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物語の始まり
第14話 本当の力の使い道
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ポコポコと少しの痛みを感じ目を開けると俺の目に映り込んできたのは小夜の頭。
どうやら痛みの原因は小夜のようだ。何故叩いているのかはわからないがどうしたのだろう。
「何叩いてんだ?」
俺の声にピクッと反応してジト目で俺の方を見てきた小夜は顔が赤くなっており熱でもあるようだった。
「綾人は自分が余に対して何をしているのか分かった上でその疑問をぶつけておるのか?だとしたらバカと言わざるを得ないな。」
最後に訴えかけるように言葉を放った小夜の言葉には言い表せない重みがあり、『自分が何をしているのか』そう解釈できる事を言われた俺は自分のことを客観的に見てみることにした。
寝転んでいて起き上がっていないだけで体制には何の問題もない。
上半身も下半身もしっかり衣類は着用している。
寝込みを襲ったわけでもないようだ。なら一体なんなのだろう。
普通と違うのは小夜を抱き枕のように抱いているだけなのに…
(ん?抱き枕みたいに抱いてる?——————抱いてる!?)
そのおかしなことに気づいた俺はお腹をギュッとしていた手をさっとを小夜の腰から離し光の速さで後ろに下がる。
一瞬のうちに顔を茹でだこのように真っ赤にした俺は口をパクパクと小魚のように動かして思考を放棄する。
俺のホールドから抜け出した小夜は顔を赤に染めたまま立ち上がり布団をスマホのアイテムボックスの中に収納する。
「…………」
小夜は何も言わず無言のままだ。ただ口元が微かにムズムズと動いている気がする。
これはヤバイ。
何がやばいって?全部だ。
もし、六花たちにこのことが伝わればロリコン認定され社会的に消されるに違いない。そうじゃなくても女性陣から軽蔑の目で見られる可能性は大だ。
最悪の可能性は、追放される羽目になるかもしれないと言う点。
こんなところにまできてリアルチート使いの柚月たちに見捨てられたら生きていける気がしない。
あの学生集団の仲間となると言う道もあるがそっちの道に迷い込んだらそれこそ完全に人生をドブに捨てるようなもの。
と、これから起こりうる可能性を考えていた時だった。
ビビビビビビビビビ!!とすぐ近くからスマホのアラームらしきものが鳴り始めゆっくりと盛り上がってくる布団がそこにはあった。
「ふぁああ~。」
「りっ…かーー?あさだよーおーきーてー。」
少し間を置いてから普段の柚月からは考えられないゆるっとふわっとした言葉を繋ぎながら六花の体を揺さぶる。
「ん?ゆちゅき?」
六花もお目覚めのようだ。
俺はその光景を見届けたあと直ぐに小夜へと視線を戻す。
小夜もこちらを見ていて真っ直ぐ俺の目を見ていた。やがて小夜がこちらに歩み寄ってきて俺のそばまでくると小夜は顔を耳元に寄せ小声で囁くようにこう言った。
「余はあのことを責めはせんが……そんな簡単にJCを抱き枕にしてはいかんぞ?お主わかってなかっただろうが『クロニクルワールド』を初めレベルも上がって筋力上がっておるのだ。お主よりもレベルが低いプラス余が女であることを忘れてはならぬぞ~。もし六花たちにやっておったら死刑になっておったかもな。」
耳元にかかる小夜の息にくすぐったさを覚え身を震わせた俺を見た小夜は最後に少しクスッと笑って何事もなく六花たちの元へと走っていった。
その後朝食となったが、さよとはさっきのことで、六花はパンツをガン見した件で目を見て話すことができなくなっていた。
唯一顔を合わせ目を見て話せるのは柚月となった俺だが、なんだか負けた気がして悔しい。
そんな俺たちの朝食だがメニューは、500mlの水残り200ml程度とイワシの缶詰だ。
水はこれを飲めば残り一本。缶詰は所詮缶詰完全に空腹は無くならないし最近は魚類の缶詰ばかりで飽きてきたところだ。
だから気持ちの切り替えも兼ねてもう一度柚月に頼むことにした。『ログアウト券』と使用許可を。
「ねえ、島崎。」
だが、その提案をする前に六花が俺に声をかけてきた。六花から声をかけてくることは少なく俺自身とても驚いている。
「はいなんでしょう。」
思わず敬語になってしまうが元々学校では女子と喋ることは少なく喋っていても趣味とかの話でもなく事務的な会話ばかりだったのでここに来て緊張してしまった。
「昨日からあんた変なんだけど。私と目を見て話さなくなったし、今日は小夜とも目を合わそうとしない。何かあったの?」
「は、はあ?そ、そんなことねーし。何見当違いなこと言ってんの?」
自分でもわかるぐらい震えた声で反論する。
六花は黙ってじっとこちらを見てきているのだろうとても強い視線を感じる。
「何があったの?言わないと追放するよ。」
「いいますから!それはやめて!!死んじゃうから。一人じゃ死んじゃうから!」
チラッと小夜の方を見たら小夜は口を押さえて笑いを堪えていた。
(このやろう。今度見返してやるからな!!)
