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〜2020/06/15まで執筆分
56話//快適な?会談
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足早に屋敷に戻ってきた2人は部屋を整える。パッと部屋に清掃をかけただけだが。そんなこんなしていると外が騒がしくなってきたので覗いてみると立派な馬車が止まっていた。ほら、夢の国の映画の夜の12時まではお姫様ってやつの馬車あるじゃん?アレが真っ白で埋め尽くしたような馬車。
そこまで歩くと執事風の男性が降りてくる。
「ユィート様でいらっしゃいますね?セラ・ザギート様とフィリップ・アルフォンソ・タークエム王殿下を案内して参りました」
「はい…えっ!?王様もですか?」
「こんな道端で話すのもなんだし屋敷にこのまま案内したらどうだ?」
「そうですね。コチラにお願いします」
そう言って案内をする。建物キツキツで作らず空間を設けておいて良かったと内心ホッとしてる…けど、なんでフィリップも来たんだ?
「いやぁすまんなぁ。グラハムにレストランテの経営者が貴殿らと聞いたものだからセラの馬車に忍ばせてもらったのだ。是非とも食したいと思っていたのだ」
「あなたがユィート様ですね。お噂はかねがね。先日は愚父が失礼しました。セラ・ザギートと申します。以後よろしくお願いします。…(フィリップ様はあぁ申してますが決して忍べてなかったのですよ。グラハム様に許可を取るのに若干手こずりました)」
なかなか気の利くできた息子らしい。国で禁止していることをしでかす一家の何処で育ったらこうなるのだろうか。
「お初にお目にかかります。ユィートです。クラン:エターナルの代表を務めています。ひとまずウチの食事処の看板料理を用意させますね。一旦席を外させてもらいます」
そう言って部屋を出て魔道具を取りだし、マスカルに電話をかける。
『はい、マスカルっす』
「あ、マスカルさん、ユィートです。今屋敷にフィリップさんと政担当文官のセラさんが来ているんです。それで牛丼と親子丼、豚丼、カレーを各1で用意して持ってきて欲しいんですけど」
『料金どうするっすか?』
「僕に帳場といてください」
そう言って用意をしてもらった。
「お待たせしました。まもなくマスカルが運んできますので。それよりフィリップさん仕事はいいんですか?」
「なに、問題ない。グラハムが上手いことやってくれるだろう。それにセラが伝えてくれてあるのだろう?」
「気づかれてましたか」
やはり王というのはどこか凡人よりも優れた洞察眼の持ち主らしい。そんな眼を持っているならサボるなんてことせずに言ってくれれば城まで作りに行ったのに。
「食べたら早めに戻ってグラハムさんに謝って働いてくださいよ?」
「こころえた♪」
「(ユィート様、王様をそんな呼び方をしていいのですか!?)」
「なに、我がそう呼ぶように言ったのだ。構うまい」
「お待たせしましたぁ」
そこにマスカルが入ってきた。トレーに乗せて運んでくるかと思ったがどうやらアイテムボックスに閉まってきたらしい。
「ユィートに頼まれて作ってきたッスよ~。どれにするっすか?」
「我はこの卵と肉のを貰おう」
「親子丼ッスね」
「なら私はこの茶色いのを」
「はーい、カレーっスね」
「じゃああとは御者さんと執事さんにあげてきてください」
「了解っす」
そのままマスカルは外へと向かった。このまま渡し終えたら営業に戻るのだろう。
「食べ終わったらセラさんは会談をしましょう」
口にたくさん頬張ったままコクコク頷く。そんなに美味しいか。まぁ気持ちはわからなくないが、こう見てると保育園の子供みたいだなぁ。
××++××++××++××++××++××++××++××
「っはぁ~。美味だった。今度は忍ばずに訪れるとしよう」
「お待ちしてます」
フィリップは豪華なあの馬車に乗り一足先に帰城した。
「とっても美味しかったです!また食べたいですね」
「まぁあのくらいならウチの食事は常なので毎日食べれると言っても過言ではないですよ」
「それは本当ですか!?」
「本当です、本当です…。今日はそんな話じゃないですよね?」
「そうでした。まずは執務の話を済ませましょう」
「いま必要なのは3つ。ザギート元伯爵が治めていた領地の情勢、特産品、領地の屋敷の状況です」
「1つずつ説明しましょう」
ザギート伯の治めていた地、シャンポーニュと言うらしい。シャンパン作って売ればブランド化出来そうな名前だ。領民はおよそ5000人。徴税はしているが、国の定めたより高い税を徴収していたらしい。中には払えず路頭に迷う者もいたらしいから悪政と言えるだろう。そこはセラに上手くやってもらおう。特産品は木工製品。凝った模様を施すこの地方の木工製品は高値で取引されているらしい。
「領地に関してはこんな感じですね。お屋敷の使用人たちは暇を与えました。給金を払える状態ではありませんでしたからね。拝任するにあたり新しく雇う必要がありますが」
「そこは大丈夫ですよ。もとギルド職員だったりと伝手はあるので。屋敷には発表の一週前には行こうと思ってるので準備をお願いします。方々に挨拶回りも必要でしょうし」
「かしこまりました。ではあと六日後ですね。コチラに伺えばいいですか?」
「そうですね。そうしてください」
そこまで歩くと執事風の男性が降りてくる。
「ユィート様でいらっしゃいますね?セラ・ザギート様とフィリップ・アルフォンソ・タークエム王殿下を案内して参りました」
「はい…えっ!?王様もですか?」
「こんな道端で話すのもなんだし屋敷にこのまま案内したらどうだ?」
「そうですね。コチラにお願いします」
そう言って案内をする。建物キツキツで作らず空間を設けておいて良かったと内心ホッとしてる…けど、なんでフィリップも来たんだ?
