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〜2020/06/15まで執筆分

22話//指名依頼

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「Bですか?一体なぜ?」

僕らは唖然としていた。個人のランクが呼び出しをくらって全員Aに上がったというのは承知していたが、パーティーランクも上がっているとは思ってもいなかったのだ。

「??何を驚いているのだ?諸君はいつパーティーを結成したのかも覚えていないのか?」

「あ」

「もしかしてユィートおまえ…」

「忘れてたっすね。久しぶりに見ると面白いっすね、天然属性ポンコツ性能を発揮したユィート」

驚いたことに驚くハムさんと堪えるように時々吹き出しながら笑うマスカル。若干恥ずかしい。

「すいません、忘れてました。確かに登録と同時にでしたもんね」

「そうだ。登録後にあれだけ持ち込んだのだ。おかしい事などないであろう?本来はAにもしようかと思っていたんだが、依頼をこなしていないのにそれは如何なのものかと声があがってな。私からの依頼を達成したら昇格とすることになった」

Bであったことにも驚いたがまさか指名依頼をこなしたらさらに昇格とは。今日だけでどれほど驚けば済むのだろうか。

「それでその依頼ってのは何なんだ?」

ナハムが何事もないかのように聞き返している。
この人の精神は鉄でできているのか??図太すぎるだろ…。でもこういう時1人でもこういう人がいるのはありがたい。

「依頼は初心者の森にある遺跡の調査だ」

なにかの討伐依頼がくると思っていたので頭にはてなマークが浮かんでいるマスカルとナハム。2人は置いといて話を進めるしかないな。

「そ、それで、その遺跡はどの辺りにあるか分かっているんですか?」

「道なりに進んで行くと発見したと聞いている。なんでもオークが数体いたらしい。」

「聞き伝なんですね」

「うむ…。だからこそ調査を依頼したい。報酬も金貨20枚は出そう。諸君には少ない額かもしれないが」

「いえ、そんなことは。依頼については受けようと思います。いいですよね?」

不明瞭な点は多いがランクが上がると言われてやらない理由はない。2人は問に対して頷き了承をしてくれた。

「というわけです。依頼、お受けします」

「ありがたい。では頼んだぞ。期日は設けていないが早い方が好ましい」

「わかりました」

ギルマスからの指名依頼を受けてすぐギルドをあとにする。準備はせずともスマホ便利な魔道具とアイテムボックスがある。困ることはない。
ただしばらく帰らないことを宿には伝えた方がいいだろうと思う。

「ゴーシュ、悪いんだけど猫のマタタビ亭に行ってしばらく帰らない旨を伝えてきてくれる?」

「かしこまりました主様」

「お願い。あとで門出たところで集合で」

そう言うとゴーシュは言伝を伝えに向かった。

「ゴーシュが行ってる間俺らは何するっすか?」

「パーティーの拠点となる土地と管理できそうな人を探す依頼を出しに商業ギルドに行こうかと」

「なるほどな。後々どうせクランにするから。だろ?」

全員の中でクランにすることは確定事項だ。そこに異論を唱えるものはなかった。だからそれの拠点となる建物も持つつもりなのだ。

商業ギルドは冒険者ギルドから遠くない位置にある。気づいたら既に到着していた。中に入り受付に向かう。

「いらっしゃいませ。依頼ですか?それとも登録ですか?」

「依頼をしにきました」

「かしこまりました。依頼はあちらの6番の個室で伺います」

そう言うと受付嬢は先導をし部屋へと案内してくれた。ホテルみたいと思ったのは言うまでもない。
部屋に入ると知的な印象を受ける男性が居た。
部屋の中にはテーブルを挟み長イスが2台ある。

「依頼の内容とお名前をお伺いいたします」

座るなり事務的に話が始まった。

「ユィートです。今度クランを設立する予定なので広めの土地と管理できる人の手配をお願いしたいです」

「かしこまりました。土地の広さはどれくらいとお決めですか?」

「今は冒険者だけですが将来的には商売もしたいのでかなり欲しいですね」

「左様ですか。やろうと思っている商売はなんでしょうか?」

「武具屋、料理屋などですね。訓練場所や寝泊まりする場所、倉庫も欲しいので」

「なるほど。ではそれらが建設可能な場所をいくつか見繕いましょう。人に関してはどのような技能を持つ人が何人望まれますか?」

「読み書きと計算ができる人ですね。できれば1人でこなせる人がいいですが…難しいようなら2人で妥協します」

「かしこまりました。次回お越しいただいた際進捗についてお話しましょう。その時は私、ビルをお呼びください」

「はい、お願いします」

商業ギルドでの依頼は意外と早く終わった。指名依頼が終わり次第来るとしよう。

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