巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

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第22章 過去との再会

第22-2話 旅の途中

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○ビギナギル再び

 私は、特に危険はないと判断して
「大丈夫そうですのでそのまま進んでください。」と言いました。

 城壁工事の中に入ると、本当に人が一杯立っていて、こちらの方を見ています。なにがあったのかと思ったら、私達が入ってくるのを見てみんなで拍手しています。中央には、領主のオズワルドさんと商人のレイモンドさん、傭兵団長のマッケインさんが並んで立っています。
 私達があっけにとられていると、馬車のそばに皆さんが集まってきて、降りてくるように言われます。私は、おどおどと領主さん達の前に降り立ちます。すると領主さんが私と握手して同時に拍手が沸き起こります。
「お久しぶりです。元気でしたか。」
 その後、全員が促されみんなの前に並ばされて、それぞれが、握手を求められています。御者台にはパムとレイが寂しそうに座っていましたが、それぞれ手を差し伸べる人がいて、御者台から降ろされて、こちらも握手を求められ、温かい歓迎を受けています。もちろん二人は困惑して苦笑いしている状態ですけど。
 街の皆さんも落ち着き、私達は、馬車を停車場に預け、馬たちは、領主さんの厩舎へとエルフィ同伴で連れて行かれました。
 それを待って領主様のお屋敷に・・・お屋敷がでかくなっていますよ。ええ、一回りほど大きくなっていました。
エルフィが戻り、全員揃ったところで客間に案内されました。豪華な椅子があります。ちょっと旅装で座るのはもったいない感じで座れないでいると。領主さんは、察したのか
「気にしないで座ってください。あなたがこの魔法のコーティングをしたのでしょう?ですから汚れませんよ。」
「そうですか・・って私が魔法を?」
「え?知らないんですか?私は、この椅子をファーンの町長さんからいただきましたよ。あなたのお手製で汚れが付かずに、付いてもすぐおちる不思議な椅子だと。おかげで重宝していますよ。」
 よく見ると、この凝った椅子の装飾は確かにエルフィが施したものだ。
 そういえば、町長に就任祝いに何か良いか聞いた時に、町長は、
「人の出入りが多くてなあ汚れの落ちやすいものにしてくれぬか、それと部屋が大きくなるので二回りくらい大きいのにしてくれるとうれしいなあ。」とか、ぬかしていましたねえ。そうですか、そう言うことですか。「特別室」ってそう言うことでしたか。帰ったら・・・まあ、いいです。町長の役に立ったのなら。
「そうでしたか、お役に立っているようで何よりです。」
「いや、たくさん作って是非こちらで販売させていただきたいくらいです。」
「いや、申し訳ありません。ハンドメイドなので大量に作れません」
「この生地の作り方だけでも教えてもらえませんか。」
「企業秘密です」
「年に何反かだけでも作れませんか」
「持ち帰って検討します。」
「良い返事を期待しています。」
 だから、嫌なのですよ。他の人に譲るなら、そう言ってもらわないと。町長への感謝の気持ちだったのに。とほほ。
「あの~。今回のこのお出迎えなのですが・・・」
「街の人があなた達が来るのを知ってしまいましてねえ。是非ともご挨拶したいと言い出しまして。貴方たちはそういうのを嫌っているのは、知っていましたから、諫めたのですが、どうしてもと。」商人さんが頭をかいている。
「ここには、少しの間だけお世話になっていましたが、あまり貢献した覚えはありませんが。」
「なにをおっしゃいます。あの魔獣の襲撃の際、一番に活躍されていたではありませんか。」
 別な椅子に座っていたマッケインさんが言いました。
「あれは、エリスさんが・・・」
「ですが、そこまで食い止めていただいたのは、ユーリ・・さんとメアさんエルフィさんの活躍があったおかげです。」
「団長さん、私に敬称は必要ありません、私の恩師に敬称をつけられては私が困ります。」とユーリが言った。
「ああ、すまんユーリ、まったくその辺は変わっていないな。」
「それに、今回の城壁工事をご覧になりましたでしょう。」
 と今度はオズワルドさんが話し出す。
「はい、これはあの戦争のせいですよね。困ったものです。」
「ですが、以前から検討はしていたのですが、資金を調達できずにいましたが、ファーンとの交易が莫大な利益を生み、物流、人流どちらも活発になったおかげで、ようやく作ることが出来ました。」
「それはおめでとうございます。この街一丸となって頑張ったからですよね。」
