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きらきら
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しおりを挟む「……それって、どういう」
本村さんは茫然としていた。
「………。勝手なこと言ってるって、わかってます」
そもそも"こういう関係"を求めたのは俺だ。
それに俺たちは別に、つきあってるわけじゃないし。
「けど言ったじゃないすか、待っててって」
そんなこと言われたら、やっぱり期待するし。
それでますます好きになって、ちょっとした事で一喜一憂して。
……バカみてぇ、まじで
「……俺、本村さんといると駄目になる」
周りが見えなくなって、自分を見失って、取り返しがつかないようなミスまでして。
そしてそれをこんなふうに人の所為にしてしまう自分の弱さが、情けなくて仕方がない。
「ガキみてぇな嫉妬するし、そんなん気にしてもしょうがないってわかってんのに…」
それでも早く近づきたいって、ちゃんと理解できるようになりたいって。
だけどそう思えば思う程うまくいかなくて、追いつくどころかどんどん遠ざかってしまう。
……だったらもう、いっそのこと
「……田上くん、」
その声に、びくりと肩が震えた。
「田上くんが本当にそう思ってるなら…俺にはどうする事も出来ないけど」
でもね、と本村さんは言った。
「田上くんは、俺を救ってくれたんだよ」
……え、
思わず顔をあげると、俺の前に座る本村さんは寂しげな笑顔を浮かべていた。
「俺はね、なんかもう色んな事を諦めてたんだ。夢とか人生とか、そういうの」
そう話す彼は、ここではないどこか遠くを眺めるような眼をしていた。
「自分がした事に後悔はないよ。だけどやっぱり思う事はあるんだ。他に、何か方法があったんじゃないかって…そしたらもっと違う結果になったんじゃないかって」
「………」
「だけどね、田上くんを見てたら…俺も前を向こうって思えたんだ」
だってきらきらしてたから、と言って本村さんは笑った。
「……きらきら?」
「うん、きらきら。だから俺も、そうなりたいなって」
本村さんの手がそっと、包帯が巻かれた俺の手に触れる。
「……他人から見れば、ろくでもない人生なのかもしれない。でも俺は、君に会えた」
「田上くん、俺は君が好きだよ」
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