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10.解決
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「……このアホが!!!」
義人の怒声が、部屋の空気を震わせた。
「名前使っていいとは言ったけどな、修羅場に巻き込んでいいとは言ってねぇぞ。」
そう言いながら、義人はため息をついて椅子にドカッと腰を下ろした。
テーブルを挟んで、俺と友樹も向かい合うように座る。
狭い部屋の中、気まずい沈黙が張りつめていた。
俺たちは一通り、これまでの経緯を義人に話した。
友樹は、義人を睨みつけている。
「で――寝取り男。改めて言うが、殴っていいか?」
友樹が立ち上がり、拳を握った。
義人が眉をひそめる。
「待て。俺は寝取り男じゃない。……響、夢の話をしろ。」
「え?」
俺が戸惑うと、義人はまっすぐ俺を見る。
「全部、話せ。」
「ああ……そうする。」
俺はあの日から見ていた夢のことを、全て話した。
別れを告げられる夢。
そして、その夢が現実と混ざりそうになっていたことも。
話し終えた時、友樹はゆっくりと床に膝をつき、顔を伏せた。
「……なんだよ、それ……夢って……」
声が震えていた。
「わ、悪いって! 本当にそっくりだったんだ。お前が“別れてください”って言わなかったこと以外は、全部一緒で……!」
あの夢はあまりにもリアルで、俺には“現実”にしか思えなかったんだ。
「……じゃあ……別れるつもりないってことで、いいんですよね?」
友樹のかすれた声が、静まり返った部屋に落ちる。
その瞳の奥には、泣き出しそうなほどの不安が滲んでいた。
俺は一瞬、息を詰めた。
「……うん。」
ただ頷いた。
だって、友樹が別れたいだろうから、言っただけだから、もしそうじゃないなら、別れる理由がない。
次の瞬間――
「……っ!!」
強い力で抱きしめられた。
友樹の体温が、痛いほど近い。
「よかった……本当によかった……!」
肩に顔を埋めて、泣き笑いの声を上げる友樹。
俺はただ、ぎこちなくその背中を抱き返すしかなかった。
義人がため息をつきながら立ち上がる。
「おいおい、俺がいるぞ。勘違いが解けたなら、俺は帰るわ」
そして、ドアに向かいかけて、ふと振り返った。
「あ、そうだ。言い忘れてた。」
「……?」
「俺は響に恋愛感情はねぇ。でもな――」
少しだけ真顔になる。
「生まれたときからの親友だ。泣かせたら、奪う。」
笑って言い残す。……いや、それ、宣戦布告だろ!
あとどっちかっていうと、泣かせたのは俺!
「……望むところだ。絶対、幸せにする。」
友樹はまっすぐ義人を睨み返した。
「……あはは……」
俺は乾いた笑いをこぼすしかなかった。
どうしてこうなった。
「もう二度と家来んなよ」
ドアを開けながら友樹が言う。
「嫌だね。友達の家なんだから、時々遊びに来るさ」
義人はニヤリと笑った。
「……ふ、2人とも、仲良くしろよ……」
俺の情けない声を背に、義人は軽く手を振って出ていった。
ドアが閉まると、静けさが戻る。
義人の怒声が、部屋の空気を震わせた。
「名前使っていいとは言ったけどな、修羅場に巻き込んでいいとは言ってねぇぞ。」
そう言いながら、義人はため息をついて椅子にドカッと腰を下ろした。
テーブルを挟んで、俺と友樹も向かい合うように座る。
狭い部屋の中、気まずい沈黙が張りつめていた。
俺たちは一通り、これまでの経緯を義人に話した。
友樹は、義人を睨みつけている。
「で――寝取り男。改めて言うが、殴っていいか?」
友樹が立ち上がり、拳を握った。
義人が眉をひそめる。
「待て。俺は寝取り男じゃない。……響、夢の話をしろ。」
「え?」
俺が戸惑うと、義人はまっすぐ俺を見る。
「全部、話せ。」
「ああ……そうする。」
俺はあの日から見ていた夢のことを、全て話した。
別れを告げられる夢。
そして、その夢が現実と混ざりそうになっていたことも。
話し終えた時、友樹はゆっくりと床に膝をつき、顔を伏せた。
「……なんだよ、それ……夢って……」
声が震えていた。
「わ、悪いって! 本当にそっくりだったんだ。お前が“別れてください”って言わなかったこと以外は、全部一緒で……!」
あの夢はあまりにもリアルで、俺には“現実”にしか思えなかったんだ。
「……じゃあ……別れるつもりないってことで、いいんですよね?」
友樹のかすれた声が、静まり返った部屋に落ちる。
その瞳の奥には、泣き出しそうなほどの不安が滲んでいた。
俺は一瞬、息を詰めた。
「……うん。」
ただ頷いた。
だって、友樹が別れたいだろうから、言っただけだから、もしそうじゃないなら、別れる理由がない。
次の瞬間――
「……っ!!」
強い力で抱きしめられた。
友樹の体温が、痛いほど近い。
「よかった……本当によかった……!」
肩に顔を埋めて、泣き笑いの声を上げる友樹。
俺はただ、ぎこちなくその背中を抱き返すしかなかった。
義人がため息をつきながら立ち上がる。
「おいおい、俺がいるぞ。勘違いが解けたなら、俺は帰るわ」
そして、ドアに向かいかけて、ふと振り返った。
「あ、そうだ。言い忘れてた。」
「……?」
「俺は響に恋愛感情はねぇ。でもな――」
少しだけ真顔になる。
「生まれたときからの親友だ。泣かせたら、奪う。」
笑って言い残す。……いや、それ、宣戦布告だろ!
あとどっちかっていうと、泣かせたのは俺!
「……望むところだ。絶対、幸せにする。」
友樹はまっすぐ義人を睨み返した。
「……あはは……」
俺は乾いた笑いをこぼすしかなかった。
どうしてこうなった。
「もう二度と家来んなよ」
ドアを開けながら友樹が言う。
「嫌だね。友達の家なんだから、時々遊びに来るさ」
義人はニヤリと笑った。
「……ふ、2人とも、仲良くしろよ……」
俺の情けない声を背に、義人は軽く手を振って出ていった。
ドアが閉まると、静けさが戻る。
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