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〜2020/06/15まで執筆分

45話//お店の開店準備

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いつの間にか朝になっていた。しかも自分の部屋で寝ている。ヤケ酒で飲んでたのは覚えてるけどそのあとの記憶がない。

「んぁぁあ…。あ、おはようございます」

広間に行くと既にほかの全員が起きていた。

「おはようございます、ユィートさん」

「おはやくねぇ。もう昼だ」

「ユィートおそようっす!」

「もうそんな時間ですか…。お昼食べたら作戦会議しましょう」

お昼を食べ終え、片付けながらの会議を開催する。

「そろそろお店開こうと思うんですが、ひとまずは食事処のみにしようと思うんです」

「その方がいいだろな」

「なんでです?「っすか?」」

「ハムさん説明しといてください。僕鍛冶場に篭って武器とか量産出来るようにレシピ作りしておくんで」

「しゃあないな。行ってこい」

ユィートがその場を立ち去り鍛冶をしに向かったので、ナハムがこの場を引き継ぎ、説明をしていく。

「まず、この間の招集で貴族にならないかの打診を受けただろ?まぁあの感じから行くと恐らく爵位が与えられるのは時間の問題だろう。って事は何が起きるか」

「領地貰える感じっすね」

「じゃあこっちでお店やってけない…ですか?」

「その通り。だったらどうすればいいと思う?」

「俺わかったんで街ぶらぶらしてくるっす」

そう言ってマスカルは逃げ出した。まぁあながち嘘を言ってないだろうし、今回は見逃す。

「さ、ミカわかるか?」

「…分からない、です」

「正直すぎるのもあれだが、まぁ結論から言うと貸し出しだ」

「貸し出し?お店をですか?」

「そうだ」

いわゆる貸店舗だ。これにしてしまえば定額の収入が見込めるし、居ないから営業できないこともない。やりたい人にやりたい事をさせてあげられる。

「なるほど…。そうなったら管理できる人間がまた数人必要ですね」

「その通りだ。というわけで、このメンバーで営業するのは食事処だけ。あとは他の奴らにやらせようってことだ」

「話し終わったっすかぁ?」
「とりあえず終わりましたけど、どんなかんじですか?」

「…はぁ。調子のいいヤツらめ」

「にしし♪」

「終わってるっぽいですね。ハムさんと同じ見解だと思うので人集め班と営業班にわけます」

そうして分けたのがユィートとナハムの人集め班と、マスカル・ミカの営業班。スキルで料理を持つマスカルと看板娘ミカだ。あとは人集めは客集めじゃない。このクランで一緒に働ける人材集めだ。なら年長者とクラン代表でやった方がいいだろうという判断もある。

「では明日から行動開始で。もともとの営業開始予定日も明日ですし」
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