「で、なんでなの?」
「それはですね~」
それから昨日六花の黒のパンツを見てしまったこと、小夜には、パンツを見たそして朝には抱き枕状態にしていたことその全てを包み隠さず話した。
もしここで隠してるのがばれたりでもしたら本当に一人だけ放り出されるかもしれないからだ。
六花は俺の話を聞いていくとだんだん顔を赤くしていき自分の話となるとついに梅干しと同じぐらいの赤さになりスカートを握りしめシワを作っていた。
柚月の方を見ると指をポキポキと鳴らし今にも俺を殺しそうな気配を垂れ流していて正直生きている気がしなかった。
「話は以上。」
「島崎さん覚悟はできましたか?」
「できてないから!死にたくないから!」
俺は涙を流しながら必死に柚月に頼み込む。
そんな俺を助けるべく小夜は口を開き救済の言葉、いや、それは今思えば小夜自身が地獄へ行くための合言葉だったのかもしれない。
「柚月知っておるか?20未満の女子が暴力を振るうと胸がデカくなると言う噂を…そのまま怒りに任せて綾人を殴っておったらただでさえでかい胸がさらにデカくなる可能性があるのだぞ?」
その言葉を聞いた柚月は目から光を消し小夜の方を見た。
(というかあれ絶対嘘だろ。俺を庇ってくれたのは嬉しいがあれじゃヘイトを自分に!!と言ってるようなものだぞ)
「もう一度言ってください。よく聞こえませんでした。」
指をポキポキと鳴らし俺から小夜の方へ進路を変更した柚月は右の拳から光を放ち始めた。
これには流石に顔が赤くなったまま下を向いていた六花も気配を感じ取ったのか顔を上げ柚月の拳に目線が釘付けになる。
もちろん俺も小夜もだ。
光を放ち始めたその拳はスマホに常備されているライトと同等程度の光へなっていき眩しすぎて直視できない。
コツコツと靴の音だけが耳に入り目で周りの状況を把握できない俺はただ耳に届くその微かな情報を必死に拾うしかなかった。
次第に靴の音は小さくなり次の瞬間パチンと音が鳴りその音はその直後もう一度なった。
「痛いぞ!止めるのだ。」
小夜の言葉が地下駐車場に響きわたり俺がわけわからなくなっていると、
光は俺の目の前から消え元通りの地下駐車場に戻っていた。はずだったのだが、小夜がいたその場所ではお尻ぺんぺんが行われているようであった。
ようだった。何故ようだったのかと言うと、柚月のあの光だが小夜のお尻を包むように未だ光っているのだ。
光は弱々しいものお尻を見事包み込み何が起きているのかはわからなくなっていた。
多分前にお尻を叩いた時には俺に見られていたそのせいで今回のことが起きたからその対処でもあると思う。
「あっ!い、痛いぞ!あっ。あっ、」
そう言って小夜は大げさに体をのけぞらせ見ているこちらが何かやらしいものを見ているような気がしてくる。
俺と六花は顔を見合わせて逃げるように地下駐車場を出たのであった。
どうやら痛みの原因は小夜のようだ。何故叩いているのかはわからないがどうしたのだろう。
「何叩いてんだ?」
俺の声にピクッと反応してジト目で俺の方を見てきた小夜は顔が赤くなっており熱でもあるようだった。
「綾人は自分が余に対して何をしているのか分かった上でその疑問をぶつけておるのか?だとしたらバカと言わざるを得ないな。」
最後に訴えかけるように言葉を放った小夜の言葉には言い表せない重みがあり、『自分が何をしているのか』そう解釈できる事を言われた俺は自分のことを客観的に見てみることにした。
寝転んでいて起き上がっていないだけで体制には何の問題もない。
上半身も下半身もしっかり衣類は着用している。
寝込みを襲ったわけでもないようだ。なら一体なんなのだろう。
普通と違うのは小夜を抱き枕のように抱いているだけなのに…
(ん?抱き枕みたいに抱いてる?——————抱いてる!?)