「あなたは本当に・・・あなたのおかげでここまでになったのですよ。こちらからは感謝しかないのです。」
「はあ、そうなんですか。実感がまったくありません。」
「あなたが、ここから旅立たれた時、一時、ハイランディスとの間がギクシャクしましたが、ロスティアの王女とお会いになられて、ハイランディスもこちらの心配をしていられなくなりました。その後、ファーンに戻られて、ファーンとの道路に魔獣が出なくなり、加えてあの町と隣のベリアルが生産性を向上させて、こちらにどんどん物資が運ばれるようになり、物流が安定したおかげで、私達の街は潤ったのです。聞くところによると、あなたが生産性を指導されたとか。」
「いいえ、アドバイスしただけです。彼らが努力したおかげであって、私は何もしていませんよ。」
「いいえ、あちらに話を聞くたびにあなたの名前が出てきます。それだけ感謝されるようなアドバイスをしているのですね。」
「なんか、褒め殺されている気分になってきました。」
「それからアンジーさん、いえアンジー様。」今度はまた領主さんです。
「あの~、子どもになにを言おうというのですか。」おお、すっとぼけのアンジーです。
「あなたの教えを守って彼らは、孤児院を作りその横に小さな教会を作りました。」
「あいつら~。やらかしてくれたわね。」おっとアンジー地が出ていますよ。
「その中のひとりが教会の師となって、人を殺さない、人を許すという教義のもとに活躍しています。おかげで、街の人々の心が安定しております。あの時私が殺すと言った盗賊達が今や、人の手助けをして生きているのです。これは、あなたがこの街に残してくれた財産です。」
「言いたいことはいろいろありますけど、あとで見てきますね。」そう言ったアンジーの額に血管が浮き出ているように見えるのも演技のうちですか。
「モーラ様、その加護をありがとうございます。この地にいらっしゃった時にこの街の大人達相手に子どもの戯れ言といいつつ考え方を示唆していただきありがとうございました。」
 領主は深々と頭を下げる。
「なにを言っているのか~よくわかりません。」
「いえ、噂通りならあなたは土のドラゴンであらせられると。後から街の者達との会話の中で、あなたの言葉が語られるのです。そういえばあの子から聞いたことに素直に従っていれば、そのように事は運ぶと、いなくなった当時は、皆、指南を求めて私に相談に来たものです。」
「それは、たまたま子どもの戯れ言があたっただけで。」
「お隠しにならなくてももうよろしゅうございます。先の壺の件、そして黒い霧の事件、他国の天使帰還事件、全てにあなた様のご加護があったことは、承知しております。」
「なるほどのう、搦め手か。おぬしが話したわけではあるまいな。」そう言って、団長をにらむモーラ
「私は、なにも申し上げておりません。」
「おまえ、知っていたのか。あれだけ何度も繰り返し尋ねたのに」
 商人さん団長さんに結構怒っています。
「宝石の件にて同行した折に。もちろん口止めされておりましたもので口外できませんでした。」
「許してやってくれ、わしから脅されて話せる者などおらん。なあ、お二人さん。」
 久しぶりに見ましたモーラのオーラです。さすがに二人とも怯えています。
 ハンカチを出して汗を拭く領主さんと商人さん。
「他言無用じゃ。たとえ死んでもな。」二人とも声もなく頷くだけです。
「さて、賛辞はこのへんで聞き飽きた。それだけの用件なら宿に戻るぞ。」
「いえ、ここに暮らしていた皆さんには全員に感謝の言葉を申し上げたくてこちらに起こしいただきました。まず、ユーリさん。あなたには、傭兵の斡旋、剣技の伝授など、兵士の能力の底上げにご尽力いただき、メア様には、挨拶、マナーなどの礼儀をお教えいただき、エルフィさんには、傭兵や冒険者の手伝い、共同クエストの橋渡しにご協力いただきまして、それぞれ、本当にこの街の文化の高進や防衛力の増強に貢献いただいています。そして、ここに住んでいなかったお二方。」
「パム様には、薬屋の魔法使いのコンタクトの折に、この街に入っていた間者を間引くことに協力をいただき、さらには、私達の間者を育成してもらいました。レイ様には、獣人との交流に力をお貸しいただいております。」
「ほう、レイも協力していたのか」
「え~わかりません。」
「そんな、獣人の人たちをこちらに向かわせてくれたのはあなたではないのですか。おかげで冒険者登録のない方でも協力して魔獣討伐とかしてくれています。」
「あ~、そういえば、モーラ様の縄張りに入って悪さをした人達のうち数人には相談されたので、改心するなら隣の町に行きなさいと言ったことはありました。それのことですか。」
「ファーンの町外れの魔法使いの所の獣人から言われてきたと言っていましたけど・・・そのくらいあの獣人達は感謝していたと言うことです。」
