豊かな恵み~気まぐれ屋~

覗見ユニシア

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第3種 気まぐれな紫水晶(アメジスト)5

 石造りの建物内を歩く複数の足音が、壁に反射してこだまする。
 ダンジョンに潜ってから、どれぐらいの時間が立つだろうか?
 栄養剤で持ちこたえているが、身体の疲労は隠しきれない。
 冒険者達の足取りは重く、口数も少なくなってきた。
「……そろそろ引き上げないか?
 十分アイテムは回収出来ただろう?」
 私は背負ったバックを指差した。
 必要な素材は手に入った。
 正直これ以上の長居はごめんだ。
 しかし、私に決定権はない。
 何故ならば……。
「雇われの分際で、俺達に指図するんじゃねーよ!」
「あんたは黙って後ろから着いてきて、支援をしていればいいんだよ!」
 剣士であるギルドリーダーの反論に合わせて、他のメンバーからも野次が飛ぶ。
「そうだ。もうすぐ三十層のボス部屋なんだ。ここまで来て引き下がれるか!」
 格闘家の男に睨み付けられて、私は口を閉じた。
 そう、 魔法使いの女性が提案したのは私が雇うのではなく、私を雇う事だったのだ。
 話はダンジョンに入る前まで、さかのぼる。
「申し訳ありませんわ」
 魔法使いの女が謝罪してきた。
 魔法使いの女は先程の剣士よりは話が通じそうだ。
「お詫びに、提案があるのですが」
「なんだ?」
「まずは、ギルドリーダーが破損した商品を弁償しますわ」
 壊した物を弁償するのは人としての礼儀だろう。
 その提案自体には全く問題ないのだか、頭の悪そうな剣士がギルドリーダーだった事が驚きだ。
 さぞや支えるのは大変だろう。
 無駄に同情していると、魔法使いの女は次の提案をした。
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