9 / 68
8.生クリーム品評会②
しおりを挟む
「ウィルハルト様、生クリームを用意してくださってありがとうございます」
「ううん。僕の方こそありがとう」
「ふふ。なんでウィルハルト様がお礼を言うのですか?」
「よ、喜んでもらえたのが嬉しくって」
嘘じゃないのが分かる。ウィルハルト様と過ごす穏やかなこの時間、私、結構好きかもしれない。
「私、生クリームが大好きになりそうです」
というか既に好きですが。
「うん! 美味しいもんね」
「はいっ。美味しいは正義です!」
「ぷっ。うん、正義だね」
ついつい力強く宣言してしまった。
「いつもはどのようにして食べているのですか?」
流石に1つくらい食べ方を見つけてるよね……?
「僕はそのまま食べたり、パンに塗ったりしてるよ」
「パン! 私も早速試してみていいですか?」
「もちろんっ」
これくらいだよ、とウィルハルト様が手本を見せてくれる。でも私はそれよりほんの少し多めに塗っちゃおう。
「この上に果物を乗せても美味しい気がします」
「すごい! 考えつかなかったよ」
フルーツサンド、好きだったなぁって思い出したのよね。この際パン生地は気にしない方向で。
「「美味しい!!」」
あまりの美味しさに目を合わせ、二人の口角が自然と上がっていく。
次は何に付けようかとテーブルの上にあるスイーツを眺めていると……目に飛び込んできたのは一口サイズにカットされたスポンジケーキ。
はい、けって~い。
スポンジケーキに生クリームといちごを乗せて……少し不格好だけど、一口ショートケーキの完成!
崩れないよう慎重にフォークで刺し……パクっと口に入れる。
「ん~」
ショートケーキ~! 久しぶり~!
これはウィルハルト様にも食べてもらいたい。そして本格的なショートケーキを是非とも作ってほしい。先程と同様のショートケーキを作成し、落とさないよう手を添えてウィルハルト様の口元に持っていく。
「ウィルハルト様、あーん」
「えっ///」
「美味しいですよ」
早くっ! 崩れちゃう前に食べて~。
「……いりませんか?」
「い、いる…」
真っ赤な顔でパクっと食べたウィルハルト様。
「うん。おぃしぃ……」
そうでしょう、そうでしょう。
……って私、何してるのよ。ショートケーキの感動を共有したかったからって『あーん』をする必要はなかったのに。
はっ!! もしかしてこれって不敬罪!?
それに気付いてしまうと、自分でも分かるほどに顔から血の気が引いていく。
「も、申し訳ありません」
「え?」
「つい、その、悪気はなくて……不敬罪、ですか……?」
不敬罪はえっと…尊厳を害する行為だよね? あぁ、ポーラにお勉強しましょうって言われそう。
「なんで!? そんな事言わないよ!! ごめんね。僕が早く食べなかったから…クラウディアは何も悪くないよ」
「えっ! ウィルハルト様こそ何も悪くないです! 私が…」
「僕だよ」
「私です」
…………。
「ぷっ」「ふふっ」
「「あははは」」
お互い自分が悪いと言い合っているうちに、面白くなってきちゃった。ウィルハルト様と目が合うと、とうとう笑いをこらえることが出来ず、声を出して笑ってしまった。
「どっちも悪くない、にしよう」
「はいっ。ありがとうございます」
私が冷めてしまった紅茶を飲んで気持ちを落ち着かせている間、ウィルハルト様はクッキーに生クリームを乗せている。
「僕も…あー、ん」
「っ!! ///」
わわわ。て、照れる///
まさか私も『あーん』されるとは。
せっかくの行為を無駄にすることなんて出来ないし、何なら私が先にしているから……。
えいやって感じでパクっとクッキーを食べる。
「可愛い…」
「えっ?」
「クラウディア、真っ赤で可愛い……」
「/// ウィ、ルハルト様も、真っ赤です」
「///」
7歳の少年にドキドキさせられるなんて。
「クラウディア? どこに行くの?」
ドキドキした気持ちに気付かれたくなくて、真っ赤になってしまった顔を隠したくて、なんだか落ち着かなくって…何も言わずに立ち上がってしまった。
「お、お散歩ですっ!」
「僕も……僕も一緒に行って……良い?」
「は、い」
この状況で断れるわけないよね!?