「いやぁすまんなぁ。グラハムにレストランテの経営者が貴殿らと聞いたものだからセラの馬車に忍ばせてもらったのだ。是非とも食したいと思っていたのだ」
「あなたがユィート様ですね。お噂はかねがね。先日は愚父が失礼しました。セラ・ザギートと申します。以後よろしくお願いします。…(フィリップ様はあぁ申してますが決して忍べてなかったのですよ。グラハム様に許可を取るのに若干手こずりました)」
なかなか気の利くできた息子らしい。国で禁止していることをしでかす一家の何処で育ったらこうなるのだろうか。
「お初にお目にかかります。ユィートです。クラン:エターナルの代表を務めています。ひとまずウチの食事処の看板料理を用意させますね。一旦席を外させてもらいます」
そう言って部屋を出て魔道具を取りだし、マスカルに電話をかける。
『はい、マスカルっす』
「あ、マスカルさん、ユィートです。今屋敷にフィリップさんと政担当文官のセラさんが来ているんです。それで牛丼と親子丼、豚丼、カレーを各1で用意して持ってきて欲しいんですけど」
『料金どうするっすか?』
「僕に帳場といてください」
そう言って用意をしてもらった。
「お待たせしました。まもなくマスカルが運んできますので。それよりフィリップさん仕事はいいんですか?」
「なに、問題ない。グラハムが上手いことやってくれるだろう。それにセラが伝えてくれてあるのだろう?」
「気づかれてましたか」
やはり王というのはどこか凡人よりも優れた洞察眼の持ち主らしい。そんな眼を持っているならサボるなんてことせずに言ってくれれば城まで作りに行ったのに。
「食べたら早めに戻ってグラハムさんに謝って働いてくださいよ?」
「こころえた♪」
「(ユィート様、王様をそんな呼び方をしていいのですか!?)」
「なに、我がそう呼ぶように言ったのだ。構うまい」
「お待たせしましたぁ」
そこにマスカルが入ってきた。トレーに乗せて運んでくるかと思ったがどうやらアイテムボックスに閉まってきたらしい。
「ユィートに頼まれて作ってきたッスよ~。どれにするっすか?」
「我はこの卵と肉のを貰おう」
「親子丼ッスね」
「なら私はこの茶色いのを」
「はーい、カレーっスね」
「じゃああとは御者さんと執事さんにあげてきてください」
「了解っす」
そのままマスカルは外へと向かった。このまま渡し終えたら営業に戻るのだろう。
「食べ終わったらセラさんは会談をしましょう」
口にたくさん頬張ったままコクコク頷く。そんなに美味しいか。まぁ気持ちはわからなくないが、こう見てると保育園の子供みたいだなぁ。
××++××++××++××++××++××++××++××
「っはぁ~。美味だった。今度は忍ばずに訪れるとしよう」
「お待ちしてます」
フィリップは豪華なあの馬車に乗り一足先に帰城した。
「とっても美味しかったです!また食べたいですね」
「まぁあのくらいならウチの食事は常なので毎日食べれると言っても過言ではないですよ」
「それは本当ですか!?」
「本当です、本当です…。今日はそんな話じゃないですよね?」
「そうでした。まずは執務の話を済ませましょう」
「いま必要なのは3つ。ザギート元伯爵が治めていた領地の情勢、特産品、領地の屋敷の状況です」
「1つずつ説明しましょう」
ザギート伯の治めていた地、シャンポーニュと言うらしい。シャンパン作って売ればブランド化出来そうな名前だ。領民はおよそ5000人。徴税はしているが、国の定めたより高い税を徴収していたらしい。中には払えず路頭に迷う者もいたらしいから悪政と言えるだろう。そこはセラに上手くやってもらおう。特産品は木工製品。凝った模様を施すこの地方の木工製品は高値で取引されているらしい。
「領地に関してはこんな感じですね。お屋敷の使用人たちは暇を与えました。給金を払える状態ではありませんでしたからね。拝任するにあたり新しく雇う必要がありますが」
「そこは大丈夫ですよ。もとギルド職員だったりと伝手はあるので。屋敷には発表の一週前には行こうと思ってるので準備をお願いします。方々に挨拶回りも必要でしょうし」
「かしこまりました。ではあと六日後ですね。コチラに伺えばいいですか?」
「そうですね。そうしてください」
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