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クッキー作り
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えっと…ニーナ様が使用人に冷たかったのはそれが当たり前だと思っているからで、私に優しいのは好きな人の妹だからではなく貴族だからってことよね?
うーん、貴族の中には平民や使用人、それこそ自分より爵位が下の者には傲慢な態度で接する人っているんだと思う。それにルーク様の言う通り、そうやって生きてきたらそれが当たり前だと思ってしまうのは仕方ないのかもしれないけど…。
でもそれってやっぱり悪役令嬢に片足突っ込んでると思うのよねぇ。
私は侯爵令嬢だから、ニーナ様が下位貴族に対してどういう態度で接するのかが分からない。でも私に優しいニーナ様は、見方を変えることができれば身分に関わらず優しくできるはず。
うん、そうよね。だってたかが名前が似てるからってだけで好きになるっておかしいもの。本当に最低な人なら好きになるんじゃなく似た名前であることを嫌がると思う。だからきっと大丈夫。
それにしてもルーク様に相談できてよかったわ。あの後お兄様が来て、2週間後にうちでクッキーを作ることまで決めてくれたし。
ごちゃごちゃ考えすぎていてだけで、整理してみると結構単純な話だと分かりスッキリした私は、ルーク様と協力関係にならない方がいいって直感が働いたことや、ルーク様の想い人が推しだということをすっかり忘れていた。
*
*
*
「今日は招待してくれてありがとう」
「ふふ。楽しみですね」
今日の目標はニーナ様の意識改革! といってもいい案は思いつかなかったのだけど…。
孤児院の時とは違って下準備は使用人の手によって既に終わっている。すりおろしたりカットされた果物を生地に混ぜてクッキーの形を作るだけで、もちろん焼くのもお任せ。だけどたったそれだけでもすっごく楽しみ。
「じゃあ好きな果物を入れてくださーい」
「量は?」
「お好きなだけ」
ふふふ。ルーク様がうまく誘導したおかげでお兄様とニーナ様が並んでクッキーを作っている姿を目の前で見れる。
「今日はしないの? 手カメラ」
「はっ!! そうでした。私としたことがっ」
慌てて手カメラのポーズをとると隣で一緒にしてくれている。って……
「他の人の前ではしちゃいけないのでは?」
「僕がいるからいいんだよ。他にはライナスとニーナ嬢しかいないしね。あぁ、使用人もいるけど彼らは侯爵家の使用人だから君の身内みたいなものでしょ」
?? なんか基準がよく分からないけど、今日はしていいみたいだしいっか。
「でも複雑です。カメラ目線がほしいけど、ニーナ様に見られたくないし」
「なんで見られたくないの?」
「変な子って思われちゃいます」
ルーク様にはもう思われちゃってるけど、知った上で協力してくれてるから気にしない。でも推しに変だと思われるなんて………そんなの耐えられないっ。
「そっか。なら約束通り僕が一緒にいる時だけにしよう。そうすればダメな時はちゃんと教えてあげられるしね。もちろん、僕は変な子なんて思ってないから安心して?」
「っ!! はいっ! ありがとうございます。ルーク様って優しいのですね」
「――エレナにだけだよ――」
最後になんて言ったのかは聞き取れなかったけど…ふふっ。お兄様のお友達選びが上手くてよかったわ。
「もう大丈夫みたいだね」
「えっ?」
「ほら、この間悩んでいたこと」
?? あっ! ニーナ様のことね。
「はいっ。ルーク様に話を聞いてもらえたおかげで解決っていうか、方向性は決められたので」
「具体的にはどうするの?」
「それはまだで…」
優しくしてくれているけど、爵位が下の私が使用人にも優しくした方がいい、なんていきなり言えないし…。
「なら一緒に考えよう」
「いいのですか!?」
「もちろん」
わぁ! ついてるわ。星占いがあればきっと今日の運勢1位ね。
「それにしても…型抜きがあればよかったのになぁ…」
「かたぬき?」
「はい。こうやって生地を広げて、型になっている物でくり抜いて……伝わりました?」
型抜きなんてないから丸いクッキーしか作れないのよねぇ。せっかくなら色んな形を作りたいし、型抜きがあればステンドグラスクッキーも作れるのに。………丸しか作れないのは決して私が不器用だからじゃないよ?
「もちろん伝わったよ。でも、料理人には必要ないんじゃないかな?」
「でも色んな形のクッキーが焼けますよ?」
えっ!? ルーク様、型抜き無しでそんないろんな形をつくれるの!?
「ニーナ様までっ! それってお花ですか?」
「そうよ。あんまり上手くできなかったけど」
お兄様は……良かった、私と一緒で丸いクッキーしか作ってないわ。
「あの、型抜きの話は忘れてください…」
「いや、いいアイデアだと思うよ。みんながみんな色々な形のクッキーを作れるわけじゃないし、料理人には不要だろうけど平民には需要がありそうだ。―――でもこれはエレナの発案だしライナスに相談すべきだな―――」
? お兄様に相談? って何を?