「まあ、わしの領地追放じゃからなあ。そやつらは改心して頑張っておるか。」
「はい、頑張りすぎて休ませるのに一苦労です。」
「レイ、あとで顔を出して話してこい。だまされやすそうな奴ららしいからな。モーラが許可したから何か相談があったら顔を出せと」
「ラジャー」
「ひととおり終わりましたね。では・・・」
「お待ちください。最後に一つ質問と最後にお願いが。」
「答えられる質問で、私達が明日立つ前にできるお願いであれば」
「はい、質問は、貴方たちは噂のマジシャンズセブンなのですか?」
「今更それを聞きますか。先ほどネタばらしをしているのに。」
「所詮は噂です。確証はありません。」
「ではお答えします。マジシャンズセブンという人達は知りません。誰かが勝手に噂しているだけです。ここにいるのは、私とその家族、決してそんな変な名前の集まりではありません。これでいいですか?」
「ありがとうございます。これで周囲から聞かれても違うと答えられます。」
「ああ、そう言うことでしたか。そうです。私達は家族です。そうですね皆さん。」
 全員が頷く。
「さて、お願いの方は何ですか?」
「お願いは、一つと言えばひとつなのですが・・・言いにくいのですが」
「良いからはよういわんか。」モーラがイライラしている。
「今日の夜の宴会に参加して欲しいのです。そして・・・」
「あーそういうことなのね」アンジーが察した。さすが賢者。
「はい・・・お客様にお願いするにはちょっと・・・」
「おぬし、わからぬか。」モーラも気付いたようだ。そして片手でお盆を持つマネをする。
「あ!また着るんですか?」
「そうなんです。収穫祭の後、ファーンの町へのツアーの後、けっこう催促されまして、こちらに来られると昨日聞いたばかりなのに、こうして嘆願書がすぐ届きまして。」
「昨日一日でこれだけ・・・どれだけノリが・・・もとい団結力があるんですか。」
「と言うことなので、ですね、できればお願いをしたいと。」
「皆さんどうしますか?」皆さんあっちを向いています。
「しようがないわねえ、その交渉術のうまさに免じてやってあげるわよ。みんな良いかしら。」
「アンジーさんいいのですか?」
「もうね、そう言う方向でバカな人間だと思わせておいた方が良いのよ。たぶんね。」
「ああそうか、マジシャンズセブンがこんなことをするわけがないじゃろう。そんなことをしていたらイメージが、がた落ちじゃ。だからそんなことする奴らは違うと宣伝することにしようということか。な?」
 まるで自分に言い聞かせるようにモーラが言って、みんなを見る。
「私は~別に気にしませんよ~前も楽しかったし~」
「僕も割と気に入っていました。」
「まあ、仕方ありませんね。こちらの街には色々とお世話になっていましたから。」とメア
「また着せるとか言っていましたけど、どういうことするのでしょうか」
「いいえ、ただ座ってみんなと飲んでいただければそれで良いのです。」
「でも、衣装を持ってきていませんよ。」
「来ることがわかってから夜なべをして仕立屋が作りました。型紙は、すでにありましたので。」
「型紙が、あったのですか。」
「はい、ファーンの収穫祭の時にあちらの仕立屋の方に交渉してお譲りいただいておりました。」
「え?それってなぜですか?」
「以前こちらの収穫祭で着られたメイド服は、焼けてしまったと聞きまして、それなら、こちらの収穫祭に参加いただく時には、現在の体型に合わせて、同じ物を作って記念に差し上げようかと思っておりました。」
「個人情報保護というものは、この世界にありませんからねえ」
「なんでしょうかそれは、」
「いいえ、何でもありません。ということは、その時のデザインのメイド服を作られたと言うことですね。」
「はい、キャロルの衣装もありましたし、収穫祭の時にあの店に行ったことのある人達のイメージを総合しましたので、ほぼ同じ物になっていると思います。」
「その情熱を他に活かせたのではありませんか」
「まあ、そういうのが好きな人達もおりますので。」
「まあ、よいではないか。あの時の衣装が焼けた時、家族全員かなりへこんでおったであろう。よかったではないか。」
「そう思うことにします。では、皆さんどうしますか。着ても良いですか?」全員がうなずいている。
「僕のは、どうなっていますか?あとパムさんとレイの分は。」ユーリは、男装しなければならないのか聞いてみたようだ。
「申し訳ないのですが、女性票が多数を占めて男装になっております。」
「ああ、やっぱりですか。」ガクリと肩を落とすユーリ
「もちろんメイド服の方も用意してあります。そちらがよろしければ。」
「けっこうです。よく考えたら、この街には、傭兵団の皆さんとか、知り合いが多すぎて、メイド服を着ると冷やかされそうです。」
「パムさんもレイさんもよろしいのでしょうか。」商人さんが再確認をする。
