と妹を殺そうと祈ったのよ、普通肉親を相手に願わないわよね。どうして両親?商売相手でもあなたの家の使用人でも犬猫でもよかったんじゃないの、どうしてかしらね?」
「店長さん。」
「この子はね、自分を正当化しようとしているの、友達を7人も殺して、しかも自分のネクロマンサーとしての能力を使って彼らに死ぬことも許さないひどい男なのよ。たとえそれが無意識でやったことだとしても。」
「ちがうちがうちがう」
「その時だって、両親に頼むから友達と遊ぶことを許してくださいと頼みもしていないんでしょう?なぜ?」
「それは、言ってもしかたないと思ったからで。」
「必死に頼む程の価値もない、それだけの友達だったの?」
「そういうわけではないですけど。」
「言い訳ばかりね。もういいわ、魔法使いとしてやりたいことをやっただけとも言えないんじゃ、魔法使いにもなれなさそうだし。帰ってちょうだい。」
「はい。」
 そう言って彼は扉から出て行った。私は、彼に掛ける言葉もなく。一緒に出て行くこともできず、しばらくそこにいた。
「ずいぶん厳しく言いましたね、彼のために」
「言いたいことを言っただけよ。魔法使いになるためにはそれなりの資質が必要なの。魔法が使えるだけではなく心もね。あなたのように途中で魔法が使えるようになるとそれがやっかいなのよ。」
「私ですか?」
「ええ、あなたは能力に振り回されていないけど、転生者で魔法が使えると自分が何でもできるようになったと勘違いして暴走するのよ。そして、ぼーん」
「死ぬのですか?」
「魔力に潰されるのよ。使いすぎて、自分で止められなくて魔力が暴走する。使わないと肝心の時に使えない。そんなとこね。常に魔力とつきあってここまでが自分の限界とか魔力の限界とか、憶えて使っていかないとね、いつか破綻するのよね」
「はあ」
「あなたは、バランスが取れているのね。一度くらい失敗していないの?」
「ええ、かなり失敗しています。」
 言えませんが、放射能あびたこともありますよ。中性子爆弾作りそうになるし。
「それを支える基礎知識がしっかりしていたのね。」
「基礎知識ですか?」
「ええ、ただし、魔法の基礎知識では無いわよ。この世の理の基礎知識。きっとあなたの世界ではいろいろと解明されているのね。」
「でも魔法はないようですよ。」
「だからいいのよ。便利すぎるの。理論も知らずに魔法を使うのは、猿が見よう見まねで火を使ってやけどするようにね。」
「!その逸話を話せるということは、もしや」
「さあ、昔、転生者と話をしたとき聞いたかも知れないわね。昔過ぎて憶えていないわ」
「えーーー。」
「さあ、早くお帰りなさい。みんなが心配しているわよ。」
「ああ、朝になりそうですね。あの子はどうなるんですか?というかどうするつもりなんですか。」
「死体は、昨日あなたから渡されたときに、すでに森に埋葬しました。彼にはその場所は教えておきます。あとは知りません。あと、もしあなたが彼に会う機会があったら、私に復讐しようとするなら好きにして欲しいと話してください。」
「損な役回りですね。」
「人間と関わりを持つ魔法使いは、こういうことがよくあります。慣れたとは言いませんが、仕方の無いことです。もうこういうことはしたくなかったのですが。あと、あなたたちに危害は加えないと思いますが、しばらくは気をつけてくださいね。」
「そうですね。気をつけます。」
 そう言って私はメアと共に薬屋を出ました。
 夜空の星しかあかりがないと、以外に歩きづらいのですが、今はすこしずつ明るくなってきています。でも、家に帰りづらくてゆっくりとメアと歩いていました。メアさんは、たぶん察してくれて歩調を合わせてくれています。
 疲労のせいもあるのか、気持ちが薄暗くて足元がおぼつかない。そんな時、突然横の茂みから人影が出てきました。
「待っておったぞ。」
 モーラの声です。メアさんはきっと見えていたのでしょうね、私のようにびっくりはしていません。いや、こんなのわかっていてもびっくりしますよ。
「帰っていてもいいと言っていたのに、夜は危険ですよ・・ああ、魔物でさえ寄ってきませんか。」
