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54.乙女ゲームのヒロイン
『』内は日本語です
ーーーーーーー
「ポーラはここで待っていて」
「なりません!」
「大丈夫よ。それに私一人の方が話してくれると思うの」
「……分かりました。ですが見える範囲にはいさせてください」
「えぇ。それはお願いするわ」
フラワー元男爵は私達の計画通りの行動を取ってくれた。しっかりと謝罪もしてくれたから、フラワー商会への圧力もやめ、ローズの退学処分で全て完了するはずだった。
でもね…ローズったら最後にやらかしてくれたのよ。
平民として大人しく過ごしてくれるならって修道院送りも免除してあげたのに、全部お前のせいだって私を襲ってきたの。もちろん護衛騎士が守ってくれたけど。
王都なら警邏隊に引き渡してあげたのに、うちの領内で襲ってくるから…お望み通り、メープル伯爵家本邸の地下牢に入れてあげたわ。
「あなた達も下がって」
「承知しました」
ローズを監視していた騎士達も、ポーラがいる場所まで下がってもらった。
そしてローズがいる牢に近づき、手を伸ばされても届かない位置に陣取る。
『少し話せるかしら』
「っ!! あんたやっぱり!!」
『騒ぐなら帰るわよ』
『……分かった』
日本語で話しかけた瞬間掴みかかろうとしてきたローズ。ちゃんと距離を取っていてよかった~。
『何がしたかったの?』
『あんたのせいだからよっ』
聞き方が悪かったようで、私を睨みつけながら責めてくる。同じ転生者だと隠していたのは申し訳ないけど、少し落ち着いてほしい。
それに…
『私を襲おうとしたことじゃないわ。入学してからこれまでの話よ』
『あんたが悪いのよ! ゲームではハルト様に婚約者なんていなかったのに!』
えっと…入学式の日って、私のこともウィル様のことも目に入ってなかったよね?
というかゲームって…
『ここは現実で、ゲームの世界じゃないわよ?』
『分かってるわよっ! あんたがっ!! あんたがハルト様を大事にしてくれてたら身を引いたのに、堂々と浮気するから悪いのよっ!』
どうやら話が通じない様子。ま、いっか。ローズの行動全ての理由を知る必要はないし。
それに私が浮気なんてしてないことも、父親から聞いて知ってるはずなのにね。
『逆ハーレム狙いだったの?』
『違うわよ。最初からハルト様だけっ』
『それはなぜ?』
『唯一攻略できなかったのが第二王子だから』
うそでしょ…たったそれだけの理由だったの? それはゲーム感覚過ぎるんじゃない?
『それに王妃教育って大変って小説で読んで知ってるし? 第二王子ならしなくていいじゃん』
いずれ臣籍降下するとしても、王子妃教育はあるよ? いつ何があるか分からないんだから。
わざわざ教えたりしないけど。
『ハルト様は出会った時は太ってても、ダイエットに成功したらカッコよくなるって…はると似になるってネットで知って楽しみだったのに』
人気急上昇中で数多くのメディアに取り上げられていた、前世の人気若手俳優の名前を出したローズ。
ハルト様ハルト様って言っていたのは、俳優の名前がそうだからだったのね。
だからってウィルハルトだって知らない理由にはならない。
『ちゃんと選択肢にもハルト様って出るわよっ!』
それはどうでもいいけど。乙女ゲームって相手の呼び名を選択できるのね。
『大体、会ってすらもらえなかったのに、よくハルト様と仲良しとか言えたわね』
『私はヒロインなのよ!? 多少前後するくらいいじゃない』
おぉ…会えば仲良くなれたと信じちゃってる。
『私の浮気相手だと思っている人が、ウィルハルト第二王子殿下で、私の婚約者なんだけど』
『うそね』
『本当よ? だって嘘付く必要なんてないもの』
信じられないって顔をしてるけど、今までだって誰かに教えられたはずだよ?
まぁウィル様はすっごく鍛えたから、ローズが言う俳優さんとは雰囲気が違いすぎて…受け入れたくなかったのかな?
『そんな……』
『残念だったわね』
『せっかく逆ハーエンドまでたどり着いたのに…バイト休んで攻略を進めるつもりだったのに……こんなことなら、出会いイベントだけして寝るんじゃなかった』
ん? バイトを休んで攻略? どこかで聞いたことあるような…?