「私は、給仕の方がよろしいと思っています。」
「僕は、着たくないです。ごめんなさい。」
「仕方ありません。獣化した時用のも作ってみたのですが。」
「獣化した時のですか?」
「はい、着てみますか。ああ、ひとりでは着られないと思いますので、どなたかに手伝ってもらって。」
 そう言って、全員の分のメイド服をいただいた。
「では、夜になったら着替えて居酒屋さんに行きますね。」
「実は、移転しまして、かなり大きなホールになっています。」
「そうですか。先に案内してもらってそこから宿に帰りますね。」
「ありがとうございます。」
 そうして、屋敷の中を歩くだけでもかなりの距離のある大邸宅から出て、アンジーはメアと一緒に孤児院に向かい、小腹の空いているレイ、エルフィ、ユーリは露天商街を目指し、私とモーラ、パムは薬屋に向かう。さすがにここは移転させないみたいだ。
「こんにちは」パムがそう言って扉を開けて店の中に入っていく。
「いらっしゃい、何のご用ですか」そう言っておくのかウンターの裏の方から女の子が顔を出す。
「お久しぶりです。私です。パムです。」
「ああっパムさん、寄ってくれたんですね。ああっ魔法使いさんとモーラ様も一緒ですか。お久しぶりです。ええと、ファーンの収穫祭の時以来ですね。」
「あれから元気にしていましたか。」
「皆様の方こそ色々とありましたよね。大変でしたねえ、本当に色々と。」
「おぬしどこまで知っておるのじゃ。」
「そうですねえ、氷のドラゴンさんの件から、元魔王さん一家の自殺、ロスティアの派兵、天使の帰還、皆さんの家が破壊されたところまでですねえ。」
「なんじゃほとんど知っておるのか。」
「魔法使いの里に情報が入ると街の魔法使いには、たいがい連絡入りますから」
「特に3千人を相手にした時は私も見に行きましたもの。」
「え?見に来ていたんですか?」
「ええその通りです。とっても素敵・・いや格好良かったですよ。エリス様にはかないませんけど。」
「すまんが、教えて欲しいことがあるのじゃ。」
「ああ、すいません。つい興奮してしまって。なんでしょうか。教えられることであれば何でも。もちろん対価が必要になりますが。」
「メアの以前仕えていた魔法使いを知りませんか。男性の方なのですが。」
「残念ながら私はお会いしたことはありません。ああ、男性の魔法使いと言えば、雪山を目指した魔法使いがいると言うのを聞いたことがあります。その方かどうかはわかりませんが。ああ、噂話ですので対価は必要ありませんよ」
「そうですか、それでもこれを」私は薬草を一束渡した。
「ナンバリングなしの、あの薬草ですか。」
「気をつけて使ってくださいね。」
「ありがとうございます。助かりました。実はこの薬草が意外に高騰しているのです。」
「はあ」
「今回の戦争でけが人を直した際に今まで知らなかった魔法使いも知ってしまい、私のような田舎の魔法使いにまで昔の恩を返せとばかりに、無理を言ってくる人が増えまして。自分の分が取られてしまったのです。」
「なるほど。そうでしたか。でも保存期間が短かったと思いますが」
「そうなのですよ。でも、実際の薬草を持っている人からは、もっと優秀なのがあると聞かされて、強奪されました。」
「魔法使いも大変ですね。」
「仕方がないのですが、それで、今夜の宴会は、出席されるのでしょうか。」
「え、ええ」
「よかった。私も今夜の宴会は出席します。ユーリさんの姿も拝見したいので。」
「そうでしたか。では、今夜また。」
 そうして薬屋を出る。
「さすがに若い魔法使いでは知らんか」
「そうでしたねえ。」

 露天の出店でみんなと合流して一度宿屋に戻る。
「あいつら~。私の名前を出すなと言っているのに。」アンジーさんがご立腹です。
「彼らの言い訳が「私達はアンジー様から救われ、そしてここにおります。アンジー教などと名乗っておりません」と言っていましたから。確かに仕方がないというか、」メアが申し訳なさそうにそう言った。

 そうして、宴会に例のメイド服を着て仮装行列のように到着し、まあ、飲んでばかりはいられませんので給仕を手伝い、宴会はつつがなく終了しました。
 宿屋も大きくなっていたので入浴可能な水風呂が設置されていて、お湯にも出来るようになっています。石造りの浴場で、浴槽は半身浴程度の高さになっていて、木桶と木を輪切りにした椅子が何個か置いてあります。当然男女混浴ではありませんのでひとりで入っています。
ちょろちょろと水が出ていて、この水をためているのでしょう。私は浴槽にたまっている水をお湯に替えます。
「旅の途中でも入りましたが、やはりお風呂は良いですねえ」
半身浴のお湯の高さとはいえ、寝そべると全身がお湯につかるので、体が暖まります。人が少ないとこんなことが出来て良いですねえ。