そのおかしなことに気づいた俺はお腹をギュッとしていた手をさっとを小夜の腰から離し光の速さで後ろに下がる。
一瞬のうちに顔を茹でだこのように真っ赤にした俺は口をパクパクと小魚のように動かして思考を放棄する。
俺のホールドから抜け出した小夜は顔を赤に染めたまま立ち上がり布団をスマホのアイテムボックスの中に収納する。
「…………」
小夜は何も言わず無言のままだ。ただ口元が微かにムズムズと動いている気がする。
これはヤバイ。
何がやばいって?全部だ。
もし、六花たちにこのことが伝わればロリコン認定され社会的に消されるに違いない。そうじゃなくても女性陣から軽蔑の目で見られる可能性は大だ。
最悪の可能性は、追放される羽目になるかもしれないと言う点。
こんなところにまできてリアルチート使いの柚月たちに見捨てられたら生きていける気がしない。
あの学生集団の仲間となると言う道もあるがそっちの道に迷い込んだらそれこそ完全に人生をドブに捨てるようなもの。
と、これから起こりうる可能性を考えていた時だった。
ビビビビビビビビビ!!とすぐ近くからスマホのアラームらしきものが鳴り始めゆっくりと盛り上がってくる布団がそこにはあった。
「ふぁああ~。」
「りっ…かーー?あさだよーおーきーてー。」
少し間を置いてから普段の柚月からは考えられないゆるっとふわっとした言葉を繋ぎながら六花の体を揺さぶる。
「ん?ゆちゅき?」
六花もお目覚めのようだ。
俺はその光景を見届けたあと直ぐに小夜へと視線を戻す。
小夜もこちらを見ていて真っ直ぐ俺の目を見ていた。やがて小夜がこちらに歩み寄ってきて俺のそばまでくると小夜は顔を耳元に寄せ小声で囁くようにこう言った。
「余はあのことを責めはせんが……そんな簡単にJCを抱き枕にしてはいかんぞ?お主わかってなかっただろうが『クロニクルワールド』を初めレベルも上がって筋力上がっておるのだ。お主よりもレベルが低いプラス余が女であることを忘れてはならぬぞ~。もし六花たちにやっておったら死刑になっておったかもな。」
耳元にかかる小夜の息にくすぐったさを覚え身を震わせた俺を見た小夜は最後に少しクスッと笑って何事もなく六花たちの元へと走っていった。
その後朝食となったが、さよとはさっきのことで、六花はパンツをガン見した件で目を見て話すことができなくなっていた。
唯一顔を合わせ目を見て話せるのは柚月となった俺だが、なんだか負けた気がして悔しい。
そんな俺たちの朝食だがメニューは、500mlの水残り200ml程度とイワシの缶詰だ。
水はこれを飲めば残り一本。缶詰は所詮缶詰完全に空腹は無くならないし最近は魚類の缶詰ばかりで飽きてきたところだ。
だから気持ちの切り替えも兼ねてもう一度柚月に頼むことにした。『ログアウト券』と使用許可を。
「ねえ、島崎。」
だが、その提案をする前に六花が俺に声をかけてきた。六花から声をかけてくることは少なく俺自身とても驚いている。
「はいなんでしょう。」
思わず敬語になってしまうが元々学校では女子と喋ることは少なく喋っていても趣味とかの話でもなく事務的な会話ばかりだったのでここに来て緊張してしまった。
「昨日からあんた変なんだけど。私と目を見て話さなくなったし、今日は小夜とも目を合わそうとしない。何かあったの?」
「は、はあ?そ、そんなことねーし。何見当違いなこと言ってんの?」
自分でもわかるぐらい震えた声で反論する。
六花は黙ってじっとこちらを見てきているのだろうとても強い視線を感じる。
「何があったの?言わないと追放するよ。」
「いいますから!それはやめて!!死んじゃうから。一人じゃ死んじゃうから!」
チラッと小夜の方を見たら小夜は口を押さえて笑いを堪えていた。
(このやろう。今度見返してやるからな!!)
