空手バックパッカー・リターンズ

冨井春義

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チェンマイ(タイ)

チェンマイ到着

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 早朝にチェンマイに到着。

 駅を出ると無数のトゥクトゥクやホテル、ゲストハウスの客引きが居ます。

「ふむふむ。で、プールは?ジムもあって・・・値段は?ほお!」

 チェンマイはバンコクに比べるとホテルの物価が安い。

 初日ぐらいは、ゲストハウスではなくホテルに泊まってやろうということで、適当な客引きのクルマに乗り込みます。

 ホテルは安ホテルとは言え、まずまずの設備が整っています。
 宿泊料金はバンコクなら、ちょっと高い目のゲストハウスくらい。
 部屋も広く、エアコン、テレビ、冷蔵庫、バスタブもあります。

  「うわー、いい部屋ですねえ」

「本当だな。こういう部屋に泊まれるのはチェンマイならではだ」

「もっと田舎に行くとどうなんですか?」

「宿代はもっと安くなるけど、その分設備は期待できなくなるよ」

「じゃあ、こういう部屋に泊まれるのも、今のうちですね」

 荷物を降ろしたら、早速一風呂あびます。バスタブにゆっくりと身体を浸すのはひさしぶりだ。。
 私の後にタカも風呂にはいって、しばらくはベッドに横になって旅の疲れを癒します。

 そうこうしているうちにもう、昼飯時です。

「チェンマイ名物のカオソイでも食いに行くか」

「え、何ですか?それ」

「うん。平たく言うとカレーラーメンだな」

「へえ!なんか旨そうですね。行きましょう」 

 タカと私はホテルを出て、近くの大衆食堂へ。

「おばちゃん!カオソイ・ガイふたつ」

 バンコクと違って食堂のおばちゃんは愛想がいいです。

「はいはい。おやー、あんたらどこから来なさった」

「日本からです。おばちゃん」

「へえ・・しかしあんた、タイ語が上手だね。観光かい?」

「ええ、そうです。タイ語は少ししか出来ません。前にバンコクで仕事をしていたんですよ」

「ああ、そうかい。どうりで。チェンマイはバンコクと違って美しい街だよ。チェンマイの女もみんなきれいだからねえ」

「ええ、おばちゃんのようにみんな美人ですね!」

「ま!あんた。もう、おばちゃんをからかうでないよ!」 

 おばちゃん、マジ照れてます。。

 チェンマイの名物料理カオソイが運ばれてきます。

 ここでちょっと説明すると、カオソイという料理はどんぶりにゆでたビーフンみたいな麵を入れて、ココナッツミルクたっぷりのカレースープをかけたものです。
 その上には油で揚げた中華麺も乗ります。これに焼いた鶏肉がトッピングされたものが「カオソイ・ガイ」。
 どんぶりとは別に更に盛った薬味が出されます。この薬味は、刻んだタマネギとマナーオ(ライムに似た柑橘類。タイ人はこれがレモンであると信じている)それに、九州の高菜に見た目も味もそっくりな漬物が付きます。
 この薬味は基本的に全入れ。そしてテーブルに有るグラニュー糖を入れるのがタイでラーメン類を食べるときの基本です。好みに応じて、酢と唐辛子も入れる。

「ウマー。。。これ旨いっすよ!師匠」

「いけるだろー。またこの鶏肉がさ、歯ごたえ有って味が濃いんだよ。日本やバンコクの鶏肉とは一味違うだろ」

「本当に・・・スリランカも鶏は旨かったけど、ここのが上ですね。日本のあれは一体何なんだろう」

「これで20バーツだからなあ。。。いいところだろ?」

「いいところですねえ。。」 

 食堂でカオソイをすすりながら、あたりを眺めます。

 喧騒のバンコクと比べると、都市とはいえはるかに緑も多く、のんびりしています。行きかう人々の顔も何か柔和な感じがします。ビルマなどにも共通する、東南アジア特有ののんびり感。

 私はこれが大好きなのです。 

 ・・・平和だ。いい旅になりそうだ・・・ 

 実際ここからの北タイ旅行は実に楽しく良い旅でした。
 今でもタカとはよく、このときの旅行の思い出話に花を咲かせます。

 が、しかし・・・そこはトミー、タカ師弟コンビの旅ですから、そうそう平和ばかりが続くわけではありませんでした。。。 
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