「そっちはひとりなのかしら。」アンジーが私の声を聞きつけて私に声をかける。
「ええ、ひとりです。それにしても広々としていますねえ。でも、半身浴でも寝そべれば全身つかれますよ。」
 女性の方もここと同じ大きさなら3人は寝そべっていられそうです。
「とう!!」その声と同時に、間の壁を飛び越えてきた3つの影。タオルを腰に巻いているとはいえ、上半身裸はいけませんよ。まあ、1人は獣化しているので恥ずかしくないのでしょうけど。
「やっぱりこっちの方がちょっとだけ大きいわ。」アンジーが浴槽に寝そべっている私の隣に滑り込む。
「確かにな、あっちじゃ3人がやっとだからのう。」そう言ってモーラが私の反対側に滑り込む。レイは、そのまま私の足下に入った。小さくなっているとそれも可能ですねえ。
「ユーリとメアとパムとエルフィでは、あちら側は大変そうですねえ。」
 特にばいんばいんな2人がいるので、寝そべってもはみ出そうですけどね。
「ああ、4人が互い違いに並んで寝そべっているが、話がしづらそうじゃ。」
「でしょうねえ。」
 あなたたちは、わざと弾かれてこちらに来ましたね。確かにこちらにメアとパムとかエルフィがきてしまうといろいろやばいですからねえ。男の人が入ってきたりしたら騒動になりそうです。
「まあ、あの宴会。悪い気はしないが、やり過ぎじゃなあ。」
「確かにそうですねえ。悪意がない分だけこちらとしても断りづらいですし。」
「でも、久しぶりにいろいろな人にあえてうれしかったわねえ。」
「レイはキャロルと一緒にいたであろう。どうだったのじゃ」
「人はこんなにも早く成長するのですねえ。」
「ああそうだな。あれからそんなに経っていないのに成長が早い。」
「ええ、最初に会った時にはヒメツキさんの後ろに隠れているくらいだったのに、今では、立ち振る舞いから何から何まで優雅になりましたし。そして一番驚いたのは身長も急に伸びましたしねえ。」
「ああ、人の成長というのはすごいものだなあ。」
「そうね。本当にそうね。」
「そういえば、以前モーラが彼女は勇者ではないかと言っていましたね。」
「・・・そうじゃな」
「そんな話をしていたの?」
「ええ、今回彼女を見て、モーラの言ったことが信憑性を帯びてきた気がします。」
「わしとて不本意だがそう感じているわ。しかし、前にも言ったとおり、資質があるからといって勇者になる必要はないのだから」
「はい、私としてもそうあってほしいと思います。これで彼女の本意ではなく、勇者にされてしまったら、彼女の望む幸せは、永遠に手に入らなくなってしまいます。」
「今でも、ヒメツキさんのところでお世話をしたいと思っているのかしら。」
「わかりません。」
「僕は、なでてもらっていた時にこう言われました。私はいつかヒメツキ様のおぐしをこうして梳かしてあげたいと思っているのよ。と」
「ああ、まだ思いは変わっていないのですね」
「まあ、よほどのことがない限り英雄にはなることなど起きないであろうな。」
「そうですね。」
 そして、その夜はゆっくりと睡眠を取り、翌朝、日の出る頃に出発した。門にはすでに領主様と他数名が待ち構えていた。
「昨日の宴会は、ありがとうございました。」私はゆっくりとお辞儀をする。
「こちらこそ無理なお願いばかりをいつもしております。今度の旅は長いのですか。」
「わかりません。なるべく早く戻りたいと思っております。」
「お帰りの際には、ぜひまたお立ち寄りください。」
「その時はまたお世話になります。」
「お気をつけて」
 その後ろからメイド姿のキャロルが前に出る。
「DT様。いろいろお話ししたいこともございます。この旅が終わり、お戻りになりましたら、ぜひ一度、ゆっくりとお話しできる時間をお取りいただけませんでしょうか。」
「そうですか。では、この旅を無事に終えて、元気に戻ってきませんといけませんね。」
「はい、お待ちしております。いってらっしゃいませ。」そう言ってキャロルはお辞儀をする。
 私達は、馬車に乗り込み手を振ってその街を離れた。
「何か意味深だのう。」
「そうね、昨日のレイの話ではそんなそぶりはなさそうだけどねえ。」
「彼女なりの気遣いではないのではありませんか。」メアが言った。
「そうだといいのですが。」
「まったくおぬしも変なところ気にしいだからなあ。」
「そうよね。」
 そうして馬車は、ハイランディスを目指します。
 この街道もほとんど魔獣が出なくなっています。人の活動はそんなにも環境に影響するのですねえ。
 そして、ハイランディスまであと1日というところでモーラが言った。
「あの都市もさすがにもう大丈夫だろうなあ。」
「そう思いたいですが、ほとぼり冷めていないかもしれませんねえ。」
「私が先に城下町に入って、魔法使いと連絡を取ってどんな状況か確認してきます。」とパムが言った。