「で、なんでなの?」
「それはですね~」
それから昨日六花の黒のパンツを見てしまったこと、小夜には、パンツを見たそして朝には抱き枕状態にしていたことその全てを包み隠さず話した。
もしここで隠してるのがばれたりでもしたら本当に一人だけ放り出されるかもしれないからだ。
六花は俺の話を聞いていくとだんだん顔を赤くしていき自分の話となるとついに梅干しと同じぐらいの赤さになりスカートを握りしめシワを作っていた。
柚月の方を見ると指をポキポキと鳴らし今にも俺を殺しそうな気配を垂れ流していて正直生きている気がしなかった。
「話は以上。」
「島崎さん覚悟はできましたか?」
「できてないから!死にたくないから!」
俺は涙を流しながら必死に柚月に頼み込む。
そんな俺を助けるべく小夜は口を開き救済の言葉、いや、それは今思えば小夜自身が地獄へ行くための合言葉だったのかもしれない。
「柚月知っておるか?20未満の女子が暴力を振るうと胸がデカくなると言う噂を…そのまま怒りに任せて綾人を殴っておったらただでさえでかい胸がさらにデカくなる可能性があるのだぞ?」
その言葉を聞いた柚月は目から光を消し小夜の方を見た。
(というかあれ絶対嘘だろ。俺を庇ってくれたのは嬉しいがあれじゃヘイトを自分に!!と言ってるようなものだぞ)
「もう一度言ってください。よく聞こえませんでした。」
指をポキポキと鳴らし俺から小夜の方へ進路を変更した柚月は右の拳から光を放ち始めた。
これには流石に顔が赤くなったまま下を向いていた六花も気配を感じ取ったのか顔を上げ柚月の拳に目線が釘付けになる。
もちろん俺も小夜もだ。
光を放ち始めたその拳はスマホに常備されているライトと同等程度の光へなっていき眩しすぎて直視できない。
コツコツと靴の音だけが耳に入り目で周りの状況を把握できない俺はただ耳に届くその微かな情報を必死に拾うしかなかった。
次第に靴の音は小さくなり次の瞬間パチンと音が鳴りその音はその直後もう一度なった。
「痛いぞ!止めるのだ。」
小夜の言葉が地下駐車場に響きわたり俺がわけわからなくなっていると、
光は俺の目の前から消え元通りの地下駐車場に戻っていた。はずだったのだが、小夜がいたその場所ではお尻ぺんぺんが行われているようであった。
ようだった。何故ようだったのかと言うと、柚月のあの光だが小夜のお尻を包むように未だ光っているのだ。
光は弱々しいものお尻を見事包み込み何が起きているのかはわからなくなっていた。
多分前にお尻を叩いた時には俺に見られていたそのせいで今回のことが起きたからその対処でもあると思う。
「あっ!い、痛いぞ!あっ。あっ、」
そう言って小夜は大げさに体をのけぞらせ見ているこちらが何かやらしいものを見ているような気がしてくる。
俺と六花は顔を見合わせて逃げるように地下駐車場を出たのであった。
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