「必ずエレナの要望に答えるから楽しみにしていてね」
「? はい…」
もしかして、型抜き作ってくれるのかな? でも料理人には不要かぁ…なら出来上がってもうちの厨房には揃えられないのは、ちょっと、いやかなり残念ね。
うーん、貴族の中には平民や使用人、それこそ自分より爵位が下の者には傲慢な態度で接する人っているんだと思う。それにルーク様の言う通り、そうやって生きてきたらそれが当たり前だと思ってしまうのは仕方ないのかもしれないけど…。
でもそれってやっぱり悪役令嬢に片足突っ込んでると思うのよねぇ。
私は侯爵令嬢だから、ニーナ様が下位貴族に対してどういう態度で接するのかが分からない。でも私に優しいニーナ様は、見方を変えることができれば身分に関わらず優しくできるはず。
うん、そうよね。だってたかが名前が似てるからってだけで好きになるっておかしいもの。本当に最低な人なら好きになるんじゃなく似た名前であることを嫌がると思う。だからきっと大丈夫。
それにしてもルーク様に相談できてよかったわ。あの後お兄様が来て、2週間後にうちでクッキーを作ることまで決めてくれたし。
ごちゃごちゃ考えすぎていてだけで、整理してみると結構単純な話だと分かりスッキリした私は、ルーク様と協力関係にならない方がいいって直感が働いたことや、ルーク様の想い人が推しだということをすっかり忘れていた。
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「今日は招待してくれてありがとう」
「ふふ。楽しみですね」
今日の目標はニーナ様の意識改革! といってもいい案は思いつかなかったのだけど…。
孤児院の時とは違って下準備は使用人の手によって既に終わっている。すりおろしたりカットされた果物を生地に混ぜてクッキーの形を作るだけで、もちろん焼くのもお任せ。だけどたったそれだけでもすっごく楽しみ。
「じゃあ好きな果物を入れてくださーい」
「量は?」
「お好きなだけ」
ふふふ。ルーク様がうまく誘導したおかげでお兄様とニーナ様が並んでクッキーを作っている姿を目の前で見れる。
「今日はしないの? 手カメラ」
「はっ!! そうでした。私としたことがっ」
慌てて手カメラのポーズをとると隣で一緒にしてくれている。って……
「他の人の前ではしちゃいけないのでは?」
「僕がいるからいいんだよ。他にはライナスとニーナ嬢しかいないしね。あぁ、使用人もいるけど彼らは侯爵家の使用人だから君の身内みたいなものでしょ」
?? なんか基準がよく分からないけど、今日はしていいみたいだしいっか。
「でも複雑です。カメラ目線がほしいけど、ニーナ様に見られたくないし」
「なんで見られたくないの?」
「変な子って思われちゃいます」
ルーク様にはもう思われちゃってるけど、知った上で協力してくれてるから気にしない。でも推しに変だと思われるなんて………そんなの耐えられないっ。
「そっか。なら約束通り僕が一緒にいる時だけにしよう。そうすればダメな時はちゃんと教えてあげられるしね。もちろん、僕は変な子なんて思ってないから安心して?」
「っ!! はいっ! ありがとうございます。ルーク様って優しいのですね」
「――エレナにだけだよ――」
最後になんて言ったのかは聞き取れなかったけど…ふふっ。お兄様のお友達選びが上手くてよかったわ。
「もう大丈夫みたいだね」
「えっ?」
「ほら、この間悩んでいたこと」
?? あっ! ニーナ様のことね。
「はいっ。ルーク様に話を聞いてもらえたおかげで解決っていうか、方向性は決められたので」
「具体的にはどうするの?」
「それはまだで…」
優しくしてくれているけど、爵位が下の私が使用人にも優しくした方がいい、なんていきなり言えないし…。
「なら一緒に考えよう」
「いいのですか!?」
「もちろん」
わぁ! ついてるわ。星占いがあればきっと今日の運勢1位ね。
「それにしても…型抜きがあればよかったのになぁ…」
「かたぬき?」
「はい。こうやって生地を広げて、型になっている物でくり抜いて……伝わりました?」
型抜きなんてないから丸いクッキーしか作れないのよねぇ。せっかくなら色んな形を作りたいし、型抜きがあればステンドグラスクッキーも作れるのに。………丸しか作れないのは決して私が不器用だからじゃないよ?
「もちろん伝わったよ。でも、料理人には必要ないんじゃないかな?」
「でも色んな形のクッキーが焼けますよ?」
えっ!? ルーク様、型抜き無しでそんないろんな形をつくれるの!?
「ニーナ様までっ! それってお花ですか?」
「そうよ。あんまり上手くできなかったけど」
お兄様は……良かった、私と一緒で丸いクッキーしか作ってないわ。
「あの、型抜きの話は忘れてください…」
「いや、いいアイデアだと思うよ。みんながみんな色々な形のクッキーを作れるわけじゃないし、料理人には不要だろうけど平民には需要がありそうだ。―――でもこれはエレナの発案だしライナスに相談すべきだな―――」
? お兄様に相談? って何を?
「必ずエレナの要望に答えるから楽しみにしていてね」
「? はい…」
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