「ここで物資の補給をしないとこの先の食料が不足しそうですね。」ユーリがそう言って、メアが頷く。
「では、先行して小さい馬車で行ってきます。」
「では、僕も行きます。」ユーリがパムと目で合図しています。
「あ、僕も行きたい。」レイの目がキラキラしています。
 ああ、レイは、この街には来たことはなかったですからねえ。
「通信機は持って行きますが、あまり使わないようにします。緊急の時以外は脳内通信も使いません。」
 そうして、しばらく待っているとレイが戻って来ました。
「パムさんから、このまま分散して街に入った方が良いと言われました。僕とエルフィさんは歩きで、あとの4人は家族を装ってくださいとのことです。あと、メアさんには、できればメイド服を脱いで欲しいと。」
「なんですかその具体的な指示は、」
「え~と荷馬車の特徴とか、乗っている人の数や人の特徴などを確認しているようです。街に入ったら城へ誘導しろと指示が回っているみたいです。」
「この先を考えると街中で休息をとっておきたいですし、メアさんどうしますか」
「かまいません、脱ぎましょう。」そう言ってエプロンに手をかけるメア。
「とりあえず、私が御者台に行ってからにしてもらえませんか。」
「失礼しました。」
 そう言いながらも後ろを向いて脱ぎ始めるメア。私は急いで御者台に移動する。
 そうして、門が見え始めた頃、エルフィとレイを降ろして、私達は先に門をくぐる。馬車も大きくしてあり、馬の頭数も変わっているし、メイド服も着ていない。しかもビギナギルの冒険者証には、かなり効果があったようで、すぐに入ることが出来た。もちろんその後、エルフィとレイも入場を許されました。あ、レイはビギナギルで名誉冒険者証をすでにもらっています。
「レイ、エルフィお疲れ様。」
「かなり、入城が厳しくなっていますね~」
「そうですか。」
「エルフとか獣人とかは、特に厳しくされましたよ~中での制限事項とか色々言われました~」
「それは、しかたないわね」
「宿は取れましたか?それともこれからですか。」
「実は・・・」パムとユーリが気まずそうだ。
「もしかして、バレちゃいましたか」
「宿に向かう途中、たまたま、勇者のところにいた忍者が私を確認しまして。」
「ああ、そうでしたか。」
「勇者会議の時に、私達がほとんど会話もなく逃げるようにいなくなったのをかなり気にしていたそうです。」
「あまり懇意にはしたくありませんねえ。」
「はい、ぬし様の守る範囲がまた増えてしまいますので。」
「ああ、そうですねえ。それもありますね。」
「まあ、あんたはそうせざるを得なくなるのでしょう?だって、袖振り合うも多生の縁なのだから。」
「確かにのう、たった1度会ったことのある王女でさえ気にしてしまうのじゃ。そうなるのであろう?」
「王女様は、私の生徒みたいなものですからねえ。彼らは、ちょっと違いますよ。」
「ぬし様どうしますか。」
「この街にいるのでしょうか。明日とかですかねえ。」
「いえ、数日はここで待つことになりそうです。」
「ああ、それなら無理ですね。明日にはここから旅立ちますので、残念ですがお断りします。きっと、ライオットさんは、私がどんな人か判断したいのでしょうけど、私の底が浅いことは、すぐわかります。だから会わなくても大丈夫ですよと伝えてくださいね。」
 私はそう言って、天井を見ながら言った。すると気配が消えた。
「私の家族なら誰でも気付いていると言っておいたのですが、もしかしたらぬし様なら気付かないのでは、と思ったのでしょうか。」
「確かにぼーっとしていますし、あまり気にしないタイプですけど、あれだけレイが天井をにらんで、ユーリやパムやエルフィが天井を気にしていれば嫌でもわかりますよ。」
「それは、失礼しました。でも、気配が消えましたので、メンバーのところに戻ったのでしょう。」
「今のだけ聞くと、忍者が一番優秀に見えるのだけれどどうなのかしら。」
「今までは、その実力を発揮できるだけの装備やお金がありませんでしたから。実際に、実力に見合う装備を手に入れた今なら、活躍していると思います。」
「確かに安い武器で全力を出せば、その場で折れて使えなくなる可能性もありますからねえ。ぜひ装備を作ってあげたいですねえ。もちろん会わないで。」
 パムもうなずいている。
「さて、食料などは買えたのでしょうか。」
「はい、明日は早朝に出発できます。」
「では、夕食をとって、風呂に入って明日は早朝に出かけましょう。」
「はい」
 さすがにいつもの野営のための風呂をここで展開するのはまずいので、この街にあるという共同浴場に行きました。当然、私はひとりで入浴します。と言っても実際は半身浴程度のお湯で、結構な人も入っているのでさすがに寝っ転がることもできません。お湯を浴び、軽く汗を流す程度で長時間入っている人はいません。そこでお湯に足をつけてぼーっとしているとそばに人が座りました。離れて欲しいので横に少しずれるとその人がさらに近づいて座りました。
