私の婚約者は6人目の攻略対象者でした

みかん桜

文字の大きさ
62 / 68

58.エピローグ

※本日2投稿目※
ーーーーーーー


「クラウディア様。そろそろお休みになってください」
「分かってるんだけどね」

 結婚式前夜。

 お父様もお母様もそしてお兄様も、いつでも帰ってきていいと、クラウディアの居場所はここにもあるんだと仰ってくれている。

 でもね、前世で言うと江戸? 明治? とりあえず現代とは違ってそう簡単に帰ったりなんて出来ない。それに私、王太子殿下が即位したら公爵夫人だけど、それまでは王子妃だから…余計にね。

 だから…明日が待ち遠しい気持ちと、まだもう少しこの家にいたい気持ちとあるの。

「お言葉ですが…」
「なぁに?」
「最近のクラウディア様は、王宮で過ごされている時間の方が長いですよね」
「…………そうね」

 結婚式の準備もあったしね。

「ブライアン様も王太子殿下の側近で、王城勤めですよね?」
「…………それもそうね。ポーラ…なんだか元気が出てきたわ」
「なによりです」

 言われてみればそうだった。

 それに何より…お父様もお母様も大好きだけど、一番一緒にいたポーラは私に付いてきてくれる。

「ポーラ」
「はい」
「これからもよろしくね」
「こちらこそよろしくお願いします」
「お休み」
「はい。お休みなさいませ」

 明日が待ち遠しいわ。





 ユリの花で溢れる結婚式。

 ブーケはもちろん白ユリと白バラを使ったキャスケードブーケ。

 プリンセスラインの白いウェディングドレスに、頭にはティアラを乗せて。

 前世からずっと夢見ていた花嫁衣装。

 私の夢を全部詰め込んだ結婚式。

「ディア」

 ウィル様が全部叶えてくれた。

「ウィル様」
「今日からはウィルって呼んで?」
「っ!! ウィ、ウィル…………さま」
「ふはっ。練習しようね?」
「……はい」

 言われたウィル様も耳を赤くしているけれど、言った私の方がもっと赤い。

 ふふ。

 私、これからウィル様と結婚するのよね。


 約18年前、今後一層のご活躍をお祈り申し上げますって送ってきた、私を不採用にした数多くの採用担当者様。

 皆様の祈りのおかげで、私はこの世界で活躍できたかもしれません。


 起こり得たかもしれない事件を未然に防ぐことが出来ました。

 生活に苦しむ人を助けることが出来ました。

 そしてなにより、攻略対象者の悩みを、知らず知らずの内に解決していました。

 まさか…私の婚約者が6人目の攻略対象者だったなんて、さすがにそれは勘弁してほしかったけど。

 でも面接対策のために多種多様な企業を調べたおかげで、6人目の攻略対象者を、ヒロインより先に攻略することが出来ました。

 だから皆様、私を不採用にしてくださりありがとうございます。だって既に内定をもらっていたら、あの日私はあの交差点にはいなかったから。

 私はこの世界で、ウィル様ともっともっと幸せになります。

 遠いこの場所から、皆様の幸せも祈っておきますね。


 それではまたいつか、出会う日まで……



.。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:* end


ーーーーーー
最後まで読んでくださりありがとうございます。

感想 6

あなたにおすすめの小説

愛する人のためにできること。

恋愛
彼があの娘を愛するというのなら、私は彼の幸せのために手を尽くしましょう。 それが、私の、生きる意味。

逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?

魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。 彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。 国外追放の系に処された。 そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。 新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。 しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。 夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。 ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。 そして学校を卒業したら大陸中を巡る! そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、 鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……? 「君を愛している」 一体なにがどうなってるの!?

私の存在

戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。 何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。 しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。 しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…

好きだった人 〜二度目の恋は本物か〜

ぐう
恋愛
アンジェラ編 幼い頃から大好だった。彼も優しく会いに来てくれていたけれど… 彼が選んだのは噂の王女様だった。 初恋とさよならしたアンジェラ、失恋したはずがいつのまにか… ミラ編 婚約者とその恋人に陥れられて婚約破棄されたミラ。冤罪で全て捨てたはずのミラ。意外なところからいつのまにか… ミラ編の方がアンジェラ編より過去から始まります。登場人物はリンクしています。 小説家になろうに投稿していたミラ編の分岐部分を改稿したものを投稿します。

婚約者は無神経な転生悪役令嬢に夢中のようです

宝月 蓮
恋愛
乙女ゲームのモブに転生したマーヤ。目の前にいる婚約者はそのゲームの攻略対象だった。しかし婚約者は悪役令嬢に救われたようで、マーヤそっちのけで悪役令嬢に夢中。おまけに攻略対象達に囲まれている悪役令嬢も転生者で、何だか無神経発言ばかりで少しモヤモヤしていしまうマーヤ。そんな中、マーヤはゲームには関係ない隣国の公爵令息と仲良くなり……!? 小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

いつも隣にいる

はなおくら
恋愛
心の感情を出すのが苦手なリチアには、婚約者がいた。婚約者には幼馴染がおり常にリチアの婚約者の後を追う幼馴染の姿を見ても羨ましいとは思えなかった。しかし次第に婚約者の気持ちを聞くうちに変わる自分がいたのだった。

公爵令嬢の辿る道

ヤマナ
恋愛
公爵令嬢エリーナ・ラナ・ユースクリフは、迎えた5度目の生に絶望した。 家族にも、付き合いのあるお友達にも、慕っていた使用人にも、思い人にも、誰からも愛されなかったエリーナは罪を犯して投獄されて凍死した。 それから生を繰り返して、その度に自業自得で凄惨な末路を迎え続けたエリーナは、やがて自分を取り巻いていたもの全てからの愛を諦めた。 これは、愛されず、しかし愛を求めて果てた少女の、その先の話。 ※暇な時にちょこちょこ書いている程度なので、内容はともかく出来についてはご了承ください。 追記  六十五話以降、タイトルの頭に『※』が付いているお話は、流血表現やグロ表現がございますので、閲覧の際はお気を付けください。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です