うわぉ。エスコートしてくれるんだ! えぇっと……これさ、私……顔の赤み、引くかな?
「ううん。僕の方こそありがとう」
「ふふ。なんでウィルハルト様がお礼を言うのですか?」
「よ、喜んでもらえたのが嬉しくって」
嘘じゃないのが分かる。ウィルハルト様と過ごす穏やかなこの時間、私、結構好きかもしれない。
「私、生クリームが大好きになりそうです」
というか既に好きですが。
「うん! 美味しいもんね」
「はいっ。美味しいは正義です!」
「ぷっ。うん、正義だね」
ついつい力強く宣言してしまった。
「いつもはどのようにして食べているのですか?」
流石に1つくらい食べ方を見つけてるよね……?
「僕はそのまま食べたり、パンに塗ったりしてるよ」
「パン! 私も早速試してみていいですか?」
「もちろんっ」
これくらいだよ、とウィルハルト様が手本を見せてくれる。でも私はそれよりほんの少し多めに塗っちゃおう。
「この上に果物を乗せても美味しい気がします」
「すごい! 考えつかなかったよ」
フルーツサンド、好きだったなぁって思い出したのよね。この際パン生地は気にしない方向で。
「「美味しい!!」」
あまりの美味しさに目を合わせ、二人の口角が自然と上がっていく。
次は何に付けようかとテーブルの上にあるスイーツを眺めていると……目に飛び込んできたのは一口サイズにカットされたスポンジケーキ。
はい、けって~い。
スポンジケーキに生クリームといちごを乗せて……少し不格好だけど、一口ショートケーキの完成!
崩れないよう慎重にフォークで刺し……パクっと口に入れる。
「ん~」
ショートケーキ~! 久しぶり~!
これはウィルハルト様にも食べてもらいたい。そして本格的なショートケーキを是非とも作ってほしい。先程と同様のショートケーキを作成し、落とさないよう手を添えてウィルハルト様の口元に持っていく。
「ウィルハルト様、あーん」
「えっ///」
「美味しいですよ」
早くっ! 崩れちゃう前に食べて~。
「……いりませんか?」
「い、いる…」
真っ赤な顔でパクっと食べたウィルハルト様。
「うん。おぃしぃ……」
そうでしょう、そうでしょう。
……って私、何してるのよ。ショートケーキの感動を共有したかったからって『あーん』をする必要はなかったのに。
はっ!! もしかしてこれって不敬罪!?
それに気付いてしまうと、自分でも分かるほどに顔から血の気が引いていく。
「も、申し訳ありません」
「え?」
「つい、その、悪気はなくて……不敬罪、ですか……?」
不敬罪はえっと…尊厳を害する行為だよね? あぁ、ポーラにお勉強しましょうって言われそう。
「なんで!? そんな事言わないよ!! ごめんね。僕が早く食べなかったから…クラウディアは何も悪くないよ」
「えっ! ウィルハルト様こそ何も悪くないです! 私が…」
「僕だよ」
「私です」
…………。
「ぷっ」「ふふっ」
「「あははは」」
お互い自分が悪いと言い合っているうちに、面白くなってきちゃった。ウィルハルト様と目が合うと、とうとう笑いをこらえることが出来ず、声を出して笑ってしまった。
「どっちも悪くない、にしよう」
「はいっ。ありがとうございます」
私が冷めてしまった紅茶を飲んで気持ちを落ち着かせている間、ウィルハルト様はクッキーに生クリームを乗せている。
「僕も…あー、ん」
「っ!! ///」
わわわ。て、照れる///
まさか私も『あーん』されるとは。
せっかくの行為を無駄にすることなんて出来ないし、何なら私が先にしているから……。
えいやって感じでパクっとクッキーを食べる。
「可愛い…」
「えっ?」
「クラウディア、真っ赤で可愛い……」
「/// ウィ、ルハルト様も、真っ赤です」
「///」
7歳の少年にドキドキさせられるなんて。
「クラウディア? どこに行くの?」
ドキドキした気持ちに気付かれたくなくて、真っ赤になってしまった顔を隠したくて、なんだか落ち着かなくって…何も言わずに立ち上がってしまった。
「お、お散歩ですっ!」
「僕も……僕も一緒に行って……良い?」
「は、い」
この状況で断れるわけないよね!?