「申し訳ありません、少し離れてもらえませんか。」
「すいません、あなたに少しお話がありまして。」
 その男はそう言った。なぜか周囲の湯気が濃くなっていき霧のようになった。
「申し訳ありませんが、湯気で顔も見えないくらいですので、ここではなくて外で話しませんか。それにあなたの行為は非常に不快です。これ以上何かするのなら、あなたに対し危害を加えることになります。」
「しかし、あなたと2人きりでお話ししたくてこうして参りました。ぜひお話をお聞かせください。」
「ごめんなさい、ここで引こうとしないあなたに失望しました。あなたがどのような方であれ、お話しする気がなくなりました。」
「そんな」
「失礼します。」
「待ってください」その男は振り向こうとするが体が動かせない。
「そんないつの間に」その男は、上げた手を下ろせないまま硬直している。
「霧が晴れて周りを見た時に私がひとりきりになれることはないと痛感しなさい。」
 私がそう言ってそこを去った後、屋内ではありえないほどの強い風が流れ、霧が晴れる。そこには、すごい形相でタオルを体に巻いた私の家族がそこに立っている。もちろんそれぞれ武器を持ってだ。レイは、獣化して牙をむきだしにして唸っている。おっと、タオルからなにかはみ出していたエルフィは、タオルが落ちたのも気にせず全裸で弓をつがえている。もっともその中にはモーラとアンジーはいない。
「そんな、いつの間に」驚いているライオットにパムは怒りの表情を向けながら言った。
「さて、私達の愛する家族に何をする気でしたか話してもらいましょう。おや、ライオットさんではありませんか。忍者さんの話ではこちらにいないと。ああ、私も甘いですねえ。今度会ったら・・・」
「それは勘弁してあげてください。今回は私が頼んだのですから。」ライオットは、動けるようになったようで、怯えて両手を頭にかざして目をつぶっている。パムはみんなに合図して武器を降ろさせて、自分も武器を降ろす。
「ぬし様は、こういうマナー違反を一番嫌うと噂にもなっていましたでしょう。」パムはあきれたように言う。
「これほどとは思いませんでした、反省しています。」
「ぬし様がへそを曲げていないと良いですけど。」
「そうですか。」
「ええ、礼儀を重んじる方ですので、ここでお話をしたいなどと改まった瞬間にスイッチが入りますね。特に入浴時には」
「そうなのですか。」
「ええ、あるじ様は入浴が一番大好きで一番くつろげる時なのです。おっ」
 ユーリが誰かが入ってきそうな気配を感じたようです。全員バックステップをする感じで軽くジャンプして女湯との壁を越えて戻っていった。
「だから言ったろう。ひとりの時に話したいなんて到底無理だと。」
 ライオットの隣にはすでに忍者が裸で座っていた。
「ああ、そのようだ。他の人に知られないように相談したかったんだが、やはりだめだったようだ。しかも怒らせてしまうなんて。勇者様の様子があの方にお会いしてから変わってしまったようなのでどうしたらよいのか。」
「それでも彼は頑張っているじゃないか。」
「無理に何かを憶えようとしている感じで嫌な雰囲気なんだよ。とても不安で。」
「あの方の家族に聞かれても問題ないと言っただろう。漏れることなんかないと思うぞ。」
「やはり正攻法に勝るものは無いか。」
「むしろ今回の事で少し後退したぞ」
「はあ」ため息をついて肩を落とすライオットであった。

 私はプリプリ怒りながら脱衣所で服を着る。そこには、巻紙が置いてあった。解析スキルで、トラップがないかどうか確認した後、開いてみるとこの周辺の地図だった。
「まったく交渉が下手ですねえ。」
 そう言いながらその紙を持って共同浴場から外へ出る。
「どうじゃった、あやつとの面会は」私が歩いていると隣にいつの間にかモーラが並んで歩いている。
「最悪ですね。本当に」私はそう言って手に持った地図をモーラに渡す。
「なんじゃこれは、ああ、貢ぎ物じゃなあ。これはどこにあったんじゃ。」歩きながらモーラが地図を広げる。
「私の服の上に置いてありましたよ。」
「ふふ、なるほどなあ。あやつめ、かっこつけるからこうなる。」
「モーラは気付いていたんですね。」私はジト目でモーラを見る。
「おぬしは本当にそう言うことに無頓着じゃのう。」
 モーラはそう言いながら、近づいてきたアンジーにその地図を渡す。
「で、あいつの目的はなんだったの?」アンジーは歩きながら地図を受け取りそれに見入る。
「さあ、知りませんよ。聞く前に出てきましたから。」
「はは~ん。おぬし、入浴を邪魔されて機嫌が最悪になったな。」
「そのとおりです。」