「ああ、さすがに人間もこの時間は出歩かん。いや、そろそろ夜が明けるぞ。今まで何をしておった。」
「事後処理を少々。薬屋さんで。」
「ああ、そうか。やっぱり行っていたか。」
「収まりつかないじゃないですか。にしても家で待っていてもよかったのに」
「わしひとり帰ってみろ、根掘り葉掘り聞かれるに決まっておる。わしも全貌は聞かされておらんのに。」
「そうですよね。でも、さすがに眠いです。」
「わしもその辺で居眠りしておったわ」
「人さらいにさらわれますよ。」
「返り討ちじゃ、」かっかっかと笑っています。ご老公ですか
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「親子の誤解、すれ違いですかね。」
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「本当は自殺するつもりであの箱に親を殺すと念じたらしいです。でも箱はダミーなのでそのまま両親と妹に。それでも彼が呪術師としての資質が無ければ・・・」
「何も起きなかったと」
「ええ。そして、彼が7人の友達を殺したのは、単に一生そばにいて欲しかったらしいですよ。そしてその結果については、満足しているのです。あの箱のおかげで願いが叶ったと」
「隠し通せたのはなぜじゃ。」
「ご両親が知っていて隠していたというところです。彼を守るためなのか風聞を気にしたのかは、わかりませんが。」
「じゃが、両親が死んで倉庫は人の物になり、見つかるのが不安になった」
「何も知らない誰かに、まあ我々にですけど、濡れ衣を着せて一件落着させようとしていましたね。」
「そこは読みどおりじゃな。」
「7人を殺した動機が不明でしたが、わかって良かったですよ。すっきりしました。」
「他の奴らにはなんて言うのじゃ。」
「そのまま教えますよ。隠すことでもないですし。」
「まあ、あまり血なまぐさくもないしな。」
「アンジーさんが心配です。」
「気にしてもしようがないじゃろう。嘘で隠してもばれるわ」
「ですね」
 こうして魔法使いさんの依頼は終了した。翌日魔法使いさんのところに行くつもりでしたが、薬の納品の時でもいいと思い、行きませんでした。エルフィが通っている居酒屋では、彼はいなくなっていてどうしているのだろうと噂になっていたらしいです。
 数日後魔法使いさんのところに薬草を納品に行くと
「そうそう、7人の子ども達の死体。掘り起こされていたわよ。やったのは彼しかいないけど。魔法使いになる気になったのね。」
 さらっと言わないでください。
「我々は安心して良いですかね。」
「あの手の魔法使いは、性格的に根に持つ人が多いけど彼は大丈夫じゃない?」
「あっさりしてますね」
「だって、死体の場所を教えてすぐ連れて逃げたのよ。少なくとも一人じゃ持って歩けないでしょ。つまり自分で考えて、すぐ使役できるようになったのよ。」
「ああ、確かにそうですね」
「そのまま山にこもるかも知れないしね。あ、自分の食料の調達とか魔獣対策とかは必要になるわね。でもなんとかするでしょう。彼ならね。」
「そう思いたいです。」
「さて、ここへ来たという事は、私に約束を果たせという事ね。」
「お聞かせいただけませんか、その情報の人のこと。」
「名前がね「エースのジョー」と言うのよ。」
「なんですかその頬袋を膨らませたリスみたいな名前は。」
「なんじゃ、おぬしの頭の中には違う男の顔が浮かんでおるが。」
「それは、一応大人の事情ですよ。」
こうして、薬屋の魔女さんの願いの箱の件は終了しました。
そうそう、あとから聞いた話では、借金など何もなかったのだそうです。


  第5章に続く

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出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

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