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普通の友達?②
しおりを挟むそしてそれから数日。
漸く委員会の忙しさから解放され、オレはうきうきしながら学校へと向かった。
(今日からは思う存分森ちゃんに構えるぞー!)
今まではバイトまでの時間すら委員会に取られてしまい、その暇もなかった。
なので朝っぱらからオレのテンションはマックス。
(うへへへへ、楽しみだなあ、久しぶりに森ちゃんぎゅーってしてあの髪の毛に顔埋めて胸いっぱいに良い匂い吸い込んで、そんで恥ずかしがる森ちゃんの頬にちゅーしちゃったりしてうへへへへへ!)
にまにまとしまりのない笑みを浮かべながら校門をくぐる。
するとすぐそこに会いたくて会いたくて仕方がなかった森の後ろ姿を見つけた。
「森ちゃーん!」
「!」
名前を呼びすぐに走り出す。
呼ばれた声に反応して、びくりと震えた森がゆっくりと振り返った。
「おはよー!」
「……高塚……」
振り向いた森ちゃんは相変わらずの可愛さ。
(あああ久しぶりの森ちゃんだ本物の森ちゃんだ妄想じゃない森ちゃんだ!触りたい触りたいはあはあはあはあ……!)
思わず荒くなる息。
手をわきわきとさせ、今すぐ森に飛びつこうと思ったけれど、何やら森の様子がおかしい事に気付いた。
それは嫌そうな顔でも、照れてる顔でもない。
(……怯えてる?)
まさにそんな表現がぴったりな表情に、首を傾げる。
どうしたんだろ、こんな顔するなんて。
初めて見る森の表情に戸惑っていると。
「あー、高塚くーん!」
「……っ」
「あ……」
例の、委員会が一緒の女子の声がした。
なんだよこんな時に、と一瞬イラっとしたが、反射的に振り向こうとしたその時。
「……」
「……え?」
くい、と引き止められる感覚。
その方を見ると、森がオレの袖を掴んでいた。
「っ、あ……!」
「……森ちゃん?どうしたの?」
ちゃっかり手を握り返すのは忘れない。
森の手は柔らかくてオレより少しだけ小さいところがまた可愛いです、はい。
それはそうと、まさか何かあったんじゃないかと、森の顔を覗き込む。
すると……
「……っ」
森の目がじわりと滲んだ。
「っ、え?」
(う、うわー!うわー!涙目!可愛い!なんだこれ!襲う!!……ってそうじゃなくて!)
思わず涙が滲んでしまう程嫌な事でもあったのだろうかと焦ってしまう。
どうしたの?
何かあったの?
何でも聞くよ?
「わ、悪い……っ、オレ、先に行く……!」
「え?え?!森ちゃん……!」
そう告げる前に、理由を聞く前に、森はダッシュで走り去ってしまった。
あの怯えた表情も。
袖を掴む手も。
涙の滲んだ目も。
何もかもが、以前の森ではありえなかった反応だ。
(森ちゃん……)
ここで別れてはいけない。
本能でそう感じ、すぐに森の後ろ姿を追いかけた。
終わり
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