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イケメンに恋した半径1.5メートル女子

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私の趣味はカフェでまったりをすること。

今日も美味しいコーヒーを飲みに来ているのだが

最近、私の心に変化が…


「いらっしゃいませ。

今日は何を注文されますか?」


「コーヒー」


私は素っ気なくいう。


「コーヒーですね。

もう少々お待ちください。」


店員は笑顔で言うと、カウンターに戻って行った。


少し素っ気なさすぎたかな?

と自分の言動に後悔する。


実を言うと、私はこの店員さんに恋をしている。


笑顔が素敵で、素っ気ない私に嫌な顔せず、対応してくれる。


好きでたまらないのだが、私にはすごい欠点が…


あの店員が私の半径1.5メートル以内に近づくと、何故か笑顔が曇り、素っ気なくなってしまうのです。


ほかの人には明るく対応できるのに…


ハーっと息を吐くと、私の背後からイケメン店員の気配が!


1.7、1.6、1.5…


あぁ

また半径1.5メートルに入って来る。


「お待たせいたしました。

ご注文は以上でよろしいでしょうか。」


「ども」


また素っ気ない!

下向いたまま!

どうしたら、いいの?


自分に問いかけてみる。


1.3、1.4、1.5、1.6…


1.5メートルより外に出た!

ここは踏ん張り所!

頑張れ私!

と気合いを入れます。


「私、コーヒー好きです。」


大きな声で店員に言う。


すると、店員は近づてきた。


1.7、1.6、1.5…


「嬉しいです。ありがとうございます。」


「………。」


ってなんで1.5メートル以内だと素っ気なくなるんだろう…


1.3、1.4、1.5…


1.6メートルの辺りの椅子に座る店員。


「コーヒーとても美味しかったです!

ここのコーヒー好きなんですよね。

このコロンビア スプレモが特に好きです。」

いつの間にか、喋るのが止まらなくなり、笑顔になっていたのだ。


1.5メートル離れるとこんなに違うのか…


「実はこのコーヒー僕も好きで…」

といいながら 少しずつ近づく。


1.6、1.5…


「近づくな。」


大きな声で言ってしまった。


店員は渋々少し離れる。


店員はいま1.6メートルくらいにいるのだろう。


落ち着くことができた私は

「ごめんなさい。

私1.5メートル以内にあなたがいると

素っ気なくなってしまうの

決してあなたが嫌いではないの」


と必死に言う私。


変な人だと思われただろう。


時間は18時閉店の時間だ。


すると

「へぇ

そういうことだったのか」


ニヤッと笑う店員。


「いやー

君のラブラブ光線すごいよね。

でも、近づくと素っ気ないし、なんだこの子って思ってたけど、そーゆーことね。」


またニヤッと笑い、私の方ヘ2歩進む。


「近づくなって言ってる」

また始まった。


すると、2歩店員が下がる


「ごめんなさい。

本当はそんなことおもってないんですよ。」


「1.5メートルの女か」


と言うとまた2歩入ってくる。


「やめろ」


「ほんとすごい変わりようだよね。」


なんかいつもの店員と違うようなと思っていると、


「まぁ、俺も変わらないけど」

「え?」

「俺は閉店18時の男なんだよね。」

「???」

「だーかーらー。」


店員の顔が近づき、チョンっとキスをする


「!?!る??!?!?!??」

混乱する私


「閉店18時過ぎると、性格が変わるんだよね。」


「れる!る??、ら、!??」


「かわいいな。

素っ気ないのも、いいけど、こういう子をいじめるのもいいんだよね。」


「!?!?」


「今日からあんた…いや名前なんて言うの?」


「唐木湊」


「湊。これから俺の女になれよ。」


「!?!る??!?!?!??」


「湊は俺が好き。俺は湊が好き。

それでいいだろ?」


なんて強引なの…

そして、自分の気持ちがバレていることに顔が火照り出す。


「返事は?」


「はい!」


つい勢いで言ってしまった。


「これから俺…夏山蒼さましか見るんじゃねーぞ。」


ニコニコというかニヤニヤとした笑顔でもう一度キスをしたのでした。


「!?!???!?!?」


これから私は大丈夫なのだろうか…

不安な交際が始まるのでした。

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