うわぉ。エスコートしてくれるんだ! えぇっと……これさ、私……顔の赤み、引くかな?
157
あなたにおすすめの小説
最愛の人に裏切られ死んだ私ですが、人生をやり直します〜今度は【真実の愛】を探し、元婚約者の後悔を笑って見届ける〜
腐ったバナナ
恋愛
愛する婚約者アラン王子に裏切られ、非業の死を遂げた公爵令嬢エステル。
「二度と誰も愛さない」と誓った瞬間、【死に戻り】を果たし、愛の感情を失った冷徹な復讐者として覚醒する。
エステルの標的は、自分を裏切った元婚約者と仲間たち。彼女は未来の知識を武器に、王国の影の支配者ノア宰相と接触。「私の知性を利用し、絶対的な庇護を」と、大胆な契約結婚を持ちかける。
【完結】義妹(ヒロイン)の邪魔をすることに致します
凛 伊緒
恋愛
伯爵令嬢へレア・セルティラス、15歳の彼女には1つ下の妹が出来た。その妹は義妹であり、伯爵家現当主たる父が養子にした元平民だったのだ。
自分は『ヒロイン』だと言い出し、王族や有力者などに近付く義妹。さらにはへレアが尊敬している公爵令嬢メリーア・シェルラートを『悪役令嬢』と呼ぶ始末。
このままではメリーアが義妹に陥れられると知ったへレアは、計画の全てを阻止していく──
─義妹が異なる世界からの転生者だと知った、元から『乙女ゲーム』の世界にいる人物側の物語─
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
10回目の婚約破棄。もう飽きたので、今回は断罪される前に自分で自分を追放します。二度と探さないでください(フリではありません)
放浪人
恋愛
「もう、疲れました。貴方の顔も見たくありません」
公爵令嬢リーゼロッテは、婚約者である王太子アレクセイに処刑される人生を9回繰り返してきた。 迎えた10回目の人生。もう努力も愛想笑いも無駄だと悟った彼女は、断罪イベントの一ヶ月前に自ら姿を消すことを決意する。 王城の宝物庫から慰謝料(国宝)を頂き、書き置きを残して国外逃亡! 目指せ、安眠と自由のスローライフ!
――のはずだったのだが。
「『顔も見たくない』だと? つまり、直視できないほど私が好きだという照れ隠しか!」 「『探さないで』? 地の果てまで追いかけて抱きしめてほしいというフリだな!」
実は1周目からリーゼロッテを溺愛していた(が、コミュ障すぎて伝わっていなかった)アレクセイ王子は、彼女の拒絶を「愛の試練(かくれんぼ)」と超ポジティブに誤解! 国家権力と軍隊、そしてS級ダンジョンすら踏破するチート能力を総動員して、全力で追いかけてきた!?
物理で逃げる最強令嬢VS愛が重すぎる勘違い王子。 聖女もドラゴンも帝国も巻き込んだ、史上最大規模の「国境なき痴話喧嘩」が今、始まる!
※表紙はNano Bananaで作成しています
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる