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第二章:バチャタン奪還戦
よーし、暴れるぞ!
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「マシウス新王、約束が違うぞ。名乗り出れば命は助ける約束だったろう」
俺がそう言うと、ひゃひゃひゃ・・・とマシウスは仮にも王らしからぬ、下品な笑い声を上げた。
「約束だと?それはローメンが勝手に約束したものだ。儂は知らんな。王国の犬を生かしておくこのマシウスではないわ」
「ふーん。。やはり、そんなことだろうと思っていた。仕方ない、こうなれば俺たちはもう手も足も出ない。冥途の土産に少し質問させてもらっていいかな?」
「なに?質問だと、生意気な犬め」
「お前は何者だ?どこから来た?この国に蔓延る変異種のモンスターたちを操る黒幕はお前か?」
マシウスはドラゴンの背の王座から立ち上がると両手を広げ、芝居がかったような声で喋り始めた。
「そのとおり儂が変異種モンスターを造った。我は冥界より黄泉がえりし王である。王国を破壊し、さらには世界を破壊する者なり。そしてこの地上に新しい秩序をもたらす者なり」
「いや、違うな」
俺はきっぱりと否定してやった。
「なんだと?」
「お前を見てよく分かった。お前はそんな大物じゃない。お前はお飾りの王だろう?本当の黒幕は誰だ?お前のボスの名を言え」
マシウスは王座に座りなおした。
「ふざけるな。そんな手も足も出ない状態で、このマシウス新王に生意気な・・・」
・・・ああ、そうだった。俺たちは縛られていたんだ。
俺はレイナの方を向いて言った。
「なあレイナ、もうそろそろいいだろう」
「あら、お気づきでしたか」
レイナはにっこり微笑んだ。こういう顔はかわいいんだがな。
「ローメン将軍様、私たちの縄を解いて持ち物を返してくださいませ」
レイナがそう言うと、ローメンは右手を挙げて兵士に命じた。
「この者たちの縄を解き、持ち物を返せ」
兵士が剣で俺たちの縄を斬りほどき、それぞれの武器や道具を丁重に手渡してくれた。
ミエルとライカは訳が分からずきょとんとしている。
「ロ、ローメン、何をするか?」
もちろんマシウス新王も驚いている。
モンスターたちも動揺しているようだ。
「マシウス新王陛下、王ともあろう者が誇り高き戦士との約束を反故にするとは、このローメンいささか承服いたしかねますな。どうしても処刑するというのであれば、新王陛下自らの手で刑を下されますよう。全隊下がれ」
「下がれ!」「下がれ!」各隊の隊長もローメン将軍の命令を隊に伝える。
すべての兵士たちが、広場中央より周辺に引き下がった。
俺は両腕をぐるぐる回してウォーミングアップした。
「よーし、暴れるぞ!!」
「マーカス、キメラは僕にやらせてくれ。ミンミンさんの仇をとらせてもらう」
言うが早いか、ミエルはキメラのパーティーに斬りこんだ。
5体の変異種キメラは群がるようにミエルに飛び掛かるが、ミエルは素早く剣で薙ぎ払う。
ミエルの剣から閃光がほとばしり、キメラの群れは一瞬で消滅した。
レベルの上がったミエルの雷(いかづち)の剣の威力は絶大だ。
「市民の皆さんに怪我させるわけにはいきませんわね。結界を張りますわよ」
レイナがなにやら呪文を唱えると、広場の中央は巨大なガラスのドームのようなもので覆われた。
これで思う存分暴れることが出来そうだ。
「私はあそこの豚さんたちを、焼き豚にして差し上げますわ」
サディスティックな笑みを浮かべたレイナの両手から炎が噴きあがり、その炎は大蛇のようにうねりながらキングオークのパーティーを襲う。
勇猛で知られたキングオークの一団だが、あっという間に5つの豚の丸焼きになってしまった。
「ほんとうにもうっ!」
