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41.レイチェル視点
何を間違えたのかわからない。
何がいけなかったのか理解できない。
あたしはあたしの幸せのために考えてして来たというのに、それが間違いだと言われても困る。
他人の人生を狂わした?
あたしにそんな力があるわけないじゃない。
他人の失敗はその人がしたことであって、あたしの所為じゃない。
なぜそれがわからないのかしら?
あたしは『カウンセリング』というのを受けたが必要性がわからなかった。
その『カウンセリング』の先生は渋い顔をして眉間の皺をもみほぐしている。
ー可哀想。嫌なことでもあったのかな?
あたしが声を掛ければ、先生はより眉間に皺を寄せた。
拒否の反応がわかり辛かった。
あたしは柵がある部屋に閉じ込められた。
食事は出るが、どんなに訴えても薬はくれなかった。薬が欲しくなる時は波があるようで、あたしは薬がなくても平気な時と欲しくてたまらない時を幾度もくり返した。
あれから何日も経つ。
寂しくて何度も泣いた。苦しくていっぱい叫んだ。でも誰も助けてもくれなかった。
誰も来てくれなかった。
あたしはまたひとりぼっち。
「母さん・・・」
ふと口にでる。
ずっと思い出さなかった母親のことを思い出す。
ー元気かな・・・
なぜか、幼い頃を思い出していた。
ー会いたい・・・
どうしているのか、誰かに聞きたくても聞けなかった。
ーあんな薬を飲まなければ・・・母さんと暮らしてたかな?
自分の滑らかな手を見る。昔のようなカサカサのひび割れた手が恋しかった。
働いた証。頑張っていた証拠だった。
あたしはいつの間に頑張らなくなったんだろう・・・。
いっぱい考えようとしたけど、ダメだった。考えているとモヤのようなものがかかる。考えるのが面倒くさかった。
ーやめよう。考えても変わらない・・・
あたしは・・・、考えることから逃げた。
今、あたしは娼館でいた。
いつからいるのか記憶が定かではない。
気づけば、ここでいたし自分の過去も覚えていなかった。
でも、気にしていない。だって、あたしはここが好きだったからだ。
あたしの身体から香る匂いは男性にとって、好まれるものらしい。
みんな陽気になってあたしをちやほやしてくれた。そして自分のことや仕事のことなどたくさんの話をしてくれる。
それを聞くのがとても楽しかった。
あたしの仕事は男性と遊ぶこと。あと男性から聞いたこと全てを女将に話すことが仕事である。
「ご苦労さん。今日のおやつだよ」
女将はあたしの話を聞くとご褒美をくれる。
貴重な砂糖でできたお菓子をくれるのだ。
口に入れると、とろとろと溶けて甘さが広がる。
それが幸せでたまらなかった。
時たま口惜しく感じてイライラしてしまうあたしにとって、これは最大のご褒美なっている。
口の中の甘さを感じながら、窓から外を見る。トンビが風に乗って空高くで飛んでいた。
「館から出たいかい?」
女将が金勘定している手元から目も離さずに聞いてくる。
あたしは首を振った。
「ううん。このままでいい。外にはでたくないから・・・」
そうこのままでいいとあたしは思っている・・・。
◇◇◇◇◇
明日、最終話です。
何がいけなかったのか理解できない。
あたしはあたしの幸せのために考えてして来たというのに、それが間違いだと言われても困る。
他人の人生を狂わした?
あたしにそんな力があるわけないじゃない。
他人の失敗はその人がしたことであって、あたしの所為じゃない。
なぜそれがわからないのかしら?
あたしは『カウンセリング』というのを受けたが必要性がわからなかった。
その『カウンセリング』の先生は渋い顔をして眉間の皺をもみほぐしている。
ー可哀想。嫌なことでもあったのかな?
あたしが声を掛ければ、先生はより眉間に皺を寄せた。
拒否の反応がわかり辛かった。
あたしは柵がある部屋に閉じ込められた。
食事は出るが、どんなに訴えても薬はくれなかった。薬が欲しくなる時は波があるようで、あたしは薬がなくても平気な時と欲しくてたまらない時を幾度もくり返した。
あれから何日も経つ。
寂しくて何度も泣いた。苦しくていっぱい叫んだ。でも誰も助けてもくれなかった。
誰も来てくれなかった。
あたしはまたひとりぼっち。
「母さん・・・」
ふと口にでる。
ずっと思い出さなかった母親のことを思い出す。
ー元気かな・・・
なぜか、幼い頃を思い出していた。
ー会いたい・・・
どうしているのか、誰かに聞きたくても聞けなかった。
ーあんな薬を飲まなければ・・・母さんと暮らしてたかな?
自分の滑らかな手を見る。昔のようなカサカサのひび割れた手が恋しかった。
働いた証。頑張っていた証拠だった。
あたしはいつの間に頑張らなくなったんだろう・・・。
いっぱい考えようとしたけど、ダメだった。考えているとモヤのようなものがかかる。考えるのが面倒くさかった。
ーやめよう。考えても変わらない・・・
あたしは・・・、考えることから逃げた。
今、あたしは娼館でいた。
いつからいるのか記憶が定かではない。
気づけば、ここでいたし自分の過去も覚えていなかった。
でも、気にしていない。だって、あたしはここが好きだったからだ。
あたしの身体から香る匂いは男性にとって、好まれるものらしい。
みんな陽気になってあたしをちやほやしてくれた。そして自分のことや仕事のことなどたくさんの話をしてくれる。
それを聞くのがとても楽しかった。
あたしの仕事は男性と遊ぶこと。あと男性から聞いたこと全てを女将に話すことが仕事である。
「ご苦労さん。今日のおやつだよ」
女将はあたしの話を聞くとご褒美をくれる。
貴重な砂糖でできたお菓子をくれるのだ。
口に入れると、とろとろと溶けて甘さが広がる。
それが幸せでたまらなかった。
時たま口惜しく感じてイライラしてしまうあたしにとって、これは最大のご褒美なっている。
口の中の甘さを感じながら、窓から外を見る。トンビが風に乗って空高くで飛んでいた。
「館から出たいかい?」
女将が金勘定している手元から目も離さずに聞いてくる。
あたしは首を振った。
「ううん。このままでいい。外にはでたくないから・・・」
そうこのままでいいとあたしは思っている・・・。
◇◇◇◇◇
明日、最終話です。
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