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Ⅲ ハンター、俺。
037: 完全試合
しおりを挟む目標は80、100本ノックとかじゃないがなかなかの数字だ。身長大の岩を飛ばす。怪力があってもさすがにテニスのサーブとはわけが違う。的が動いてるし?距離感バラバラだし?
20くらいはまあまあいけた。40でキツいなぁと思った。だが60を超えた辺りで俺の息が上がってきた。懸念していたスタミナ切れである。
ラケットより俺の方が先にへばった。ラケットの心配をしてる場合じゃなかった。「ルキアス」は体鍛えてなかったからなぁ。レベルとスタミナは比例しない?今後はスタミナアップも継続課題か!
まさかこんなスポ根な展開になるとか。汗だくで膝に手をついて息を切らせる俺をポメが気遣ってくれた。
『陛下、少し休まれては』
「いや、ゴーレムまだいるし」
「頑張るのじゃルキ!もうちょっとじゃ。これを飲め!元気になるぞ!」
魔女っ子がにこにこと何か差し出してきた。
差し入れ?気が利くじゃないか、と俺が思ったのは一瞬だった。
タオルと共に差し出されたコップ入り緑色のドロドロジュースにぎょっとする。マネージャーならここは爽やかハチミツレモンジュースとかじゃね?この魔女っ子、これをどこから出したんだ?
るぅの背後のスケさん達がカクカクと首を振って頷いている。効果があるということなのだろう。味わいたくなくて一気飲みしたら苦いながらも意外にフルーティな味。確かに元気になったような気がした。ウマい!もう一杯!と言いたくなってしまった。
『頑張って!あと24体よ!』
超絶美少女の女神様に現実を突きつけられて俺の心がちょっと折れたのは内緒である。
ダメだ!負けんな俺!根性見せろ!
諦めたらそこで試合終了だろ?
せめてと女神様にここぞとばかりのおねだりモードだ。
「ううぅッ 頑張るんで終わったらたくさんなでなでしてください~」
『わかったから!なでなででもなんでもしてあげるから!』
「なんでも?ホントですか?じゃあ添い寝なでなでがいいです!」
『‥‥‥‥は?何それ?』
「ベッドに鏡を横に置いて寝転がった俺の隣に立てかけて。女神様も横になったところで俺をなでなで。添い寝ですからこう、できるだけくっついてですね。ぐぅぅッ 最高です!絶ッ対これがいい!」
『‥‥‥‥やっぱり私がやるわ。体貸しなさいよ』
「わぁぁッ すみません!ごめんなさい!許してください!それだけは!!」
レベル5128の女神様降臨!あの拷問だけはごめんだ。せっかくここまで頑張ったのに!あともうちょっとだ!頑張れ俺!いけるぞ俺!
俺の疲れが吹き飛んだ、無理矢理感満載だが。
女神様の愛のムチ、女神様ってば鬼だ。
女神様の激も入り、俺はなんとか総数87体のゴーレムの完全撃破に成功した。しかもフォルトなし。完全試合だ。中学の頃だってこんなに頑張ってないのに。でもまあ街をなんとか守ことができた。
サッカーじゃなくテニスやっててヨカッタ‥‥
『やった!全部壊れたわ!』
「すごいすごい!ルキはすごいのじゃ!」
手に汗握って観戦していた可愛い魔女っ子が俺に抱きついてきた。女神様と魔女っ子の歓喜の声に笑顔で応えようとして。ドロドロに疲れた俺は意識消失、魔女っ子ごとその場に倒れて寝落ちした。ふわりと受け止めてくれたのはスケイチだったと思う。大きくて真っ白だったから。骨なのに意外に柔らかいのが謎だ。
そして落ちる意識の中で俺がせめてと切実に願ったこと。
俺、頑張った‥‥
これでレベル‥‥ちょっとでも上がってるといいなぁ
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