まぁいいわ。
『もう一度言うわね。ここはゲームの世界じゃないのよ』
『そんな事分かってるわよ!』
分かってないから言ってるんだけど。
『ちゃんと現実だって理解しているから、逆ハーレムを築くつもりだってなかった! 隠しキャラと出会うため一時的にそれっぽくなっても、悪役令嬢を断罪なんてしないし、婚約破棄だって阻止するつもりだった!』
仮に逆ハーレムが成功していたら、むしろ婚約破棄の阻止なんてできないと思うよ?
男性陣は言う事聞くかもしれないけど、相手の令嬢が嫌がるでしょ。
『皆が幸せになれるようにって、本来3年かかる攻略を1年で終わらせるつもりだったし! ここは現実だから、ゲームよりも早くハルト様に会おうって、そう思ってたし!!』
全く説得力がないわ。
それに現実だから、あなたが思うハルト様には簡単に会えないよ?
『せめて、第二王子に婚約者がいるって分かった時点で、言動を改めるべきだったわね』
『それはあんたがハルト様を大切にしないから…』
はいはい。私が浮気してるからハルト様を攻略しようと思ったんでしょ。
私思うの。多分ローズは、私がどうであれウィル様に近付こうとしてたって。
『転生したのがあんたじゃなくって友達だったら、私に協力してくれたはずなのに…』
いやいや協力してくれるかどうかは、友達の転生先の状況によるんじゃない?
……嫌な予感。
まさか、違うよね?
『最後に聞きたいんだけど、もしかして交差点で信号待ちをしている時に、暴走した車にひかれた?』
『そうだけど悪い!?』
『1人で?』
『友達と一緒だけど!?』
『そう』
やっぱりそうだったか。
私が転生する直前に近くにいた女子高生。
とある乙女ゲームの逆ハーエンドに成功し、バイトを休んで隠しキャラの攻略を進めようとしていた。ローズがその女子高生だったのかもしれない。
そういえばロナルド殿下も前世は女子高生って言っていた…。
ち、違うよね…?
『ちなみに前作もプレイした?』
『だったら何!?』
『なんでもないわ…』
ロナルド殿下には…何も言わないでおこう。
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「ポーラはここで待っていて」
「なりません!」
「大丈夫よ。それに私一人の方が話してくれると思うの」
「……分かりました。ですが見える範囲にはいさせてください」
「えぇ。それはお願いするわ」
フラワー元男爵は私達の計画通りの行動を取ってくれた。しっかりと謝罪もしてくれたから、フラワー商会への圧力もやめ、ローズの退学処分で全て完了するはずだった。
でもね…ローズったら最後にやらかしてくれたのよ。
平民として大人しく過ごしてくれるならって修道院送りも免除してあげたのに、全部お前のせいだって私を襲ってきたの。もちろん護衛騎士が守ってくれたけど。
王都なら警邏隊に引き渡してあげたのに、うちの領内で襲ってくるから…お望み通り、メープル伯爵家本邸の地下牢に入れてあげたわ。
「あなた達も下がって」
「承知しました」
ローズを監視していた騎士達も、ポーラがいる場所まで下がってもらった。
そしてローズがいる牢に近づき、手を伸ばされても届かない位置に陣取る。
『少し話せるかしら』
「っ!! あんたやっぱり!!」
『騒ぐなら帰るわよ』
『……分かった』
日本語で話しかけた瞬間掴みかかろうとしてきたローズ。ちゃんと距離を取っていてよかった~。
『何がしたかったの?』
『あんたのせいだからよっ』
聞き方が悪かったようで、私を睨みつけながら責めてくる。同じ転生者だと隠していたのは申し訳ないけど、少し落ち着いてほしい。
それに…
『私を襲おうとしたことじゃないわ。入学してからこれまでの話よ』
『あんたが悪いのよ! ゲームではハルト様に婚約者なんていなかったのに!』
えっと…入学式の日って、私のこともウィル様のことも目に入ってなかったよね?