ライカも熱線銃(ヒートブラスター)で参戦する。
俺のパーティーは皆、恐ろしく強いな。これは俺も負けてはいられない。
俺がそう言うと、ひゃひゃひゃ・・・とマシウスは仮にも王らしからぬ、下品な笑い声を上げた。
「約束だと?それはローメンが勝手に約束したものだ。儂は知らんな。王国の犬を生かしておくこのマシウスではないわ」
「ふーん。。やはり、そんなことだろうと思っていた。仕方ない、こうなれば俺たちはもう手も足も出ない。冥途の土産に少し質問させてもらっていいかな?」
「なに?質問だと、生意気な犬め」
「お前は何者だ?どこから来た?この国に蔓延る変異種のモンスターたちを操る黒幕はお前か?」
マシウスはドラゴンの背の王座から立ち上がると両手を広げ、芝居がかったような声で喋り始めた。
「そのとおり儂が変異種モンスターを造った。我は冥界より黄泉がえりし王である。王国を破壊し、さらには世界を破壊する者なり。そしてこの地上に新しい秩序をもたらす者なり」
「いや、違うな」
俺はきっぱりと否定してやった。
「なんだと?」
「お前を見てよく分かった。お前はそんな大物じゃない。お前はお飾りの王だろう?本当の黒幕は誰だ?お前のボスの名を言え」
マシウスは王座に座りなおした。
「ふざけるな。そんな手も足も出ない状態で、このマシウス新王に生意気な・・・」
・・・ああ、そうだった。俺たちは縛られていたんだ。
俺はレイナの方を向いて言った。
「なあレイナ、もうそろそろいいだろう」
「あら、お気づきでしたか」
レイナはにっこり微笑んだ。こういう顔はかわいいんだがな。
「ローメン将軍様、私たちの縄を解いて持ち物を返してくださいませ」
レイナがそう言うと、ローメンは右手を挙げて兵士に命じた。
「この者たちの縄を解き、持ち物を返せ」
兵士が剣で俺たちの縄を斬りほどき、それぞれの武器や道具を丁重に手渡してくれた。
ミエルとライカは訳が分からずきょとんとしている。
「ロ、ローメン、何をするか?」
もちろんマシウス新王も驚いている。
モンスターたちも動揺しているようだ。
「マシウス新王陛下、王ともあろう者が誇り高き戦士との約束を反故にするとは、このローメンいささか承服いたしかねますな。どうしても処刑するというのであれば、新王陛下自らの手で刑を下されますよう。全隊下がれ」
「下がれ!」「下がれ!」各隊の隊長もローメン将軍の命令を隊に伝える。
すべての兵士たちが、広場中央より周辺に引き下がった。
俺は両腕をぐるぐる回してウォーミングアップした。
「よーし、暴れるぞ!!」
「マーカス、キメラは僕にやらせてくれ。ミンミンさんの仇をとらせてもらう」
言うが早いか、ミエルはキメラのパーティーに斬りこんだ。
5体の変異種キメラは群がるようにミエルに飛び掛かるが、ミエルは素早く剣で薙ぎ払う。
ミエルの剣から閃光がほとばしり、キメラの群れは一瞬で消滅した。
レベルの上がったミエルの雷(いかづち)の剣の威力は絶大だ。
「市民の皆さんに怪我させるわけにはいきませんわね。結界を張りますわよ」
レイナがなにやら呪文を唱えると、広場の中央は巨大なガラスのドームのようなもので覆われた。
これで思う存分暴れることが出来そうだ。
「私はあそこの豚さんたちを、焼き豚にして差し上げますわ」
サディスティックな笑みを浮かべたレイナの両手から炎が噴きあがり、その炎は大蛇のようにうねりながらキングオークのパーティーを襲う。
勇猛で知られたキングオークの一団だが、あっという間に5つの豚の丸焼きになってしまった。
「ほんとうにもうっ!」
ライカも熱線銃(ヒートブラスター)で参戦する。
俺のパーティーは皆、恐ろしく強いな。これは俺も負けてはいられない。
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