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27.ロイド視点
「君が笑っていられる世界が作りたくて僕は皇帝になった。その目の色だけで君が不幸になって欲しくない。
セシリア。どうか僕の隣で笑っていて欲しい」
セシリアは真っ赤になっていた。
「あ、うっ。わたしは・・・」
「君の笑った顔が見たい」
「でも、わたしは・・・平民で、礼儀作法もしらないし、ロイの隣に立つ資格なんて・・・」
「大丈夫だよ。身分については、もう話はついてるよ」
「へぇ?」
そう、ついている。
彼らも君を逃すつもりはないんだ。
「リンサス老が旅行中にエリザ様の娘セシリアを見つけたことになっている」
セシリアが目を瞬かせる。
そうはなるのはわかっていた。話を続ける。
「現リンサス公爵の養女になる手続きがすでに完了している」
「手続きって、いつの間に?」
「グリフィアス国には密通者たちがいるんだ。彼らの協力のもと進められた。叔父上が一番うるさかったけど、今後を考えると君はリンセス公爵の養女になるのが、最善だと思ったんだ」
あの国を僕たちは許さない。
「筋書きはこうだ。
リンセス老が、帝国に旅行にきていた時に偶々、エリザ様も見つかり叔父上と再会。そこで、セシリアの事を聞き、探し当てたんだ。病気のエリザ様は君を父親に託し亡くなった。リンサス老は亡くなった娘の忘れ形見の君を養女にした、と言った感じになっている。
それにセシリアは礼儀作法を知らないとはいったけど、完璧にできてるよ」
これは思わぬ副産物、イザベラ嬢に感謝するしかない。
「セシリアはイザベラ嬢にマナーを教えて貰ったんだよね?」
彼女はコクリと頷いた。
「彼女は高貴族のマナーをセシリアに教えてたんだ」
最低限のマナーでいいはずが、イザベラ嬢は自分の学んだ事全てをセシリアに叩き込んだのだろう。僕が選び抜いた家庭教師たちも舌を巻いていた。学びの意欲もあるからと彼女らも面白がるように教え込んでいたし。
「それに家庭教師たちには皇妃教育もお願いしてたから・・・」
うん、今更のように事実を打ち明けるのは卑怯かな?でも、今だから言えるんだ。
「エリザ様も協力してくれたし」
「母さんも?」
セシリアの理解が追いついていない?
「勉強はつまらないものでも体験や面白いおかしく聞くと心に残るものでしょう」
うんとセシリアは頷く。
きっとエリザ様の話した、たくさんの言葉が頭をよぎっているに違いない。
「エリザ様の語った話は王太子妃教育に基づくものが多くあった。場所や文化は違えど根本的なところは同じ。セシリア、君は僕の隣に立つだけの資格を有していることになるんだ」
僕はセシリアの前でひざまづいた。
「卑怯な言い方をするけど、君が皇妃を望まないと言うのであれば、僕は皇帝の座を降りてもいいと思っている」
「えっ?」
「僕はずっと君を思ってきた。出会ったときから。それはこれからもだ。君のいない世界なんて嫌だ」
「ロイ・・・」
「君のためならどんな事でもできる」
滅ぼせと言うのなら、滅ぼすことも厭わない。
「ただ、そばでいてくれるだけでいい。お願いだ」
あの男と僕は変わらないかもしれない。
でも、一つだけ違うところはある。
それは、君のためなら身分も捨てることができる覚悟があることだ。
「セシリア。君を愛している」
セシリア。どうか僕の隣で笑っていて欲しい」
セシリアは真っ赤になっていた。
「あ、うっ。わたしは・・・」
「君の笑った顔が見たい」
「でも、わたしは・・・平民で、礼儀作法もしらないし、ロイの隣に立つ資格なんて・・・」
「大丈夫だよ。身分については、もう話はついてるよ」
「へぇ?」
そう、ついている。
彼らも君を逃すつもりはないんだ。
「リンサス老が旅行中にエリザ様の娘セシリアを見つけたことになっている」
セシリアが目を瞬かせる。
そうはなるのはわかっていた。話を続ける。
「現リンサス公爵の養女になる手続きがすでに完了している」
「手続きって、いつの間に?」
「グリフィアス国には密通者たちがいるんだ。彼らの協力のもと進められた。叔父上が一番うるさかったけど、今後を考えると君はリンセス公爵の養女になるのが、最善だと思ったんだ」
あの国を僕たちは許さない。
「筋書きはこうだ。
リンセス老が、帝国に旅行にきていた時に偶々、エリザ様も見つかり叔父上と再会。そこで、セシリアの事を聞き、探し当てたんだ。病気のエリザ様は君を父親に託し亡くなった。リンサス老は亡くなった娘の忘れ形見の君を養女にした、と言った感じになっている。
それにセシリアは礼儀作法を知らないとはいったけど、完璧にできてるよ」
これは思わぬ副産物、イザベラ嬢に感謝するしかない。
「セシリアはイザベラ嬢にマナーを教えて貰ったんだよね?」
彼女はコクリと頷いた。
「彼女は高貴族のマナーをセシリアに教えてたんだ」
最低限のマナーでいいはずが、イザベラ嬢は自分の学んだ事全てをセシリアに叩き込んだのだろう。僕が選び抜いた家庭教師たちも舌を巻いていた。学びの意欲もあるからと彼女らも面白がるように教え込んでいたし。
「それに家庭教師たちには皇妃教育もお願いしてたから・・・」
うん、今更のように事実を打ち明けるのは卑怯かな?でも、今だから言えるんだ。
「エリザ様も協力してくれたし」
「母さんも?」
セシリアの理解が追いついていない?
「勉強はつまらないものでも体験や面白いおかしく聞くと心に残るものでしょう」
うんとセシリアは頷く。
きっとエリザ様の話した、たくさんの言葉が頭をよぎっているに違いない。
「エリザ様の語った話は王太子妃教育に基づくものが多くあった。場所や文化は違えど根本的なところは同じ。セシリア、君は僕の隣に立つだけの資格を有していることになるんだ」
僕はセシリアの前でひざまづいた。
「卑怯な言い方をするけど、君が皇妃を望まないと言うのであれば、僕は皇帝の座を降りてもいいと思っている」
「えっ?」
「僕はずっと君を思ってきた。出会ったときから。それはこれからもだ。君のいない世界なんて嫌だ」
「ロイ・・・」
「君のためならどんな事でもできる」
滅ぼせと言うのなら、滅ぼすことも厭わない。
「ただ、そばでいてくれるだけでいい。お願いだ」
あの男と僕は変わらないかもしれない。
でも、一つだけ違うところはある。
それは、君のためなら身分も捨てることができる覚悟があることだ。
「セシリア。君を愛している」
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