というかゲームって…
『ここは現実で、ゲームの世界じゃないわよ?』
『分かってるわよっ! あんたがっ!! あんたがハルト様を大事にしてくれてたら身を引いたのに、堂々と浮気するから悪いのよっ!』
どうやら話が通じない様子。ま、いっか。ローズの行動全ての理由を知る必要はないし。
それに私が浮気なんてしてないことも、父親から聞いて知ってるはずなのにね。
『逆ハーレム狙いだったの?』
『違うわよ。最初からハルト様だけっ』
『それはなぜ?』
『唯一攻略できなかったのが第二王子だから』
うそでしょ…たったそれだけの理由だったの? それはゲーム感覚過ぎるんじゃない?
『それに王妃教育って大変って小説で読んで知ってるし? 第二王子ならしなくていいじゃん』
いずれ臣籍降下するとしても、王子妃教育はあるよ? いつ何があるか分からないんだから。
わざわざ教えたりしないけど。
『ハルト様は出会った時は太ってても、ダイエットに成功したらカッコよくなるって…はると似になるってネットで知って楽しみだったのに』
人気急上昇中で数多くのメディアに取り上げられていた、前世の人気若手俳優の名前を出したローズ。
ハルト様ハルト様って言っていたのは、俳優の名前がそうだからだったのね。
だからってウィルハルトだって知らない理由にはならない。
『ちゃんと選択肢にもハルト様って出るわよっ!』
それはどうでもいいけど。乙女ゲームって相手の呼び名を選択できるのね。
『大体、会ってすらもらえなかったのに、よくハルト様と仲良しとか言えたわね』
『私はヒロインなのよ!? 多少前後するくらいいじゃない』
おぉ…会えば仲良くなれたと信じちゃってる。
『私の浮気相手だと思っている人が、ウィルハルト第二王子殿下で、私の婚約者なんだけど』
『うそね』
『本当よ? だって嘘付く必要なんてないもの』
信じられないって顔をしてるけど、今までだって誰かに教えられたはずだよ?
まぁウィル様はすっごく鍛えたから、ローズが言う俳優さんとは雰囲気が違いすぎて…受け入れたくなかったのかな?
『そんな……』
『残念だったわね』
『せっかく逆ハーエンドまでたどり着いたのに…バイト休んで攻略を進めるつもりだったのに……こんなことなら、出会いイベントだけして寝るんじゃなかった』
ん? バイトを休んで攻略? どこかで聞いたことあるような…?
まぁいいわ。
『もう一度言うわね。ここはゲームの世界じゃないのよ』
『そんな事分かってるわよ!』
分かってないから言ってるんだけど。
『ちゃんと現実だって理解しているから、逆ハーレムを築くつもりだってなかった! 隠しキャラと出会うため一時的にそれっぽくなっても、悪役令嬢を断罪なんてしないし、婚約破棄だって阻止するつもりだった!』
仮に逆ハーレムが成功していたら、むしろ婚約破棄の阻止なんてできないと思うよ?
男性陣は言う事聞くかもしれないけど、相手の令嬢が嫌がるでしょ。
『皆が幸せになれるようにって、本来3年かかる攻略を1年で終わらせるつもりだったし! ここは現実だから、ゲームよりも早くハルト様に会おうって、そう思ってたし!!』
全く説得力がないわ。
それに現実だから、あなたが思うハルト様には簡単に会えないよ?
『せめて、第二王子に婚約者がいるって分かった時点で、言動を改めるべきだったわね』
『それはあんたがハルト様を大切にしないから…』
はいはい。私が浮気してるからハルト様を攻略しようと思ったんでしょ。
私思うの。多分ローズは、私がどうであれウィル様に近付こうとしてたって。
『転生したのがあんたじゃなくって友達だったら、私に協力してくれたはずなのに…』
いやいや協力してくれるかどうかは、友達の転生先の状況によるんじゃない?
……嫌な予感。
まさか、違うよね?
『最後に聞きたいんだけど、もしかして交差点で信号待ちをしている時に、暴走した車にひかれた?』
『そうだけど悪い!?』
『1人で?』
『友達と一緒だけど!?』
『そう』
やっぱりそうだったか。
私が転生する直前に近くにいた女子高生。
とある乙女ゲームの逆ハーエンドに成功し、バイトを休んで隠しキャラの攻略を進めようとしていた。ローズがその女子高生だったのかもしれない。
そういえばロナルド殿下も前世は女子高生って言っていた…。
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追記
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