「相変わらず子どもねえ。」アンジーは、地図をクルクルと丸めて手に持った。
「いや、いきなり周囲に霧を発生させて人払いまでして私の横に座るとか気持ち悪いじゃないですか。しかも男ですよ。」
「男湯だもの当たり前じゃない。女だったらびっくりするわねえ。」
「まあ、確かにそうですけど。」
「それにしても、地図が欲しいだろうとよくわかったわねえ。」
「うむ、確かに今回の旅の目的については、誰にも話しておらんのじゃから大したものじゃのう。パムあたりがこの街の魔法使いに尋ねたのを聞きつけたのかもしれんな」
 そう話していると女湯の方からエルフィを先頭にみんなが出てくる。
「あ~旦那様~さっきは大変だったね~」そう言って腕に抱きつこうとする。しかし、レイがさっと間に入る。
「も~レイちゃんずるい~」
「エルフィ、どうせ、あの男の話を聞いてきたのであろう。何を話していた。」
「言って良いのかなあ。」
「こいつに何かを話したかったのであろう?わしらに関係する事じゃ問題なかろう」
「んー。なんかねえ、一緒にいる勇者が変わっちゃって不安だって」
「ああ、そういうことなのね。」アンジーは納得している。
「アンジー様それでおわかりになりますか。」パムが感心している。
「とりあえず宿に戻りましょう。冷えるといけないので。」
 ユーリはメアを見ながらそう言った。そして全員でぞろぞろと歩いている。と言っても宿はすぐそばだ。
 宿屋に3人ずつ別れて入っていく。ああ、メアと私は2人ですが。一度部屋に行ってから私の部屋に全員が集まる。さすがにベッドの上までひしめき合っている。
「さて、アンジー、そういうこととはどういうことなのですか。」
「勇者はねえ、これまで疑問に思っていなかったのよ。自分の存在意義も資質も能力もね。でも、あなたから「お前勇者にしては、中途半端だ、不良品だ」って言われたのよ。ちゃんと勇者しなさいってね。しかもほかにも勇者候補がいて、どっちも似たような能力を持たされていることを知ったの。で、やばいと思った訳よ。まあ、思春期にありがちなやつよね。」
「で、そばにいる人達がその姿を見て大変だと思っているんですね。」
「だと思うのよねえ。さすがに心変わりして違う方向に向かうとは思わないけど。」
「違う方向とは、あれですね。世界征服を企むとか引きこもるとかでしょう」
「そうよ。まあ、見守るしかないけどね。」
「なるほどね。聞こえましたか忍者さん。そういうことですので、話しておいてください。あと、近隣の地図ありがとうございました。念のために言っておきますが、次からこういう仕掛けをしてきたら、隣に座った瞬間、敵とみなして殺します。話がある時には、私の町の町長にでも話してくれれば、忙しくなければお会いしますので。念のためそうお伝えください。さようなら。」私がそう言うと気配はすぐ消えた。
「しかし、まだわしらに張り付いておるか。懲りないのう。」
「すいません、私が甘やかしたからこうなっている気がします。」
 パムがすまなそうに言った。
「私は、彼らをかなりぞんざいに扱っているとは思いますよ。今回、ライオットさんでしたっけ、会ってわかりましたが、勇者と呼ばれて調子に乗っているとしか思えませんね。まあ、環境も悪かったとは思いますけど、それだけではないでしょう。」
「おぬしに記憶があって勇者としてこの世界に呼ばれていたとすればどうだったのじゃろうなあ。」
「まあ、この世界を呪っていたかもしれませんねえ。「勇者なんか絶対やってやるか!」とか叫んでいると思いますよ。人から与えられた役割を「はいそうですか」とやるほど、私は素直ではありませんからねえ。」
「おぬしは、歪みが一回転して正常な方を向いているように見えているだけで、実際はゆがみきっているからなあ。」
「さて、今日は、久しぶりの宿ですから、皆さん早く寝ましょうね。」
 そうして、夜は更け、日の出と共に私達は出発した。
 小さな荷車を後ろに連結して、エルフィが御者台に乗って堂々と門を出た。意外と出る方には無頓着なようです。
「そういえば、ライオットとかいう男、何もしてこなかったわねえ」アンジーが残念そうに言った。
「素直なんでしょうねえ。無礼で素直。扱いが難しいです。」
「おぬしは、礼儀正しい素直と無礼でへそ曲がりが大好きじゃからなあ。」
「どちらも行動は一貫しているのですよ。無礼で素直だって、愚直ならOKなんですがねえ。」
「本当にへそ曲がりじゃのう。」
「確かにそうかもしれませんね。アンジー、地図はどうですか。」
「この周辺だけだからあまり使えないけど、メアは道路沿いに走ったと言っていたから。たぶんこの道を道なりに行けば良いだけだと思うのよ。」
 そうして、馬車は目的の街を探して走り出す。

 続く
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