豊かな恵み~気まぐれ屋~

覗見ユニシア

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第4種 村長の息子7

 ネズミモンスターのラッターだ。
 ラッターは草陰から顔だけ出してこちらをじーと見つめている。
 チユエも負けじとじーと見つめると、ラッターが草陰から姿を現した。
 手に木の実を抱え、器用に二本脚で立っている。
いままで何度もこのダンジョンに潜ったが一度もラッターが二足歩行をしているのを見たことがなかったカナメは思わず茫然としてしまった。
ラッターはよちよちと不慣れな歩き方でチユエに近寄った。
立ち止まると小首を傾げる。
「か、かわいい~~~~~」
 チユエはハートマークが出そうな歓声をあげる。
 ほほを緩めるチユエに安心?したのか、ラッターは木の実を差し出す。
「木の実くれるの?」
 まるでチユエに答えるかのように頷くラッター。
「ありがとう~」
 チユエがしゃがみこんで木の実を受け取ると、ラッターは一瞬だけこっちを振り返ってすぐに草むらへと戻って行ってしまった。
「首を傾げたラッター可愛かったな~」
 チユエはラッターからもらった木の実を大事そうにかかえた。
「……うそだろ?」
 ラッターとチユエの様子を見守っていたカナメはようやく思考停止から脱出できた。
 モンスターがみずから歩み寄り、アイテムを渡す。
 そんな異常事態をはじめて目撃した。
「カナメどうしたの?」
 この異常性を全く認識出来ていないチユエは不思議そうにカナメの顔を覗き込む。
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